障子貼 2    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母と子と妻のためなり障子貼る 高橋将夫 200912
清しさの日毎増したり障子貼る 長崎桂子 あをかき 200912
貼り替へし障子明りへ机寄す 木野本加寿江 火星 201001
夫立ち妻膝をつく障子貼 大坪景章 万象 201001
風の夜を追はるる如く障子貼る 大松一枝 201001
十枚の障子を貼りて家守る 鈴木セツ 201002
貼替ふる夢描きをり白障子 大澤洋子 酸漿 201002
貼りかへて障子明るき茶の間かな 田所洋子 雨月 201003
ゆるみなく貼られてありぬ寺障子 森山暁湖 万象 201004
切り貼りの花の散り様白障子 水野久代 201005
障子貼る十三日の金曜日 甲州千草 201011
障子貼る濡れし布巾をくはへもて ことり 六花 201011
山中や今も障子を洗ふ貼る 鷹羽狩行 201011
杣小屋の二間つづきや障子貼り 能勢栄子 201101
障子貼り明るき影の生れけり 伊藤敦子 末黒野 201101
障子貼り昨夜いさかひ中休み 武田ともこ ぐろっけ 201101
長子はや五十路に入るや障子貼り 杉本綾 201101
過去形を白に仕切るや障子貼る 菅野雅生 ろんど 201102
花形の紙片貼られて白障子 小川滋 やぶれ傘 201102
本堂にうら若き声障子貼る 内海保子 万象 201102
貼り替へし障子明りに経写す 八田マサ子 馬醉木 201102
貼り終へし障子の前に正座かな 本文代 万象 201103
貼り替へし障子の鳴りぬ小夜嵐 小川玉泉 末黒野 201103
松過ぎややぶらる障子丸く貼る 松澤美惠子 201104
猫のあけし穴また貼りぬ春障子 木村傘休 春燈 201105
貼りかへし障子の隅に日付書く 須賀敏子 あを 201112
姉妹では私ひとりよ障子貼り ことり 六花 201112
母の手を真似ればよろし障子貼る ことり 六花 201112
障子貼り終えしものより立てかける ことり 六花 201112
障子貼る紙幅うまく合はぬなり ことり 六花 201112
障子貼る秋をやさしく迎へむと ことり 六花 201112
遠巻きの孫らの前で障子貼る 片岡石走 ろんど 201201
障子貼るああ一年と一人言 長崎桂子 あを 201201
ジーパンともんぺが並ぶ障子貼り 小池清司 かさね 201202
貼りたての障子山家の格上がる 松井洋子 ぐろっけ 201202
障子貼る夫婦の一日暮れにけり 和田政子 201202
Gパンが少し窮屈障子貼る 荒木甫 201202
穴あけし頃語りつつ障子貼る 内藤三男 ぐろっけ 201202
切貼りの淡き押し花春障子 松岡和子 201205
独身とはこんなもんかい障子貼る 前田恵美子 青鷹 201210
我と我が声にうなづき障子貼 山尾玉藻 火星 201210
ぞんがいにすすむひとりの障子貼 山尾玉藻 火星 201210
諦観も羨望も無し障子貼る 宮井知英 201210
障子貼つて明るき書斎竹の影 雨村敏子 201211
救急車のサイレン障子貼り居れば 山本町子 風土 201212
障子貼るあたかも心灯すかに 雨村敏子 201301
亡き母の手と重なりて障子貼る 長久保郁子 かさね 201301
名刹の和尚みづから障子貼る 山本みゆき 万象 201301
障子貼り思へど動かぬ我が手足 樋口正輝 ぐろっけ 201301
障子貼り手元あやふき肥後守 川井素山 かさね 201301
貼り終へし障子に風の改まる 城戸緑 末黒野 201303
切り貼りの見ゆる障子や火灯窓 松本三千夫 末黒野 201303
古りし家の残る四枚の障子貼る 宮本俊子 雨月 201303
江戸刷毛は我家の歴史障子貼る 中村月代 末黒野 201304
白こそは日本のいろ障子貼る 千田敬 201401
仏間だけとなる一部屋の障子貼る 石谷淳子 雨月 201401
障子貼るひかり転がすやうに貼る 辻美奈子 201401
出し惜しむ空の青さへ障子貼る 柳本渓光 ろんど 201401
和紙といふ真白きものよ障子貼る 武政礼子 雨月 201401
障子貼り午後は上野へ出る予定 丑久保勲 やぶれ傘 201401
障子貼る兄の面影追ひながら 星芳子 馬醉木 201401
切り貼の絶えぬ家族の障子かな 中島玉五郎 201401
貼替へたる障子明りやルージュ引く 沼崎千枝 末黒野 201402
障子貼る仏間明るき日を受けて 笹井康夫 201402
足元を巻紙ふさぐ障子貼り 石原健二 やぶれ傘 201402
貼り替へし障子の中の日の温み 山村幸苑 馬醉木 201403
白障子の花の切り貼りそちこちに 國保八江 やぶれ傘 201404
切り貼りの障子の庫裡や柿若葉 高橋明 末黒野 201408
女手の多きわが家や障子貼る 大橋敦子 雨月 201410
障子貼り薄き余生の紙を貼る 四條進 201412
障子貼る去れば短き半世紀 川村清子 馬醉木 201412
障子貼る常に気にしつ今年貼る 長崎桂子 あを 201501
満遍に霧吹きかける障子貼り 秋田典子 六花 201501
障子貼るしゆんしゆん沸きし大薬缶 村上倫子 201501
貼り終へし障子や白は祝ぎの色 秋葉雅治 201501
障子貼りこの部屋何かよそよそし 加藤みき 201502
障子貼り終へ一服の静寂かな 峰幸子 末黒野 201503
貼り替へし障子に夕日遍しや 本多正子 雨月 201503
切り貼りの紅葉の透くる白障子 吉村幸子 雨月 201503
障子の穴花形に貼り娘は母に 白神知恵子 女坂 201508
切り貼りに躓く光春障子 湯川雅 ホトトギス 201508
衰へぬ落暉に障子貼りにけり 浅田光代 風土 201512
障子貼る勧進帳のごと広げ 大橋弘子 末黒野 201512
障子貼るここにも切支丹哀史 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
わが身にも欲しき純白障子貼る 秋葉雅治 201512
薄ぐもり阿吽の夫と障子貼る 嘉納祥子 馬醉木 201601
貼り終へし障子明りに小半時 正谷民夫 末黒野 201602
空模様確かめ急ぎ障子貼る 丹羽武正 京鹿子 201602
通し矢の名残の寺や障子貼る 奥田茶々 風土 201602
貼り替へし障子明りに母のこゑ 安立公彦 春燈 201602
てきぱきと障子貼り終ふ嫁とゐて 伊藤由良 末黒野 201603
巻紙に恋の歌無し障子貼る 升田ヤス子 玫瑰 201604
貼りかへし障子を開けて遺影見る 田中とし江 201606
障子貼る母の口伝の糊加減 吉田きみえ 末黒野 201612
爪あとの長きひとすぢ障子貼る 鈴鹿呂仁 京鹿子 201612
千金の晴のひと日を障子貼る 須賀敏子 あを 201612
真つ新な影に会はんと障子貼る 峰崎成規 201612
障子貼り空気緻密となりてをり 能村研三 201612
娘との会話の尽きぬ障子貼 坂入妙香 春燈 201701
主なき書斎も障子貼り替へて 三上程子 春燈 201701
障子貼→3      

 

2021年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。