清 水 1     96句

二人して片足づつの清水かな    夏目漱石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
草もつれあふこともなく草清水 鷹羽狩行 199809
寺清水いただく胸乳寄せにけり 城孝子 火星 199809
巡札に一服せよと山清水 鷹羽狩行 199810
山清水たつぷりと汲み花供ふ 竪岩百合子 199810
足るを知る心満して岩清水 北村照子 遠嶺 199811
西行にゆかりの清水胞子塚 松原フクエ ぐろっけ 199811
山清水双掌に森の香なりけり 萩原記代 199901
富士よりの清水と聞けば掬びけり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
一山の圧のかかりし巌清水 小原禎子 銀化 199907
篁に日の降りそそぐ清水かな 稲辺美津 遠嶺 199908
山清水引く曲屋の大筧 江木紀子 雨月 199908
山清水すくひて頭痺れけり 佐藤麻緒 火星 199909
遅ざくら清水を神と敬へる 杉山瑞恵 雨月 199909
清水濃く汲めりてのひら二枚ほど 吉田透思朗 海程 199909
真清水を汲み透きとおる頭蓋骨 吉田透思朗 海程 199909
眼に力戻りぬ深山清水飲み 菰田晶 199910
ひと口のこめかみへ抜け山清水 白木イネ子 199910
天幕より出て来し人も清水汲む 小竹由岐子 円虹 199910
岩清水飲むとき眉間打たれけり 河口仁志 199911
映るもの崩して汲めり草清水 迫谷富子 いろり 199911
曲水の明日へ急ぐ山清水 湯橋喜美 200001
清水川軽きものから急ぎ消ゆ 田淵昌子 京鹿子 200001
冬清水汲めば木立の明るめり 小澤克己 遠嶺 200002

 清水佳津子『茅花流し』序句

草々のささやきやまず草清水

鷹羽狩行 200004
山清水ルルドに聖歌絶え間なく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200007
山麓の強き光や清水汲む 小澤克己 遠嶺 200008
苔清水ふふみ吉野のみそぎとす 柏井幸子 円虹 200008
また一人清水へ下りて手を浸す 朝妻力 俳句通信 200008
真清水を含み千段登りきる 吉野のぶ子 八重櫻 200008
奥山に龍宮と呼ぶ岩清水 品川鈴子 ぐろっけ 200008
乙女らの紅唇尖る湧清水 池野美枝子 遠嶺 200009
小鳥らの水場となれり岩清水 木下玉葉子 酸漿 200009
ほとばしる高天原の山清水 金森教子 雨月 200009
関清水小町の肌にあやからん 河村泰子 ぐろっけ 200009
左手は岩抱き右手清水掬む 林翔 馬醉木 200010
石清水八幡の子の水眼鏡 夏秋明子 火星 200010
真清水に浸す十指のうすみどり 大森井栖女 馬醉木 200011
扇状地にあふるる清水眞澄の碑 佐々木ミツヱ 200011
山清水汲むすれすれに銀やんま 山城やえ 春耕 200012
溢るるを目もて押さへて岩清水 鷹羽狩行 200107
口辺を帽子で拭ひ岩清水 鷹羽狩行 200107
見つめゐて父情顕ちくる草清水 能村研三 200107
父はいま黄泉路峠の清水汲む 能村研三 200107
道標一つは天へ清水飲む 大曽根育代 遠嶺 200107
真清水の無色無臭をかみしめぬ 楯野正雄 200108
掬ふ手にみどり影さす山清水 岩崎きゑ子 馬酔木 200109
大杉を育みきたる清水汲む 岡田万壽美 俳句通信 200109
日の射して道なき道の岩清水 寺田善樹 風土 200110
藩校の跡の清水を掬みにけり 魚井満里子 百鳥 200110
岩清水山のエキスを絞り出づ 櫻井康敞 200110
病み臥す身に友が見舞ひの岩清水 佐々木春子 200110
弘法の「杖つき清水」吾も飲む 永野秀峰 ぐろっけ 200110
岩清水開け放たれし村の黙 関口幹雄 遠嶺 200111
大腸はらわたの汚れ落しぬ苔清水 横山ひろし 火星 200111
咽元に甘くころがる岩清水 松村美智子 あを 200111
霊水と誓真清水崇められ 名越夜潮 円虹 200111
庭清水からくり人形鼓打つ 大井邦子 ぐろっけ 200112
清水湧く地底に今も眠る森 能勢京子 船団 200202
食ひこぼす握飯白き清水かな 寺田寅彦 あを 200206
六甲の清水掬ひて又歩く 稲畑汀子 ホトトギス 200207
山清水貴人も氏も同じうた 須賀敏子 あを 200207
清水湧き龍封じたる池とかや 田中由子 円虹 200207
クレソンと云ふ菜の育つ山清水 長山野菊 雲の峯 200207
巡拝の杖をとどむる岩清水 青野良子 帆船 200207
穂高岳縦走の間の岩清水 折原烈子 帆船 200207
少年の顔中で飲む山清水 戸栗末廣 火星 200207
山清水小さき笹舟流しみる 土屋明子 百鳥 200208
形代を納めて汲める岩清水 岩木茂 風土 200208
真清水の孫たる君よこんにちは 川端実 遠嶺 200208
山清水呑むや発心三転す 須佐薫子 帆船 200208
崖清水ふふむ漢の喉ぼとけ 梅村達子 帆船 200208
谷清水緑の山をわかち合ふ 藤井豊子 築港 200208
水筒に汲む岩清水登山口 滝川あい子 雨月 200208
石垣の隙を湧き出づ清水かな 神原操 雨月 200208
旅人を癒す宿場の岩清水 神原操 雨月 200208
水筒に貴船の神の岩清水 渡辺玄子 酸漿 200208
恍惚と二の腕浸し山清水 鈴木恭子 200209
清水ひく筧まさをき芭蕉庵 塩谷はつ枝 馬醉木 200209
蠍座の写る真清水汲みにけり 竹中一花 200209
身を拭ふひと形浮かべ山清水 黒坂紫陽子 馬醉木 200210
天心の碧さ真清水掬ひけり 小澤克己 遠嶺 200210
みちのくの笹のちぢれや岩清水 中根美保 風土 200210
腹這ひの口つけて飲む清水かな 長谷川守可 百鳥 200210
山清水苔のみどりを深めけり 佐野幸子 百鳥 200210
一掬の清水清浄心生る 大槻秋女 円虹 200210
地獄谷より下りて来て岩清水 鷹羽狩行 200211
花鋏ひびく神苑岩清水 田中聡子 遠嶺 200211
清水より風通り抜け竹の寺 矢嶋英子 遠嶺 200211
城下町清水湧き出るひと処 小田島成子 百鳥 200211
緑陰に溢るる清水飲みにけり 清水和子 酸漿 200211
岩清水読書三昧椅子二つ 小滝奈津江 酸漿 200211
杉渓に清水を育て故郷とす 磯部静歩 京鹿子 200212
山の鼓動の真中にありて岩清水 笹倉さえみ 雨月 200212
清水汲む天の岩戸に一礼し 吉岡洋子 200301
草清水火の熾し方習ひけり 高橋とも子 百鳥 200302
勢ひ落つ清水柄杓に弾けたり 米谷香恵子 築港 200307
清水 2→      

 

2021年7月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年8月7日