春 眠 1    278句

春眠を孫にふんずけられており   小沢昭一
作品
作者
掲載誌
掲載年月
小恙の春眠といふ妙薬に 山田弘子 円虹 199806
トランペットララバイ春眠誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 199902
大会の余韻春眠誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 199903
春眠にわが健康を委ねけり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
書き出しの躓いてをり春眠し 稲畑汀子 ホトトギス 199904
指先の春眠となりゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
忘れゐし原稿いくつ春眠し 稲畑汀子 ホトトギス 199904
春眠の肘まろまろとありにけり 鷹羽狩行 199905
春眠や覚めてはわれを遠くせり 神蔵器 風土 199906
春眠や時差なき国の寧けさに 山田夏子 雨月 199906
春眠や笑ふは何の夢見てか 大平保子 いろり 199906
春眠の奈落といふは明るくて 長山あや 円虹 199908
春眠の続きを孵す羽根布団 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 199908
春眠や鳥になりても飛べぬ夢 岩水節子 199909
春眠の前駆けぬける一輪車 山中宏 船団 199909
春眠のテトラポットの顔なき群 丸山海道 海道全句集 199910
春眠の覚めぎは潮の引くごとし 杉良介 200004
創作の意の干満に春眠し 能村研三 200004
雨垂れの音に春眠肯へり 朝妻力 俳句通信 200004
春眠の二つ目の橋くぐりけり 奥田節子 火星 200005
春眠の足元にある湖国かな 神蔵器 風土 200005
春眠の胎児の形なりしかな 小山森生 200005
春眠のさめてつめたき十指かな 浜口恵以子 風土 200006
春眠しボート湾ぐ音声に聞き 谷野由紀子 俳句通信 200006
春眠の深さよショパン弾きこなし 堀田知永 俳句通信 200006
春眠の子にオルゴール鳴りはじめ 岡田ン太雄 雨月 200006
春眠や覚めてこぼれしものあれば 保坂加津夫 いろり 200006
地にからだこゝろは天に春眠す 北原壽倫 ホトトギス 200008
天地などどうでもよくて春眠す 北原壽倫 ホトトギス 200008
春眠の枕を外し枕抱く 北原壽倫 ホトトギス 200008
春眠の夢にナホトカ港今も 小西龍馬 ホトトギス 200008
春眠や手のぬくもりを比べつつ 木暮陶句郎 ホトトギス 200008
春眠に三行ほどで捕はれし 今橋眞理子 ホトトギス 200008
春眠に引き込まれゆく刹那あり 今橋眞理子 ホトトギス 200008
春眠に思考術なく従ひぬ 今橋眞理子 ホトトギス 200008
春眠の小さき拳のまろさかな 本村照香 ホトトギス 200008
春眠の膜ぬぐへどもぬぐへど 本村照香 ホトトギス 200008
春眠の豪雨の中にゐたりけり 下山田美江 風土 200008
春眠やみんなの体操やりそこね 高木伸宜 ヒッポ千番地 200009
春眠の瞼にたまご抱くような 中原幸子 遠くの山 200010
春眠の蒅は筵八重に被て 品川鈴子 ぐろっけ 200103
春眠や後付けしたる河馬の耳 行方克巳 知音 200104
春眠の河馬のぐらりとしては止み 行方克巳 知音 200104
蹼のあるやうに春眠たかり 山尾玉藻 火星 200104
かの雲を呼び春眠の枕頭に 小澤克己 遠嶺 200104
病む人か付き添ふ人か春眠し 山野みどり 銀化 200104
春眠の渕よりあがりきれずゐる 鷹羽狩行 200105

 悼 高橋銀次氏

春眠のふかみにはまりたまへるか

神蔵器 風土 200105
願はくは春眠のごとやすらかに 塩田博久 風土 200105
一生の長し春眠むさぼりぬ 村越化石 200105
春眠や崖つ淵とも気付かざる 森麟 銀化 200105
春眠を目守まもる写真はみな亡者 品川鈴子 ぐろっけ 200105
高速路耳を預けて春眠し 松沢久子 いろり 200106
春眠や平衡感覚失はず 塩路隆子 200107
公園のベンチに一人春眠し 家塚洋子 酸漿 200107
春眠やこのまゝ覚めず悔いのなし 久保田一豊 いろり 200107
春眠の客の舟漕ぐ水牛車 宮城菊子 200107
春眠のいかつき顔のままである 渡部ひとみ 船団 200107
春眠を誘ふほどの釣果かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
狸寝入りして春眠に落ちにけり 大関靖博 200204
ねぢ山の馬鹿になりたる春眠し 朱間繭生 銀化 200204
湯を出でて鰈のごとく春眠す 田中藤穂 あを 200204
春眠や耳かき棒の姫小芥子 板倉勉 六花 200204
春眠の淵這ひあがるところまで 中原道夫 銀化 200205
春眠きままの齢を大切に 村越化石 200206
春眠の曽孫土産の木靴抱けり 伊藤通友 200206
春眠や鐘の一打に目覚めたり 中道錦子 200206
春眠を破り国際ファクス入る 佐方敏明 ぐろっけ 200206
春眠のわが身をつつく鳥の声 鷹羽狩行 200207
春眠の国に片靴忘れたる 栗栖恵通子 200207
春眠くなり心地よき旅疲 稲畑汀子 ホトトギス 200302
春眠の己が匂ひの中にあり 斉藤由美子 ぐろっけ 200303
春眠のすとんと墜ちて碧い海 鈴鹿仁 京鹿子 200304
春眠の続きに母も妻もをり 小林正史 200305
春眠の部屋より洩るる日のひかり 岩木茂 風土 200305
春眠の夢の中へと逆落し 鷹羽狩行 200305
春眠の端に弦楽四重奏 藤井寿江子 馬醉木 200306
春眠や始発電車を遠く聞き 田中清子 遠嶺 200306
春眠の身を御仏に委ねられ 河野美奇 ホトトギス 200307
図書館に春眠席の二つ三つ 磯崎清 200307
聴講の椅子春眠に襲はるる 岸本久栄 雨月 200309
春眠をつづけるつもり日曜日 武井玲子 八千草 200309
春眠に覚めて百年過ぎてゐし 松田都青 京鹿子 200309
春眠の目覚促す電子音 井上良久子 帆船 200310
春眠や兎も亀もいまに生き 西川織子 馬醉木 200401
喪心といふ春眠に似たるもの 稲畑汀子 ホトトギス 200403
声明の荘厳にして春眠し 浅川正 雲の峰 200403
遠き日へ誘はるごと春眠す 村越化石 200405
一本の脚の春眠フラミンゴ 沼口蓬風 河鹿 200406

 悼小沢きく子さん

春眠なら覚めよお顔のやさしかり

田所節子 200406
助手席や足からのぼりくる春眠 飛鳥由紀 200406
春眠し遠く近くを水流れ 戸栗末廣 火星 200406
春眠のきりりと一本アイシャドー 大東由美子 火星 200406
またひとり春眠に入る美容院 亀ヶ谷照子 遠嶺 200406
春眠や舞妓に固き箱枕 史あかり ぐろっけ 200406
一と仕事春眠をして二た仕事 滝青佳 ホトトギス 200407
春眠や写真抜けきし夫の背 鳴海清美 六花 200407
春眠の暁覚ゆ齢かな 志方章子 六花 200407
春眠や彼の世でもこの世でもなく 村松夏魚 200407
春眠の反省ばかりしてをりぬ 斉藤利枝子 対岸 200407
春眠の永眠のごと続きをり 秋千晴 200408
モーニングコールが頼り春眠す 中島知恵子 雨月 200408
春眠のなかぬけてゆくしつけ糸 八田木枯 夜さり 200409
春眠の波の一つに魘さるる 八田木枯 夜さり 200409
春眠のなかにほどよき竹のかず 八田木枯 夜さり 200409
日日休日春眠むさぼる程もなく 池島知佳 八千草 200411
三分の二は春眠のほどけぬ座 稲畑汀子 ホトトギス 200503
雑巾の如く疲れて春眠す 谷口秋翠 築港 200504
春眠の覚めて視線の中にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200504
目つむれば春眠にある心地して 稲畑汀子 ホトトギス 200504
春眠や二組だけのロマンスカー 栗山恭子 帆船 200505
春眠や猫の重さと沈み行く 秋田谷明美 帆船 200505
春眠のやさしき瞳コアラの仔 沼口蓬風 河鹿 200506
春眠をむさぼり壮気取り戻す 泉田秋硯 200506
春眠の海馬に神のおはします 中野京子 200506
春眠のところどころに妻の声 長野純顕 対岸 200506
深水の軸や春眠まどかなる 高橋照子 雨月 200506
歳経ても同じ春眠むさぼりぬ 村越化石 200506
春眠の童は夢を見て笑ふ 高橋将夫 200507
春眠は砂のくづるるやうにかな 林裕子 風土 200507
登り窯春眠のごと薪積まれ 森川泰雄 200507
焼夷弾降る春眠を遠く降る 河内桜人 京鹿子 200507
春眠の底に亀裂の大余震 秋千晴 200507
寒卵いま春眠のもみの中 大高芭瑠子 炎夏 200507
春眠の瞼重たく醒めてをり 荻江寿友 ホトトギス 200508
春眠やホットミルクの皮あつし 瀬川公馨 200508
春眠の取り止めも無き夢長し 矢野律子 200508
春眠につづく安眠養生中 葛馬房夫 雨月 200508
春眠を真二つに裂く大余震 秋千晴 200510
春眠の途中冥府に寄りにけり 高橋将夫 炎心 200510
春眠の底まで逢ひに来たる人 山田弘子 ホトトギス 200511
春眠を払ひたるより運転す 稲畑汀子 ホトトギス 200604
春眠の光まとひて来りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200604
稿債に向かふ春眠ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200604
此の世の事忘れ春眠むさぼれり 横山茂子 200604
春眠の覚めまだ夢の中にゐる 鷹羽狩行 200605
春眠の枕も置かれ民話聴く 村越化石 200605
春眠やそのまなうらに時うつる 鎌倉喜久恵 あを 200605
春眠の夢に目覚めて夢を追ひ 園田その子 河鹿 200606
春眠しアリアたゆたふ昼下がり 松田有伽 河鹿 200606
春眠の遥かに遠く電子音 菊地光子 200606
春眠の渚にかさと蕎麦枕 鮎川富美子 200606
春眠より覚めて俳誌を掴みけり 次井義泰 200607
春眠の天使の顔かコアラの子 沼口蓬風 河鹿 200607
春眠の覚めやらぬ間に脈とらる 福地淳祐 春燈 200607
晒されて春眠永き二面石 豊谷青峰 春燈 200607
春眠のあとも秒針続きをり 竹下昌子 200607
春眠の夢せきとめる柵の欲し 前川明子 200607
春眠のあと哲学の道に出づ 小澤克己 遠嶺 200607
春眠や彼の世の母に起こさるる 藤井久仁子 ぐろっけ 200607
春眠や妻の寝言に返事して 徳丸峻二 風土 200607
春眠や惚は悲しみの麻酔薬 滝沢幸助 春燈 200608
睫毛の先より春眠の来たりけり 樋口みのぶ 200608
春眠の醒めて浦島傘寿なり 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200608
ペン先に吐きだす昨日春眠し 山元志津香 八千草 200610
春眠や少女時代に戻る夢 中島英子 八千草 200610
春眠に靴下片方ぬげていて 森田子月 ぐろっけ 200702
春眠といふ旅疲れとも云へて 稲畑汀子 ホトトギス 200703
憑き物の落ちたるさまに春眠し 高倉和子 200703
春眠といふ揺り籠に身を容るる 村越化石 200704
春眠や人間の影河馬の影 延広禎一 200705
春眠や瞼今朝から重きまま 中島玉五郎 200705
「考へる人」春眠の続きらし 山口速 200706
凭れ来し春眠の頭許しをり 本藤みつ 200706
春眠の耳より覚めて鳥の声 川崎良平 雨月 200706
春眠を貪りしころふしぎなり 早崎泰江 あを 200706
春眠のつづきにゐたる海虎 杉浦典子 火星 200707
春眠や時空ひと飛びしてきたる 近藤喜子 200707
忌を修す経に春眠容赦なく 馬越幸子 ぐろっけ 200707
脳の襞伸びしままなり春眠き 伊藤稔代 200708
清貧に徹し春眠ほしいまゝ 小島左京 ホトトギス 200708
遅参せし言訳春眠とは言へず 小島左京 ホトトギス 200708
春眠の子は大空を飛んでおり 貝森光洋 六花 200708
春眠の髪を重たくもたれらる 垣岡暎子 火星 200709
春眠を破る鴉の大き声 滝沢伊代次 万象 200803
祝ぎの宵春眠の朝断ちて旅 稲畑汀子 ホトトギス 200804
切りかけのまゝオベリスク春眠中 河村泰子 ぐろっけ 200804
春眠や忘れてをりし周りの眼 高嶋文清 春燈 200805
赤ん坊の欠伸まんまる春眠し 博多永楽 雨月 200805
春眠のもうひと扱きの夢見かな 小澤克己 遠嶺 200806
春眠を出でてスクランブルエツグ 林いづみ 風土 200806
春眠や死んでないかと妻が声 懸林喜代次 春燈 200806
春眠の学生ひざの上に胴着 きくちきみえ やぶれ傘 200806
文庫本頁そのまま春眠し 伊東和子 200807
春眠の夢に飛び込む微震かな 小田切明義 春燈 200807
春眠の夢のつづきの途切れずに 赤松丹山 雨月 200807
春眠の尾にぼろぼろの兵は哭き 藤田宏 長城 200808
二条城障壁画なり春眠す 林日圓 京鹿子 200904
春眠き六腑を洗ふ龍井茶ろんじんちや 片山由美子 200904
春眠や洗ひしままの湿り髪 ことり 六花 200904
春眠し環状線をふた周り 塩路五郎 200905
春眠やテレビ消されて目覚めたる 岡佳代子 200905
春眠にやすらふ千年の半跏坐仏 新関一杜 京鹿子 200905
春眠の足りし思ひに浸りをり 牧原佳代子 酸漿 200905
春眠を補ふ二度寝目つむれば 泉田秋硯 200906
春眠のやうなる虚子のデスマスク 木村茂登子 あを 200906
叱るひと無くて春眠腐るほど 田原陽子 200907
春眠や雨の音にも覚め遣らず 由井求 200907
春眠のやましき夢より覚め難し 平居澪子 六花 200907
春眠し未明の童話手より落ち 安藤久美子 やぶれ傘 200907
春眠や夢の中でも探しごと 阿部悦子 酸漿 200907
冬去りし今春眠に浸る朝 牧原佳代子 酸漿 200907
春眠の夢は童にかへりけり 加藤千津 ろんど 200907
春眠の続きのやうに身罷りし 木村享史 ホトトギス 200910
春眠し起きよ起きよと目覚しは 大畑善昭 201004
春眠や永久の眠りへ小手調べ 大口堂遊 春燈 201004
春眠を隣りに置きて講演会 中山静枝 201005
春眠や夢の中では杖持たず 山田をがたま 京鹿子 201006
隣席の春眠うつり来つつあり 塩田博久 風土 201006
春眠の覚めゴルフしてをりしかと 大橋晄 雨月 201006
春眠・不眠警策の一打欲し 田中貞雄 ろんど 201006
春眠の婆勢のままに永眠す 竪山道助 風土 201007
春眠の中で洗ひし父母の墓 竪山道助 風土 201007
春眠の夢の私は女学生 丹生をだまき 京鹿子 201007
春眠や届かぬ夢を夢に見て 荻野千枝 京鹿子 201007
春眠の十分で時差生まれけり 宮内とし子 201007
十代の春眠尽きることもなし 陶山泰子 ぐろっけ 201007
たましひのすとんと抜けて春眠し 市村健夫 馬醉木 201012
春眠や色鯉の水混みあへる 丸山照子 火星 201102
春眠を覚ます津波の夢なりし 持永真理子 投稿 201105
春眠やまず関節を目覚めさせ 中村ふく子 201105
青空の端ばかり見て春眠し 高倉和子 201105
春眠を促してゐる額の夫 芝尚子 あを 201105
春眠に枕代はりの哲学書 石川かおり 201106
春眠の夢奪ひたる地震かな 鈴木静恵 春燈 201106
春眠を貪つてをる無精髭 中島昌子 201106
春眠や鍵穴一つ鍵二つ 吉清和代 万象 201106
字を書けるごと春眠を偽装せり 年森恭子 ぐろっけ 201106
春眠の体内時計作動せず 田中眞由美 ぐろっけ 201106
春眠を引きずるやうに油槽船 田中貞雄 ろんど 201106
春眠の覚め際地震の濤かぶる 松井志津子 201107
春眠にきざむリズムや雨の朝 松本アイ ぐろっけ 201107
遊行期を生きて春眠恣しいまま 増田甚平 ろんど 201107
これやこの春眠羅漢傘預け 桂樟蹊子 201204
春眠の深海にゐて電話鳴る 掛井広通 201204
春眠の中で飛んでる我は鳥 郡山真帆 かさね 201205
春眠の寝返りのほか無々むむむ 大畑善昭 201205
やじろべゑ右に傾き春眠し 宮内とし子 201205
春眠を覚ますベル音電子音 鈴木照子 201206
春眠や心ゆくまでとはいかず 中田とも子 201206
春眠をなほ深うせる痛み止 小澤菜美 201207
春眠の共犯者めくソファかな 高橋信一 201207
曼陀羅の佛数へて春眠し 栗栖恵通子 201207
春眠や天下御免の隠居部屋 近藤ともひろ ろんど 201208
春眠や身体のどこか水流れ 平居澪子 六花 201208
春眠や車内放送遠く聞き 大久保白村 ホトトギス 201209
春眠の深きに垂らす錘かな 高橋龍 201212
一休の書や春眠を貧りぬ 広渡敬雄 201303
春眠の足の先よりむず痒し 細野恵久 ぐろっけ 201304
春眠の膝に分厚き工学書 佐々木群 201304
春眠にドアのノックは三度鳴る 安居正浩 201305
春眠し佳境無になるサスペンス 吉田克美 ろんど 201305
春眠や子の名を呼びて起こす母 橋本修平 かさね 201306
春眠の時も含めて一生涯 高橋将夫 201306
春眠のブラックホール抜け切れず 前田美恵子 201306
春眠や来し方にある忘れもの 上原重一 201306
春眠の夢より覚めて音探す 丸井巴水 京鹿子 201306
診療を待ちて春眠心地なり 布川直幸 201402
春眠のあと幾年の贅なるや 大口堂遊 春燈 201404
春眠や寝ても覚めても誰もゐず 松本秀子 201404
もぞもぞとまだもぞもぞと春眠し 安居正浩 201405
春眠のなみだこめかみ素通りす 甲州千草 201405
春眠の一刻千金きはまりぬ 神蔵器 風土 201405
春眠の夢の出口の自動ドア 千田百里 201405
駅名を遠くに聞けり春眠き 阪本哲弘 201406
春眠の途中で亡夫とはぐれけり 鈴木庸子 風土 201406
春眠の脳内むしろ活性化 鈴木良戈 201406
春眠の老女くすぐる落語かな 中川久仁子 201406
春眠は持時間外むさぼりぬ 熊谷ふみを ろんど 201406
春眠をむさぼる本を積み上げて 岩下芳子 201406
春眠を誘ふショパンの夜想曲 奥田茶々 風土 201406
目的の駅はそろそろ春眠し 小山陽子 やぶれ傘 201407
春眠しこの世を捨ててしまふごと 高倉和子 201407
春眠やここは最果て徐福像 鎌田悟朗 ろんど 201407
春眠や一筆箋の罫太く 柿沼盟子 風土 201407
春眠の中まで寝言及びたり 荒川美邦 京鹿子 201408
春眠や吉野の夢のつづき見る 稲岡長 ホトトギス 201408
どの猫も肥えて港の春眠し 栗原京子 201503
春眠→ 2      

2021年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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