鹿 5   90句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
がつしと組む角音清し神の鹿 布川直幸 201410
雨濡れの男振りよき神の鹿 布川直幸 201410
古都の夜を魑魅に還し鹿の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
追はれ来し鹿の眼が正面に 宮井知英 201411
旧道は鹿の抜け道山日濃し 宮井知英 201411
豊穣の峡たそがれて鹿の声 橋本靖子 201412
貫禄の鹿の眼光る神の域 北尾章郎 201412
鹿群れて風吹き溜る夜の灯影 碇天牛 雨月 201412
川なかば鹿の四つ足錆つかず 丸井巴水 京鹿子 201501
風音に混じりてゐたる鹿の声 天谷翔子 201502
出港の汽笛に混る鹿の声 井浦美佐子 201502
老鹿の座れば目閉づ自づから 井浦美佐子 201502
密猟の鹿肉なのと微笑みて 篠田純子 あを 201502
鹿の肉切り分く鹿の血の上で 柴田佐知子 201503
蝦夷鹿の恋直裁に戦へる 土屋草子 ろんど 201503
目より耳動きて鹿の好奇心 涌羅由美 ホトトギス 201504
鹿鳴くよ一番いいころとうに過ぎ 火箱ひろ 船団 201505
鹿の背をすべる日差と草の絮 ふけとしこ 船団 201505
風光るぬた場に鹿の蹄あと 生田恵美子 風土 201507
楽しみの花のつぼみは又鹿に 水谷直子 京鹿子 201510
参道に入るより鹿の視線浴び 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
古都の空引き絞りたる鹿の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
鹿笛に鹿の応ふる暮色かな 錫木妙子 馬醉木 201512
幾山河妻恋ふ鹿の越ゆ月夜 藤岡紫水 京鹿子 201512
参道の長考の牡鹿すつと立つ 上野紫泉 京鹿子 201512
またしても忘れ物して鹿の笛 大内幸子 六花 201512
鹿寄せの大群囲む二千の目 豊田信子 201512
小牡鹿の頼りなき角組み合へる 市村明代 馬醉木 201601
鹿鳴くや孤高は遠くあるものよ 江島照美 201601
牝鹿呼ぶ声聞く夜の厳島 土江比露 春燈 201602
入り乱れてや人の秋鹿の秋 古賀しぐれ ホトトギス 201602
眼差しにやさしさ宿る牝鹿かな 江島照美 201602
鹿が啼く蝦夷の没日を見てあれば 山口素基 万象 201602
さ牡鹿の闘つてゐるしろまなこ 吉田葎 201602
丹沢の夕ベ幽き鹿の声 辻井ミナミ 末黒野 201602
待つてゐるよと門灯の鹿かな 辻美奈子 201607
山寺の法事鹿肉出されたる 福島せいぎ 万象 201608
木洩れ日やまなこ涼しく神の鹿 布施政子 馬醉木 201609
鹿歩むさびた明りの原始林 渡会昌広 馬醉木 201610
家々の明かりを遠く鹿の恋 浜福惠 風土 201611
金星の森青かりき鹿ぞ鳴く 竹中一花 201612
蝦夷鹿の鋭き眼山深し 中田禎子 201612
飛び出しぬ鹿の話をしてをれば 山田六甲 六花 201612
突き入りし竹刀の先に鹿の皮 柴田佐知子 201701
海神は山のてっぺん鹿の声 永淵惠子 201701
きこきこと角切られけり神の鹿 堀田清江 雨月 201702
鹿出づる上総の山の低きかな 田中臥石 末黒野 201703
せんべいを出す間に鹿に囲まるる 苑実耶 201704
鹿の角猿の腰かけ薬の日 藤井啓子 ホトトギス 201709
おのづから序列を守り鹿歩む 狭川青史 馬醉木 201709
悪霊を食らはんとす鹿の群 前田美恵子 201711
天平の風呼ぶ鹿の声澄めり 吉田順子 201711
心細さ募る夕べや鹿の声 森清信子 末黒野 201712
夕されば鹿に獣の目のもどる 南うみを 風土 201801
鹿の角上野の森の闇に立つ 中嶋陽子 風土 201801
鹿の眼に廻廊の赤炎え残る 藤岡紫水 京鹿子 201801
如意ヶ嶽火床近くに鹿群れて 伊吹之博 京鹿子 201801
犇犇と眼集まる夜の鹿 玉田瑞穂 万象 201801
大和路や緑に溶け込む鹿の群れ 溝渕弘志 六花 201806
残月にえぞ鹿の尻白かりき 山田六甲 六花 201812
近寄らず離れず鹿の横睨み 山田六甲 六花 201812
残月に鹿はカムイの聲で斬る 山田六甲 六花 201812
蝦夷鹿のカムイの域に立ち入らず 山田六甲 六花 201812
目と鼻の先にカムイと蝦夷鹿と 山田六甲 六花 201812
山毛欅林声を曳きあふ鹿二頭 西村梛子 馬醉木 201901
夜は鹿のための橋あり両子谷 田辺博充 201901
ひと声を吠え神鹿となりおほす 内藤静 風土 201901
山里やあはれを誘ふ鹿の声 寺田すず江 201902
神鹿のどさと横たふぬた場かな 青木朋子 201905
砥峰の泥舐めてゐる夜の鹿 山田六甲 六花 201910
子を連れし鹿が遠くで振り返る 柴田志津子 201912
牝鹿くるすつと毛並の細かなる 今泉忠芳 ある日の滴 201912
牡鹿ゆくのそり毛並の荒さかな 今泉忠芳 ある日の滴 201912
山暮るるぬつと貌出す牡鹿かな 小林紫乃 春燈 201912
鳴く鹿と独りの夜を分かち合ひ 谷田明日香 風土 201912
前足を綺麗にたたみ雄鹿伏す 笹村ルル 202001
鷺原道やつぱり鹿は野生なり 笹村ルル 202001
鹿に会ひに行くと決めれば絶対に 笹村ルル 202001
宮山の遠く近くに鹿の声 大内幸子 六花 202001
電車軋めば鹿の鳴き声かと思ふ 笹村ルル 202001
鹿の眼の濡れ飛火野の星あかり 安野眞澄 202002
さ牡鹿の群をしたがへ馬柵越ゆる 小森泰子 馬醉木 202002
恵方かな鹿の糞など踏みゆくも 井上和子 202006
さ男鹿の鳴いて春日野明け初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
角揺すり山神のごと鹿立てる 小田里己 202011
青鹿のまなこに真夜中が光る 辻美奈子 202101
山峡の闇震はせて鹿の声 湖東紀子 ホトトギス 202101
高野槙の奥より恋の鹿の声 荒川新星 202103
鹿鳴いて森の暮色や風の音 佐藤喬風 末黒野 202104
鹿鳴くや菜を摘む手元闇迫り 原友子 202105
鹿→1

2021年10月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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