清 水 2    98句

石工の鑿冷したる清水かな    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
千年の杉の洞や清水湧く 南うみを 風土 200309
清水湧く殺生石のほとりより 西村純一 雲の峰 200309
円空の里やあふるる門清水 大石よし子 雨月 200309
山の朝清水に旅の髪を梳く 山田由利枝 雨月 200309
風呂桶へ竹をつなぎて山清水 井上道子 百鳥 200309
瀧の沢絶ゆる事なき山清水 八木葉子 酸漿 200309
草清水かがみて垂らすネックレス 太田寛郎 200310
岩清水掬ふや両手隙だらけ 櫨木優子 200310
ほとばしる力貰ひて岩清水 遠藤和彦 遠嶺 200310
不老長寿てふ一掬の山清水 水原春郎 馬醉木 200310
山清水いくらでも湧き手に掬ふ 島崎勇作 酸漿 200310
木曽駒の長き睫毛や岩清水 古川利子 200310
寺清水太古の水の涌くところ 工藤進 200310
杣斧を休め飲みゐる岩清水 下平しづ子 雨月 200310
真清水にもろ手を浸す行者道 谷野由紀子 雲の峰 200310
岩清水宅急便で届きけり 泰江安仁 百鳥 200310
大方は立寄りてゆく山清水 板橋智恵子 百鳥 200310
一滴もこぼさぬやうに清水くむ 高倉和子 200310
草清水いつそ脛まで濡らしけり 風間史子 200310
草原に歌ふごとくに清水湧く 藤井啓子 ホトトギス 200311
岩清水寡黙な人とゐるごとく 藤井啓子 ホトトギス 200311
夜は星のために湧きたる清水かな 藤井啓子 ホトトギス 200311
掬ひたる清水生命線を観る 山澄陽子 ホトトギス 200311
みよし野の金気を帯びし岩清水 千原叡子 ホトトギス 200311
中辺路を外れて清水の渓に入る 千原叡子 ホトトギス 200311
山清水掬びことばを取りもどす 中島真沙 ホトトギス 200311
苔清水掬びて開く島の地図 中島真沙 ホトトギス 200311
分校を出て寄り道の山清水 池田昭雄 ホトトギス 200311
濁したる清水はすぐに澄みにけり 池田昭雄 ホトトギス 200311
木洩れ日のこぼれて清水湧くところ 池田昭雄 ホトトギス 200311
地下に消ゆ鍾乳洞の内清水 橋本くに彦 ホトトギス 200311
水指に清水満たして茶の湯かな 橋本くに彦 ホトトギス 200311
一ト碗の濃茶のための清水かな 橋本くに彦 ホトトギス 200311
一世紀経しと聴きたる橅清水 吉村ひさ志 ホトトギス 200311
岩清水橅ちらほらと混ざる森 吉村ひさ志 ホトトギス 200311
人等去り清水に静寂返したる 吉村ひさ志 ホトトギス 200311
コーヒーの味のこだはり清水汲む 坂本玲子 ホトトギス 200311
真清水を飲んで身に芯入りけり 木村一成 ホトトギス 200311
大男岩清水に目細めけり 木村一成 ホトトギス 200311
旅人の今も昔もこの清水 山下美典 ホトトギス 200311
峡谷に生れ産湯は谷清水 西村梼子 ぐろっけ 200311
霧を脱ぎ奇岩を走る岩清水 石積知恵子 ぐろっけ 200311

 清水みどり『柿花火』序句

つつしみて玉の音たて草清水

鷹羽狩行 200312
みづからを溢れしめては岩清水 足立幸信 200312
湧き出ずる水を均して草清水 芝川百合子 京鹿子 200312
鬢盥めける清水で髪整ふ 金升富美子 200403
山清水含みて登山冥利かな 橘沙希 月の雫 200404
岩清水山の鼓動として湧けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200406
帽とりて清水掬ひし乙女かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200406
大海へ旅の始まり清水湧く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200406
水音を草がしづめて草清水 鷹羽狩行 200407
西行を引き寄せて汲む苔清水 関根洋子 風土 200407
清水飲む背に山桜散り急ぐ 栢森定男 風よ 200407
手庇に四国連山苔清水 飛鳥由紀 200408
岩清水きどあいらくの湧きにけり 高橋将夫 200408
草清水雑魚ばかりなる魚籠の中 中山純子 万象 200408
一隅に山清水湧く苔の園 徳村二郎 築港 200408
ほつほつと湧く石清水掌に 木内美保子 六花 200408
苔清水もとをたどれば空ばかり 宮崎すみ 対岸 200408
海蝕の洞に滴る山清水 岸川素粒子 万象 200409
禪林の風趣をここに苔清水 藤岡紫水 京鹿子 200409
山清水ちよろちよろちよろと岩を縫ふ 大貫和夫 帆船 200409
掌に受けて眼鏡の曇る山清水 和田一 雨月 200409
山路来て十指目覚むる岩清水 堀智恵子 河鹿 200409
金盃にまさる清水を掬ぶ葉は 鷹羽狩行 200410
苔清水太古の匂ひ掬ひたる 岩月優美子 200410
墓洗ふ清水に石の冷ゆるまで 岩木茂 風土 200410
桷の木にひびいて清水湧きにけり 福井隆子 対岸 200410
山清水顔を埋めて飲みにけり 小野瀬まこと 対岸 200410
城山を潜りて来る清水かな 古川京子 万象 200411
薮蘭の茂みに流れ山清水 佐野和子 栴檀 200411
きらめきて草ぬらしゆく山清水 二瓶洋子 六花 200411
大寒の清水に墓の花器洗ふ 島崎勇作 酸漿 200504
清水掬ふてのひら白く映りをり 柳生千枝子 火星 200507
苔清水底ひに動くもの沈め 山崎祐子 栴檀 200507
歌ふやうに湧く西行の清水かな 山崎祐子 栴檀 200507
ヰタ・セクスアリス清水を汲みにけり 高橋将夫 星の渦 200507
この家の奢りとしたる庭清水 鷹羽狩行 200508
仕ふるがごとく膝つき岩清水 鷹羽狩行 200508
山清水大葉擬宝珠は水弾き 荻沼嘉枝 対岸 200508
一口清水底抜け柄杓にて足れり 松崎鉄之介 200508
岩清水ひかる一筋神のもの 鈴鹿仁 京鹿子 200508
石をどる蔵王清水を掌に掬ひ 鈴木とおる 風土 200509
縄文人飲みし清水と立札に 中村美沙 百鳥 200509
真清水の湧く音円空生誕地 藤田佑美子 栴檀 200509
こんこんと湧く霊山の岩清水 堀田綾子 築港 200509
苔清水飛石をゆく路地草履 東亜未 あを 200509
ヘルメットぬいで掬ひし清水かな 丸山照子 火星 200510
今覚めしごとく溢れて岩清水 藤井英子 対岸 200510
清水湧くあまたの木々をしたがへて 小澤克己 遠嶺 200510
苔清水昼もこぐらき岩不動 岩崎憲二 京鹿子 200510
苔清水末は名水いづこの井 荻野千枝 京鹿子 200510
一杓に己が顔汲む山清水 木内美保子 六花 200510
山清水流れの激し梓川 伊藤政子 築港 200510
喉通す氷清水といふ湧水 須賀敏子 あを 200510
清水湧くぶんだけ地球温暖化 後藤立夫 ホトトギス 200511
苔清水烏の唄ふ子守唄 舩越美喜 京鹿子 200512
枯れはてし中に弓弭の清水かな 阿部ひろし 酸漿 200601
清水 3→      

 

2021年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

2021年8月7日