清 水 4     100句

絶壁に眉つけて飲む清水かな    松根東洋城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
呑むほどに臓腑透けをり岩清水 松岡和子 201108
清水汲むペットボトルのすぐ曇り 千田百里 201108
岩清水伝ふルルドの聖母径 吉田政江 201108
真清水を掬ひて期することのあり 上原恒子 雨月 201108
心経をとなへて掬ぶ岩清水 長谷川閑乙 馬醉木 201109
神妙に手で掬ひ飲む青清水 中江月鈴子 201109
青清水湧く神域の奥に入る 中江月鈴子 201109
老舗なる味噌屋の庭に清水湧く 亀田やす子 万象 201109
薬効に神の清水の力借る 丸井巴水 京鹿子 201109
山清水顔にぶつけてかつふくむ 竹久みなみ 風土 201109
真清水に漁るごと銭洗ひけり 大石誠 201109
鐚銭に日の当たりたるいわ清水 山田六甲 六花 201109
真清水の音や秘境の露天風呂 中本吉信 201110
こめかみの痛くなりたる清水かな 荒井和昭 201110
笹の葉の円錐コップ清水汲む 久染康子 201110
神鶏は人間ひとあひよそに清水飲む 熊川暁子 201110
手にむすぶ水の明るき山清水 篠原幸子 春燈 201112
嶺近し踏んばりて汲む岩清水 野畑小百合 201112
真清水に木洩れ日の光ゲ揺れにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201112
杉の葉の積もりし窪の清水汲む 海野勲 万象 201112
階の崩るるままや苔清水 上月智子 末黒野 201204
公爵の四阿に嚥む苔清水 品川鈴子 ぐろっけ 201206
ボールペン流るる速さ岩清水 大坪景章 万象 201208
蹲の山清水引く利休の碑 長谷英夫 馬醉木 201209
清水なほ湧きゐて特攻兵舎跡 植木緑愁 201209
木洩れ日に音くつきりと岩清水 東島若雄 201209
岩清水岩打つ音の静かなる 大坪景章 万象 201209
きらきらと朝日をはじく岩清水 大信田梢月 万象 201209
深山路をそば屋の単車岩清水 北尾章郎 201210
山清水神の渡りし石の橋 田代貞枝 201210
納得が胸に落ちゆく岩清水 古川夏子 201210
山清水底まで日ざし充ちてをり 田所節子 201210
苔清水四つん這ひにて汲みにけり 藤井久仁子 ぐろっけ 201210
仏へのみやげに汲みし山清水 細川知子 ぐろっけ 201210
山脈のみぞおち蹴つて岩清水 梶浦玲良子 六花 201210
真清水や切り口青き竹の杓 岡田史女 末黒野 201211
清水呑み躰の重さ肩にのる 伊藤希眸 京鹿子 201211
泥靴を洗ふも清水山の小屋 史あかり ぐろっけ 201211
橅清水飲めば妙薬二日酔ひ 細川知子 ぐろっけ 201211
岩清水昼も小暗き行者洞 今村征一 ホトトギス 201212
手櫛もて髪整へる岩清水 武田紀久 やぶれ傘 201301
神無月求む香炉の清水焼 南奉栄蓮 風土 201302
掬ひては零しつ漱ぐ山清水 成田美代 201302
大庄屋背戸の巌の冬清水 和田照海 京鹿子 201303
岩清水汲みしコップに山の影 広渡敬雄 201303
冬鵙や清水に浄む蛇綱道 大竹淑子 風土 201305
雪解けの清水を求め山路行く 後藤克彦 かさね 201306
岩清水滴りながらこほりけり 有賀昌子 やぶれ傘 201306
雪降るや清水一角すぐきられ 岸千手 201305
殉教趾庭に絶えざる苔清水 熊丸淑子 馬醉木 201307
しばらくは耳傾けて山清水 亀井紀子 201307
ひしひしと山気伝ふる清水汲む 宮平静子 雨月 201310
西陣や織屋の奥の湧き清水 片岡久美子 201310
掬ふ手のしびれるほどの清水飲む 松井洋子 ぐろっけ 201310
名水と標札のある清水酌む 久世孝雄 やぶれ傘 201310
声明の染みる魚山の山清水 山田佳子 201310
二歩に尽く木橋なりけり草清水 岡井マスミ 末黒野 201310
有り余る清水を引きて山暮し 尾崎みつ子 雨月 201311
草の根の白ゆさゆさと清水かな 高橋明 末黒野 201311
石清水に喉を潤す峠道 石塚清文 やぶれ傘 201312
黄鶺鴒冬の真清水浴びに来る 瀧春一 花石榴 201312
清水寺へつづく灯路や花の宵 高谷栄一 璦別冊 201408
一掬の清水やわれも旅人なる 安立公彦 春燈 201408
真清水や體くまぐま透きとほる 竹中一花 201408
真清水で珈琲淹るる水葵の花 小泉欣也 ろんど 201408
浸す足抜けば清水に戻りけり 布川直幸 201408
倒木のそのままに苔清水かな 大橋晄 雨月 201408
これからは未知の人生岩清水 佐瀬晶子 ろんど 201409
走り根に少し休めと山清水 安藤しおん 201409
からし添へ清水寺の心太 鈴木阿久 201409
山清水引き込み峡の暮しかな 西川みほ 末黒野 201409
磨崖佛の喉を湿らす苔清水 笠井敦子 201409
いたはりのやうに溢るる山清水 箕輪カオル 201409
山峡の捨田を満たす山清水 安斎久英 末黒野 201409
これからは未知の人生岩清水 佐瀬晶子 ろんど 201409
清水涌くほとり静かな昼さがり 藤波松山 京鹿子 201410
神在す証と思ひ清水汲む 藤岡紫水 京鹿子 201410
岩清水啜り火照りを鎮めけり 大橋伊佐子 末黒野 201410
山清水引きて茶店の冷奴 鎌田篤 雨月 201410
手を浸し清水の鏡崩しけり 卯木堯子 春燈 201410
じやぶじやぶと顔を洗うて山清水 中道愛子 201410
山葵田に引く杉山の清水かな 増田幸子 万象 201410
登り来て神の水とも山清水 大橋晄 雨月 201410
掬ひたる山の匂ひや岩清水 岡野里子 末黒野 201411
清水に手浸して罪のあらはなり 柴田佐知子 201411
清水寺に「舌切茶屋」てふ涼しかり 神蔵器 風土 201411
清水飲む獣のやうに膝を折り 戸栗末廣 201412
清水ひと湧き大多摩川へなだれけり 井上石動 あを 201506
新しき竹樋をゆく清水かな 天野美登里 やぶれ傘 201508
岩清水飲みて延命信じをり 柴田久子 風土 201508
庭清水かつて許六の家の址 安部和子 雨月 201508
清水湧く水と光をからませて 大橋弘子 末黒野 201509
岩清水含めど消えぬ渇きかな 寺田すず江 201510
歪みても翳ありありと底清水 原田達夫 201510
山清水祀り棚田の水尽きず 密門令子 雨月 201510
岩清水卒寿のいのち惜しめとぞ 本多俊子 201511
法然は岩をも穿つ山清水 熊川暁子 201511
小競り合ひの羽根の散らばる清水かな 大内和憲 万象 201511
清水 →5      

 

2021年8月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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