しゃぼん玉 3  100句

流れつつ色を変へけり石鹸玉    松本たかし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
狛犬の鼻先をとぶ石鹸玉 金子知代 万象 200606
虹色の気泡が風にしやぼん玉 瀬戸峰子 春燈 200607
一周の菓子屋横丁しやぼん玉 富沢敏子 200607
石鹸玉一気に西を目指すなり 田原陽子 200607
しやぼん玉のくだくる音や嬰笑ふ 荒幡美津恵 遠嶺 200607
しやぼん玉一つ大きく振りほどく 渡辺隆 遠嶺 200607
しやぼん玉ジヤングルジムを越えゆけり 徳丸峻二 風土 200607
幼子の素早く動くしゃぼん玉 芝尚子 あを 200607
どことなく風に手ごころしやぼん玉 望月晴美 200608
廻りつつ歪み正せり石鹸玉 秋千晴 200608
牛小屋に入つてゆきぬしやぼん玉 田中英子 火星 200608
誰れにでも心の歌ありしゃぼん玉 物江晴子 八千草 200609
しやぼん草残る恋文決して見ず 赤木真理 ぐろっけ 200610
しやぼん玉水平線へ向けて吹く 宿谷晃弘 200611
目にみえぬものにぶつかる石鹸玉 坂本緑 200611
大空に夢の詰まりししやぼん玉 須藤美智子 風土 200701
震へつつ大きくなりし石鹸玉 高倉和子 200703
石鹸玉子等の未来を乗せて発つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
お多福風癒えし子の吹くしやぼん玉 新倉舒子 200704
石鹸玉弾け魂飛び出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
もう少しふくらみたさう石鹸玉 高橋将夫 200705
期待するほどには飛ばず石鹸玉 高橋将夫 200705
坂の上の雲をめざしてしやぼん玉 戸田和子 200705
しやぼん玉ひかり合ふなり摩天楼 奥村邦子 200706
膨らみすぎの石鹸玉に他ならず 片山タケ子 200706
しやぼん玉五重塔をさかのぼる 神蔵器 風土 200706
後追ひもされなくなりてしやぼん玉 横内かよこ ぐろっけ 200706
太陽の子となり浮遊しゃぼん玉 足立典子 雨月 200706
病める子に吹いて大きなしやぼん玉 椿光代 風土 200707
ふかふかと雲呼んでゐる石鹸玉 中川雄作 遠嶺 200707
参道へ吹き飛ばしをり石鹸玉 赤松丹山 雨月 200707
石鹸玉空に触れては空となる 塙告冬 ホトトギス 200708
そのかみは遊女も吹いてしやぼん玉 柳里笙 200708
しやぼん玉生まれ己の軽くなる 川口襄 遠嶺 200708
石鹸玉父母ありし日へ吹きにけり 間宮あや子 馬醉木 200710
ため息のごと吹き出されしやぼん玉 内藤呈念 ホトトギス 200710
しやぼん玉中をゆるゆる乳母車 浮田胤子 ぐろっけ 200710
石鹸玉知らぬ男についてゆく 土井田晩聖 万事 200711
まづ父がためしてゐたる石鹸玉 樋口みのぶ 200711
子の丈に並びてとばす石鹸玉 樋口みのぶ 200711
しやぼん玉会はずじまひとなりにけり 奥山絢子 風土 200801
青い眼の「漢字ムリムリ」しやぼん玉 宮崎裕子 春燈 200802
七色に空を映してしやぼん玉 島谷征良 風土 200803
しゃぼん玉無限に飛ばし命惜し 大橋敦子 雨月 200804
夕闇のせまるひとりの石鹸玉 あさなが捷 200804
七色のはしゃぐ声載せ石鹸玉 和田郁子 200805
人の世も美しくあれしやぼん玉 足立幸信 200805
いびつなること免れずしやぼん玉 足立幸信 200805
笑はせて泣かせて消えし石鹸玉 中島玉五郎 200805
しやぼん玉吹いたるあとのおちよぼ口 加藤克 200805
うれしくてへこんでをりぬしやぼん玉 石田きよし 200805
身の内のどこかが不適しやぼん玉 高橋道子 200805
野に吹けば野のいろをしてしやぼん玉 服部早苗 200806
新たなる色を探しにしやぼん玉 掛井広通 200806
逆上がりできぬ子の吹くしやぼん玉 小林奈穂 200806
しやぼん玉吹いて童謡館開く 吉沢陽子 200806
息惜しみつつ膨らます石鹸玉 清水幸治 200806
しやぼん玉大人になつて気づくこと 倉持梨恵 200806
玄関を大きく映ししやぼん玉 浅田光喜 絵巻物 200806
しゃぼん玉過去も一緒に消しました 森下康子 200807
子のために吹き母たのし石鹸玉 嶋田摩耶子 ホトトギス 200807
翌檜に届けとどけとしやぼん玉 近藤きくえ 200807
現し世の喜怒哀楽をしやぼん玉 松野睦子 遠嶺 200807
大きさにこだはってゐるしゃぼん玉 久保晴子 雨月 200807
子の息に弾みて高ししゃぼん玉 田所洋子 雨月 200807
しゃぼん玉もう仲直りしてゐたる 田中清子 雨月 200807
亡き人に募る追慕やしゃぼん玉 田中清子 雨月 200807
指切りは遠き日のこと石鹸玉 石川等 200808
色即是空しやぼん玉の行方かな 近藤公子 200808
桑畑を越す双生の石鹸玉 伊藤白潮 200810
二階までとどけと吾子のしやぼん玉 伊藤ふみ子 200811
寒村に間引の哀史しやぼん玉 片山博介 春燈 200812
風神に手向けむ千のしやぼん玉 中田禎子 白猪 200901
消えて尚追ひかける子や石鹸玉 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
子の夢は直径五糎石鹸玉 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
潮の引く方へ方へとしやぼん玉 山尾玉藻 火星 200904
しゃぼん玉かぜがふいたらきえちゃった 塩路彩奈 200906
泪目のピエロの吹きししやぼん玉 星野晃夫 炎環 200906
石鹸玉ひとり芝居のやうに吹く 佐々木秀子 200906
甘えつ子に母の膝あるしやぼん玉 深川敏子 春燈 200906
しやぼん玉富士に届けと風に乗せ 中井光子 ぐろっけ 200906
旧友の名に戸惑へりしやぼん玉 羽賀恭子 200906
しゃぼん玉風とぶつかり弾けたり 足立典子 雨月 200906
石鹸玉のふるへしかたちぽぽぽぽぽ 武田漣 炎環 200907
素因数分解できぬ石鹸玉 吉田悦花 炎環 200907
しやぼん玉空色となる高さかな 倉持梨恵 200907
隊列の先頭しやぼん玉放つ 田村園子 200907
白と黄と家並の丘や石鹸玉 下山田美江 風土 200907
回りつつ歪み正してしやぼん玉 林昭太郎 200907
数秒のいのち楽しむしゃぼん玉 堀井英子 雨月 200907
吏員出てしゃぼん玉吹く仲間入 上田明子 雨月 200907
東京に五輪の話石鹸玉 小俣剛哉 雨月 200907
屋根に腰下ろし親子のしゃぼん玉 石川裕美 ぐろっけ 200907
手に頬に風に消えゆきしやぼん玉 平居澪子 六花 200907
どの子にも未来七色しやぼん玉 岡垣佳子 遠嶺 200908
人の世に未練残してしやぼん玉 近藤倫子 ぐろっけ 200908
しやぼん玉吹いておとぎの国の人 山田慶子 京鹿子 200908
石鹸玉深入りしたる茨垣 吉弘恭子 あを 200909
言葉にはあらぬ優しさしやぼん玉 田宮勝代 酸漿 200909
石鹸玉吹けば大地のふくらみぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201004
しゃぼんだま→4      

 

2021年4月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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