春泥/春の泥 3       130句

鴨の嘴よりたらたらと春の泥   高浜虚子   五百句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春泥の泥の枷ぬけ踏切へ 鷹羽狩行 200803
春泥の子の靴戸口にごちやごちやと 滝沢伊代次 万象 200803
浚渫船海の春泥浚ひをり 中島玉五郎 200804
税務署に春泥のあと残しけり 奥田茶々 風土 200805
春泥や豊葦原の瑞穂の國 加藤みき 200805
春泥の轍を軽く歩きをり 吉田順子 200805
春泥の峠路行くにロボットめく 村井久美子 200805
春泥のゴム長ばかり葬の家 丸山照子 火星 200805
春泥の乾きしままに眠る犀 若本彰子 酸漿 200805
履き慣れし靴の春泥拭ひ履く 小松渓水 酸漿 200805
春泥の靴洗ふ子の真顔あり 伊藤克子 酸漿 200805
春泥を犬も嫌ひて後退る 泉田秋硯 200806
おもしろくなくて春泥ふんでみる 岡敏恵 ぐろっけ 200806
春泥の真ん中に子を落とす真似 清水幸治 200806
棟上げの柱に春泥跳びにけり 浜口高子 火星 200806
山なみを見て春泥を跨ぎけり 岡和絵 火星 200806
春泥やわだち一本山に入る 水谷ひさ江 六花 200806
小流に靴の春泥洗ひけり 阿部悦子 酸漿 200806
春泥に溺れてきしむ乳母車 木内美保子 六花 200807
投げ返すボール春泥付きしまま 秋千晴 200808
春泥やもう来ないかも藥売り 鈴木多枝子 あを 200808
春泥の顔に飛び込む球の蹴り 滝沢伊代次 万象 200902
祖母の地と思へば親し春の泥 小倉陶女 春燈 200903
地下足袋を春の泥からひき抜きぬ 山田六甲 六花 200903
蹴り上げて春泥飛ばす馬の脚 ことり 六花 200903
タラップの脚がめり込む春泥に 品川鈴子 龍宮の客 200904
春泥の畦をまたいで空青し 斎藤道子 馬醉木 200904
玄関に春泥の靴脱ぎつぱなし 中山静枝 200904
春泥や無人売場に事足らひ 白澤よし子 馬酔木 200905
退屈をもて余しゐる春の泥 竹内悦子 200905
春泥やおつとあご引け背ナ伸ばせ 柳川晋 200905
春泥の径幾曲がりして山陵 豊田都峰 春燈 200905
春泥にたしなめられし気の弛み 高木智 春燈 200905
春泥や検針員の靴のあと 米澤光子 火星 200905
春泥をたどりて浅き流れまで 大島英昭 やぶれ傘 200905
踏むことのもうなし父祖の地の春泥 松本峰春 春燈 200905
能面に裏の顔あり春の泥 竹内悦子 200906
春泥に残る靴あと小さかり 加古みちよ 火星 200906
春泥に忘れられゐし端の藁 中村恭子 200906
父の代の匂ひに乾く春の泥 高橋道子 200906
春泥やもの憂き刻を踏んでゐし 荻野千枝 京鹿子 200906
一行の誤植みすごし春の泥 荻野千枝 京鹿子 200906
春泥や身の置きどころさぐりけり 荻野千枝 京鹿子 200906
春泥にいち枚渡す歩み板 根橋宏次 やぶれ傘 200906
新調の服春泥の嫉妬浴ぶ 横井明子 200907
春泥や墓のみとなり一家族 折橋綾子 200907
神主の跨ぐ春泥地鎮祭 吉村さよ子 春燈 200907
春泥を飛ばしてゆきしトラクター 高倉恵美子 200907
春泥に宿の下駄借り履き悩み 奥村鷹尾 京鹿子 200909
逃亡と言へなくもなし春の泥 直江裕子 京鹿子 201001
春泥を踏めば膨らむ金閣寺 竪山道助 風土 201001
春泥の径幾曲りして山陵 豊田都峰 土の唄 201002
淡々と春泥をゆく農夫かな ことり 六花 201003
のつそりと春泥まみれに戻る猫 ことり 六花 201003
春泥を彩つてゐる五六片 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
明日から春泥となる光りをり 安居正浩 201004
荷車の押し引きならず春の泥 山田六甲 六花 201004
春泥を来しとも見えず尼の品 塩路隆子 201005
春泥に残る生活の轍跡 田中芳夫 201005
春泥の靴跡あまた隣保館 塩路五郎 201005
春泥の水玉模様ハイソックス 加藤みき 201005
雲を追ふ神馬の尻尾春の泥 竹中一花 201005
校長の校門に立つ春の泥 田中文治 火星 201005
春泥を前に鞄を持ち直す きくちきみえ やぶれ傘 201005
春泥に忍びの奔る映画村 櫻木道代 ぐろっけ 201005
春泥や子らの駈けゆく畷道 池田達二 風土 201005
春泥を子の長靴は飽きず踏む 柴田志津子 201005
梅園にあり春泥を跨ぎたる 佐藤喜孝 あを 201005
春泥の道殘りゐて常夜燈 長崎桂子 あを 201005
遠回りしても春泥続きをり 長崎桂子 あを 201005
春泥を踏みて鵯越の径 坂根宏子 201006
春泥を蹴り流鏑馬の始まりぬ 稲垣佳子 末黒野 201006
春泥を跳びて鳴りたる腰の鈴 大川暉美 末黒野 201006
義経に習ひ飛び越す春の泥 坂口郁子 末黒野 201006
新宿を発ち春泥の駅に着く 矢野みはる 201006
春泥を避け春泥の森の径 山本無蓋 201006
春泥をつけし草履や躙口 松田明子 201006
春泥に嘴入れさぐるフラミンゴ 堀井英子 雨月 201006
春泥を避け来て虚子の句碑へかな 上田明子 雨月 201006
春泥を踏みて銀嶺前うしろ 松井千鶴子 201006
神鶏の尾羽根に乾く春の泥 松井千鶴子 201006
春泥の赤き靴ゆく歩道橋 壁谷猪一 201006
春泥に眉を隠して遊びけり 石黒一憲 201006
足踏みをして春泥を落としけり 河崎尚子 火星 201006
負け猫の四肢に乾きし春の泥 西川みほ 末黒野 201007
春泥にとつつかまつてしまひけり 大野崇文 201007
新しき靴の一歩を春泥に 加藤恵子 万象 201007
春の泥守る球児の足掬ふ 改正節夫 ぐろっけ 201007
まづ兄がとんでみせたる春の泥 樋囗みのぶ 201008
春泥のここ青山として老いぬ 山本丈夫 201104
引綱に春の泥つけ畦の牛 青木由芙 末黒野 201104
俥屋の地下足袋春の泥だらけ 田中浅子 201105
春泥を踏みて離るる赴任の地 井口淳子 201105
春泥を一つ跳びとはままならず 中村ふく子 201105
春泥の足で浄土の門くぐる 高橋将夫 201105
葛飾に牛舎のいまも春の泥 森田尚宏 201105
春泥のなかに一国沈みゆく 鈴木阿久 201105
春泥の乾き気付かぬ鈍き肌 宮崎きみ枝 201105
春泥を踏みつつ人におくれをり 野澤あき 火星 201105
ふるさとヘハンドル握る春の泥 野澤あき 火星 201105
春泥に長靴重く捗どらず 猿橋二三雄 ぐろっけ 201105
春の泥疏菜運べる猫車 櫻木道代 ぐろっけ 201105
春泥に逡巡したる鹿の晴 西田美ち ろんど 201105
外に出でて靴底重き春の泥 井関祥子 酸漿 201105
春泥に尾をひきずれる神の鶏 笹村政子 初鼓 201105
傾ぐままベビーカー行く春の泥 中原吟子 雨月 201105
春泥に汚れし湖魚は積みのこされ 中原吟子 雨月 201105
訪ふに春泥の靴まづ詫びて 中原敏雄 雨月 201105
春泥に踏み込みてさへ思ふこと 稲岡長 ホトトギス 201106
春泥をはねあげ越の牛角力 中村房子 馬醉木 201106
春泥は大地の笑窪かも知れず 田中涼平 201106
璦つにも春の泥つけ男の子 荒木甫 201106
春泥に押し流されし蟻の国 久津見風牛 201106
足跡の力が残る春の泥 吉清和代 万象 201106
近道の春泥ひとつ跳びそこね 松本三千夫 末黒野 201106
介護士のスニーカにつく春の泥 中尾廣美 ぐろっけ 201106
春泥をつぎつぎと来るランドセル 神田小夜子 ろんど 201106
春泥を町に履き出す男子校 鈴木とおる 風土 201106
春泥に籾殻を撒く妻の墓 鈴木とおる 風土 201106
駅までの近路遠し春の泥 落合晃 201107
春泥や越えねばならぬ事あまた 今村征一 ホトトギス 201107
春泥を跳べぬ齢と跳んで知る 今村征一 ホトトギス 201107
春泥や死ぬ迄消えぬ罪と罰 折橋綾子 201107
被災地の球児春泥ものとせず 岡田満喜子 ぐろっけ 201107
春泥をざくざく踏んで敗け戦さ 松田都青 京鹿子 201107
春泥を付けて来たりし親しさよ 雨村敏子 201107
草に拭く墓参の靴の春の泥 藤井美晴 やぶれ傘 201108
杉穂敷く義経道の春の泥 河崎尚子 火星 201108
靴底にぺつちやんくちやん春の泥 布川直幸 201202
踏み迷ひたる春泥を踏みて行く 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
春泥→ 4      

 

2021年3月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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