秋 冷 3      108句


作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋冷の花に残暑のまぎれ込む 布川直幸 201212
秋冷の画仙紙にみる水のいろ 高野春子 京鹿子 201212
秋冷や紅茶に添ふる砂時計 中根美保 風土 201301
秋冷や城に幾つの隠し部屋 井尻妙子 京鹿子 201301
いもうとを訪ふ秋冷の遠江 田中臥石 末黒野 201301
神鏡の光秋冷集めたる 隅田恵子 雨月 201301
ケルンに手置くや秋冷俄かなる 松本三千夫 末黒野 201301
耳澄ます鳴き龍の声秋冷ゆる 菅野日出子 末黒野 201302
秋冷や鬼も寝顔は子の寝顔 高橋将夫 201302
秋冷や終はりの見えぬ立ち話 神田小夜子 ろんど 201302
秋冷の火袋鳥の羽根残る 山田六甲 六花 201312
秋冷の手術台へと段上る 三橋早苗 ぐろっけ 201312
秋冷やこつこつこつとハイ・ヒール 加藤みき 201312
明け方や秋冷のぼる足の先 井日淳子 201312
四十代過ぐ秋冷の爪ひかり 辻美奈子 201312
勤行へ秋冷を踏み渡りけり 蘭定かず子 火星 201312
妻恋ふや膝に秋冷にはかなる 小川玉泉 末黒野 201312
秋冷の宇治橋渡る神さびて 松本三千夫 末黒野 201401
秋冷や駿馬はいつも前を向き 戸栗末廣 201401
真夜の空秋冷到る月明り 占部美弥子 末黒野 201401
足下に秋冷いたる座禅堂 岡田史女 末黒野 201401
秋冷や槌音すぐに風となる 上野紫泉 京鹿子 201402
秋冷の杉の参道中尊寺 有賀鈴乃 末黒野 201402
秋冷のやさしき大根おろしかな 松川悠乃 ろんど 201402
快晴にして秋冷の峡の町 安原葉 ホトトギス 201403
秋冷や蒼き湖上に白き水脈 神田惣介 京鹿子 201404
秋冷や田畑乾びる黄金色 長崎桂子 あを 201409
せせらぎの音も秋冷となりゐたり 長崎桂子 あを 201409
御手洗に秋冷の雨しとどなり 布川直幸 201410
秋冷や供花に埋もれし母の顔 樋口みのぶ 201411
秋冷や野菊の果ての火山帯 山田六甲 六花 201412
秋冷や戊辰戦争ここに果つ 山崎青史 ろんど 201412
秋冷や闇に手操れる小夜布団 小林和世 末黒野 201501
秋冷や老枝化して「竜の杉」 三留早苗 201501
回廊に秋冷いたる永平寺 福島せいぎ 万象 201501
秋冷の一隅灯る山廬かな 田嶋洋子 春燈 201501
秋冷の舟小屋の屋根石多し 赤座典子 あを 201501
秋冷やにはかに主婦の顔となる 村田岳浄 ろんど 201502
肩の荷を下ろしたるより秋冷に 稲畑汀子 ホトトギス 201509
秋冷を五指に分かちて意を決す 細川洋子 201511
出勤のそよ吹く風や秋冷ゆる 及川信二 末黒野 201512
夕餉終ふ秋冷まとふ膝頭 小川玉泉 末黒野 201512
秋冷やひかりの鈍き水たまり 菅谷たけし. 201512
秋冷の句座や帰らぬひとを待つ 安達公彦 春燈 201601
秋冷の階を仰げり閻魔堂 松本三千夫 末黒野 201601
水楢に触れて秋冷覚えけり 小林昌子 馬醉木 201601
秋冷を払ふかに街灯ともれり 今橋眞理子 ホトトギス 201602
秋冷や虚子の息吹を感じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
大岩の下秋冷の鶏地蔵 山田六甲 六花 201610
秋冷や前行く人のふくらはぎ 山田六甲 六花 201611
秋冷の鍵穴ひとつ太子堂 山田六甲 六花 201611
月山へ登る秋冷纏ひつつ 田中臥石 末黒野 201612
秋冷の目覚めや脚の痙り易く 松本三千夫 末黒野 201612
秋冷や毛抜きの先のピシと合ふ 青谷小枝 やぶれ傘 201701
秋冷の刈り残されし遠田かな 藤生不二男 六花 201701
秋冷の石にこゑありおもひあり 下山田美江 風土 201701
秋冷の山河やひとり深呼吸 狭川青史 馬醉木 201701
秋冷の賢治と繋がる原鉱石 岡田桃子 201701
秋冷や針無くなりし体重計 高木嘉久 201701
秋冷や子の還暦をことほぎて 伊藤由良 末黒野 201702
露座仏の耳朶や秋冷俄かなる 今村千年 末黒野 201702
秋冷や寡黙に列なす登校児 神田惣介 京鹿子 201702
秋冷の山懐に忌を修す 稲畑汀子 ホトトギス 201710
秋冷のはなはだしくて老哀し 佐藤淑子 雨月 201711
秋冷や素足きよらに修行僧 中根美保 風土 201712
秋冷や雨降りつづく二十日間 本田保 春燈 201712
秋冷や一夜泊りの旅鞄 豊行青峰 春燈 201712
秋冷や激しく爆発する「無題」 辻水音 201712
秋冷の森ヘシベリアトラ帰す たかはしすなお 201712
仏壇のりんに秋冷至りけり 松井季湖 201712
秋冷の朝市に買ふシャープナー 土井三乙 風土 201801
秋冷に覚めをり鳥語聞いてをり 阪上多恵子 雨月 201801
秋冷の身を去りやらぬ微熱かな 志方章子 六花 201801
秋冷の探しても無き鍵ひとつ 今井千鶴子 ホトトギス 201803
秋冷の漆の樹皮に傷あまた 山田正子 201804
秋冷や崖また崖の修験道 及川照子 末黒野 201804
秋冷の子規の描きたる子規の貌 大沢美智子 旬日 201808
秋冷や母の遺せる鍬あまた 苑実耶 201809
秋冷の山路これより横川径 稲畑汀子 ホトトギス 201810
秋冷を覚ゆる十指受話器とる 佐藤淑子 雨月 201811
真つ先に秋冷しむる手術痕 土屋啓 馬醉木 201811
四方に風抜けて秋冷陽明門 前田美恵子 201812
秋冷の峠海透く山武杉 田中臥石 末黒野 201812
秋冷の佐渡の沖なる船にをり 山田六甲 六花 201812
秋冷の走り根が抱く三島石 中根美保 風土 201901
秋冷や理化学文献資料室 辻水音 201901
秋冷の無人の駅に終列車 萩原渓人 やぶれ傘 201902
触るる手に秋冷返す竹の幹 佐藤喬風 末黒野 201904
秋冷の心地よかりし一忌日 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋冷の清正の井戸満々と 溝越教子 春燈 201911
秋冷の森に育ちし心柱 近藤喜子 201912
秋冷の御師集落を後にせり 森田節子 風土 202001
秋冷や心療内科のクラシック 志方章子 六花 202001
秋冷や宝登山へ入る白鳥居 野村重子 末黒野 202002
神域の秋冷の底杉木立 岡野里子 末黒野 202002
秋冷の的を射る音軽き音 中井保江 船団 202003
正座して秋冷に膝くづれけり 山田六甲 六花 202011
秋冷や夜遊びに猫また出てゆく 山田六甲 六花 202011
秋冷に降り立ち風の声を聴く 涌羅由美 ホトトギス 202102
秋冷を踏みて港の石畳 森清信子 末黒野 202102
秋冷や声の鋭き朝の鳥 岩井京子 202105
薬研の溝に秋冷の深みあり 辻美奈子 202110
秋冷の足湯に腰を寄せにけり 山田六甲 六花 202112
秋冷や窯火見つめし目のくぼみ 深川淑枝 202205
秋冷の夜のブランコに座す男 北川孝子 京鹿子 202211
山々に秋冷潜むマタギ村 須賀ゆかり 202212
秋冷や手燭の点す古祠 宮元陽子 末黒野 202301
秋冷の朝一に行くブックオフ 橋本奨代 やぶれ傘 202302
秋冷→1

 

2023年9月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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