清 水 3     101句

さざれ蟹足はひのぼる清水かな   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
源流や山の岩より湧く清水 滝沢伊代次 万象 200606
二人して手を差し入れし苔清水 与川やよい 遠嶺 200606
岩清水眼下に開く島棚田 平山勝子 河鹿 200608
清水湧く最古の神社詣でたり 小澤克己 遠嶺 200608
指先のたちまちの萎え山清水 渡辺ひろし 200608
水銀禍五十年経ての清水かな 達山丁字 200609
一掬の清水にいのち貰ひけり 久本久美子 春燈 200609
信心なき身に霊山の岩清水 松村多美 四葩 200609
山清水汲みこぼしゐて晴夜かな 中山純子 万象 200609
新しき柄杓置きあり山清水 大信田梢月 万象 200609
石仏にどっぷり清水分け申し 綿谷美那 雨月 200609
崖清水命の水と名付けられ 須賀敏子 あを 200609
少年僧汲みて立ち去る山清水 中山純子 万象 200610
笹の葉に掬ふ清水のおいしさよ 林翔 200610
一息に乾すや両手の石清水 筒井八重子 六花 200610
苔の花三筋に分かる石清水 森理和 あを 200610
清水汲むぽこぽこまろき水頭 堀田恵美子 雨月 200611
西行のこゑを吉野に苔清水 橋添やよひ 風土 200701
もう三時目ざす真清水一気飲み 中島英子 八千草 200701
岩清水時空も共に掬いけり 上間和子 八千草 200701
人散つて音取り戻す苔清水 松本俊介 春燈 200706
蠍座の写る真清水汲んでをり 竹中一花 200708
岩清水耳透きとほる快気かな 四條進 200708
もてなしは言葉少なに寺清水 原沢圭子 遠嶺 200708
御手洗へつぎ足す竹樋岩清水 亀田やす子 万象 200709
真清水の重さを背ナに蔵の町 竹中一花 200709
岩清水耳鳴ひどくなりにけり 荒井和昭 200709
清水一杓長老の舌たしか 風間史子 200709
水神を御前みまえに汲むや岩清水 松元末則 酸漿 200709
水飲場足跡多き岩清水 久保田嘉郎 酸漿 200709
複数の獣の足あと山清水 伊藤稔代 200710
神輿洗ふ龍宮の井の清水にて 田中芳夫 200710
ふるさとの庭にあふるる清水かな 東芳子 酸漿 200710
奏で落つ宮の真清水掬びては 岸本久栄 雨月 200710
真清水を飲んで白磁の壺となる 小山徳夫 遠嶺 200711
新たなる意を持ち清水掬びけり 佐山苑子 遠嶺 200711
岩清水絵師の置きたる葉つぱあり 横山百江 遠嶺 200711
真清水の滲みて歯朶の深みどり 高橋さえ子 200711
錫杖の鳴りをる足音五智清水 冨松寛子 200712
清水涌く岩の濡れいろ美しく 柳生千枝子 火星 200712
清水湧くいのちの重さ軽さなど 小澤克己 遠嶺 200808
清水汲む小さきアルミのカップなり 柳生千枝子 火星 200808
清水湧くここより峠山けはし 沖倉好秋 酸漿 200808
清水涌く朱塗りの柵に夕日さす 奥田妙子 ぐろっけ 200808
岩清水掬ひ山頂目指しをり 府川房江 母の空 200808
でこぼこの薬缶を溢る石清水 山本ミツ子 六花 200808
でこぼこのアルミの柄杓岩清水 小林寿美子 200809
研ぎ出しの塗箸すすぐ清水かな 宇野慂子 万象 200809
近づくや龍の口より噴く清水 山形悦子 万象 200810
水神に賽銭上げて汲む清水 松元末則 酸漿 200810
山裾を細く流るる岩清水 内田妙子 酸漿 200810
掬ひては御嶽真神の岩清水 関まさを 酸漿 200811
奥の院のしるべ板朽ち苔清水 奥村鷹尾 京鹿子 200812
八方に清水放ちて富士の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
苔清水老柳荘はあの辺り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
父が家の裏の音なり岩清水 雨村敏子 200908
筑紫野の清水に生るビールかな 金澤明子 200908
このあたり化石出づてふ岩清水 辻美奈子 200908
朝の陽に匂ふ真清水嶺仰ぐ 林友次郎 遠嶺 200909
岩清水道に溢るる修験谷 田山彰子 遠嶺 200909
畏みて雲洞庵の清水飲む 森山暁湖 万象 200909
水槽のハリヨに注ぐ清水かな 岩上利一 200909
身の芯にさみしさの壺清水飲む 掛井広通 200909
先着の蛇に声かく草清水 南うみを 風土 200909
京の空見遣る宿場に門清水 木村美猫 ぐろっけ 200909
手に掬ふ四万十川の草清水 佐田昭子 ぐろっけ 200909
節榑の指をこぼるる山清水 大西順子 ろんど 200909
青竹の斜の切口清水汲む 小川玉泉 末黒野 200910
四合目弘法さまの清水掬む 片岡啓子 遠嶺 200910
先頭の湧き上る声岩清水 明石文子 ぐろっけ 200910
奥山に杓の添へられ清水かな 関根喜美 200910
霊山の清水棲み処に針魚影 塩路隆子 200911
百選の清水に育つ花藻かな 塩路隆子 200911
頒ち呑む尊ゆかりの清水かな 田中芳夫 200911
脈々と気比氏の忠義清水湧き 塩見治郎 雨月 200911
岩清水骨まで徹る冷気かな 原口頌子 ろんど 200911
岩清水汲む生国を尋ねられ 藤沢秀永 200912
北岳や含みて甘き岩清水 塚越弥栄子 末黒野 200912
清水焼につまめば温き亥の子餅 五十嵐勉 201001
岩祠紙垂ほどの冬清水 田中貞雄 ろんど 201002
養老の清水を汲みて日々ゆたか 大橋敦子 雨月 201005
笹舟を浮かす羽黒の岩清水 山田春生 万象 201006
こんこんと山にふき出る清水かな 滝沢伊代次 万象 201007
湧く力かたちに声に草清水 鷹羽狩行 201008
たぎり落つ大山祇神の岩清水 内藤静 風土 201008
洞窟に光一筋苔清水 岡崎春菜 万象 201008
岩清水含みて山のこゑを聞く 石田きよし 201008
呑み干して声となりけり岩清水 久保東海司 201009
いのち短かし手の切れさうな清水汲み 千田百里 201009
栃の葉をたたみて飲めり山清水 大橋弘子 末黒野 201009
両の手を包み零るる清水かな ことり 六花 201009
渠清水幅一尺の國ざかひ 有本倍美 ろんど 201009
山清水提げて鎌倉夫人かな 神田恵琳 春燈 201010
手のひらに受け子に飲ます山清水 大西八洲雄 万象 201010
泳ぐもの見えず砂噴く山清水 加藤静江 末黒野 201011
清水出てたちまち露の薬缶かな 南うみを 風土 201011
夕べより朝がよかり苔清水 柿沼盟子 風土 201011
幻住庵ゐもり二匹の住む清水 丹生をだまき 京鹿子 201011
岩清水袖をぬらして掬ひけり 都丸美陽子 春燈 201012
石清水含みて帰心ふつふつと 熊切修 末黒野 201104
山笑ふ真清水を背に不動尊 木戸宏子 201107
清水→ 4      

 

2021年8月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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