さくら餅 4    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
目隠しの小さき掌桜餅 林八重子 馬醉木 201307
和菓子舗の暖簾あたらし桜餅 中村紀美子 春燈 201307
ぬれし葉の塩気をめでつ桜餅 竹内弘子 あを 201307
除け者の字余りずつしり桜餅 布川直幸 201404
もてなしは世間話と桜餅 小林久子 201405
盆点の懐紙に受くる桜餅 藤見佳楠子 201405
福耳は母ゆづりなり桜餅 中村紀美子 春燈 201405
二代目も老いし和菓子や桜餅 鈴木セツ 201405
後編と思ふ人生さくら餅 土屋草子 ろんど 201406
昨夜雨の今日は良き日や桜餅 川村亘子 末黒野 201406
桜餅ひとりの時間ありにけり 山田暢子 風土 201406
桜餅天助ありての自助なりけり 上山永晃 春燈 201406
理系女でも歴女でもなし桜餅 笹村恵美子 201406
ていねいに並べて売らる桜餅 和田紀夫 201406
さくら餅食ふに日当る虚空かな 中野京子 201406
姑の忌の仏間香し桜餅 粟倉昌子 201406
日本橋生まれのははや桜餅 柴田久子 風土 201407
桜餅食べ終へたる葉佳き香り 大橋弘子 末黒野 201407
桜餅前もうしろも分譲地 柴田久子 風土 201407
風呂敷の自在なりしよ桜餅 柴田久子 風土 201407
碧梧桐虚子のことなど桜餅 橋添やよひ 風土 201407
かしこさうな赤門前のさくら餅 石田きよし 201407
喫斗紙は千鳥の透かし桜餅 奥名房子 201410
魁けて食ぶ長命寺桜餅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
野球見る自転車籠にさくら餅 大島英昭 やぶれ傘 201505
さくら餅公民館の祝賀会 すずき巴里 ろんど 201505
日を負うて歩く墨堤桜餅 山本無蓋 201505
強面の漢の好きな桜餅 石田康明 春燈 201505
桜餅夢のごとくに月日すぐ 本多俊子 201505
傘寿はやさらりと過ぎて桜餅 秋津令 201506
夜に匂ふ父の手籠のさくら餅 山下ひろみ 201506
妣つれて行く約束の桜餅 栗山よし子 馬醉木 201506
桜餅久闊の友とあらわれり 秋川泉 あを 201506
父と子の溝の埋まらぬ桜餅 波戸辺のばら 201506
本日分売切れました桜餅 篠原幸子 春燈 201506
病室に届ける桜餅ひとつ はしもと風里 201506
唇に残る塩味桜餅 加藤北天 雨月 201506
剥ぐべきか剥がざるべきか桜餅 和田紀夫 201507
老い母の餡甘すぎて桜餅 城台洋子 馬醉木 201507
剥がしたる葉に欠けのなし桜餅 時田義勝 やぶれ傘 201508
桜餅ひるのいこいの通信士 村高卯 壺中の天 201510
引越すや築地市場と桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201604
桜餅みよし野の旅近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
さくら餅どうたべやうと自分流 岩下芳子 201605
しよつぱさも生きる妙にて桜餅 小嶋洋子 201605
桜餅友のもたらす杣の宿 山形悦子 万象 201605
乱世を生きながらへて桜餅 山田春生 万象 201605
さくら餅花より花の匂ひ濃し 高橋将夫 201605
初恋をかたみに語りさくら餅 錫木妙子 馬醉木 201606
教へ子に少女の名残り桜餅 城台洋子 馬醉木 201606
茶話弾む傘寿の集ひ桜餅 大島寛治 雨月 201606
三人家族にひとつ余るよさくら餅 中堀倫子 201606
彼岸とて桜餅二個仏前に 千葉惠美子 末黒野 201606
桜餅香りほんのり木の皿に 千葉惠美子 末黒野 201606
老いに間のあり桜餅ほの薫る 伊藤希眸 京鹿子 201606
病棟へ天空通路桜餅 数長藤代 201606
墨痕もあざやか老舖の桜餅 千葉惠美子 末黒野 201606
桜餅吉野まぶしき空となり 岡尚 風土 201607
ひとしきり句座の和めり桜餅 石黒興平 末黒野 201607
なにげなくあげたいものに桜餅 山本則男 201607
桜餅草餅雨の日曜日 天谷翔子 201608
桜餅はにかむ形はにかむ色 後藤立夫 ホトトギス 201608
句を作ることがくつろぎ桜餅 大久保白村 ホトトギス 201609
桜餅日本に吉野ある限り 大久保白村 ホトトギス 201609
道明寺なればいただく桜餅 今橋眞理子 ホトトギス 201610
文楽のビラがひらひら桜餅 内海良太 青嶺 201612
もう一ついかが三つ目桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201704
み吉野の桜餅とや頂きぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201704
郷愁に誘はれゆきぬ桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201704
これよりの日々を語らん桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201704
葉に包む含み笑ひや桜餅 松本鷹根 京鹿子 201705
桜餅夫とはたわいなき話 田邊豊子 201706
車座の会話弾める桜餅 内山照久 201706
助六の碑へ桜餅持ち直す 中田みなみ 201707
戦死せし兄に今年も桜餅 原田しずえ 万象 201707
春はきぬとわらべも知るや桜餅 菊谷潔 六花 201707
さくら餅葉を食べるひと食べぬ人 田原陽子 201707
祝ぎ心もて手土産の桜餅 三輪温子 雨月 201707
桜餅の相伴もして友見舞ふ 加藤季代 万象 201707
二つ目は香りたのしみ桜餅 宮本加津代 万象 201707
恋のこと言ひたくなくて櫻餅 加舎廣子 京鹿子 201707
うら若き僧へみやげの桜餅 押田裕見子 201707
好きだつた仏に二つ桜餅 木村享史 ホトトギス 201708
さくら餅店の中まで石畳 岸洋子 201708
二人居に一つ買ひたる桜餅 今井千鶴子 ホトトギス 201709
地震のなきことが何より桜餅 岩岡中正 ホトトギス 201710
ケツカレは「どうぞ」の心さくら餅 寺田伸一 船団 201802
胸中にいつも母在す桜餅 白澤よし子 馬醉木 201804
人数の余分に買ひぬ桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201804
とりわくるときの香もこそ櫻餅 久保田万太郎 春燈 201805
ちぐはぐな会話はずんでさくら餅 たかはしすなお 201806
淋しさに慣れるしかない桜餅 辻水音 201806
奥飛騨のとある茶店の桜餅 藤岡紫水 京鹿子 201806
懐石の小さき桜餅残す 谷口一献 六花 201807
白あんの透けて薄紅桜餅 川井さち子 風土 201807
爽やかに諾ふ夫よ桜餅 秋津令 201808
容赦なき一語を享けぬさくら餅 石川桂郎 風土 201808
句敵をうかがひつつや桜餅 木村享史 ホトトギス 201810
さくら餅妻の誕辰祝はむと 石本秋翠 馬醉木 201904
桜餅吉野の色と味と香に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
桜餅→ 5

 

2021年4月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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