しゃぼん玉 4    232句

しやぼんだま天が映りて窓の如    京極杞陽   くくたち

作品
作者
掲載誌
掲載年月
しゃぼん玉みなとみらいの空に染む 三橋玲子 末黒野 201004
梅小路の短き線路しやぼん玉 浜口高子 火星 201005
子の夢の数ほど弾け石鹸玉 水原春郎 馬醉木 201006
石鹸玉生まるる刹那消ゆる刹那 谷岡尚美 201006
朝風呂に百の温泉玉と石鹸玉 品川鈴子 ぐろっけ 201006
吹きてみし吹く子もおらぬしやぼん玉 舛田初恵 酸漿 201006
しゃぼん玉音なく割れて音が見え 遠藤実 あを 201006
しゃぼん玉幸せ色にふうはりと 藤見佳楠子 201007
白光の中少年としやぼん玉 関根洋子 風土 201007
吹く度に母を振り向き石鹸玉 青森公子 201007
色かへて風に乗りゆくしやぼん玉 廣谷総子 201007
しやぼん玉消えし数ほど星殖えて 武藤嘉子 201007
渡船待つ列の中よりしやぼん玉 林玲子 201007
ストローをつつと戻りぬしやぼん玉 すずき巴里 ろんど 201007
片膝をくの字にピエロしやぼん玉 田村園子 201007
ゆらゆらと路地よりあげぬ石鹸玉 小林愛子 万象 201007
幼子の諸手逃るるしやぼん玉 海上俊臣 酸漿 201007
しやぼん玉の影のよぎれる晝の夢 佐藤喜孝 あを 201007
やさしさを呼び覚まされししゃぼん玉 森理和 あを 201007
しやぼん玉吹き吹き今も片思ひ 高橋秋子 201008
風にのり色変はりたるしやぼん玉 石川叔子 201008
しやぼん玉の中の大空やはらかし 雨村敏子 201009
気持よきパンチ浴びをり石鹸玉 冨松寛子 201009
吹くよりも追ふが愉しき石鹸玉 冨松寛子 201009
しゃぼん玉蝶のかんばせ撫づるかな 吉弘恭子 あを 201009
差し出せる手をすれすれにしやぼん玉 高橋秋子 201011
しやぼん玉一つひとつの変化球 石田きよし 201105
狛犬の鼻にはじけてしやぼん玉 中村房子 馬醉木 201106
しやぼん玉右へ倣へと言はれても 田村園子 201106
天と地をまるごと映ししやぼん玉 柴崎甲武信 春燈 201106
しやぼん玉沓脱石に日の温み 杉浦典子 火星 201106
露台から下向けて吹く石鹸玉 松井倫子 火星 201106
太陽と競ひて弾けしやぼんだま 松嶋一洋 201106
まだ飛べぬ天道虫としやぼん玉 浜福惠 風土 201106
しやぼん玉背押すやうに放ちやる 甕秀麿 201107
逆さまの天地弾くるしやぼん玉 藤原若菜 春燈 201107
生も良し死も又宜ししやぼん玉 金森涼 春燈 201107
しやぼん玉ふた揺らぎして円くなる 楠原幹子 201107
軒先で風を乗換へしやぼん玉 七田文子 201107
楽しみは無駄の中にぞ石鹸玉 増田甚平 ろんど 201107
しゃぼん玉老いに弾める夢いくつ 東野鈴子 雨月 201107
人生は一度限りのしゃぼん玉 貝森光洋 六花 201107
両手あげややの追ひつくしゃぼんだま 吉弘恭子 あを 201107
善玉も悪玉も飛べしゃぼん玉 定梶じょう あを 201107
しやぼん玉歪みとろりと丸くなる あさなが捷 201108
石鹸玉吹き大志などかけらもな 柴田良二 雨月 201108
石鹸玉とは丸さうに見ゆるもの 後藤立夫 ホトトギス 201109
しやぼん玉傍より母の童歌 改正節夫 ぐろっけ 201109
弟は出てはこられぬしやぼん玉 佐藤喜孝 あを 201109
秋天へ無心夢中のしやぼん玉 上原重一 201112
石鹸玉口まで飛ばすごと飛ばす 久永つう 瀬戸の海 201203
しやぼん玉吹く目が先に宙へ飛ぶ 千田百里 201204
さみしさにこつんと当たるしやぼん玉 掛井広通 201204
くつついて大歪みせししやぼん玉 山尾玉藻 火星 201204
虹色の空を探しに石鹸玉 竹貰示虹 京鹿子 201204
遊園地を飛び出し破裂しゃぼん玉 坂上香菜 201205
石鹸玉壊すこととは創ること 能村研三 201205
しやぼんだま虹にならうとして消ゆる 高橋将夫 201206
あとかたのなきが遊びよしやぼん玉 北川英子 201206
生きるとは佳き日悪しき日しやぼん玉 渡辺輝子 201206
しやぼん玉割れて三丁目の夕日 浅野吉弘 201206
石鹸玉息かけて向き変へてやる 河村啓花 ろんど 201206
ゆがみたるままに漂ふしやぼん玉 宮崎高根 201207
私がたどる私しやぼん玉 中野京子 201207
大き夢小さき夢やしやぼん玉 桑原逸子 201207
二人居の夫に飛ばしぬしやぼん玉 三輪慶子 ぐろっけ 201207
子の息をつつみてまろししやぼん玉 佐藤美紀 ろんど 201207
どの子にも広き空ありしやぼん玉 土屋草子 ろんど 201207
かのやうに地球は浮かぶ石鹸玉 辻直美 201208
日表のしやぼん玉追ふ風ひとひら 鷺山珀眉 京鹿子 201208
麦藁で吹きたる頃のしやぼん玉 後藤比奈夫 ホトトギス 201209
ひとつづつ空を生みだす石鹸玉 林昭太郎 あまねく 201210
しやぼん玉星にも生死ありにけり 北川英子 201303
しやぼん玉弾ける瞬の銀化かな 千田敬 201305
しやぼん玉小指の爪で割つてみる 菅野雅生 ろんど 201305
母子像へ風の運べるしやぼん玉 中田みなみ 201304
嬉々としてしゃぼん玉追ふ背中かな 赤座典子 あを 201305
幼子と増やす思ひ出石鹸玉 市村明代 馬醉木 201305
白雲に乗るつもりらし石鹸玉 鈴鹿仁 京鹿子 201305
ムンクの絵よりも歪んで石鹸玉 高橋将夫 201305
石鹸玉一回転して消えにけり 大橋晄 雨月 201306
とりあえず屋根越えてみるしゃぼん玉 貝森光洋 六花 201306
しやぼん玉一吹き話散らしけり 太田昌子 馬醉木 201306
風にのり天空に舞ふしやぼん玉 和田和子 馬醉木 201306
生きてゐる今を吹きこむしやぼん玉 諸戸せつ子 春燈 201306
しやぼん玉二つならんで空の果 上原重一 201306
しやぼん玉どこまで入る青き空 豊田都峰 京鹿子 201306
序破のみに果てし朝のしやぼん玉 豊田都峰 京鹿子 201306
しやぼん玉はじけて童も果てにけり 豊田都峰 京鹿子 201306
隠し事なしとは云はず石鹸玉 三輪慶子 ぐろっけ 201307
子と吹きて胸中かろき石鹸玉 米山のり子 馬醉木 201307
石鹸玉空をくぼませ流れゆく 佐藤喜仙 かさね 201307
石鹸玉特攻隊の夢を見し 吉弘恭子 あを 201310
マシマロのぷるんと揺れて石鹸玉 本郷公子 京鹿子 201401
地球吊る力尽きたりしやぼん玉 甕秀麿 201402
天地の影定まりてシャボン玉 小菅佳子 199806
シャボン玉はじける心園児達 甲田夏湖 船団 199811
シャボン玉大阪湾へ落ちにけり 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 199906
良き事のどっと来てゐるシャボン玉 松沢久子 いろり 199906
風来れば歪む七色シャボン玉 白倉智子 ヒッポ千番地 199908
シャボン玉吹く日輪も入れて吹く 佐野美恵子 200005
シャボン玉無心に吹ける父と子と 内藤悦子 あを 200104
輝いて園児の飛ばすシャボン玉 熊谷みどり いろり 200106
シャボン玉どの一室に我ゐるや 掛井広通 200107
まだ悩み事も幼しシャボン玉 中村恵美 円虹 200108
シャボン玉赤い大陸青い海 和田悟朗 船団 200202
往き来などできっこないよシャボン玉 松山律子 六花 200204
迷ひ子のやうに辻よりシャボン玉 徳永真弓 百鳥 200208
シャボン玉ふくやうなキスしてみてよ 中谷喜美子 六花句集 200302
少しひるみてシャボン玉発ちにけり 杉田さだ子 対岸 200407
ダンボール箱をそれたるシャボン玉 飯塚ゑ子 火星 200409
シャボン玉風と舞ひをり児はいづれ 林翔 200505
浮雲に届けとばかりシャボン玉 林生子 200506
空にやや風のありけりシャボン玉 木下野生 200507
シャボン玉追ひかけてゐる赤い靴 織田みさゑ 万象 200509
シャボン玉の子が指差せり梅雨の天 阿部ひろし 酸漿 200509
子無き身に家庭ありしやシャボン玉 長井順子 200509
夕風に乗りて飛びくるシャボン玉 伊藤公女 ぐろっけ 200511
古本に押し花のありシャボン玉 山本歌子 ぐろっけ 200606
枯芝に風の道ありシャボン玉 丸山照子 火星 200703
ストローを離れて淋しシャボン玉 助口弘子 火星 200705
駄菓子屋を出る子等吹けりシャボン玉 大塚初江 200706
子の任地までも飛び行けシャボン玉 松嶋一洋 200707
公園のピエロの涙シャボン玉 中島陽華 200806
よく笑ふ娘に幸あれやシャボン玉 中村喜美子 春燈 200906
春風の幼なと遊ぶシャボン玉 中村輝子 酸漿 200906
子の低き鼻までとどくシャボン玉 芝尚子 あを 200907
大楠の連枝へ飛ばすシャボン玉 國永靖子 ぐろっけ 200910
シャボン玉いびつに生まれ丸くとぶ 清海信子 末黒野 201006
諦めし夢ありシャボン玉とんで 小山紫乃布 末黒野 201007
何時も同じ高さで消ゆるシャボン玉 藤兼静子 201007
はじけては空気濡らしてシャボン玉 中山純子 万象 201007
公園にシャボン玉追ふ児転びをり 青木英林 かさね 201206
叱る人なき身の自由シャボン玉 藤見佳楠子 201305
シャボン玉夢ふくらませ風に舞ふ 吉田博行 かさね 201305
シャボン玉路地の奥へと迷ひ込む 今井春生 201305
しやぼん玉小指の爪で割つてみる 菅野雅生 ろんど 201305
幼子と増やす思ひ出石鹸玉 市村明代 馬醉木 201305
しやぼん玉弾ける瞬の銀化かな 千田敬 201305
白雲に乗るつもりらし石鹸玉 鈴鹿仁 京鹿子 201305
吹く顔に夢ふくらませシヤボン玉 鈴鹿仁 京鹿子 201305
風にのり天空に舞ふしやぼん玉 和田和子 馬醉木 201306
しやぼん玉はじけて童も果てにけり 豊田都峰 京鹿子 201306
しやぼん玉一吹き話散らしけり 太田昌子 馬醉木 201306
しやぼん玉二つならんで空の果 上原重一 201306
しやぼん玉どこまで入る青き空 豊田都峰 京鹿子 201306
序破のみに果てし朝のしやぼん玉 豊田都峰 京鹿子 201306
つなぎ目は何処へ消えたのシヤボン玉 菅野雅生 ろんど 201306
とりあえず屋根越えてみるしゃぼん玉 貝森光洋 六花 201306
生きてゐる今を吹きこむしやぼん玉 諸戸せつ子 春燈 201306
石鹸玉一回転して消えにけり 大橋晄 雨月 201306
隠し事なしとは云はず石鹸玉 三輪慶子 ぐろっけ 201307
子と吹きて胸中かろき石鹸玉 米山のり子 馬醉木 201307
石鹸玉空をくぼませ流れゆく 佐藤喜仙 かさね 201307
石鹸玉特攻隊の夢を見し 吉弘恭子 あを 201310
夜濯ぎのシャボンの匂ふ子沢山 岩田裕江 ろんど 201311
秋風や風呂場に溜まる屑シヤボン 瀧春一 花石榴 201312
マシマロのぷるんと揺れて石鹸玉 本郷公子 京鹿子 201401
地球吊る力尽きたりしやぼん玉 甕秀麿 201402
嬰に小さき宇宙やシャボン玉無数 塩路隆子 201405
園児らの夢膨らます石鹸玉 竹内悦子 201405
万葉のこひは直截しやぼん玉 あさなが捷 201405
晴れの日も長靴が好きしやぼん玉 小林朱夏 201405
シャボン玉の目指すその先スカイツリー 宮田香 201406
しゃぼん玉吹く子と追ふ子風遊び 国包澄子 201406
しやぼん玉発信もとの見当 湯橋喜美 201406
晴れの日も長靴が好きしやぼんだま 小林朱夏 201406
宇宙へと永久に羽ばたけシャボン玉 松田和子 201407
しばらくは風と遊べり石鹸玉 山田天 雨月 201407
母呼べりひときは大きしやぼん玉 恩田洋子 馬醉木 201407
約束ごとありての自由石鹸玉 菊地光子 201407
しやぼん玉一つ一つの宇宙かな 松嶋一洋 201407
あばら屋の天まであがれしやぼん玉 山田春生 万象 201407
石鹸玉どちらにしても終る恋 高倉和子 201407
石鹸玉映る此の世は美しや 斉木永久 馬醉木 201407
石鹸玉吹いて囚はれ人となる 安藤久美子 やぶれ傘 201407
シャボン玉飛ばし公園デビュー終ふ 村田岳洋 ろんど 201408
雲を追ふしゃぼんだまの彩さやと 吉弘恭子 あを 201408
風に乗り路地を出てゆくしやぼん玉 田岡千章 201408
陽光の七色回すしやぼん玉 涌羅由美 ホトトギス 201408
日を映し空を映してしやぼん玉 松田明子 201408
昭和の日母は今でもしゃぼんと云う 古川忠利 ろんど 201408
垂れ籠める雲にのりたる石鹸玉 吉弘恭子 あを 201408
しやぼん玉みどり児の眼が動き出す 吉武千束 太古のこゑ 201411
しばらくはぼーとしているしゃぼん玉 鈴木みのり 201412
人の世を丸く映してしやぼん玉 渡部節郎 201504
私を包んでもらふ石鹸玉 能村研三 201504
虹いろの息詰め込んでしやぼん玉 久染康子 201504
シャボン玉孤独太陽近付きて 田口鷹生 201505
一吹きで数多空へとシャボン玉 久世孝雄 やぶれ傘 201506
ゆつくりと地に着きで割れしやぼん玉 松田泰子 末黒野 201506
飛び立ちし数だけ消ゆるしやぼん玉 田村園子 201506
親と子の吹きやう同じ石鹸玉 堀岡せつこ 201506
しやぼん玉自由に飛べと言はれても 寺田すず江 明日葉 201505
しやぼん玉残されてをり吹いてみる 菊川俊朗 201506
しやぼん玉大雁塔を這ひ登る あさなが捷 201506
公園の遊具へ流れ石鹸玉 安藤久美子 やぶれ傘 201507
プラトンと名づけて飛ばすしゃぼん玉 坪内稔典 船団 201508
石鹸玉きつとあの世は美しき 和田華凛 ホトトギス 201509
石鹸玉空をいくつも生み出せり 三屋英俊 万象 201510
しやぼん玉歪んだ顔のまま放つ 原田達夫 箱火鉢 201511
しやぼん玉壁の割れ目へきて消えて ふけとしこ 船団 201512
シャボン玉飛んで二月の青き空 森高武 風土 201604
しやぼん玉天城の空を七彩に 吉永すみれ 風土 201605
しやぼん玉割れて吾が息風となる 有松洋子 201605
しゃぼん玉虹を纏ひて吹かれゐる 寺田すず江 201606
しやぼん玉連発銃を撃つやうに 原田達夫 201606
しやぼん玉吹くさもやさしさうな風 箕輪カオル 201606
一心のやがて無心やしやぼん玉 綱徳女 春燈 201606
しやぼん玉空也吹き出す南無阿弥陀 中村千久 万象 201607
しやぼん玉にぶら下りゆく空の旅 藤兼静子 201607
やや緩む今日の青空しやぼん玉 間島あきら 風土 201607
軒先の猫に近づくしやぼん玉 中嶋陽子 風土 201607
浜風に乗るや親子のしやぼん玉 石黒興平 末黒野 201607
父吹きて子の追ひかけるしやぼん玉 松浦哲夫 末黒野 201607
梢には触れずに消えてしやぼん玉 原友子 201607
しゃぼん玉ジャングルジムを潜りけり 秋山信行 やぶれ傘 201608
一つくらい合同あらむしやぼん玉 甕秀麿 201608
子の丈を越えて消えゆくしやぼん玉 栗原京子 201608
しやぼん玉あらん限りの夢のせて 安斎久英 末黒野 201608
しやぼん玉はじけ太陽濡らしけり 細島孝子 末黒野 201608
しやぼん玉ためらふやうな離れ際 宮本加津代 万象 201608
たましひに重さあるとやしやぼん玉 元橋孝之 京鹿子 201608
まだ八つ生死のしやぼん玉飛んだ 元橋孝之 京鹿子 201608
しやぼん玉吹く口笛を吹くやうに 栗原公子 銀の笛 201612
雨上がるぱちんと鳴つたしやぼん玉 高野春子 京鹿子 201704
しゃぼんだま→ 5      

 

2021年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。