沙羅の花 5      79句

沙羅の花  夏椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
観世音の御ン目差や沙羅の庭 西千代恵 雨月 201610
沙羅の芽の銀の秀こぞり発光す 溝呂木信子 201704
謎いまだ明さぬ古墳沙羅の花 吉田順子 201707
沙羅双樹蕊に残れる昨夜の雨 高木邦雄 末黒野 201708
姫沙羅の高々伸びて夏の雲 石森理和 あを 201708
山見えて医師の軒の沙羅白し 今井妙子 雨月 201708
沙羅つぼみ小さき光を放ちけり 今井妙子 雨月 201708
母偲ぶ日日や沙羅咲き沙羅散華 山本喜朗 雨月 201708
養老の谷まつさらな沙羅の花 田中臥石 末黒野 201709
沙羅咲くや光陰宙に東林院 熊岡俊子 雨月 201709
目瞑りてゐても白光沙羅の花 熊岡俊子 雨月 201709
白妙の沙羅の落花に聴く法話 熊岡俊子 雨月 201709
麻沙子忌の近しと沙羅の蕾上ぐ 佐藤貞子 雨月 201709
沙羅落花惑はぬ様を眩しみて 佐俣まさを 春燈 201709
沙羅の花選ばぬ道のありにけり 藤田美耶子 201710
一言地蔵に願ふひとこと沙羅の花 太田慶子 春燈 201710
沙羅の花白きを引きて落ちにけり 上岡佳子 万象 201710
鐘夕べ樹上の沙羅に地の沙羅に 足立典子 雨月 201710
沙羅仰ぐ心に先師ありにけり 足立典子 雨月 201710
白玉の光集むる沙羅の花 足立典子 雨月 201710
白玉のやはき光に沙羅つぼむ 溝内健乃 雨月 201711
井戸蓋に忘れ数珠あり沙羅の花 横田敬子 201712
沙羅の戸を潜りて啜る三瓶蕎麦 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
おだやかに齢加わる沙羅の花 吉田順子 201808
五葉添へ句座に運ばる沙羅の花 加藤北天 雨月 201808
念仏寺の朝のしづけさ沙羅の花 三浦純子 201809
対岸に望む古城や沙羅の花 稲岡みち子 雨月 201810
曇る日の曇る明るさ沙羅咲けり 中島和子 六花 201810
生きてゐる足裏のしびれ沙羅の花 西住三惠子 201811
沙羅の花結界に白散りばむる 山下健治 春燈 201812
朝日子はいつも生れたて沙羅の花 谷田明日香 風土 201901
沙羅双樹うしろより来る花の夕 菊池和子 京鹿子 201901
風に耐へ咲き残りたる沙羅一花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
居るはずの無い母の声沙羅の花 中山惠子 201908
自ずから然りと沙羅の散りにり 山田六甲 六花 201908
沙羅の寺綺麗に生きる人と来て 山田六甲 六花 201908
沙羅に水浄められたる緋鯉かな 山田六甲 六花 201908
沙羅に留守東司を借りて帰りけり 山田六甲 六花 201908
白が湧き緋が湧きゐたる沙羅の池 山田六甲 六花 201908
仏老い鶯も老い沙羅の寺 山田六甲 六花 201908
もうないと思へどありし沙羅の花 山田六甲 六花 201908
五十昭に誘はれて来し沙羅の寺 山田六甲 六花 201908
あめつちの明けし水音沙羅開く 小野恵美子 馬醉木 201909
姫沙羅や下駄音低く露地に入る 竹中一花 201909
沙羅の花ぽろりと零す愚痴ひとつ 森清堯 末黒野 201909
多佳子忌の夕べは沙羅の散る夕べ 横尾かんな 201909
沙羅の花に鯉集まれる水の音 山田六甲 六花 201909
しばらくは沙羅の落花をそのままに 佐藤貞子 雨月 201909
血の濃さに音沙汰なくも沙羅の雨 丸井巴水 京鹿子 201909
沙羅の白とは思春期のままの白 中島宙 201910
朝霜に幽けかりけり沙羅の花 大坂正 末黒野 201910
百落ちて百の開きし沙羅の花 西村白杼 京鹿子 201910
地に落ちてたちまち錆びる沙羅の花 本田武 やぶれ傘 201911
こぼるるに風をまたずに沙羅の花 武藤節子 やぶれ傘 201911
沙羅の花遠いか近いだけのこと 直江裕子 京鹿子 201912
沙羅の花落さず英彦の通り雨 岸洋子 201912
沙羅の花遠いか近いだけのこと 直江裕子 京鹿子 201912
禅僧の御手前清か沙羅の花 川端正紀 春燈 202008
沙羅咲いて聖武天皇勅願寺 佐藤信子 春燈 202008
沙羅の花けふには会へぬ明日の風 本郷公子 京鹿子 202008
沙羅の花落ちる音して黙祷す 渡辺節子 202009
気を抜けば崩るる齢沙羅の花 高村令子 風土 202009
本堂は戸を閉て沙羅の花あかり 住田千代子 六花 202009
はかなさの苔の上なる沙羅の花 住田千代子 六花 202009
昨夜の雨とどめて今朝の沙羅の花 今橋眞理子 ホトトギス 202011
沙羅の咲き継ぎて近づく三回忌 本郷桂子 ホトトギス 202011
短命を惜しみきれざる沙羅の花 本郷桂子 ホトトギス 202011
アトリエに紅茶運ばれ沙羅の花 栗坪和子 202108
散ればなほ淋しき白や沙羅の花 村上國枝 春燈 202108
姫沙羅のかかぐる百花箱根路 西計郎 末黒野 202108
ワクチンに恃む余命や沙羅の花 石黒興平 末黒野 202109
むらさきの夜明けよ姫沙羅の花よ 林いづみ 風土 202109
雛僧の細き脛出づ沙羅の花 林いづみ 風土 202109
沙羅の花落ちて百花の一つ減り 奥中双樹 京鹿子 202110
沙羅の花淡き詩情を浮かべ咲く 安立公彦 春燈 202110
沙羅の花散るや千年またたく間 藤井啓子 ホトトギス 202111
裏年を詫び沙羅の花語る僧 山崎貴子 ホトトギス 202111
男三瓶の霊気に揺るる沙羅の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
鈍色も山の賑はひ沙羅落花 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
歳時記に書き込みのあり沙羅の花 秋川泉 あを 202208
沙羅の花夕べのうちを散り急ぎ 山口郁子 末黒野 202210
水昏れていつもの椅子に沙羅の花 直江裕子 京鹿子 202210
剥落の螺鈿の厨子や沙羅の花 山田和 京鹿子 202301
沙羅の花→1

 

2023年7月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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