さくら餅 3    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
期せずして愚痴となりけり桜餅 山荘慶子 あを 200906
亡き叔母の優しさ今に桜餅 青垣和子 雨月 200906
桜餅残さず食べて元気な子 和田郁子 200906
遠出して老舗の桜餅をかな 青垣和子 雨月 200906
やはらかき夜桜となり桜餅 米山喜久子 200907
人数のふえてゐたりしさくら餅 工藤ミネ子 風土 200907
お国訛残る朗読桜餅 野木富貴 雨月 200907
いもうとの小さき企て桜餅 近藤倫子 ぐろっけ 200907
ふるさとも今は旅の身さくら餅 泉田秋硯 200907
杉折にそつとしのばす櫻餅 佐藤恭子 あを 200908
桜餅見え透く嘘を笑ひけり 田中藤穂 あを 201004
まづはとて佛に供ふさくら餅 舩越美喜 京鹿子 201005
おしぼりにしゃぼんの匂ひ桜餅 布川直幸 201005
さくら餅塔へ半丁ほどあたり 豊田都峰 京鹿子 201005
無季俳句ばかりが出来て桜餅 渡辺鶴来 春燈 201005
口中に大川の香やさくら餅 安立公彦 春燈 201005
染め抜きの屋号ののれん桜餅 木下和代 末黒野 201006
堺にて茶人のここち桜餅 竹内悦子 201006
桜餅仏間無人の冷が棲む 柳生千枝子 火星 201006
桜餅十年あとのわが系図 竹下昌子 201006
至福なり友の笑顔と桜餅 堀川多恵子 風土 201006
静かなる雨に匂ひて桜餅 大崎ナツミ 雨月 201006
御尤も黙して桜餅つまむ 石田きよし 201006
追伸にさらりと本音桜餅 市村健夫 馬醉木 201006
大ぶりや城下老舗の桜餅 和田一 雨月 201007
魯山人の鉢にいけにへ桜餅 泉田秋硯 201007
再会の約束かたくさくら餅 後藤那生 ろんど 201007
兄よりも兄嫁親し桜餅 白石善子 雨月 201007
計算の苦手な母のさくら餅 松川都青 京鹿子 201007
御用達の文字が家宝や桜餅 和田一 雨月 201007
甘党も辛党もなし桜餅 森をさむ ホトトギス 201010
桜餅をみなばかりの座に疲れ 児玉寛幸 馬醉木 201012
桜餅葉を食べる人食べぬ人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
こつそりと渡されてゐて桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201104
みよし野のなべて色濃き桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201104
やはらかく噛みてひとひのさくら餅 佐藤恭子 あを 201104
桜餅老人輪投げのティータイム 青野安佐子 201105
緋毛氈葉ごといただく桜餅 田中藤穂 あを 201105
明日は死ぬ身かもしれない桜餅 木村茂登子 あを 201105
旅役者へ御捻一つ桜餅 小俣剛哉 雨月 201105
仏壇の匂ひ嫌はず桜餅 高橋道子 201105
桜餅@香に立つ葉ごとたうべけり 鈴木榮子 繭玉 201105
桜餅記憶はふいによみがへる 宮内とし子 201105
朝一の宅急便や桜餅 中川すみ子 201106
包み紙に屋号の語る桜餅 鎌田悟朗 ろんど 201106
里山の色の優しき桜餅 松嶋一洋 201106
蝋@燭の炎にさくら餅わらひをり 千田敬 201106
外出の夫に頼みて桜餅 増田一代 201106
身のかろくなるまで語り桜餅 岡部名保子 馬醉木 201106
茶柱やさくら餅@には桜の香 新実貞子 201106
集まれば地震の話に桜餅 門伝史会 風土 201107
訥々と語る来し方桜餅 田中清子 雨月 201107
青丹よし奈良の御坊の桜餅 山田春生 万象 201107
殯せん桜餅の葉はづしけり 大島翠木 201108
墨堤や妻のおごりの桜餅 大坪景章 万象 201108
桜餅にも関東風関西風 大久保白村 ホトトギス 201109
桜餅いちにち母とくらしけり 松橋利雄 光陰 201203
桜餅みよし野の朝解けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
桜餅食べて終りし一日かな 稻畑汀子 ホトトギス 201204
みよし野に出会ひ重ねて桜餅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
さくら餅皮ごと食うべ失語症 堀内一郎 あを 201205
手に残る移り香かすか桜餅 吉田啓悟 かさね 201205
声がしてそつとおかれた桜餅 芝宮須磨子 あを 201205
打ち明けるその後の話桜餅 山田正子 201205
桜餅並びてふたつ夫の買ふ 上村葉子 風土 201206
お茶を待つ床几番ひのさくら餅 田村すゝむ 風土 201206
万朶に咲く枝に小鳥や桜餅 池内とほる かさね 201206
葉脈の歯応への美し桜餅 石倉千賀子 ろんど 201206
手に受けし懐紙のしめり桜餅 山村幸苑 馬醉木 201206
包み解く手許の匂ふ桜餅 宮木加津代 万象 201206
寄り道にもひとつ櫻餅買うて 佐藤恭子 あを 201206
男の子ばかりを育て桜餅 原友子 201206
さくら餅歯なしの口元ほころびて 古林田鶴子 ぐろっけ 201207
桜餅本家総家と軒並べ 国包澄子 201207
来る筈の人待つ席の桜餅 森脇貞子 雨月 201207
野地蔵に供へられたる桜餅 山口天木 雨月 201207
書きさしの手紙の横の桜餅 涼野海音 火星 201207
桜餅離職十年皺む掌に 田村一翠 ぐろっけ 201207
縁側は家の語り部さくら餅 頓所友枝 冬の金魚 201209
あはあはの色が艶なり桜餅 布川直幸 201303
桜餅吉野温泉元湯の香 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
桜餅狐出さうな吉野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
夫に供へわれも一つや桜餅 石原節子 春燈 201304
くちづけるやうに香を嗅ぐ桜餅 布川直幸 201304
桜餅葉にも主張のありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
桜餅吉野の山気濃き色に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
遅れ来る一人に残す桜餅 稲畑汀子 ホトトギス 201304
また一つ重ねし齢さくら餅 伊藤百江 春燈 201305
浮かれ人これより先のさくら餅 鈴鹿仁 京鹿子 201305
さくら餅一つは妣へ日の巡り 鈴鹿仁 京鹿子 201305
われの名を忘るる母と桜餅 市村明代 馬醉木 201305
さくら餅戦後の飢を知る人と 千田敬 201306
手づくりの大きめがよし桜餅 田中浅子 201306
葉を食べる食べぬ論争桜餅 大堀賢二 201306
和歌知らぬ我は無口に桜餅 宮崎高根 201306
桜餅停戦協定結ぶ日の 中谷仁美 船団 201306
団欒に先づ愛でらるる桜餅 和田郁子 201306
長文の詫状に添ふ桜餅 福永尚子 ろんど 201306
桜餅を購ふ舞妓片化粧 宮崎左智子 201307
死に方の話におよび桜餅 安田とし子 ぐろっけ 201307
桜餅 →4

 

2021年4月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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