百日紅 5       100句

百日紅この叔父死せば来ぬ家か   大野林火   青水輪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
咲満ちて妖しきまでの百日紅 府川昭子 春燈 201611
鰐口の音聞こえくる百日紅 廣瀬雅男 やぶれ傘 201611
咲き散らす百日紅の力瘤 成宮紀代子 201612
百日紅静かに池を統ぶるかな 大橋晄 雨月 201612
唐橋も百日紅も雨の中 廣畑育子 六花 201612
十人の僧の衣擦れ百日紅 山崎靖子 201612
百日紅散る頃までの出漁かな 阿久津勝利 万象 201612
百日紅紫がかるこそ佳けれ 大橋晄 ホトトギス 201701
咲き残る百日紅や神籤棚 田中藤穂 201701
木の芽吹く移し植ゑたる百日紅 稲畑汀子 ホトトギス 201704
すぐそこと言ふ角曲る百日紅 中川句寿夫 ここのもん 201705
百日紅えびせんべいが止まらない 足立良雄 201710
来し方の夢覚めゆくや百日紅 萩庭一幹 馬醉木 201710
神の手に委ぬる我が身百日紅 持田信子 春燈 201710
百日紅ふはり郷愁活かす雲 松本鷹根 京鹿子 201710
百日紅房の大きに傾ぎたる 大橋晄 雨月 201710
百日紅句碑歳月の色醸し 西村操 雨月 201710
手招きをしてゐる夜の百日紅 岩下芳子 201711
色さらに恩寵のごと百日紅 荒木甫 201711
根くらべとはリハビリよ百日紅 佐々木秀子 201711
百日紅擬宝珠眩しき地蔵堂 原和三 末黒野 201711
百日紅咲くや朝夕掃く日課 外山生子 末黒野 201711
蹲踞の日の斑掬ひぬ百日紅 前原マチ 末黒野 201711
悪相の阿修羅も仏百日紅 高村令子 風土 201711
咲き満ちて雨に重たき百日紅 村瀬恵美子 風土 201711
このところ微熱がつづく百日紅 直江裕子 京鹿子 201711
百日紅咲ききはまりし秀のゆるむ 溝内健乃 雨月 201711
幹撫でて見上げてをりぬ百日紅 中原敏雄 雨月 201711
袖垣の竹のあめ色百日紅 岡野里子 末黒野 201712
百日紅まだ明るくて雨のあと 土井三乙 風土 201712
陽疲れをためこんでゐる百日紅 直江裕子 京鹿子 201712
百日紅ひと毬ごとの揺れ返し 永田万年青 六花 201712
咲きみちて散るばかりなり百日紅 黒澤次郎 やぶれ傘 201712
花を噴く百日紅を畏れけり 三井所美智子 201802
雨しとど百日紅の紅しづく 山口郁子 末黒野 201804
俥屋の行き来の古都や百日紅 井上石動 あを 201808
百日紅映ゆる門前そば処 鈴木としお 春燈 201809
片付けの苦手な親子百日紅 鈴木みのり 201809
掃きてより一日始まる百日紅 平城静代 201810
母の忌の空あをあをと百日紅 平城静代 201810
百日紅武田菱挙ぐ甲斐の寺 密門令子 雨月 201810
四脚門の武田菩提寺百日紅 密門令子 雨月 201810
百日紅山の学校いまはなき 片山喜久子 雨月 201810
日の差せば日の色赤き百日紅 山田天 雨月 201810
紅白としづかに山の百日紅 滝澤圭子 雨月 201810
空に燃ゆいま日の辻の百日紅 片桐紀美子 風土 201810
川なりに曲がる家並百日紅 宮崎紗伎 春燈 201810
骨折の妻の摺り足百日紅 森清堯 末黒野 201810
みどりごの落ちてきそうな百日紅 本多俊子 201811
百日紅二十人のチンパンジー 瀬川公馨 201811
公園の入口飾る百日紅 大橋晄 雨月 201811
花弁の紅散りじりに百日紅 安部和子 雨月 201811
球審の声よくとほる百日紅 西村操 雨月 201811
検査終へ窓に夕日の百日紅 福岡かがり 雨月 201811
桂郎の盃に散る百日紅 岩木茂 風土 201811
百日紅母の忌忘じゐたりけり 中上馥子 春燈 201811
ロンドンにいた日のままに百日紅 坪内稔典 船団 201812
ロンドンもひともしごろの百日紅 坪内稔典 船団 201812
鴨山の歌碑を抱ける百日紅 延川五十昭 六花 201812
永遠を契るはかなさ百日紅 川内谷育代 馬醉木 201812
百日紅傷も治りて散りにけり 重原爽美 201902
泉州の不動明王百日紅 庄司久美子 201909
寺町の昏れて静かな百日紅 今井弘雄 春燈 201909
百日紅裸木となり艶かし 江島照美 発火点 201909
水を買ひ山の手へゆく百日紅 善野行 六花 201909
百日紅咲く不揃ひに重さうに 加倉井たけ子 201910
百日紅花は実となり光増し 安部和子 雨月 201910
誰も居ぬベンチ真昼の百日紅 向井芳子 春燈 201911
古びたる団地にぎはし百日紅 西本花音 春燈 201911
百日紅に夜のかほあり明り窓 雨村敏子 201911
百日の一日の紅や百日紅 及川照子 末黒野 201911
スポンジに吸水力減り百日紅 奥田筆子 京鹿子 201911
にはたづみ百日紅の落花あり 田尻勝子 六花 201911
百日紅昔も今も筆不精 山田邦彦 201912
百日紅しとどの雨に濡れにぬれ 安部和子 雨月 201912
咲き継ぎて廃寺の一樹百日紅 西村操 雨月 201912
仙人の杖より捻れ百日紅 廣畑育子 六花 201912
百日紅腰をくの字に動かして 平きみえ 船団 201912
百日紅相談事は三つまで 高田留美 船団 201912
朝風にけふのはじまる百日紅 礒貝尚孝 黄落 202003
午後四時は祖父の手伝ひ百日紅 伊吹之博 京鹿子 202008
たたずめば独りの影や百日紅 本多遊方 春燈 202009
待合せはいつものベンチ百日紅 佐藤まさ子 春燈 202009
鮮やかに咲く籠り日の百日紅 藤原明華 202009
恋の字を書かぬ恋文百日紅 岩永はるみ 春燈 202009
百日紅ほろほろほろり露天風呂 赤座典子 あを 202009
粒状の離花踏む角の百日紅 松本鷹根 京鹿子 202010
晴れ渡る空に浮き雲百日紅 松村光典 やぶれ傘 202010
敷石に吹き散らされし百日紅 藤井美晴 やぶれ傘 202010
百日紅色づき気付く通い路に 吉宇田麻衣 202011
百日紅ビジネスの日々きびしくて 江口九星 202011
百日紅花も葉も落つる風の出て 河添久子 202011
すべき事山積みにして百日紅 宮田豊子 春燈 202011
百日紅猛き陽浴ぶも色褪せず 瀬戸峰子 春燈 202011
百日紅むらさきけぶる夕べかな 安立公彦 春燈 202011
百日紅公衆電話ありし跡 廣畑育子 六花 202011
百日紅空の青さの中にあり 浜田久美子 六花 202011
早暁の雨に色濃し百日紅 六崎正善 末黒野 202011
窓際に揺るる赤べこ百日紅 大庭美智代 末黒野 202011
八十路には散歩が命百日紅 平野無石 202011
百日紅 →6

 

2023年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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