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萬難を排して余呉へ芹摘みに   塚本邦雄  甘露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
虚子の秘話流すが如く芹の水 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
ガラス器に伸びし芹摘む朝餉かな 山荘慶子 あを 201104
芹過ぎてよりさらさらと水かろし 佐藤喜孝 あを 201104
海鳴りを背に田の芹を摘みゐたり 田中臥石 末黒野 201105
漱石の胃弱思へり芹の水 細川洋子 201105
芹の香やふと遠き日の畦の道 上原光代 酸漿 201105
芹たつぷりの草鍋を愉しまむ 瀬川公馨 201106
芹を摘むもう片方の手が淋し 岩永充三 201106
向かふ岸歩道のあらず芹茂る 小川玉泉 末黒野 201106
一握のさみどり匂ふ野芹かな 庵原敏典 末黒野 201106
芹の香や残る一把を買ひ求め 定藤素子 雨月 201106
芹の花流れここより始まれり 山口まつを 雨月 201106
芹摘に町騷もどる立上がり 佐藤喜孝 あを 201106
芹という冬の青さを食べている 中林明美 船団 201107
小流れを左右に跳んで芹を摘む 石川叔子 201108
田にあらば芹は雑草花付くる 椿和枝 201108
芹摘みし記憶ははるか芹青む 近藤きくえ 201108
丸橋の下のせせらぎ芹の花 柳橋繁子 201109
芹その他この世の水の彼方かな 鳥居おさむ ろんど 201203
湧水の流れ豊かに芹青む 梅津 薫 末黒野句集 201203
望郷の土の匂ひや芹を摘む 鈴木幹夫 末黒野句集 201203
木道の水を濁して芹を摘む 細島孝子 末黒野句集 201203
登校の子らの鈴の音芹なづな 橋本順子 201204
田の芹のつんつんと水ながれをり 中山純子 万象 201204
堰越えし水に芹の香躍りたつ 中島久子 馬醉木 201205
スケッチや土の匂ひと芹の香と 新井世紫 万象選集 201205
はけ水の流れに芹の青々と 柴田雅春 万象選集 201205
鷺翔ちて芹田の雪を散らしけり 井村和子 風花 201206
芹摘んで水濁しけり宇陀郡 根本ひろ子 火星 201206
除染測量うたがひ深く芹洗ふ 鴨下昭 201206
黒雲の奥の白日芹を摘む 小川玉泉 末黒野 201206
芹を切るざくつと風の吹き渡る 飯島風花 201207
故郷なり踏んばる田芹摘むことも 田代貞枝 201207
芹を摘むこはれさうなる地球から 熊川暁子 201207
朝摘みの京芹の旬戴きぬ 藤井久仁子 ぐろっけ 201207
田芹摘む籠に望郷あふれけり 園田惠子 末黒野 201207
快活な音立ててゐる芹の水 柴田佐知子 201304
芹刻む小さき旬を香らせて 山田愛子 201305
芹生ふる谷戸に吹く風やはらかき 高久正 201305
小流の一筋ゆるき芹の嵩 川井雪乃 万象 201306
小流れの程良きリズム芹育つ 上田亮 末黒野 201306
口癖は「だって」だったな芹なずな 早瀬淳一 船団 201306
一本の水突き刺して芹の生ふ 湯川雅 ホトトギス 201307
芹摘んで雫のままのお裾分け 佐藤玲華 ろんど 201309
芹摘めば里人の目の胡散げに 瀧春一 花石榴 201312
奔り来て意外にぬるき芹の水 瀧春一 花石榴 201312
土橋より二三歩にして芹の水 豊田都峰 京鹿子 201403
奥津城の裾曲を芹の水澄めり 安部和子 雨月 201405
小流れの一握の芹ふり洗ふ 神田恵琳 春燈 201406
芹を摘む中洲の土の覚束な 片山喜久子 雨月 201406
芹摘むや両手に掬ふ空の青 堀田順子 馬醉木 201406
川芹の水かげろふを摘みにけり 村田岳洋 ろんど 201406
泥芹のひと掴みほど渡さるる 三木千代 201407
胸元に抱へて旅の芹匂ふ 田中臥石 末黒野 201407
芹の水光を返しつつ過ぎぬ 神谷さうび 末黒野 201407
芹摘むに道問はれゐし日和かな 森田尚宏 201407
川芹のすすぎし水のすぐに透き 田中佐知子 風土 201411
合点のいかぬ話や芹を食み 森下康子 201504
芹摘むや小川のひかり躍らせて 石田厚子 馬醉木 201504
水辺まだ芹を抱へてゐたりけり 瀬川公馨 201505
小流れを跨ぎて芹を摘みゐたる 蒲田豊彦 雨月 201505
芹摘んでゐて一行に遅れたり 金森教子 雨月 201506
筧落つ水音に適ふ芹の花 水上陽三 201506
白山や腓をぬらす芹の水 柳橋繁子 201507
野の川の水にうなづく芹を摘む 佐津のぼる 六花 201507
夜ながの灯一人ともして芹束ね 山形悦子 万象 201512
小流れに濯ぎて田芹分けくれぬ 森藤千鶴 馬醉木 201603
鴨鍋や水の匂ひの芹加へ 升田ヤス子 玫瑰 201604
芹摘みて理科の時間を終了す 奥山テル子 万象 201605
道の辺の清き流れや芹摘める 上野静子 末黒野 201605
菜箸の長さちぐはぐ芹茹でる 松本文一郎 六花 201605
芹摘に出でたゞ瀬音聴いてゐる 山西商平 ホトトギス 201606
雪代にすすぐ田芹の髭根かな 升田ヤス子 六花 201606
一跨ぎ程のせせらぎ芹青む 稲垣佳子 末黒野 201606
墓を訪ふ畦道芹の流れかな 鈴木庸子 風土 201607
芹茹でておほかたの物目分量 風間史子 201608
芹の香や手押ポンプに水あふれ 河野由美 馬醉木 201701
弟よ背によみがえる芹の息 若森京子 船団 201701
芹の青根っこの先までがふるさと 直江裕子 京鹿子 201704
芹摘むや大揺れに来る一両車 升田ヤス子 六花 201704
回春の妙薬を溶く芹の水 高橋将夫 201705
白山や末期の水は芹の水 高橋将夫 201705
芹の水ゆらし次々走者かな 鎌田光恵 201705
山水をパイプで引いて芹豊か 大日向幸江 あを 201705
芹の青根つこの先までがふるさと 直江裕子 京鹿子 201706
道草の芹抜く水を濁さじと 松本三千夫 末黒野 201706
芹その他財布のゆるぶ道の駅 堺昌子 末黒野 201706
芹の青根つこの先までがふるさと 直江裕子 京鹿子 201707
天上の雲を踏むべし野芹摘む 伊藤希眸 京鹿子 201707
神饌の茎みづみづし三葉芹 大内佐奈枝 万象 201707
故郷としたき町なり芹の水 田中とし江 201707
芹の水映して雲の早さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201803
芹の水流して虚子の散歩道 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
芹→4      

 

2021年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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