桜しべ 2     138句

おかもちに桜しべ降り出前行く   飯島清子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
さくら蘂降る終章の弦高音 秋葉雅治 201501
桜蘂降るむさし野の風に触れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
桜蘂降るより空を語り初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
桜蘂降る参道の骨董市 鈴木鳳来 故山 201505
桜蕊十重に二十重に降り重ね 布川直幸 201505
桜蘂降る保存民家の急階段 能村研三 201506
桜蘂降るに余情はなかりけり 齋藤晴夫 春燈 201507
桜蘂降るや直感たよりとし 栗原公子 201507
桜蘂降るや大地の深呼吸 本池美佐子 201507
この橋を渡り切るまで桜蕊 高田令子 201507
桜蘂降る昼月の泪とも 雨宮桂子 風土 201507
桜蕊業平道に散り急ぐ 蒲田豊彦 雨月 201507
墨堤に桜蕊降る荷風の忌 高橋均 やぶれ傘 201508
桜蕊降るや木馬は空を見ず 松田泰子 末黒野 201508
シーソーの二人に降りぬ桜蘂 遠藤清子 末黒野 201508
一途なる来し方語りさくらしべ 北川孝子 京鹿子 201508
蜘蛛の囲を余さず桜蘂降りぬ 来海雅子 201508
地に還る黒門口の桜しべ 直井たつろ 風土 201508
桜蘂降り目の前に犬座り 大崎紀夫 虻の昼 201510
雨の音ときどき桜蘂の降り きくちえみこ 港の鴉 201510
桜蘂降るや病院坂の雨 井原美鳥 201606
琵琶の流れに桜しべ降る奥書院 山崎靖子 201607
橋の上人の佇む桜蘂 高田令子 201607
桜蘂降るそれからの旅心 小川流子 201607
靖国神社の件の桜蘂降りぬ 浅岡麻實 末黒野 201607
桜しべ降る老幹の深き洞 原友子 201607
桜しべ隅に積もるや常となり 長崎桂子 あを 201607
桜蘂降る園丁の肩に背に 遠山のり子 201608
桜蕊降るや海抜ゼロメートル 辻前冨美枝 201706
桜しべ降る屋台をたたむ槌の音 大沢美智子 201707
桜蘂降るパパイヤは食べ頃に 岩月優美子 201707
ポケットに俳句手帖と桜蘂 田中信行 201707
姉となる三つ編みに降る桜しべ 山崎靖子 201707
なりゆきは桜蘂降る次第かな 荒井和昭 201707
一つ家に表札三つ桜蘂 齋藤厚子 201707
桜蘂降りつぐアカンサスの葉に 江見悦子 万象 201707
桜蘂掃き寄せ春を惜しみけり 懸林喜代次 春燈 201707
桜蘂降る陸軍墓地の忠魂碑 永井惠子 春燈 201707
校門の桜蕊降り始業ベル 吉田きみえ 末黒野 201708
孔子像の蜘蛛の囲に降る桜蘂 加藤昌安 末黒野 201708
桜蘂降るや団地に四十年 加藤昌安 末黒野 201708
桜蕊てふ寂しきものを踏みゆけり 小金井絢子 馬醉木 201708
桜蘂降る再入院の頼り無さ 宮井知英 201707
月はやし桜蘂降る九段坂 奥澤よし江 万象 201708
隠り沼の桜蘂降る岸辺かな 藤生不二男 六花 201708
桜蘂ただひたすらに降りにけり 住田千代子 六花 201708
桜蕊降りつぐ鯉の鼻孔にも 田岡千章 201709
桜蕊降るホッチキスの針がない 鶴濱節子 船団 201802
桜蕊降る洗剤のきれている 田彰子 船団 201802
桜蕊降る陸軍墓地の忠魂碑 永井惠子 春燈 201803
桜蘂降る来年の開花へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂降りて生活の戻る街 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂降る街騒を吸ひ込みて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂降る華やぎの記憶載せ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂青き地球に赤く降る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂降る純白のマリア像 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜蘂降る引力といふ運命 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
桜しべ降る左近碑の錆ぢから 藤代康明 201806
桜しべ掃き集めたる赤さかな はしもと風里 201806
桜蕊の残りの色を掃き寄する 近藤紀子 201807
桜蘂ふる酒蔵の酒深ねむり 岡本秀子 201807
桜しべ帽子に降りし音一つ 升田ヤス子 六花 201807
桜蘂降れる露店の古本屋 平居澪子 六花 201807
桜蘂降る城跡のなぐり書き 有賀昌子 やぶれ傘 201807
桜蕊降り境内にそよと風 黒澤次郎 やぶれ傘 201808
ひんやりした未来さくら蕊真っ赤 直江裕子 京鹿子 201808
去り際にふり返る癖さくら蕊 直江裕子 京鹿子 201808
桜蘂降る満開の記憶秘め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
あほらし屋の鐘なる桜蘂がふる 近藤綾 201906
桜蘂降る同意同意の初期設定 笹村ルル 201906
桜しべ降り観世音また古ぶ 南うみを 風土 201907
地を染めて桜蕊降る登美子の忌 浜福恵 風土 201907
大方は雄しべばかりよ桜蕊 上辻蒼人 風土 201907
観覧車桜蘂降る先の先 安藤久美子 やぶれ傘 201907
桜蘂降り艶めける石の肌 松本三千夫 末黒野 201907
天守への急磴染むる桜蘂 高木邦雄 末黒野 201907
桜しべ降る丘の上の忠魂碑 遠藤レイ 春燈 201908
船笛や桜蘂降る基地の町 石黒興平 末黒野 201908
桜蘂ふるや平成惜しみつつ 岡田史女 末黒野 201908
桜蘂降る廃線の鉄路かな 高木邦雄 末黒野 201908
桜蘂降る迷惑なほど愛す 仲里奈央 201909
桜蘂降るバブルは遠くなりにけり 近藤干雅 船団 201910
桜蘂降るや木馬の目の青し 安食哲朗 201910
桜蘂降るやレグホン放し飼ひ 岡澤田鶴 201910
桜蘂降る新しき世を迎へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
桜蘂降る学校の昼休み きくちきみえ やぶれ傘 202007
桜蘂降り残る枝紅に染め 横路尚子 末黒野 202007
ひとけなき野道を埋めて桜しべ 及川照子 末黒野 202007
よその子と桜しべ払ふ木椅子 近藤紀子 202007
声のなき校庭染むる桜しべ 高木邦雄 末黒野 202007
地を染めてほとほと降るよ桜蕊 はしもと風裡 202007
桜蘂降る影ひとつなき校舎 佐藤みち子 京鹿子 202008
桜蘂降る圧し来る疫病かな 平沢恵子 京鹿子 202008
桜蘂降る校庭のがらんどう 大西由美子 京鹿子 202008
病む人を訪う桜蘂降るなかを 大山夏子 202009
谷根千や桜蘂降る路地巡る 釜田敬司 202105
桜蘂降る銭湯のありしあと 能村研三 202106
すずめらに桜蘂降る校舎裏 小嶋恵美 春燈 202107
立ち話桜蘂降る児童館 松本ゆきえ 春燈 202107
桜蘂降る傘寿の吾を包むがに 久津摩英子 春燈 202107
桜蘂降る線画めきたる石畳 森清堯 末黒野 202107
桜蘂降る廃校の記念碑へ 森一枝 末黒野 202107
天落つるとふ人ありぬ桜蘂 間島あきら 風土 202107
桜蕊降るよスコアはゼロとゼロ 内藤静 風土 202107
桜蕊降るや少年ボール蹴る 森田節子 風土 202107
湯の中に桜蕊降る小涌谷 坂本和穂 やぶれ傘 202108
桜蘂降る夜なり耳澄ましけり 山岸明子 202108
桜蘂降るを厭はず六地蔵 関道子 春燈 202108
次次と増ゆる雑用桜蘂 仲里奈央 202108
桜蕊ふる実りなき恋いくつ 大西乃子 202112
桜しべ→ 1
桜蘂ふる道ついて来るは何 小川流子 202205
桜蘂ふる老木の幹に苔 篠田純子 あを 202206
桜蕊踏んで五千歩誕生日 須賀敏子 あを 202206
吹くからに白砂の破目さくら蕊 鷺山珀眉 京鹿子 202207
喪の服を脱げばこぼるる桜蕊 田中佐知子 風土 202207
頻りなる桜しべ降る化粧坂 今村千年 やぶれ傘 202207
桜蘂降る払暁の大社 大川暉美 やぶれ傘 202207
桜蕊校庭に降る静寂かな 加藤静江 やぶれ傘 202207
朝風や桜蘂ふる九段坂 高木邦雄 やぶれ傘 202207
友転居桜蘂降る日の朝に 毛利直子 やぶれ傘 202207
申し訳なささうに降る桜蘂に 高橋詩 202207
尽くるまで降るほかはなし桜蘂 栗原公子 202207
桜蘂降る頬杖のテレワーク 坂下成紘 202207
桜蘂降るや今更結果論 坂下成紘 202207
桜蘂降りてかのこと不問とす 坂下成紘 202207
桜蘂降るや日暮に期するもの 坂下成紘 202207
桜蘂降るバス停に人を見ず 善野行 六花 202207
たまゆらの桜蘂ふる段葛 青柳雅子 春燈 202207
桜蘂降る別れるときめ逢ひにゆく 小張志げ 春燈 202207
桜蘂追悼文のやうに降る 小泉三枝 春燈 202207
桜蘂降る掃きても消えぬ恋心 金山雅江 春燈 202207
桜蘂降る門前の制服屋 安藤久美子 やぶれ傘 202208
桜蕊降る抜け道の潦 小池一司 やぶれ傘 202208
桜蘂降る長椅子や日のぬくみ 森清堯 末黒野 202208
母の忌の桜蘂ふる夕べかな 池乗恵美子 末黒野 202208
桜蘂降る畝の間にたまりけり 谷安喜美子 末黒野 202208
桜蘂降る公園のすべり台 廣瀬雅男 やぶれ傘 202209
人の波桜蘂降る蔵の街 針谷忠郎 202210
桜蘂降る迷惑なほど愛す 仲里奈央 202212
 

 

 

2023年4月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。