山茶花 1    271句

山茶花やいくさに敗れたる国の    日野草城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山茶花や土に消えたる子等の声
浜口高子
火星
199902
山茶花の怺へどころを誘ふ風
長谷川千枝子
199902
山茶花に雀顔出す佳き日和
渡辺信也
春耕
199902
山茶花や寺域明るきひとところ
太田誠
春耕
199903
山茶花の実を盗人の平林寺
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花の紅百花母の庭
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花や藍染かんと乾きたる
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花や暮らしは一汁一菜に
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花は転調したる夕暮れに
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花は一切合切さいさいと
葉月ひさ子
船団
199903
山茶花や茶釜に湯気の立つ朝
倉本美代子
ヒッポ千番地
199905
山茶花やまたの逢う瀬は新幹線
日吉わたる
船団
199908
山茶花の明るき日和たまはりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
199911
山茶花や日暮れをさそふ鐘ひとつ
辻のぶ子
俳句通信
199912
山茶花の活けし端より崩れたる
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
山茶花が挨拶をせり百花園
宮津昭彦
200001
山茶花や隣家につづく畑道
稲辺美津
遠嶺
200001
山茶花の早咲き言葉はつらつと
立岩利夫
海程
200002
山茶花散る江戸の由緒の墓地整然
松崎鉄之介
200002
山茶花や病院にある柩口
田中藤穂
水瓶座
200002
山茶花や礎石遺さぬ東勝寺
水原春郎
馬醉木
200003
山茶花の風よりも日にこぼれけり
若山千恵子
馬醉木
200003
山茶花は心おきなく散ってをり
保坂加津夫
いろり
200003
山茶花散る吾が家の暮し見尽くして
小野寺節子
風土
200004
山茶花や風の寄り道廻り道
市川英一
遠嶺
200004
山茶花や風の中なる一人かな
高桑弘夫
海程
200005
山茶花や顔にある孔など数え
柳生正名
海程
200005
山茶花の純白を行く背中かな
佐伯のぶこ
船団
200007
山茶花が散って自転車軋ませる
中林明美
船団
200007
山茶花を出ても山茶花片町線
佐渡美佐子
ヒッポ千番地
200008
山茶花が散る日の国の土の色
中原幸子
遠くの山
200010
山茶花の散りつぐままに掃きまどふ
松尾緑富
ホトトギス
200012
山茶花や非番の巫女が犬連れて
朝妻力
俳句通信
200012
山茶花の咲き初めたる静かな日
熊谷みどり
いろり
200012
山茶花や町に仄かな醤の香
水原春郎
馬醉木
200101
山茶花や香煙絶えぬ賊軍碑
三澤福泉
俳句通信
200101
山茶花や日のよく入る西の縁
竹内弘子
あを
200101
山茶花に野望の色の交りけり
新井竜才
銀化
200101
山茶花の咲き継ぎもして静かなり
保坂さよ
いろり
200101
山茶花や机辺散らかる事の常
山本潤子
いろり
200101
山茶花を散らして来たり郵便夫
山本潤子
いろり
200101
山茶花や保育児童の御輿ゆく
林裕子
風土
200102
山茶花の咲くなりすぐに散る支度
高橋としを
酸漿
200102
山茶花に突き当りたる翅の音
松本茶昂
火星
200102
山茶花降る苦海や婆はほっこりす
柳生正名
海程
200102
山茶花を万燈のごと咲かせをり
松崎鉄之介
200102
山茶花の散るや人形供養塚
阿波谷和子
春耕
200102
山茶花の垣曲がりきて司祭館
大矢和歌子
200103
山茶花や日向えらびて登校児
木下仁司
200103
山茶花の花びらこぼす杼音あり
林敬子
酸漿
200103
山茶花や遠くを映す水の青
加藤かな文
200103
山茶花や土塀の誇る武家屋敷
保里吉子
京鹿子
200103
山茶花や犬犬ひととその後を
安井よしこ
船団
200103
山茶花や離れに魚板下げて住む
二瓶洋子
六花
200103
山茶花の桐生の町を過ぎにけり
林田加杜子
いろり
200104
山茶花や機音だけがひびく路地
堀本祐子
遠嶺
200104
山茶花の紅二つ三つ池の底
津田経子
火星
200105
山茶花の影は肖像写真かな
村山和子
海程
200105
山茶花や男の占める卓の上
稲畑廣太郎
ホトトギス
200111
山茶花の咲きついでゐる暗さかな
大平保子
いろり
200112
山茶花のこぼるる道へ遠廻り
斉藤静枝
あを
200112
山茶花の散りて詠まるる一行詩
中島徳子
酸漿
200201
山茶花や友励ましつ金毘羅へ
富田志げ子
酸漿
200201
山茶花の色褒むるまた散りざまも
朝妻力
雲の峰
200201
山茶花や分校昼を灯しつつ
渡部義次
雲の峰
200201
山茶花や使はぬ井戸の水溢れ
大塩千代
200201
山茶花の盛りとなりし新居かな
山荘慶子
あを
200201
山茶花や尉面寂びて小振りなる
山岸治子
馬醉木
200202
山茶花や朝湯帰りの人のこゑ
山田弘子
円虹
200202
山茶花や羽毛寄せくる池の端
杉江茂義
雲の峰
200202
山茶花や水無き庭に石の橋
原茂美
雲の峰
200202
山茶花や引戸の軋む甘味茶屋
川瀬里江
雲の峰
200202
山茶花やあつといふ間に月曜日
清わかば
雲の峰
200202
山茶花咲く膝を正して薬師堂
中村洋子
風土
200202
山茶花や赤子ひたすら乳を飲み
花岡豊香
酸漿
200202
山茶花や百日行に入る読経
藤原照子
200202
山茶花や猫の塔婆の短かり
小山道子
百鳥
200202
山茶花や母恋ふ母を看取りをり
関章子
百鳥
200202
山茶花や閥伽桶に汲む水の音
大石英子
春耕
200202
山茶花にゆたかな朝の日のとどく
鎌田茂
春耕
200202
山茶花や梢の垣に鵯の声
関根チヨ
春耕
200202
山茶花の垣の寺町昏れてきし
西川よし子
春耕
200202
山茶花の白咲き初めて雨がちに
石橋翠
いろり
200202
山茶花の冷き風に堪えて咲く
久保田一豊
いろり
200202
山茶花を敷きつめし路地歩きだす
栢森敏子
あを
200202
山茶花や放生池の水鏡
曽根田幸子
遠嶺
200202
山茶花の籬供花咲き寺領咲き
丸山冬鳳
京鹿子
200202
山茶花の咲きて明るき出入口
伊藤光子
ぐろっけ
200202
山茶花や鯖街道に芋水車
山村桂子
遠嶺
200203
山茶花の垣や母呼ぶ幼声
金山千鳥
酸漿
200203
山茶花や通園バスがほら来たよ
横山迪子
六花
200203
山茶花は幸せさうに散つてをる
木内憲子
200203
山茶花やししむら痒くなりにける
竹内悦子
200204
山茶花や門前町に灯の入りて
菊池育子
遠嶺
200204
山茶花の落花の中の己が影
服部幸
200204
山茶花や静かに棲みて反古多し
安部和子
雨月
200205
山茶花や夜目にも路地のうす明り
宮原みさを
花月亭
200208
山茶花の辺よりはじまる庭手入
稲畑汀子
ホトトギス
200211
山茶花や町に知り人すこしづつ
朝妻力
雲の峰
200212
山茶花に日癖の雨の通りける
瀬戸悠
風土
200301
山茶花や寺に風神雷神図
島玲子
風土
200301
山茶花の散るに砕きし心なり
武井清子
銀化
200301
山茶花や縁とふもの大切に
城戸愛子
酸漿
200301
山茶花や演歌流しつ豆腐売
白石秀雄
酸漿
200301
山茶花や目白が卵産んでをり
加古みちよ
冬菜畑
200301
山茶花の散りしよ友の訃報来る
鎌倉喜久恵
あを
200301
山茶花や山上宗二の碗の寂
渡辺立男
馬醉木
200302
山茶花やふいに書きたくなる手紙
松村ゆきほ
遠嶺
200302
山茶花や最終ホールのティーショツト
保田英太郎
風土
200302
山茶花を掃きて鎮まる父の庭
高橋道子
200302
山茶花の見せどころとて散り急ぐ
金子篤子
200302
山茶花に軸の幽霊模糊の寺
水島夜雨
京鹿子
200302
山茶花に鳴らずの鐘説く札所寺
水島夜雨
京鹿子
200302
山茶花の白浮きゐたる夕まぐれ
和田清
雲の峰
200302
山茶花や駈込寺の名は昔
朝倉富次
酸漿
200302
山茶花の垣根のつづくニュータウン
江坂衣代
百鳥
200302
山茶花で囲はれてゐる寺領墓
新子禎自
築港
200303
山茶花やふくよかに座す庵主さま
長谷川春
200303
山茶花の初咲きに蜂の来てをりぬ
永見博子
酸漿
200303
山茶花や葉陰に雀来ては去り
小峯雅子
酸漿
200304
山茶花の坂とひそかに名付けをり
菊地一枝
200304
山茶花やましてきはやか加賀の雨
原田喜久子
八千草
200306
山茶花の散りて咲きゐしこと知りぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200311
山茶花や庭の春秋巡り来し
稲畑汀子
ホトトギス
200311
山茶花の白を豪奢に詩仙堂
徳田干鶴子
馬醉木
200401
山茶花散る半坪ほどの屋敷神
松崎鉄之介
200401
山茶花が咲き天心の髭濃かり
藤田さち子
対岸
200401
山茶花の散りつぐ鳩の水飲場
谷野由紀子
雲の峰
200401
山茶花の散りつぐ寺の屋根普請
山口マサエ
雲の峰
200401
山茶花のいよいよ白き夕べあり
阿部ひろし
酸漿
200401
山茶花や湖霜を解く城の址
小山香月
酸漿
200401
山茶花の紅を斜めに通り雨
赤座典子
あを
200401
山茶花に触れし心のなごみけり
田澤初枝
遠嶺
200402
山茶花や海どこまでも真つ平
秋岡朝子
200402
山茶花と見るか冬椿と見るか
山田六甲
六花
200402
山茶花と猫の迎へる退院日
横山迪子
六花
200402
山茶花や身ひとつで来て入院す
井口初江
酸漿
200402
山茶花の物干す間にも散つてをり
隈部郁子
200402
山茶花は散り竹林へ水の音
沼口蓬風
河鹿
200403
山茶花の散つて音無く山噴けり
九万田一海
河鹿
200403
山茶花や三十年を振り返る
石田邦子
遠嶺
200403
山茶花や戸口にこぼす浄め塩
久我八千代
200403
山茶花の華やぎにあふ詩仙堂
中島知恵子
雨月
200403
山茶花の真白き横へ高級車
丸井巴水
京鹿子
200403
山茶花と見てゐる波郷記念館
津田礼乃
遠嶺
200404
山茶花の中に山茶花咲いてをり
城孝子
火星
200404
山茶花の白き花びら磁器の冷え
藤井智恵子
百鳥
200404
山茶花の白に始まる愁ひかな
前迫寛子
河鹿
200405
山茶花や饒舌となる国ことば
城戸愛子
酸漿
200406
山茶花は石踏むにさへ散りにけり
渡邉友七
あを
200409
山茶花に日差は低く淡くあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
山茶花の咲き切つてゐる静寂かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
山茶花のほろほろと一周忌かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
山茶花の一輪に床正されし
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
山茶花も我も夕べを待つ心
稲畑廣太郎
ホトトギス
200411
山茶花の散りつぐ朝の花掃除
金子和子
帆船
200411
山茶花や金箔しづむ輪島塗
水原秋櫻子
馬醉木
200412
山茶花や城址に鬨のごとき風
朝妻力
春耕
200412
山茶花追ひ隣の家まで掃きにけり
斉藤裕子
あを
200412
山茶花の散りて黄の蕊とどめをり
斉藤裕子
あを
200412
山茶花を手折るそばから散りにけり
斉藤裕子
あを
200412
山茶花の箔こぼれつぐ月夜かな
鷹羽狩行
200412
山茶花や小町ゆかりの朱の小垣
朝妻力
雲の峰
200501
山茶花や四股名刻める力石
横森みゆき
雲の峰
200501
山茶花に一条の海漂へり
渡邉友七
あを
200501
山茶花の咲くありホロと散るもあり
鎌倉喜久恵
あを
200501
山茶花のはらりはらはら箒目に
斉藤裕子
あを
200501
山茶花に甘き香のあり手折り知る
斉藤裕子
あを
200501
山茶花や濯ぎ干すもの白ばかり
恩田甲
200501
山茶花の蕾百ある一花かな
松たかし
火星
200501
山茶花や遠き背山に雲沸けり
有島扇水
河鹿
200502
山茶花の乱雑に散りいたりけり
和田林子
帆船
200502
山茶花の辺り歩いてゐたりけり
植木戴子
200502
山茶花の花こぼれ散る通学路
高木昌子
築港
200502
山茶花の毎日咲いて散りにけり
平間裕子
対岸
200502
山茶花や地がさそひゐる散りはじめ
橋本之宏
風土
200502
山茶花の風より先にくづれけり
浅田光代
風土
200502
山茶花の散華踏みくる子の五十路
中尾杏子
200502
山茶花やさみしくはなき距離をおき
太田佳代子
春燈
200502
山茶花の帰る子の背に散り急ぐ
宮川迪夫
遠嶺
200502
山茶花の惜しみなく散る古道かな
片野美代子
酸漿
200503
山茶花の環の向かうから呼ばれたる
松井倫子
火星
200503
山茶花をこぼし真白き猫通る
藤井智恵子
百鳥
200503
山茶花の散りたる坂や月参り
仲村洋子
百鳥
200503
山茶花や霞ヶ浦の資料館
石山民谷
遠嶺
200503
山茶花や神ないまぜにして祈る
田原陽子
200503
山茶花の咲く花散る花町工場
東紀子
200503
山茶花や人待つてゐる夕べの灯
城孝子
火星
200504
山茶花や地底の深くマグマあり
寺門丈明
あを
200504
山茶花の墓所の一隅散り放題
十文字慶子
200504
山茶花や猫かすがひに嫁姑
伊富貴耀堂
200505
山茶花や白い野良猫との別れ
中川智恵子
200505
山茶花や自問自答の日々重ね
山田桃子
200505
山茶花の咲き継ぐ日和定まりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200511
山茶花に庭の春秋語り継ぐ
稲畑汀子
ホトトギス
200511
山茶花や子等の育ちし日々遠く
稲畑汀子
ホトトギス
200511
山茶花や木綿ばかりの濯ぎもの
渡部志津子
200512
いと白き香淳陵の山茶花は
阿部ひろし
酸漿
200512
紅山茶花ベイブリッヂの見ゆる丘
松崎鉄之介
200601
山茶花の白静けさを支配せる
安達風越
雨月
200601
記念樹の山茶花白を極めたり
松本蓉子
六花
200601
廃校の山茶花の紅忘れずや
安部里子
あを
200601
山茶花や寝くたれ髪の美しき人
吉弘恭子
あを
200601
山茶花や暇人同士忙しく
中村昭義
百鳥
200602
遊びをせむと山茶花の白眩しかり
頓所友枝
200602
山茶花の咲きしを刈られ小柴垣
福盛悦子
雨月
200602
山茶花の垣根の裾に猫の路
廣瀬初枝
雨月
200602
咲き継ぎて散り継ぐ林泉の山茶花よ
廣瀬初枝
雨月
200602
山茶花の蜜吸雀蛾ホバリング
松崎鉄之介
200602
角曲るたび山茶花に出会ふ日よ
宮津昭彦
200602
山茶花の上の明星匂ふばかり
宮津昭彦
200602
自転車のライトに山茶花零れけり
山田美恵子
火星
200602
山茶花の蕾ふくらむ通学路
眞榮城常子
酸漿
200602
山茶花や十一月の通院日
保田英太郎
風土
200602
綾子句碑白山茶花の小薮なす
辻恵美子
栴檀
200602
山茶花や医院の垣根昭和より
須賀敏子
あを
200602
山茶花や村に酒倉コンサート
中桐葉子
春燈
200603
山茶花にあかつき闇のありにけり
久保田万太郎
春燈
200603
普段着の老尼の素顔山茶花散る
小野寺節子
風土
200603
山茶花の雪より白く散りにけり
いば智也
六花
200603
風が身に添ひくる山茶花垣を過ぐ
木内憲子
200603
山茶花の夜を掃かれゐて喪の家なる
花田百合子
200603
山茶花の枝より土に白かりし
池田風比古
ホトトギス
200604
林泉を巡る山茶花日和かな
佐山苑子
遠嶺
200604
山茶花の飯屋へむかふ夕べあり
市場基巳
200604
山茶花や今がさかりと見つつ過ぐ
藤田信義
春燈
200604
日かげりて山茶花色を失へり
小橋末吉
対岸
200604
家々の山茶花咲きて村ゆたか
鵜飼紫生
雨月
200605
山茶花やお手玉の子の脛あらは
瀧春一
常念
200606
山茶花咲きつぐ有終の美は知らで
山元志津香
八千草
200607
我が人生名残り山茶花紅の濃し
中野英歩
八千草
200607
山茶花の咲きはじめたる家居かな
稲畑汀子
ホトトギス
200611
山茶花に声なき歓喜初みぞれ
林翔
200611
山茶花や灯ともしどきの早くなり
鷹羽狩行
200701
山茶花の窓を拭ひし指の冷
横田初美
春燈
200701
山茶花や生まれし家を見て帰る
君塚敦二
春燈
200701
山茶花や気儘に生きて罪深し
谷寿枝
酸漿
200701
山茶花や青梅夜具地の機の音
関まさを
酸漿
200701
山茶花の茶の間の話のはずみをり
伊藤セキ
酸漿
200701
山茶花や歯科から内科三千歩
森理和
あを
200701
一考後山茶花啄む鵯一羽
林翔
200702
山茶花の垣に顔出す仔牛なり
山田美恵子
火星
200702
山茶花散り側溝赤く染まりけり
松崎鉄之介
200702
満開の山茶花バリに飛び立てり
片岡静子
200702
山茶花の白きに暮色定まらず
藤岡紫水
京鹿子
200702
山茶花や東司の窓の薄日いろ
吉弘恭子
あを
200702
笑ひすぎたり山茶花のこぼるるよ
丸山照子
火星
200703
日溜りは散り山茶花の吹き溜り
山田美恵子
火星
200703
山茶花を過ぐさよならのタイミング
瀬下るか
200703
山茶花の築地に江戸の名残りかな
森田節子
風土
200703
散りては咲き山茶花終のなきごとく
堀田こう
雨月
200703
山茶花に鳥また一羽戯去戯来
上田敬
遠嶺
200703
山茶花や酒酌む羅漢笑む羅漢
関まさを
酸漿
200703
山茶花や身のほど知らずの日記書く
鴨下昭
200703
山茶花や木戸を開ける表門
君塚敦二
春燈
200704
山茶花をするどき羽音過りけり
戸栗末廣
火星
200704
山茶花の正午には日に酔ひ上がる
前川明子
200704
山茶花や渡し名残の和倉橋
大房帝子
酸漿
200704
山茶花のやたらと咲きて散りにけり
高倉恵美子
200704
山茶花咲く日々海鳴の膨れきて
木船史舟
200705
猫ひそむ山茶花垣は散りざかり
池田かよ
ぐろっけ
200705
袖しぼる津軽三味線さみの音山茶花散る
小野寺節子
風土
200705
山茶花の朝や泪のやうに散り
上田敬
遠嶺
200705
山茶花や庇へ移す河豚の鰭
松崎豊
200705
山茶花や笑ふ童女の赤き顔
横山迫子
六花
200706
山茶花や幼き声の過ぎゆける
横山迫子
六花
200706
山茶花や稻架の肩より二三輪
瀧春一
200706
山茶花や槇の籬の深みより
瀧春一
200706
山茶花や陶ものづくり寂かなる
瀧春一
200706
錦木に山茶花白花散り混り
奥村鷹尾
京鹿子
200709
山茶花や墨色にじむ新塔婆
竹貫示虹
京鹿子
200711
山茶花 2→      

 

2021年11月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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