秋海棠(断腸花) 2     65句

秋海棠西瓜の色に咲きにけり   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石に彩かさね秋海棠の雨 岡野里子 末黒野 201104
秋海棠いんこの墓を覆ひけり 鈴木加代子 末黒野 201112
秋海棠素直になれる祖母の家 吉田克美 ろんど 201112
爪紅をひつぱがしたる秋海棠 瀬川公馨 201112
せせらぎや秋海棠の終の花 小川玉泉 末黒野 201201
共に餅搗きたかりしを断腸花 大坪景章 万象 201201
うす紅の秋海棠や蛇笏の忌 加藤千津 ろんど 201201
花も葉もみなうつむけり断腸花 沢木欣一 万象 201209
疾うに二十他人と思へ秋海棠 斉藤裕子 あを 201211
雨に濡れ秋海棠は艶めきぬ 塩千恵子 201212
秋海棠閼伽桶に水汲み入れて 國保八江 やぶれ傘 201301
秋海棠ときに川音呂と律に 尾崎みつ子 雨月 201301
白埴の節の歌や秋海棠 村高卯 201302
庭手入れ妻に似合ひの秋海棠 石原健二 やぶれ傘 201312

 悼

とんと筆持たぬ今頃秋海棠

樺山翠 雨月 201312
秋海棠花も葉色も若々し 瀧春一 花石榴 201312
断腸花野に笛の音のとこしなへ 河合とき 末黒野 201401
秋海棠増やして齢重ねけり 笠井敦子 201401
思ひ出の父ばかりなり秋海棠 柴田佐知子 201401
塔頭の門に一本断腸花 加藤静江 末黒野 201401
橋元の秋海棠に水をやる 山田六甲 六花 201411
秋海棠紅の色増す雨雫 伊庭玲子 201412
秋海棠紅の色増す雨雫 伊庭玲子 201412
使ひきってゆきたいいのち秋海棠 斉藤裕子 あを 201412
池古りて秋海棠の咲きにけり 藤井美晴 やぶれ傘 201501
秋海棠意識無き妹五ヶ月目 上原重一 201511
秋海棠夜来の雨に紅ふかむ 渡部良子 馬醉木 201512
おむすびの海苔のぱりりと秋海棠 安藤久美子 やぶれ傘 201512
秋海棠どの花からも紅しづく 片山煕子 京鹿子 201601
蹲踞の水満々と秋海棠 菅野日出子 末黒野 201601
推しはかる母の胸中秋海棠 コ田千鶴子 馬醉木 201610
秋海棠の緞帳眺め露天風呂 赤座典子 あを 201611
語りかけるやうな風吹く秋海棠 本多俊子 201612
尼寺に尼気配なき断腸花 笹村政子 六花 201612
秋海棠山伏宿に百畳間 阿部月山子 万象 201612
通り雨濡れて品良き秋海棠 占部美弥子 末黒野 201612
秋海棠の花弁をぬふ白き鯉 赤座典子 あを 201612
俯きて雨に咲き初む秋海棠 山本茂子 末黒野 201711
待つとなく待つ返信や秋海棠 藤原照子 201712
くちびるの触れて秋海棠の紅 藤生不二男 六花 201801
面影のふとよみがへる秋海棠 府川昭子 春燈 201801
くちびるの触れて秋海棠の紅 藤生不二男 六花 201801
秋海棠映りて水のしづかなる 市村明代 馬醉木 201812
余生なほ照る日くもる日秋海棠 片山煕子 京鹿子 201901
妣の零すひかりの欠片秋海棠 山中志津子 京鹿子 201902
水底に生死のありて断腸花 鈴木愛子 201912
控え目の桃色今朝の秋海棠 杉原ツタ子 201912
トロ箱に秋海棠や浜の路地 森清堯 末黒野 202001
秋海棠どこか夢二の女めき 今村千年 末黒野 202001
秋海棠魚山の院の庭静か 善野行 聖五月 202010
ゆるやかに雲は朝へと秋海棠 山浦紀子 春燈 202011
露天の湯肩に触れそな秋海棠 七郎衛門吉保 あを 202011
秋海棠遊び相手の鯉背びれ 七郎衛門吉保 あを 202011
鴎外も子規も横顔秋海棠 仙田孝子 風土 202012
集落に残る一軒秋海棠 稲田延子 やぶれ傘 202101
夕風や妣を手招く秋海棠 荒井貞子 末黒野 202104
秋海棠疎遠諾ふよしもなく 和田照海 京鹿子 202111
庭乾ぶ秋海棠の際立ちて 今村千年 末黒野 202112
秋海棠水占ひの良きことば 升田ヤス子 六花 202112
秋海棠風さやさやと里の道 河合公八郎 202211
秋海棠に触れて裏木戸くぐる猫 小巻若菜 やぶれ傘 202212
秋海棠夕べの路地の雨意の風 森清堯 末黒野 202212
姉妹の蕾も落ちて秋海棠 高木晶子 京鹿子 202212
秋海棠触れむばかりに潦 森清堯 末黒野 202301
秋海棠脛の花車なる女俥夫 岡野里子 末黒野 202301
視野曇る眼科帰りの秋海棠 橋本奨代 やぶれ傘 202302
秋海棠 断腸花 →1

2023年10月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。