秋 気 2     99句

秋気濃し渾身で聴くブラームス  本橋仁  露光

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋気満つ生きがひひとつあればたる 宮川みね子 風土 201510
畝正す一鍬づつの秋気かな 水谷文謝子 雨月 201510
一人来て増ゆる一燈秋気澄む 柴田佐知子 201511
秋気満つ千手観音千一躰 太田慶子 春燈 201512
秋気澄む葵の紋の社殿群 鈴鹿呂仁 京鹿子 201512
フェルメールの蒼すみとほる秋気かな 近藤喜子 201512
アカペラの五人の聖歌秋気澄む 奥田茶々 風土 201512
家康の奉刀二振り秋気澄む 吉永すみれ 風土 201512
秋気澄む奉仕の禰宜の白袴 山田由利枝 雨月 201512
等伯の父子の襖絵秋気澄む 橋添やよひ 風土 201512
秋気澄む雲ふんはりと浅間山 鏡英子 末黒野 201601
研ぎ上げし鎌に秋気や父逝けり 高倉和子 201601
魚屋の旅につり銭秋気満つ あさなが捷 201601
追憶は追うほど深し秋気澄む 北川孝子 京鹿子 201602
潮の香の旨き鴨川秋気満つ 森清信子 末黒野 201602
秋気澄む開け放されし阿弥陀堂 石川賢吾 201603
一山の秋気集へり千木の空 兼久ちわき 馬醉木 201610
水底の石揺れてゐる秋気かな 高倉和子 201611
秋気澄む古墳はとうにただの山 吉田葎 201611
巡業の櫓太鼓や秋気澄む 菅谷たけし 201612
ヴァージンオリーヴオイルの琥珀秋気満つ 辻美奈子 201612
街路樹の一本づつに秋気かな 高田令子 201612
谷底を下るSL秋気澄む 藤沢秀永 201612
秋気乗せ山気乗せたる早瀬かな 森清堯 末黒野 201612
伊吹嶺に触れむばかりや秋気澄み 森脇貞子 雨月 201701
三百回の句座なり谷戸の秋気澄む 落合絹代 雨月 201701
一雨にして滝道の秋気満つ 宮平静子 雨月 201701
秋気澄む齢かさねて分ること 中村房子 馬醉木 201701
投網うつ光と秋気孕ませて 鈴木良戈 201701
秋気澄む山には山の神在し 隅田恵子 雨月 201702
秋気澄む名残のつきぬ人ばかり 北川孝子 京鹿子 201702
秋気満つ四角四面の白壁に 安斎久英 末黒野 201702
憂きことの多き日々過ぎ秋気澄む 柳田美代子 やぶれ傘 201702
悠悠と鳶舞ふ空や秋気澄む 高橋正江 末黒野 201703
洪水のあと平らなる秋気かな 栗原京子 201704
観覧車ゆつくり足裏より秋気 柴崎英子 201711
秋気澄み寺領にもらふ伏流水 柴崎英子 201711
二上山の峯双つ添ひ秋気澄む 溝内健乃 雨月 201711
澄みわたる秋気あまねし梓川 松本三千夫 末黒野 201712
塗り立てのやうな白樺秋気澄む 森清堯 末黒野 201712
古民家に漂ふ土間の秋気かな 長田厚子 末黒野 201712
洞窟の地層の湿り秋気澄む 箕輪カオル 201712
秋気澄む斜めに減りし朱墨かな 林いづみ 風土 201712
秋気満つシテの翁の袖ひらく 小林共代 風土 201712
必勝の手綱さばきに秋気満つ 西村渾 201801
秋気澄む水に沁み入る阿弥陀教 神田恵琳 春燈 201801
本堂に巨大念珠や秋気澄む 田代貞香 201804
温泉煙に桶の響きや秋気澄み 三羽永治 201811
高空の青まとひたる秋気かな 近藤喜子 201811
富士鎮む三百六十度の秋気 平沢恵子 春燈 201811
よく晴れて霊気も秋気も隅っこに 坪内稔典 船団 201812
油土塀の艶石に映え秋気澄む 松本三千夫 末黒野 201812
昨日とは違ふ目覚めの秋気かな 伊藤由良 末黒野 201812
秋気澄むぽこぽこ富士の水湧かせ つじあきこ 201812
手水鉢の竜が水吐き秋気澄む 丸尾和子 雨月 201901
太郎杉次郎杉の秀秋気満つ 森清信子 末黒野 201902
島一つ繋ぐ水尾濃し秋気澄む 岩崎藍 末黒野 201911
秋気満つ上野の杜にモネ・ゴッホ 山下健治 春燈 201911
九十九里浜白波秋気誘へり 安立公彦 春燈 201911
稜線に雲の落ち着く秋気かな 高倉和子 201912
おさげ髪並ぶアルバム秋気澄む はしもと風里 201912
秋気澄む山の向かうに富士の影 濱野新 やぶれ傘 201912
丹沢連峰稜線確と秋気満つ 河本由紀子 春燈 201912
山道に鈴の響くや秋気澄む 河崎國代 春燈 201912
秋気澄む光と水のそのやうに 近藤喜子 201912
僧若し読経朗々秋気澄む 大石よし子 雨月 201912
飛火野といふ大いなる秋気かな 笹村ルル 202001
たたなづく出羽の山並秋気澄む 高木邦雄 末黒野 202001
秋気満つ奥の院へと登らねば 岡田史女 末黒野 202001
パノラマの上毛三山秋気澄む 舟田房江 春燈 202001
秋気澄み天から漏るる絵空事 三木享 202001
曲がるたび澄める秋気や九十九折 岡野里子 末黒野 202002
剃刀のごとき月立ち秋気済む 柿沼盟子 風土 202002
手水舎の水吐く龍や秋気澄む 長尾タイ 末黒野 202004
潮騒は永遠のリズムよ秋気満つ 牛島晃江 202011
糠床に秋気を足して掻き混ぜる 上村葉子 風土 202012
岳沢に影一つなく秋気澄む 七郎衛門吉保 あを 202012
名水の息遣ひ秋気澄みをり 鷺山珀眉 京鹿子 202101
踏み入れば松の香りの秋気かな 浜田久美子 六花 202101
空は青海は藍へと秋気満つ 涌羅由美 ホトトギス 202102
秋気澄む車窓に富嶽嵌めてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
鳴くものに飛びゆくものに秋気かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
恋心少し芽生えて秋気澄む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
この坂を上れば秋気澄む庵 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
厨より妻の水音や秋気澄む 安立公彦 春燈 202111
秋気澄むギリシアに星の物語 小嶋恵美 春燈 202111
雲間陽の射し込む窓に秋気あり 松本鷹根 京鹿子 202111
未来へとつなぐ湧水秋気満つ 森清信子 末黒野 202112
いささかの秋気耳より鼻口より 小田嶋野笛 末黒野 202112
二重まぶたの千手観音秋気澄む 門間としゑ 末黒野 202112
銀細工くすみ拭ひて秋気満つ 澤田英紀 202112
身命に秋気さざ波人悼む 若泉真樹 202202
秋気澄む法界定印初座禅 青木朋子 202206
老杉の天衝く愛宕秋気澄む 鈴鹿呂仁 京鹿子 202210
秋風と秋気のこもる蔵座敷 能村研三 202211
辻々に山車の引き跡秋気澄む 能村研三 202211
百幹の千年の杉秋気澄み 岡野里子 末黒野 202301
横浜の朝の船笛秋気澄み 大内由紀 末黒野 202301
師を待つは神苑の木々秋気澄む 寺岡直美 京鹿子 202301
秋気→1

 

2023年9月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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