鹿 1    100句

武蔵野や一寸ほどな鹿の声    芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
闇となりきれぬ飛火野鹿とをり 稲畑汀子 ホトトギス 199810
闇に鹿紛れ気配の残りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199810
飛火野の鹿の声這ふ起伏かな 稲畑汀子 ホトトギス 199811
まほろばの闇を貫く鹿の声 稲畑汀子 ホトトギス 199811
たくさんの鹿現われて琵琶を弾く 冬野虹 船団 199903
鹿も兎も無性に空間を走る 金子兜太 海程 199906
病む鹿の角の歪める秋日翳 萩谷幸子 雨月 199911
はぐれ鹿と目の合ふ浮見堂の傍 杉浦典子 火星 199912
神の鹿美男かづらに触れてをり 城孝子 火星 199912
まぐはひの後なる鹿の匂ひけり 小澤克己 遠嶺 199912
雌を追ふ鹿軽やかに棚を越ゆ 谷野由紀子 俳句通信 199912
大潮の夜をはぐれ鹿蹲る 浜口高子 火星 200001
こびを売る鹿の眼の澄みゐたり 中谷まもる 火星 200001
鹿の声うつつに聞いて山泊り 橋本佐智 円虹 200001
神の鹿なれど神苑に尿せる 永野秀峰 ぐろっけ 200002
願いごと多き私を鹿過ぎる 六車幸江 海程 200004
父母の睡りの前に我は鹿 吉川真実 海程 200007
月明に青鹿とわれのまんだら 田中昌子 海程 200007
宮島の鹿と生れて遠泳ぎ 波多洋子 銀化 200009
蛇狐鹿兎棲み湖抱き 村松紅花 ホトトギス 200010
けいけいと親鹿啼くか檳榔樹 小形さとる 200010
鹿寄せのホルンのとどくロビーなり 加古みちよ 火星 200011
霧にゐてふたつに岐れ鹿の角 岡井省二 200011
鹿の尻豊かにありぬ湯屋の前 大東由美子 火星 200012
鹿鳴いて島に帳の降り始む 横尾桂子 銀化 200012
鯨肉・鹿肉・熊肉・鷹の肉も美し 男波弘志 200101
一閃の縄をかはして鹿の逃げ 竹村良三 200102
法螺吹きて深山の鹿を呼び出せり 竹村良三 200102
箒もて駅を追はるる島の鹿 金國久子 遠嶺 200102
一刹那鹿黄金を翻す 佐藤真次 200102
鹿の声闇深めをり雑木林 藤村美津子 春耕 200102
夜々啼ける鹿の足跡しかと見し 浅井青陽子 ホトトギス 200104
紫の露とんで鹿通りけり 岡井省二 200106
鹿走る岸の向こうの さ想う 齋藤一湖 海程 200107
しんと佇つ牝鹿に何を話そうか 河原珠美 海程 200107
を得し顔もて鹿の中あるく 岡井省二 200107
猿沢の池の今昔鹿鳴けり 石田邦子 祭笛 200109
ペナルティだったか鹿のその斑点 松山律子 六花 200110
紙の束抱へてゆくに鹿の角 岡井省二 200110
鹿二頭眼前疾風里に秋 松村美智子 あを 200110
鹿啼くや少年剣士母親似 中村昭義 百鳥 200111
まっしぐら里に向かって鹿二頭 松村美智子 あを 200111
鹿去りしあとの木の下空いてをり 竹中一花 200111
鳴かずとも鹿の臭ひはしてゐたる 山田六甲 六花 200111
杜の鹿まなこ活き活き月を待つ 南光翠峰 馬醉木 200112
鹿の来て見つめ合ひたり樹下の道 石井美代子 遠嶺 200112
鹿啼きて奥の岬まで大樹海 岡田貞峰 馬醉木 200201
峡深し遠く鳴く鹿愁あり 寺田きよし 酸漿 200201
住み馴れし古都の夕暮れ鹿鳴いて 綿谷美那 雨月 200201
鹿去つて森に日の斑の残りけり 久保田哲子 百鳥 200201
対岸の宿のともしび鹿鳴けり 野口光江 遠嶺 200201
飛火野の鹿の遠見の利くらしく 粟津松彩子 ホトトギス 200202
鹿が見てゐるから月の大きかり 後藤立夫 ホトトギス 200202
奈良町や学徒の列に鹿まぎれ 綿谷美那 雨月 200202
住み馴れし奈良の夕暮鹿鳴ける 綿谷美那 雨月 200202
遠鹿へ又はなしだす糸車 梶浦玲良子 六花 200202
老鹿の群を遠ざけ汚れゐし 木村真魚奈 京鹿子 200202
頭突き合ふ鹿たはむれかいさかひか 有山八洲彦 200204
鳴く鹿のかなたを雨の過ぎゆけり 小澤克己 遠嶺 200209
夜の鹿闇の鍵穴探してる 松山律子 六花 200210
猟銃のこだまに動く鹿の耳 木野本加寿江 火星 200210
鹿の鳴く闇に分け入り星仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200211
崖の上に雄鹿啼くなり日暮れ村 小澤克己 遠嶺 200212
白樺の雨の国道鹿立てり 宮澤さくら 遠嶺 200212
人里に降り来し鹿の眼かな 岩崎真理子 遠嶺 200212
山霧と川霧の間鹿走る 大串章 百鳥 200212
鹿の眼を感じつつゆく奈良夕ベ 山田天 雨月 200212
牡鹿鳴き静かな闇を乱しけり 中山勢都子 200301
飛火野にさ雄鹿丸く影を置く 深野まり子 円虹 200301
濡れてゆく鹿と私と少女らと 谷口佳世子 200301
興福寺鹿と一緒に日向ぼこ 長崎桂子 あを 200301
鹿現れぬ白根吹越す風の中 手島靖一 馬醉木 200302
鹿鳴くや乳房冷えきし身八ツ口 天田千重 火星 200302
突如鳴く鹿哀しくて群外れ 木下栄子 築港 200302
「石子詰」稚児に罪無し鹿啼けり 奥村鷹尾 京鹿子 200303
飛火野に響くラツパや鹿走る 井上輝男 築港 200304
吾来れば鹿一斉に耳を立て 小田知人 ぐろっけ 200305
ハモニカに心を籠めて鹿の夜 泉田秋硯 200307
本当にいい山なのに鹿撃たれ 丸山佳子 京鹿子 200307
雄鹿のこゑあをあをと丘の暮 小澤克己 遠嶺 200310
鹿鳴けり雨具欠かせぬ島へ一歩 加藤峰子 200311
しなやかに鹿跳び行けり大草原 島崎晃 遠嶺 200312
前うしろ鹿九頭に固めらる 苑実耶 200312
暗闇を鹿列なして横切りぬ 岡井省二 省二全句集 200312
一山の向かふよりする鹿の声 岩月優美子 200401
夕映えの知床峠牡鹿佇つ 原島ふじ子 遠嶺 200401
ふたたびの鹿の声なりきらら坂 松たかし 火星 200401
夕鹿の一声聞けり誕生日 西山美枝子 酸漿 200401
滋賀の里更くる夜空に鹿の鳴く 巽華衣 草の花 200401
先着の鹿と東司に雨宿り 木野裕美 ぐろっけ 200401
いつのまにやら背を向けて鹿の秋 小野麻利 200402
お堂より数へてゐたり雨の鹿 飯塚ゑ子 火星 200402
掌にゆつくり乗りし鹿の息 飯塚ゑ子 火星 200402
鹿の瞳のくろきにひかれ歩みよる 和田敏子 雨月 200402
雌の鹿に老鹿は首のべて啼く 和田敏子 雨月 200402
鹿の群れ落とせし崖に波の花 松崎鉄之介 200403
訪ねたき鹿月夜の水車小屋 村越化石 200406
ホルン吹く人にすり寄る牡鹿かな 辻井桂子 雲の峰 200410
夜の鹿居るか時々不整脈 松山律子 六花 200410
鹿の目のやうな佳人でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
鹿→ 2      

 

2021年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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