山茶花 3      210句

山茶花やいぬころ死んで庭淋し   尾崎放哉   尾崎放哉選句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
さざん花や乾く音たて無洗米 内山花葉 201002
山茶花や長く居られる店選ぶ 高橋道子 201002
山茶花の散るも盛りと思ひけり 村岡まち子 201002
枝折戸を開け山茶花に迎へられ 岡野イネ子 春燈 201002
山茶花やあれこれありて一人の座 松原仲子 201002
山茶花の散り急ぐかに路地染めて 池田光子 201002
山茶花の乱れや母の七七忌 高橋泰子 201002
散るためか白山茶花の七重八重 大坪景章 万象 201002
山茶花の一枝を足して読経せり 澤井玲子 201002
山茶花やきこきこ汲める御神水 鈴木圭子 201002
山茶花の咲きそめし日は雨となる 鵜野達二 201002
山茶花や千の蕾の一花なり 網野茂子 酸奬 201002
山茶花の蕾ふくらみ子の便り 内田妙子 酸奬 201002
山茶花や色鍋島焼の色の冴え 吉弘恭子 あを 201002
師の逝きて山茶花に雨降りやまず 板稿昭子 201003
山茶花や塵一つなき法の庭 菅野日出子 末黒野 201003
山茶花を散らして帰る検針婦 中島ひろし 末黒野 201003
白山茶花零るる季の巡り来て 川上久美 ろんど 201003
山茶花時雨この一年のあれやこれ 川上久美 ろんど 201003
山茶花や抜け道をして花零す 代田青鳥 風土 201003
山茶花のこぼれる先は売地札 池田光子 201003
山茶花や巫女ならびゆく砂利の音 大崎紀夫 やぶれ傘 201003
山茶花や内緒ごとせぬ妻なりき 佐渡谷秀一 春燈 201003
山茶花や月影に香のある如く 空音 六花 201003
山茶花の染まりし坂をのぼりけり 石川政男 201003
さざんくわや人は平気で年重ね 篠田純子 あを 201003
山茶花や枝折戸直す暇もなく 岩垣子鹿 ホトトギス 201004
山茶花の下枝を揺らす雀かな 國保八江 やぶれ傘 201004
さざんくあの里山絶やすこと勿れ 鳳蛮華 201004
山茶花忌名優の歌口ずさみ 山中志津子 京鹿子 201004
山茶花に少し厚めの雪帽子 桂敦子 201005
山茶花や通過列車の風にゆれ 加藤慶治 201005
山茶花の垣名園へ誘ひぬ 島内美佳 ぐろっけ 201006
甘樫の丘へ山茶花見つつ行く 稲畑汀子 ホトトギス 201011
山茶花の花に佇み登る坂 稲畑汀子 ホトトギス 201011
山茶花の角を曲りて人の消え 片山由美子 201011
喪の名残白さざんかの咲き満てり 井上幸子 酸奬 201011
山茶花の三片ほどに騒ぐ水 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
山茶花の垣人消えてゆくところ 片山由美子 201012
山茶花や辻を曲れば麺麭焼く香 水原春郎 馬醉木 201101
さりげなく咲きて山茶花黙しけり 中島玉五郎 201101
山茶花を掃きて女将の顔となる 森岡正作 201101
山茶花や裏木戸へ径(けい)整ふる 阿部ひろし 酸漿 201101
道分つ宮の山茶花咲き初めし 内藤美重子 酸漿 201101
雨上り山茶花の白堪能す 赤座典子 あを 201101
山茶花や暖かかりし句友の手 田中藤穂 あを 201101
山茶花の蕾ほんのり紅にじむ 吉成美代子 あを 201101
日おもての山茶花の紅古寺閑か 川崎利子 あい 201102
山茶花の散り継ぎてなほ日を溜むる 藤見佳楠子 201102
住むひとの絶えて山茶花武家屋敷 和田森早苗 201102
山茶花や閂太く老師住む 白澤よし子 馬醉木 201102
山茶花の盛りに逝きし夫を恋ふ 横井明子 201102
山茶花や行く先々に東歌 鈴木石花 風土 201102
山茶花や遺書惜別の墨薄れ 鳴下昭 201102
紅白の山茶花に伍す龍雲氏 渡辺安酔 201102
裏木戸を開けて山茶花散るを見る 池田光子 201102
山茶花の香をまとひゆく乳母車 池田光子 201102
山茶花の咲きつぐいのち香りけり 池田光子 201102
山茶花と白羊宮に遊びたる 瀬川公馨 201102
山茶花に蕾びつしり寒波くる 山尾玉藻 火星 201102
山茶花の道公園へつづく道 加古みちよ 火星 201102
神鶏のふくれ山茶花日和かな 清海信子 末黒野 201102
脇道に山茶花散り敷きゐたりけり ことり 六花 201102
白山茶花スイッチバックの駅を守る 陶山泰子 ぐろっけ 201102
山茶花の散り敷くところ屋敷神 柳田和子 酸漿 201102
山茶花の咲きながら散るそこかしこ 續木文子 あを 201102
山茶花や又一言の多くなり 早崎泰江 あを 201102
山茶花の頃の全快治療終ふ 西垣順子 201103
山茶花のこぼるる垣に竹箒 中川すみ子 201103
山茶花の花のさびしさ何やらん 稲岡長 ホトトギス 201103
山茶花や残生いよよ簡潔に 築城百々平 馬醉木 201103
吐く息に山茶花崩るる夜もあらむ 和田照子 201103
初咲きの桃色山茶花たおやかに 芦田迪子 201103
雨宿す山茶花凛と時頼忌 小川玉泉 末黒野 201103
日溜りに白き山茶花涅槃像 谷村幸子 201103
山茶花のこぼれし所さざれ石 宮崎高根 201103
山茶花の垣より文を貰ひけり 箕輪カオル 201103
聖堂に適ひ山茶花白妙に 服部珠子 雨月 201103
山茶花の気魄に開き白なりし 井田実代子 雨月 201103
山茶花や領巾振山を遥かにす 和田崎増美 雨月 201103
寄り添ひて山茶花ひらく二つ三つ 角谷美恵子 ぐろっけ 201103
山茶花の散りて静かに雨上る 續木文子 あを 201103
山茶花を丸く掃き寄せ禅の寺 小川玉泉 末黒野 201104
山茶花の散るや添水の音の澄み 大橋伊佐子 末黒野 201104
山茶花の散りてより知る盛りかな 河合とき 末黒野 201104
山茶花のまどろみ微風あれば足り 山中志津子 京鹿子 201104
晴れの国てふ山茶花の白さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
山茶花の一片散りてより暮るる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
零るるは山茶花盛りなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201111
山茶花の咲きぬいつからともなくて 稲畑汀子 ホトトギス 201111
山茶花の目立ちたがつてゐる白さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
山茶花やちよつと白過ぎるんとちやふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
白極む山茶花に雨近づかば 山田六甲 六花 201112
ほろほろと白山茶花や富士遥か 赤座典子 あを 201112
山茶花のこぼるる街路紅ゑのぐ 増田一代 201201
山茶花咲く地べたの遊び路地の奥 上原重一 201201
山茶花やうから揃ひて墓に住む 藤丸誠旨 春燈 201201
学園の山茶花垣に一花かな 本郷宗祥 かさね 201201
山茶花の白無住家に咲きにけり 田島昭久 かさね 201201
山茶花の咲きては散るを急ぐかな 大橋晄 雨月 201201
山茶花の散りし花びらたのしみぬ 早崎泰江 あを 201201
山茶花の散り敷く径となりにけり 國保八江 やぶれ傘 201201
山茶花や祖父の愛せし庭のまま 竹内悦子 201202
山茶花の白が好きです潔癖家 竹内悦子 201202
山茶花の雨をふくみて咲きしぶる 宮崎左智子 201202
母郷とは白山茶花の散り敷く道 大島翠木 201202
山茶花の白浮き立てる落暉かな 谷岡尚美 201202
山茶花や樹の大きさに花むしろ 松本周二 かさね 201202
紅白の山茶花色を競い合ひ 田島昭久 かさね 201202
山茶花のぽつりぽつりと朱に咲ける 柳田皓一 かさね 201202
山茶花の咲ひ過ぎたる日和かな 千田百里 201202
産み了へし鶏がさざんくわ踏み歩く 荒井千佐代 201202
山茶花や日差し優しく柔らかく 本田保 春燈 201202
山茶花の垣へ近々今朝の路 岡田愛子 京鹿子 201202
山茶花を散らして猫の垣根越ゆ 秋千晴 201203
山茶花や厚きてのひらよみ返る 長田曄子 火星 201203
山茶花を散らして翔てり鳥のこゑ 笠置早苗 火星 201203
母がりや白山茶花と白い雲 石脇みはる 201203
山茶花や東海道を少し逸れ 岩下芳子 201203
白山茶花はや目の前に咲き誇る 田島昭久 かさね 201203
山茶花の散り敷き庭の照りかげり 吉田きみえ 末黒野 201203
山茶花の籬に沿うて正門へ 中島霞 ぐろっけ 201203
山茶花の籬を低く尼僧住む 中島霞 ぐろっけ 201203
山茶花や石碑のうらに石工の名 根橋宏次 やぶれ傘 201203
山茶花の散るばかりなり城の址 坂根宏子 201204
山茶花の咲く毎日のはじまりし 嶋田一歩 ホトトギス 201204
山茶花の散る毎日の道となる 嶋田一歩 ホトトギス 201204
さざんくわの花の色彩好みをり 佐藤健伍 201204
山茶花の露重りして許六句碑 淺場英彦 万象 201204
山茶花や斎垣残さず歌刻み 野沢光代 ぐろっけ 201204
山茶花や廃校にまだ遊具あり 川下明子 雨月 201204
降るごとく散る山茶花や久女の忌 中石士亮 万象 201205
一輪を見つけ山茶花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
山茶花に暮れゆく空は琥珀色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
山茶花や森に妖精遊ばせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
山茶花の咲き継ぐ中の訃報かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
山茶花の散る心もて咲き初むる 稲畑汀子 ホトトギス 201211
山茶花のしづかなひと日あることを 酒井秀郎 返り花 201211
さざんかの一片銜へ鳥の発つ 篠田純子 あを 201303
山茶花の道の尽きたり渡し船 岡本ヨシエ 末黒野 201403
山茶花の縋る日差の生まれけり 小川玉泉 末黒野 201403
山茶花や思ひあぐぬる夜のメニュー 大内由紀 末黒野 201403
山茶花や酒蔵の町通り雨 北岸邸子 春燈 201403
山茶花や小督乃局の供養塔 奥山茶々 風土 201403
さざんかの樹下雉鳩の日浴びをり 小川玉泉 末黒野 201403
さざんか散るちろ来た道は帰る道 火箱ひろ 201403
純白の山茶花何も寄せつけず 犬塚芳子 201403
高々と山茶花仰ぐ佳き日かな 今澤淑子 火星 201403
山茶花や翳ればつのる水の音 藤岡紫水 京鹿子 201403
一歩離るさざんかの白見そなはす 吉弘恭子 あを 201403
山茶花のどこ欠けしともなき盛り 三村純也 ホトトギス 201404
山茶花の散り所なき銀世界 早崎泰江 あを 201404
山茶花の散り敷く坂は下り坂 國保八江 やぶれ傘 201404
山茶花や空家の軒の白き猫 大坪景章 万象 201404
山茶花や見る人もなく咲きこぼれ 藤波松山 京鹿子 201404
山茶花や昼は無人の両隣 菅野日出子 末黒野 201405
人脈を大事にさざんか日和かな 北川孝子 京鹿子 201405
地の息を吸って山茶花色をます 吉弘恭子 あを 201405
空気読むように散ります山茶花は 中村あいこ 船団 201406
山茶花の紅を淋しと思ふ日々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
主亡き山茶花垣の虚ろかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
山茶花の未来へ散つてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
一片の散り山茶花と判るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
言の葉を紡ぎ山茶花散り初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
一片の舞ひて山茶花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
いつも見て山茶花旅に新鮮に 稲畑汀子 ホトトギス 201411
山茶花の散り敷く門に帰り着く 稲畑汀子 ホトトギス 201411
山茶花の散り初めて又散り継ぎて 稲畑汀子 ホトトギス 201411
山茶花は地球のぬくみ恋うて散る 廣太郎句帳 ホトトギス 201412
山茶花の天使のやうに堕ちゆけり 廣太郎句帳 ホトトギス 201412
山茶花の一生が一本にあり 廣太郎句帳 ホトトギス 201412
山茶花や憤怒の虫をねむらせる 吉弘恭子 あを 201412
山茶花の垣根に入りぬ月鈴子 大坪景章 万象 201412
山茶花のうす紅色や恋淡き 小林久子 201501
どの庭も山茶花の色こぼれけり 鈴木阿久 201501
山茶花の垣ためらはず廻り道 黒澤登美枝 201501
山茶花や昭和の二大スター逝く 吉田宏之 201502
住む人もなきに山茶花咲きつづく 武生喜玖乃 雨月 201502
山茶花や片仮名多き処方箋 渡部良子 馬醉木 201502
山茶花や武家の矜恃の今にあり 森岡正作 201502
生垣の山茶花の白日を返す 堺昌子 末黒野 201502
山茶花や白き花びら散るもよし 岡美智子 末黒野 201502
山茶花や咲くより早く散るごとし 中山静枝 201502
山茶花や丈六おはす伊賀別所 山田春生 万象 201502
山茶花や平林寺堀水無かり 水野加代 万象 201502
山茶花にいやされてゐる女坂 犬塚芳子 201502
山茶花を風雨の煽るひと日なり 荒井和昭 201502
咲けばすぐ散る山茶花の潔し 佐藤弘香 ろんど 201502
山茶花の風無く散るは北の門 安藤久美子 やぶれ傘 201502
人悼む白山茶花の散る夕 武生喜玖乃 雨月 201503
白山茶花家路の闇を深めたる 水田壽子 雨月 201503
山茶花や灯台錐の先ほどに 大島英昭 やぶれ傘 201503
山茶花の百の蕾の日数かな 戸栗末廣 201503
山茶花や二人三脚門出なる 高井れい子 京鹿子 201503
山茶花のほろほろ暮れていくわたし 武智由紀子 201503
山茶花や坊ちやん電車のとまる音 庄司久美子 201503
垣外の山茶花散るにまかせをり 土田亮 末黒野 201503
息声のささり山茶花ちりにけり 佐渡谷秀一 春燈 201503
白山茶花彰子御陵に降りやまず 児玉有希 京鹿子 201504
山茶花やポケットにあるハーモニカ 遠山のりこ 201504
言問の雨の山茶花ことに赫し 半田稜 ろんど 201504
山茶花の紅のこぼるる月明り 佐竹千代 やぶれ傘 201504
山茶花の翳(かす)みてきたる歯の痛み 志方章子 六花 201504
山茶花の蕊の硬きに驚きぬ 志方章子 六花 201504
山茶花や東司の窓の薄日いろ 吉弘恭子 あを 200702
山茶花や寂しがり屋の寄り添ひぬ 園部早智子 ろんど 201505
身の廻り整へ山茶花日和かな 北川孝子 京鹿子 201505
山茶花や寺の垣根の西明かり 中川のぼる 201504
栄華とは山茶花の散り敷くやうな 岩岡中正 ホトトギス 201506
山茶花の咲きつぐ日々を旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201511
山茶花 →4      

 

2021年12月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。