秋 冷 2      100句


作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋冷や機に藍糸張りつめて 藤井寿江子 馬醉木 200601
秋冷や塩釜の蓋開いてをり 杉浦典子 火星 200601
秋冷の数珠繰り繰ればつながれる 豊田都峰 京鹿子 200601
秋冷や古書に掛けたるパラフィン紙 鍬形ゆきこ 百鳥 200601
秋冷や爪をピンクに誕生日 河島和子 六花 200601
秋冷の手にさそひ出すわすれ文字 西川織子 馬醉木 200602
秋冷の波が波追ふ湖中句碑 吉田小幸 ホトトギス 200603
秋冷の窓の風さへなつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 200609
欠席といふ秋冷の朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200610
秋冷の扁額大き飛白体 谷村幸子 200611
秋冷の風をうつして道路鏡 諸岡和子 200611
秋冷や大寺はなつ鐘一打 南幸子 春燈 200611
秋冷の色となりけりカルデラ湖 山田暢子 風土 200612
秋冷や保津川下りの切符買ふ 森山のりこ あを 200612
秋冷の気配さやかに牧暮るる 松元末則 酸漿 200612
秋冷の橋の袂に異人僧 秋田直己 ぐろっけ 200701
秋冷えて医に通ふたび薬殖ゆ 大山清 200701
秋冷や霊安室の扉の重き 合川月林子 ぐろっけ 200701
秋冷や村をはなるる深轍 中山皓雪 200701
秋冷の丈あきらかに大欅 上林孝子 200702
古戦場秋冷俄かなる山河 勝見玲子 200702
秋冷や山裾を行く赤きバス 松下幸恵 六花 200705
開拓の像を仰げり秋冷下 小林成子 200708
白樺に倚れば秋冷身のうちに 加瀬美代子 200711
秋冷や癌病棟の長き廊 高橋照子 雨月 200712
病む脚の置き処なし秋冷ゆる 佐藤淑子 雨月 200712
サーカスの跳ね秋冷の街に出づ 木暮剛平 万象 200801
山よりのはがき一枚秋冷ゆる 外川玲子 風土 200801
秋冷や鳥の眼-下に雨の街 清水晃子 遠嶺 200801
秋冷の追悼彌撒へ扉押す 村上光子 馬醉木 200801
雨垂れに秋冷ひかる高架下 布川直幸 200802
秋冷の採石現場隠れなし 東良子 遠嶺 200802
なにか親し秋冷いたる老大樹 奥田紀子 200803
野を渡る風に秋冷かすかなる ことり 六花 200809
大仏といふ秋冷のありどころ ほんだゆき 馬醉木 200811
秋冷の炉火うつくしき信濃かな 鷹羽狩行 200811
秋冷に備へ三里の灸据ゑぬ 松崎鉄之介 200812
秋冷や鵜の瀬は渦を深くして 田中佐知子 風土 200812
秋冷を連れ来し雨や旅支度 桂敦子 200812
秋冷や夜の図書館で筆走る 伊吹之博 京鹿子 200812
オワンクラゲ秋冷八十五万匹 藤野寿子 あを 200812
秋冷の京の三日を土産とす 神蔵器 風土 200901
秋冷や愛犬老いの定め負ひ 大橋晄 雨月 200901
秋冷や撫づる千古の丸柱 小林成子 200901
秋冷や長押しに亡父の日本刀 小城綾子 200901
しのび寄る秋冷よわひ重ねつつ 荻野千枝 京鹿子 200902
秋冷の白樺白き湖畔かな 大山妙子 酸漿 200902
秋冷や聖鐘ひびく石畳 境幹生 200902
寄りかかる樹に秋冷の確かなり ことり 六花 200909
秋冷の大樹に風のリズムあり 谷村幸子 200911
秋冷や影のごとくに壺を置き 鷹羽狩行 200911
秋冷や紅肌秘むる楽茶碗 浅野洋子 春燈 200911
秋冷や弓手捩(ゆんでもじ)りに息止めて 能村研三 200911
秋冷の刃を研げりキャベツ畑 神蔵器 風土 200911
秋冷の骨身にしみる朝かな 長澤健子 酸漿 200912
秋冷や足形描かれ乗車位置 坂場章子 200912
秋冷を素足に板の間の廚 木村茂登子 あを柳 200912
秋冷や物作る人工房に 坂口三保子 ぐろっけ 200912
秋冷や海馬めざめてをりにける 中島昌子 200912
寝返りを打つ秋冷のまた深み 井田実代子 雨月 200912
秋冷の森を切り裂く鳥の声 岡田誠吾 201001
秋冷や古書の香残る小風呂敷 岩永はるみ 春燈 201002
燧道を抜け秋冷の生駒駅 山下佳子 201002
目礼の僧秋冷をまとひけり コ田千鶴子 馬醉木 201011
檻錆びて秋冷の風吹けるのみ ことり 六花 201011
朝からの雷雨秋冷連れ来たり 小山ナオ子 酸漿 201012
髭剃つてをれば秋冷俄なり 川端俊雄 火星 201012
秋冷のくさめ術後にひびきたり 大坪景章 万象 201012
秋冷の空に入りたる櫓かな 永田勇 六花 201012
秋冷や吾が身の芯に怒りかな 常田創 201012
秋冷や岬へなだる北斗星 鎌須賀礼子 万象 201012
鳴龍の韻き秋冷とどめけり 杉山哲也 馬醉木 201012
秋冷の京一望や蕪村墓地 松本三千夫 末黒野 201101
秋冷の燈の灯澄の影落す 田中臥石 末黒野 201101
秋冷をまつさきに知る膝頭 野口喜久子 ぐろっけ 201101
秋冷は気弱な肩に忍び寄る 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201101
秋冷の御堂に凛と薬師様 松田和子 201102
秋冷や黒き宮居の神さぶる 岡野里子 末黒野 201102
秋冷や紬人恋ふ肌ざはり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
秋冷を誘ふ水音なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201110
空蝉を残せる枝にも秋冷来 ことり 六花 201110
無言館その秋冷の掌 コ田千鶴子 花の翼 201111
秋冷や積み上げし皿影白し 工藤はるみ 風土 201111
湯上がりの髪に秋冷いたるかな ことり 六花 201112
秋冷の横顔うつる夜の車窓 西岡啓子 春燈 201112
秋冷のひざをベンチに揃へたる ことり 六花 201112
薬飲む秋冷の水のど通る 鎌倉喜久恵 あを 201112
ヘルメットより秋冷の髪撒かれ 山田美恵子 火星 201201
秋冷の春日奥山鹿逸る 西村操 雨月 201201
秋冷の部屋に絵皿の干支兎 片岡久美子 201201
秋冷やオロシア人の大道芸 松本周二 かさね 201201
赤ワインもて秋冷の唇ぬらす 岡澤田鶴 201201
一声に秋冷告げぬ明烏 芝田幸惠 末黒野 201202
秋冷のホテル最上階に祝ぐ 今井千鶴子 ホトトギス 201202
秋冷の富士黝々と湖展け 松本三千夫 末黒野 201202
秋冷や古き眼鏡のガラス製 甕秀麿 201202
秋冷や馴染みの茶房で書を開く 神田惣介 京鹿子 201202
秋冷や葉山の海の晴れはじむ 小野口正江 末黒野 201202
秋冷を置く前墳に後墳に 布川直幸 201211
夕潮に秋冷いたる遊覧船 川井素山 かさね 201212
秋冷→3      

 

2021年9月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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