障子貼 1    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
尼寺の切り貼り障子花の冷 藤原輝子 春耕 199807
障子貼りて潮騒やはらかくなりぬ 古屋元 199812
桟越しに障子貼る婆子をあやす 金升富美子 199901
関所跡障子を貼りて迎へらる 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
子等帰るまでに障子を貼り終る 能村登四郎 199910
黙しゐる夫と競ふや障子貼 城戸愛子 酸漿 199912
貼替へて障子明るし鳥のかげ 白鳥婦じゑ 酸漿 200001
窓放ち遠嶺にむかひ障子貼る 水野あき子 遠嶺 200101
破らるることは承知の障子貼り 高木悠悠 200101
障子貼る忍者屋敷の隠し部屋 水上れんげ 200102
人頼みできて安堵の障子貼る 大堀鶴侶 雨月 200103
めちやめちやに破りて障子貼り替へぬ 史あかり ぐろっけ 200103
障子貼り汚れ目につく部屋の中 寺田きよし 酸漿 200104
要するに器用貧乏障子貼る 成澤桂助 百鳥 200112
去年よりの懸案夫と障子貼る 三井公子 酸漿 200112
貼り替へし障子の裡に九体仏 坂口みほ子 ぐろっけ 200112
すこやかに齢加へて障子貼る 目羅忠雄 百鳥 200201
貼り終へし障子に透くる空のいろ 朝芝喜代子 雨月 200201
一部屋で済まなくなりし障子貼 八染藍子 200201
障子貼る卒寿の声の加はりて 辻田明 200202
貼り替へし障子に零る陽の揺らぎ 小牧喜美子 遠嶺 200202
障子貼り忽ち白き日射かな 伊藤セキ 酸漿 200203
ひとりゐの誘ふ人減りし障子貼る 中島伊智子 酸漿 200203
障子貼り曾孫よこから穴あける 木津左耶子 ぐろっけ 200204
子育てに口出しすまじ障子貼る 塩見育代 200212
障子貼ることも無いまま空家なる 井上綾 ぐろっけ 200301
墓山の影のかむさる障子貼 南うみを 風土 200302
ふるさとへ障子を貼りに帰りけり 大串章 百鳥 200302
障子貼る約束反古にしてしまひ 保田英太郎 風土 200302
障子貼りむかしの色の夕日かな 谷上佳那 百鳥 200303
障子貼り替へてしばらく繭の中 長田等 200304
藪騒ぐ離れ座敷の障子貼る 久保秀貴 雲の峰 200310
障子貼ることも知らずに嫁がせり 鏡山千恵子 帆船 200312
障子貼り終へて正座をしてゐたる 嶋崎茂子 百鳥 200401
母老いて名は満里子さん障子貼る 日野間冨美代 草の花 200401
障子貼つて机の位置を変へにけり 秋岡朝子 200401
二枚しか無きマンションの障子貼る 中田寿子 ぐろっけ 200401
母の香の残る障子を貼りにけり 一民江 馬醉木 200402
障子貼る我が退院の祝とて 兼子栄子 酸漿 200403
大判の紙でたやすく障子貼る 黄川田美千穂 200403
障子貼り終へて光と音の中 稲畑汀子 ホトトギス 200410
消しゴムで過去は消せない障子貼る 松山律子 六花 200410
貼り終へし障子もろとも夕焼くる 岡本眸 200411
貼替ふる腰高障子旧藩校 長谷川閑乙 馬醉木 200411
障子貼り了へたる顔を洗ひをり 岡本眸 200411
貼りかへし障子の夜を私す 八田木枯 晩紅 200412
御大師の間より障子を貼り始む 矢田邦子 200412
子供らも無病息災障子貼る 中野智子 春耕 200412
障子貼る猫のながめる格子窓 秋田谷明美 帆船 200412
障子貼り終へ声明の澄み渡る 高野清風 春耕 200412
障子貼る口に唾へし肥後守 新井裕 六花 200501
水の辺に日の衰へし障子貼 丸山照子 火星 200502
待庵や明障子の太鼓貼り 橋添やよひ 風土 200502
小指刺す桟のささくれ障子貼 佐原正子 六花 200503
切り貼りの障子もありぬ能楽堂 森竹昭夫 遠嶺 200503
貼り替へし障子明かりの中に覚む 白鳥彰子 200504
障子貼る大寺の僧トレーナー 牧悦子 200512
父愛せし雪見障子を貼りにけり 久保田雪枝 雨月 200601
箱階段のぼり蔵屋の障子貼る 木暮剛平 万象 200601
切り貼りの障子の古風冬はじめ 中山純子 万象 200601
障子貼り小犬に言つて聞かすこと 西野初音 京鹿子 200601
再診の良き結果得て障子貼る 野口光江 遠嶺 200602
秋よりの気掛かり障子貼り終へる 須賀敏子 あを 200602
前うしろ山ある障子貼りにけり 岡和絵 火星 200602
障子貼る子息あること有難く 綿谷美那 雨月 200603
短日の貼れてしまひし障子かな 久保田万太郎 春燈 200603
古障子貼替へ部屋の広さかな 上藤八重子 酸漿 200603
障子貼る母と娘のひざ歩き ことり 六花 200605
障子貼る達成感の白なりし 内山花葉 200611
障子貼り替へし夜を父出でゆけり 山尾玉藻 火星 200612
市民会館一列に障子貼る 高田令子 200701
障子貼り終へたる庭の紅葉かな 伊藤セキ 酸漿 200701
手はじめに仏間の障子貼りにけり 大久保久枝 200702
糊のやや濃きに難渋障子貼る 久保田雪枝 雨月 200703
すぐ乾く切り貼り障子霜日和 菅原末野 風土 200704
切り貼りのある釣月庵の春障子 吉田郁子 風土 200705
障子貼る好き日を訪ひぬ深大寺 瀧春一 200706
白こそは日本の色障子貼る 千田敬 200711
障子貼り替へつまらなき夜なりけり 城孝子 火星 200801
古刹あり全ての障子貼り替へて 小山徳夫 遠嶺 200801
今年また仏間二枚の障子貼る 磯野しをり 雨月 200802
障子貼り日ざし変りし部屋の中 渡辺暁 酸漿 200802
障子貼る程に成長せし子かな 椋本一子 雨月 200802
また元の二人に戻り障子貼る 椋本一子 雨月 200802
マンションの和室二枚の障子貼り 中村悦子 200802
北の間の小さき障子貼り替ふる 廣瀬義一 雨月 200803
障子貼る厨もつとも明るかり 栗下廣子 万象 200803
障子貼る芭蕉生家の明り窓 田下宮子 200811
貼りかへて開けたてすなる障子かな 石田きよし 200812
生真面目な部屋となりたる障子貼 宮内とし子 200812
三十秒夫の手を借り障子貼る 先山実子 ぐろっけ 200901
障子貼る寡婦三代の家であり 榊原風伯 炎環 200901
切り貼りの花を咲かせて障子閉づ 和田森早苗 200902
障子貼り余生明るく生きんかな 平野伸子 馬醉木 200903
障子貼る誰も住まざるちちの家 荒井千佐代 200904
貼り終へし障子に夜の帳かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
障子貼る糊を練るのは子等の役 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
障子貼る作務に倣うて編集長 小澤克己 遠嶺 200911
独身ひとりとはこんなもんかい障子貼る 前田美恵子 200912
発想の豊かなる児の障子貼る 森下康子 200912
障子貼→2      

 

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。