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薄曇る水動かずよ芹の中    芥川龍之介

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕迫る飛鳥に芹を摘み残し 堀田恵美子 雨月 200407
きらめきて音なき芹の水なりけり 柏木去孔 200406
本宮を水源として芹の水 柏木去孔 200406
天空海濶摘みあましをく芹嫁菜 佐藤喜孝 青寫眞 200304
ゆきずりの雲を映せる芹の水 栢森定男 風よ 200407
万葉の古き川原や芹を摘む 大堀鶴侶 雨月 200504
芹の村からだの水を韻かせて 柴田朱美 京鹿子 200501
芹薺心を遠く野に置けり 村越化石 200503
更けてきざむ雪の匂の芹薺 水田清子 200502
亡き祖母の静かに疾き野芹摘 坂本俊子 200504
たのしみに芹を育てて余生もよし 中野あぐり 春燈 200505
里山や手振りで芹の根を洗ふ 谷村幸子 200505
芹の水ときをり風を映しけり 五十嵐暢子 対岸 200505
湧水の芹を磨きて流れけり 加藤夕陽子 百鳥 200505
田芹摘む爪先泥に捕はれて 中村功 築港 200505
芹の水ひよひよと足運ぶかな 田村園子 200506
浮雲を疾うに捕へり芹の水 高橋澄子 200506
流されず流れてゐたり芹の水 平間裕子 対岸 200506
芹野蒜食べて強気となりにけり 門脇なづな 対岸 200506
汐入りの河口の匂ひ芹青む 諸冨清子 対岸 200506
芹の灰汁土筆の灰汁が指先に 近藤紀子 200507
芹の根を渓の日ざしの滴れる 浜口高子 火星 200507
磨崖仏天衣の裾の芹青む 山路紀子 風土 200507
大宇陀のせせらぎに沿ひ芹を摘む 近藤豊子 雨月 200507
山鳴りも海鳴りもなし芹の水 高橋将夫 星の渦 200507
すきとほる水まだ硬し芹を摘む 高橋あゆみ 200510
芹を摘むさらさらと日の流れゐて 田所節子 涼しき嵩 200511
夫にショールあづけて芹を摘みにけり 山尾玉藻 火星 200604
北麓の湧水育ち芹青む 北川英子 200604
里山の便りに御形芹なづな 森山のりこ あを 200604
水芹に盈虧の光を鏤めし 入澤正 春燈 200605
片足を水へ踏み込み田芹摘む 渡辺清子 200605
モーツアルトの曲流れをり芹洗ふ 近藤きくえ 200605
芹の水白鳥の首しなやかに 内藤恵子 万象 200605
せせらぎの芹の緑を包みけり 杉山恭子 酸漿 200605
唐臼の音の間遠や芹の水 鈴木漱玉 馬醉木 200606
ひとところ畑へ流れて芹の水 加古みちよ 火星 200606
洗はるる芹は朝日をはね返し 桜井眞子 対岸 200603
芹の根は水叩きして濯ぐなり 小旙普士男 対岸 200603
香り好きと愛でつつ畦の芹を摘む 上原朝子 200607
春と書けば今会へるらし芹蓬 鈴木多枝子 あを 200606
箱根より熱海に落ちて芹の水 嶋田一歩 ホトトギス 200608
見つけたることにはじまり芹を摘む 嶋田一歩 ホトトギス 200608
三人の一人が見つけ芹を摘む 嶋田一歩 ホトトギス 200608
日の差して動き出したる芹の水 大山文子 火星 200608
雨乞ひの霊跡青む芹田かな 伊藤律子 四葩 200609
芹なづな激しくなりし物忘れ 沢聰 馬醉木 200703
庭先の畦に摘み足す芹なづな 橋本貞二 酸漿 200703
芹ゆするのみの水音を聴きてをり 黒澤登美枝 200703
芹の水疎林しめらせては余る 風間史子 200705
芹の水腹拵へをそそくさと 風間史子 200705
芹抜きし濁り流れてゆきにけり 山田六甲 六花 200705
父留守の子を連れ出せり芹の水 村上留美子 火星 200706
別々に来て旧知めく田芹摘 竹内弘子 あを 200706
芹洗ふ芹育みしその水で 伊藤トキノ 200707
庭口に水の道あり野芹摘む 安永圭子 風土 200707
何にでも興味津津芹を摘む 大西洵子 遠嶺 200707
仙人の芹摘む匂ひしてゐたり 中島陽華 200708
田芹摘むその間を母の鍋仕立て 真木早苗 八千草 200710
芹洗ふ北浦の水おしげなく 岡野ひろ子 200803
参道に沿へる流れに芹を摘む 高橋正彦 200803
石臼のつくばひに芹浸けてあり 山田六甲 六花 200803
京も外れの道行に買ふ芹薺 足立典子 雨月 200804
田の畦の土のゆるびや芹を摘む 白石正躬 やぶれ傘 200804
奥の院までの小流れ芹育つ 落合絹代 風土 200805
隠れ耶蘇の悲話語り継ぐ芹の里 向井芳子 春燈 200805
乙訓の芹つみに出る春北風 河崎尚子 火星 200805
芹蓬摘みしはむかし師の畦に 斉藤小夜 風土 200806
六甲の川の芹とぞ虚子句碑へ 磯野しをり 雨月 200806
埋立のくぼみ小さく芹の青 毎熊美智子 200807
神饌の根芹を洗ふ水ゆたか 角村摩耶子 京鹿子 200807
届きたる田芹の茎のほの赤き 網野茂子 酸漿 200807
芹薺御形繁蔞よ手を挙げよ 蔦三郎 ホトトギス 200808
田の芹を摘んで並べて爺の店 須賀敏子 あを 200807
いくたびもすすげど芹のごみ吐きぬ 鈴木直充 素影 200811
芹を摘み旅情の詩など懐ふ古さ 瀧春一 深林 200901
芹のこゑ薬師山より絞り水 井口ふみ緒 風土 200905
一碗の望郷のいろ芹香る 秋葉貞子 やぶれ傘 200905
畦川に芹ひと掴み洗ひけり 天野美登里 やぶれ傘 200905
料る気をたかぶらせつつ芹摘める ことり 六花 200905
芹摘むやいつしか風は母の声 林八重子 馬醉木 200906
猫置いてまた芹摘みに行んだらし 小形さとる 200906
願果す鬼鎮きじんの杜や芹の水 大原絹子 遠嶺 200906
縄文の小流れ芹を摘み来たる 勝見玲子 200906
芹を摘む小さき流れをひとつ跳び 羽賀恭子 200906
風そよぐ芹田に蛙声しきり 星アヤ 酸漿 200906
芹を噛む一人の旅に似たるかな 井上信子 200907
里山をめぐるせせらぎ芹生ふる 佐藤美恵子 200907
休み田に見知らぬ同志芹を摘む 恒川とも子 200907
芹摘むや明日会ふ友へ土産にと 山崎澄子 酸漿 200907
芹摘みに興ずる声の若やげり 家塚洋子 酸漿 200908
山ふところ芹田に鴨の憩ひをり 家塚洋子 酸漿 200908
芹洗ふ一束づつの濁りかな 有本勝 ぐろっけ 200909
芹よりも明日葉匂ひ売られけり 石塚友二 ぐろっけ 201003
七草の芹摘む庭の泉かな 阿部文子 酸漿 201003
芹の水富士より貰ふ真澄かな 小島禾汀 春燈 201005
表のみ俎板濡らし芹刻む 柿沼盟子 風土 201005
せせらぎに耳を遊ばせ芹を摘む 小川玉泉 末黒野 201006
踏板を渡して媼芹摘めり 鈴木一三 末黒野 201006
芹を摘む一番低き風の中 柴田久子 風土 201006
芹摘みし上総の谷戸の畷道 舘泰生 風土 201006
濁らすはトンネル工事芹の水 寺岡ひろし 雨月 201006
芹摘みてしづく切る手の香りけり 大橋弘子 末黒野 201007
芹の水せせらぐ寺領いまやなく 川村欽子 雨月 201007
芹 →3      

 

2021年3月20日 作成

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