春 眠 2    97句

春眠を孫にふんずけられており   小沢昭一
作品
作者
掲載誌
掲載年月
どの猫も肥えて港の春眠し 栗原京子 201503
春眠の真中にゐつづけし左脳 佐藤恭子 あを 201504
春眠やお伽の国へ途中下車 阪倉孝子 201505
ビタミンカラーのサラダ春眠揺り起こす 赤岡茂子 春燈 201506
春眠の枕にからむ明けの雨 山根征子 201507
春眠を破る救急車の波動 岡山敦子 京鹿子 201507
春眠を胎児とともにむさぼりぬ 平居澪子 六花 201507
単線の駅のベンチや春眠し 宮澤靖子 末黒野 201508
春眠に富士見逃せし車窓かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
春眠を西へと運ぶ鉄路かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
春眠の枕としたる蘭奢待 岩下芳子 201606
春眠の覚めて浦島太郎かな 小張昭一 春燈 201606
春眠や四肢も五感もなきごとく 芝田幸惠 末黒野 201606
春眠を小さな雨の通りけり 根岸善行 風土 201607
春眠や夢のつづきの雨の彩 犬塚李里子 201607
春眠の詮なき夢やゆるびたる 柴田歌子 201608
春眠の中でころころ笑う母 井上正子 童女 201701
春眠の時も含めて一生涯 高橋将夫 蜷の道 201703
春眠や四肢も五.感.もなきごとし 芝田幸惠 末黒野 201704
春眠や膝に閉ぢゐる鳥図鑑 栗山みどり 201705
山門に貘の彫刻春眠し 片山博介 春燈 201705
春眠に渚のありて寄せ返す 七田文子 201706
春眠の覚めて机辺の反故の数 森清堯 末黒野 201707
春眠の心浮かるる旅の夢 廣田幸子 末黒野 201707
あらたかに坐す春眠の飛鳥仏 平野多聞 201707
春眠や夢の奥からベルの音 篠原敬信 六花 201707
春眠の擒となりし一車両 河崎國代 春燈 201707
春眠の覚めて五体のままならず 久貝芳次 末黒野 201708
春眠の苦い葉つぱを食べる夢 おーたえつこ 201709
春眠をひとりむざぼるゴリラかな 小池一司 やぶれ傘 201806
春眠や隣家が回す洗濯機 小山陽子 やぶれ傘 201806
春眠の終り辺りの鳥の声 谷口一献 六花 201806
春眠やすとんと重力なき世界 宮内とし子 201806
春眠の猫の齢を見せざりし 前田美恵子 201808
春眠の覚めることなく逝かれしと 今井千鶴子 ホトトギス 201809
春眠の覚めて手足の重さかな 山田佳乃 ホトトギス 201809
春眠す本当の我となる日まで 松永みよこ 船団 201809
球体のなかに球体春眠し 原ゆき 船団 201811
春眠の途中で覚めて老かなし 木村享史 ホトトギス 201811
春眠や漱石の書と抱き寝かな 酒井たかお 201902
春眠に委ねし旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201903
春眠にゆだねし怠け心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201904
春眠の枕返せば夢つづく 水野恒彦 201904
春眠のどつぷり大き枕窪 七田文子 201904
ライオンは春眠中なので去る 浅田光代 風土 201904
夢も見ず春眠覚めて絹の雨 長谷川翠 馬醉木 201905
春眠の勝手に動く手足かな 高橋将夫 201905
春眠の抜けぬ五感や枕抱く 山口登 末黒野 201906
路上生活者死んでゐるのか春眠か 篠田純子 あを 201906
古文書の虫めく文字春眠し 平田はつみ 馬醉木 201907
春眠や家事の音みな妻の音 農野憲一郎 春燈 201907
春眠と言ひつ暁には起きぬ 間島あきら 風土 201907
春眠や寝釈迦の睫毛揺れ給う 渡辺節子 201907
春眠し象形文字が連なって 浅井洋子 201907
春眠や戻れぬ日付変更線 伊吹之博 京鹿子 201907
春眠や夢の欠片を拾ひ得ず 松本三千夫 末黒野 201907
三文の損と知れど春眠し 戸田澄子 末黒野 201907
春眠のほどよき車中一人旅 安原葉 ホトトギス 201908
美奇さんは春眠中と思ひたし 大久保白村 ホトトギス 201909
春眠や車窓の富士は疾うに過ぎ 安原葉 ホトトギス 201910
春眠を払ひ早出となりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202003
春眠の消えてうつつの文化賞 稲畑汀子 ホトトギス 202003
旅終へて又次の旅春眠し 稲畑汀子 ホトトギス 202004
春眠に従ふほかはなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 202004
春眠のつづきのやうな家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 202004
春眠やまだ覚めやらぬ両隣 鍋島武彦 末黒野 202005
春眠の母に呼ばれてゐるやうな 根本世津 202005
春眠や憂き世はなるる小半時 有賀鈴乃 末黒野 202006
一粒のチョコや春眠断つ決意 小田嶋野笛 末黒野 202006
ウイルスの影や春眠浅きまま 石黒興平 末黒野 202006
春眠の子やアジトめく六畳 森清信子 末黒野 202007
春眠に委ねたるより旅疲れ 稲畑汀子 ホトトギス 202104
春眠の遥かな旅を戻りけり 森なほ子 あを 202104
春眠の夢に自粛はなかりけり 森なほ子 あを 202104
自画像のゴッホの視線春眠覚む 武田未有 202104
春眠し宇宙にすつと吸ひ込まれ 三木亨 202105
メロディーを奏づる時計春眠し 吉川隆 春燈 202105
春眠し波引く音に誘はれ 澤田英紀 202106
老いを深めて春眠のさめやらず 五十畑悦雄 202106
春眠や肩の荷一つずつ下ろし 齋藤晴夫 春燈 202106
春眠やラジオの流すクラシック 小倉純 末黒野 202107
春眠し眠しと五百羅漢かな 須藤常央 ホトトギス 202110
春眠の夢の私語ささめのとばっちり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202203
春眠や乳首離さぬ赤ん坊 本間せつ子 末黒野 202205
春眠や亡きひとたちに囲まるる 山田暢子 風土 202205
波を生む儒艮の欠伸春眠し 山浦紀子 春燈 202206
ボルゾイも吾も春眠のあと欠伸 山本泰人 春燈 202206
春眠の膝より落とす布カバン 中村洋子 風土 202207
春眠の宙を駈けきし手足あり 橋添やよひ 風土 202207
春眠し隣る座席のポップコーン 森田節子 風土 202207
春眠の夢途切れたり震度四 石黒興平 やぶれ傘 202207
春眠のただ中にあり猫な鳴きそ 今村千年 やぶれ傘 202207
春眠やくぐもりあへる鳩の声 善野行 六花 202207
春眠し野良の酸素の無尽蔵 廖運藩 春燈 202207
上梓の日待たれず永久の春眠に 木村享史 ホトトギス 202209
春眠のつづきを虚子に抱かれて 木村享史 ホトトギス 202209
揺り椅子の罠にはまりて春眠し 服部早仙空 202211
春眠の夢の中でもまた眠り 星加鷹彦空 202211
春眠→ 1

2023年4月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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