清 水 5     88句

絶壁に眉つけて飲む清水かな    松根東洋城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
両の手にたまる清水を待つ至福 山咲和雄 末黒野 201511
中耕の鍬を休めて草清水 柴田洋吾 201511
厨房へ引きたる清水父の郷 久世孝雄 やぶれ傘 201512
とくとくと苔清水して西行忌 津川かほる 風土 201512
八方より崖清水して深大寺 津川かほる 風土 201512
限界の喉に清水を給はりぬ 田部井幸枝 201608
走井の清水先づ汲む旅ごころ 沼田巴字 京鹿子 201608
山清水雲母もろともに掬ひをり 成田美代 201609
石清水十指揃へで掬ひけり 内山照久 201609
歯にしみて心にしみて岩清水 高橋将夫 201609
庭清水井月さんと呼ぶ住持 山口ひろよ 201610
手水舎の真清水美し菊の紋 杉本薬王子 風土 201611
源流の岩間に生るる清水かな 濱谷和代 万象 201611
源流を訪ねて掬ふ清水かな 浜野桃華 万象 201612
清水汲む聖母の奇跡信じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
山清水湧きて大海への一歩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
旅疲れ癒やす清水に手をひたし 稲畑汀子 ホトトギス 201705
まつのをの御井の清水ましみず濃山吹 鈴鹿呂仁 京鹿子 201706
まつのをの御井の清水ましみず濃山吹 鈴鹿呂仁 京鹿子 201706
脈々と直哉旧居の岩清水 杉本光祥 201708
山清水葉の器もて賜りぬ 中田禎子 201708
両の掌を器としたり山清水 竹内悦子 201709
我も生き地球も生きし清水湧く 柴田靖子 201709
百年のいのち芳し岩清水 浜福惠 風土 201709
手に汲める清水やゆるる生命線 黒滝志麻子 末黒野 201709
山清水泥田にひかり注ぎけり 岡野里子 末黒野 201709
守り継ぐ棚田潤す山毛欅清水 山本無蓋 201709
山望む誕生の日の草清水 山崎靖子 201709
遠く来て神の清水を手に余す 山崎靖子 201709
石清水匂ひも色もなく淋し 高橋将夫 201710
手の平に掬ふ色なき清水かな 安斎久英 末黒野 201710
岩清水掬ふや遠嶺仰ぎつつ 安斎久英 末黒野 201711
清水へ三年坂や夕月夜 今村千年 末黒野 201711
清水湧く桂大樹の木暗がり 土井三乙 風土 201711
山清水静かに砂を弾きゐる 森山暁湖 万象 201712
苔清水きらめき森の美術館 加藤静江 末黒野 201712
清水汲むスイッチバックの一両車 土江比露 春燈 201712
飲むほどに体透きゆく岩清水 今井康子 201712
石清水宮いわしみず汲めば弾ける春の水 高野昌代 201805
上中下使ひ分けあふ霊清水 山田六甲 六花 201807
島宮の清水掬ぶや五体透け 長谷川閑乙 馬醉木 201807
水筒の重み増したる岩清水 上野進 春燈 201809
道祖神の道案内や草清水 赤座典子 あを 201808
岩清水十指に汲みて痺れけり 外山節子 末黒野 201810
岩清水ごくりと緑ひろごりぬ 戸栗末廣 201811
山清水酷使の錠を浸しけり 田辺博充 201901
街中に清水湧く音鳥渡る 中嶋陽子 風土 201901
山清水じわりと命惜しめとぞ 本多俊子 201906
清水しょうずに沈め売らるる葛の餅 池田光子 風土 201908
真清水を含み神代の武勇伝 中貞子 201908
清水汲む列に付きたる山路かな 菅野日出子 末黒野 201908
山清水もてなす昔乙女かな 延川笙子 六花 201908
千尋の谷へ流れて石清水 岡村彩里 雨月 201909
点すならば点滴よりも苔清水 仲里奈央 201909
朝影をきらりと弾く清水かな 大川暉美 末黒野 201910
光陰の暗きより湧く苔清水 岡澤田鶴 201910
隆隆たる杉の走り根苔清水 森清信子 末黒野 201911
百頭の神馬に余る山清水 木村あさ子 201911
噛んで飲む郷の名水岩清水 平野多聞 201911
峡谷には峡谷の空石清水 治部少輔 201912
清水せいすいのいよいよ透けり新豆腐 磯野青之里 六花 202001
てのひらはやさしき器清水汲む 岸洋子 202002
眼下いま三川霞める石清水 高野昌代 202005
清水湧くところわたしがまた一人 中原幸子 船団 202006
漢神生き返りたる清水かな 山田六甲 六花 202007
手を入れて目は醒ヶ井の清水かな 山田六甲 六花 202007
泉にはニンフ清水に白拍子 高橋将夫 202007
変はることなく音もなく清水かな 柴田靖子 202008
こんこんと清水湧くごと我に詩を 近藤喜子 202008
山清水われ一本の山毛欅となり 広渡敬雄 202009
水鏡崩して清水呑みにけり 渡辺やや 風土 202009
言の葉を忘じるほどの岩清水 山崎正子 202009
城跡へ喘ぐ坂道岩清水 佐俣まさを 春燈 202009
掬ぶ手に清水の光あふれけり 田所節子 202010
天皇のお手植の松苔清水 田口勝子 六花 202010
城下に真清水湧きて魚の影 岩下芳子 202011
九十九折清水に四肢の癒さるる 釜田敬司 202107
木漏れ日のまばゆき谷や岩清水 太田佳代子 春燈 202108
にぎやかに来て手を浸す山清水 三代川玲子 春燈 202108
一息に飲んで一息山清水 太田良一 末黒野 202109
参詣の柄杓に貰ふ清水かな 太田良一 末黒野 202109
母と二人素足を浸す山清水 渡辺しづ子 202109
空海の杖痕といふ清水汲む 岡本尚子 風土 202109
清水汲むさらりと濡れしそのままに 稲畑汀子 ホトトギス 202110
レッシェン峠分けてチロルの岩清水 竪山道助 風土 202110
ふるさとの清水に顔を突つこめり 浅田光代 風土 202110
リユックよりアルミのコップ岩清水 森田節子 風土 202110
樹樹覆ふお鷹の道の崖清水 津川かほる 風土 202110
一掬の清水冷たし小町塚 園部蕗郷 春燈 202110
五百年の古刹に掬ひ山清水 森竹治郎 末黒野 202111
清水→ 1      

 

2022年8月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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