桜 貝  213句

風吹けば花さく浪の折るたびにさくら貝よる三島江の浦   西行

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
引く波が夕日をさらふ櫻貝
新開一哉
円虹
199808
笑ひましよ泣きましよ母はさくら貝
丸山海道
京鹿子
199808
沖波に予後を占ふさくら貝
丸山海道
京鹿子
199808
弁天に片恋したり桜貝
丸山海道
京鹿子
199809
拾ひためて重さのあらず桜貝
鷹羽狩行
199904
海の縁側さくら貝さくら貝
水内慶太
銀化
199904
桜貝汝はひ弱子いとほしき
大橋敦子
雨月
199907
ハンカチといふたまてばこ桜貝
八染藍子
200006
さざなみは海のうたごゑさくら貝
太田寛郎
200008
櫻貝内出血のごと虚言
田中亜美
海程
200008
桜貝麻酔の潮の満つ中に
佐々木峻
船団
200008
桜貝つんで風説明かるくする
村上友子
海程
200009
初恋をのぞいてみたる桜貝
伊藤翠
船団
200009
拾はれてそののちのこと桜貝
佐藤博美
200012
これは逗子これは葉山のさくら貝
鷹羽狩行
200104
桜貝人恋ひ初めし頃をふと
久保田雪枝
雨月
200104
顎に影かかりたる桜貝
各務耐子
200105
亡母は渚なり冬の桜貝さがす
金子皆子
海程
200105
桜貝七里ヶ浜にバレエの碑
柿沼盟子
風土
200106
桜貝拾ひしことも昔かな
中西道子
百鳥
200106
満ち退きのはないちもんめ桜貝
亀田愚風
銀化
200107
馬蛤貝と桜貝とに砂かけて
高橋将夫
200202
大潮のひき忘れたる桜貝
有吉 桜雲
200204
引く波の一つ残せし櫻貝
阿部正枝
遠嶺
200206
恋の日のいまに小箱のさくら貝
藤原照子
200206
手にのせて女身でありし櫻貝
近藤喜子
200206
見付けては声の弾みて桜貝
永井雪狼
200207
望郷やもとの形のさくら貝
天野きく江
200207
少年の初恋らしき桜貝
ホボーム希子
200209
青梅雨の浜辺にさがす桜貝
岡久枝
酸漿
200209
けふ波の引きの弱しよ桜貝
小林クミ
200304
水暮れて掌にあるさくら貝
中野京子
200306
掌の窪に欠けたる桜貝
大森美恵
風土
200306
桜貝海を見しこと久しぶり
徳永真弓
百鳥
200306
ぐうの手のどちら開けても桜貝
近藤伸子
馬醉木
200307
掌にすればその掌のいろに桜貝
藤岡紫水
京鹿子
200307
引き返しても見当らぬ桜貝
長田等
200308
砂浜に残る潮の目桜貝
小橋隆三
対岸
200308
割れてをり胸ポケットの桜貝
鳴海清美
六花
200308
若き日を秘む抽出の桜貝
久保田雪枝
雨月
200405
指先に砂濡れて付く桜貝
山田六甲
六花
200405
波うちの波にあそびの桜貝
蓮尾あきら
風土
200405
本棚の埃かむりし桜貝
沖増修治
百鳥
200406
さくら貝宝石箱にしまひけり
望月澄子
対岸
200406
開く掌に視線集めて櫻貝
亀ヶ谷照子
遠嶺
200406
大潮の引き忘れたる桜貝
有吉桜雲
200407
海の色には染まらずに桜貝
後藤政子
200407
青春の形見とさくら貝拾ふ
松本圭司
200407
春の海溢るるばかり桜貝
栢森定男
『風よ』
200407
桜貝生みし母なる青い海
栢森定男
『風よ』
200407
ポケットの外から触れる桜貝
戸栗末廣
火星
200408
波去りて夕日の点す桜貝
物江晴子
八千草
200410
櫻貝遠き想ひ出手繰りをり
田中清子
遠嶺
200505
いつみてもどこか欠けゐるさくら貝
山尾玉藻
火星
200505
さくら貝五枚拾ひて花にする
齋藤實
200506
枕辺にさくら貝置く海を置く
工藤進
200506
二番目の抽斗隅のさくら貝
栗栖恵通子
200507
淋しさは海荒るる日のさくら貝
園多佳女
雨月
200507
さくら貝には漣がよく似合ふ
園多佳女
雨月
200507
いつの間にか靴脱ぎし妻さくら貝
原田要三
200508
さくら貝大気に守られし地球
あさなが捷
200508
傷つけて傷つけられてさくら貝
篠田純子
あを
200508
あてずつぽうにカードめくれば桜貝
井上菜摘子
京鹿子
200601
桜貝その後のことは聞かぬまま
倉持梨恵
200605
巻き戻る撥条なりしさくら貝
中野京子
200605
桜貝生きて夫婦の笑ひ合ふ
福西礼子
火星
200605
原発二基聳ゆる間近さくら貝
北川英子
200606
入り入りてデルタに拾ふ桜貝
岩下芳子
200606
雲切れて日矢の先なる桜貝
坂口夫佐子
火星
200607
桜貝形見となして逝かれけり
大橋淳一
雨月
200610
さくら貝未完の文は波に捨つ
宇都宮滴水
京鹿子
200704
古着よりはづす釦やさくら貝
中島玉五郎
200705
五十年経たり小筐の桜貝
新倉舒子
200705
海ぢゆうの波長聴きゐるさくら貝
鈴鹿仁
京鹿子
200705
さくら貝一と夜の夢を閉ぢしまま
鈴鹿仁
京鹿子
200705
波音に偲ぶ人あり桜貝
石垣幸子
雨月
200705
引く波が裏返し行く桜貝
木内美保子
六花
200705
引き潮の置き忘れたる桜貝
天野きく江
200706
小さきものみな美しき櫻貝
津田礼乃
遠嶺
200706
桜貝小指の爪に載せてみる
馬越幸子
ぐろっけ
200706
さくら貝ひろひしよりのとほさかな
豊田都峰
京鹿子
200706
さくら貝白き詩集の序となさむ
豊田都峰
京鹿子
200706
さくら貝陽のなき刻も匂ひけり
宇都宮滴水
京鹿子
200706
点滴をじつと見つめる桜貝
東亜未
あを
200706
拾ふときさながら少女桜貝
伊吹文江
200707
さくら貝探す乙女のうしろ影
宇都宮滴水
京鹿子
200707
さくら貝拾ひ嘘なき人とゐる
宇都宮滴水
京鹿子
200708
桜貝わたくしといふ遠流かな
井上菜摘子
京鹿子
200708
桜貝拾ふや雪の由比ヶ浜
吉野美江
酸漿
200804
さくら貝ひろひしよりのとほさかな
豊田都峰
草の唄
200805
手をそれて波の持ち去るさくら貝
山本雅子
馬醉木
200806
桜貝ゆうべの波の湿りあり
大山文子
火星
200806
溜息はこんな色かも桜貝
後藤立夫
ホトトギス
200807
胸中に詩ポケットに桜貝
岩岡中正
ホトトギス
200807
さくら貝恋といくさと波の傷
小林和子
風土
200807
秘すべきは秘す手のひらの櫻貝
小山徳夫
遠嶺
200808
かの時より儚き色の桜貝
大橋晄
雨月
200808
朝潮に打ちあげられし桜貝
金子知代
万象
200901
一片の詩句と拾ひて桜貝
村上美智子
雨月
200901
さくら貝波の誘ひに気を赦す
宇都宮滴水
京鹿子
200902
桜貝太古の歴史語らざる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200904
桜貝明日は蝶になりたくて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200904
場当たりの旅にて拾ふ桜貝
山田六甲
六花
200904
ころころと笑ひし頃の桜貝
赤座典子
あを
200904
波音のささやきに似て桜貝
西岡啓子
春燈
200905
麻沙子師の形見に保つ桜貝
片岡良子
雨月
200907
しろがねの波くりかへす桜貝
長田等
200908
はなびらの一片めきて桜貝
塚越美知子
200908
桜貝吾が少女期の瀬戸の凪
山田慶子
京鹿子
200908
全からざるも拾ひて桜貝
足立幸信
200912
人すべて悲の器なり桜貝
近藤喜子
201005
桜貝拾ふ私は海の底
高橋泰子
201006
櫻貝拾ひたる今日みな可とす
近藤喜子
201006
綿津見のいろ密かなり桜貝
水野恒彦
201007
遠き日の宝石箱や桜貝
馬田信子
201007
桜貝ひとつ拾ひて別れけり
高倉和子
201007
今もなほ麻沙子の心桜貝
川下明子
雨月
201007
引く波の磯辺に残る桜貝
有本勝
ぐろっけ
201007
桜貝星と睦言かはし合ふ
児玉寛幸
馬醉木
201012
回想の濡れて生き生き櫻貝
竹貫示虹
京鹿子
201104
桜貝拾ふ芭蕉の行脚の地
大西八洲雄
万象
201105
思ひ出は潮騒の音さくら貝
池田加寿子
201106
白龍に託してをりし櫻貝
竹中一花
201106
悼 冨松寛子さん
桜貝指しやぶりつつ眠れる児
角谷美恵子
ぐろっけ
201107
さくら貝心耳澄ませば怒涛音
池内結
ろんど
201107
抽斗にしほさゐ通ふ桜貝
和田照海
京鹿子
201108
千代紙の青に置くなり桜貝
亀井紀子
201108
凾底にひそますさくら貝ふたつ
吉弘恭子
あを
201110
幸せのかたちいろいろ桜貝
コ田千鶴子
花の翼
201111
さよならにほら手を出して桜貝
上村美翔
うらら
201202
夕波や少し欠けたるさくら貝
あさなが捷
201203
引く波の鞣す白砂桜貝
菅野日出子
末黒野合同句集
201203
流さるる波のまにまのさくら貝
荒井書子
馬醉木
201204
桜貝きらりと目に入る浜辺かな 菊地崇之 かさね 201205  
てのひらにささめき零すさくら貝 三上程子 春燈 201205  
桜貝その拳では握れまい 七種年男 201205  
さくら貝虹の松原にて拾ふ 小林愛子 辻楽師 201206  
鳴砂に虚けてゐたる桜貝 山田六甲 六花 201206  
つつましき暮しに加へ桜貝 柴田佐知子 201207  
あの少年と少女この桜貝 近藤喜子 201207  
誕生地は伊勢の阿漕よ桜貝 磯野しをり 雨月 201207  
桜貝こころに残る人ありて 和田崎増美 雨月 201207  
鏡台の母の小筥にさくら貝 コ田鶴子 馬醉木 201404  
浜風の光閉ぢ込めさくら貝 細川洋子 201305  
思ひ出の詰まる抽斗桜貝 北尾章郎 201306  
はらわたのありさうもない桜貝 関根瑶華 201306  
うす紙を二重に三重に桜貝 浅田光代 風土 201306  
やはらかき紙にくるまる桜貝 三輪慶子 ぐろっけ 201307  
誰を待つや七里ヶ浜の桜貝 池田節 春燈 201307  
鏡台の母の小筥にさくら貝 コ田鶴子 馬醉木 201404  
マニキュアの色にも季あり桜貝 小島昭夫 春燈 201406  
磯波に朝日したたる桜貝 遠藤真砂明 201406  
さくら貝少女は海に返しやる 堀口希望 201406  
掌を滑り落ちたる桜貝 加藤北天 雨月 201406  
引く潮や足裏くすぐり桜貝 木下晃 末黒野 201407  
今だけの今いとほしむ櫻貝 近藤喜子 201407  
桜貝波に耐へ来し彩の美し 大石喜美子 雨月 201407  
海の音掌で聞く桜貝 石橋みどり 201407  
掌に波風匂桜貝 中野京子 201407  
色褪せぬままに形見の桜貝 金森教子 雨月 201407  
虚子逍遥せし浜辺なる桜貝 大橋晄 雨月 201407  
赤心といふはこの色桜貝 山田夏子 雨月 201407  
倖せの色を絞りに桜貝 石倉千賀子 ろんど 201407  
音のなき波音を聴くさくら貝 石川寿夫 ろんど 201408  
波ごとにまろぶがうれし桜貝 鈴木一広 201408  
桜貝拾へば消ゆる波の音 稲畑汀子 ホトトギス 201504  
桜貝昔浜辺でありし頃 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504  
次の波来ぬ間に拾ふ桜貝 岩下芳子 201505  
さくら貝視野のかぎりの海凪げり 福島照子 京鹿子 201506  
逝きし人と約束ひとつ桜貝 臼井珊瑚 201506  
桜貝の思ひ出残し嫁ぎけり 渡辺若菜 春燈 201506  
さくら貝遺言のやう句を作る 斉藤裕子 あを 201506  
彼方には戦のありさくら貝 本多俊子 201507  
ときめきを永遠に秘めをり桜貝 近藤喜子 201507  
桜貝砂に埋もりをりてこそ 根岸善行 風土 201507  
こゆるぎの渚に拾ふ桜貝 今村千年 末黒野 201507  
麻沙子師の遺品のさくら貝いまも 玉置かよ子 雨月 201507  
海神の波のことづて桜貝 玉置かよ子 雨月 201507  
引く波の記憶の欠片桜貝 峰崎成規 201605  
小波を追ふ漣やさくら貝 和田照海 京鹿子 201605  
桜貝置くや手のひら渚めく 深川淑枝 201605  
おち潮の詩語拾ふごと桜貝 山口ひろよ 201605  
妻が遺して宝石箱のさくら貝 藤丸誠旨 春燈 201605  
桜貝力を抜きて引ける波 黒滝志麻子 末黒野 201606  
去る波は追はず吹かれて桜貝 高橋道子 201607  
桜貝白き手窪に彩しづめ 安立公彦 春燈 201607  
砂文字のけされしあとやさくら貝 本多俊子 201607  
仏舎利の一ひらならむ桜貝 角野良生 201608  
わたつみを誘ふさくら貝ひとつ 亀井福恵 京鹿子 201701  
雲間より日の差しきたり桜貝 藤生不二男 六花 201706  
引き波を追ひつつ拾ふ桜貝 塩野谷慎吾 201706  
江の島の夕こそよけれ桜貝 太田良一 末黒野 201707  
さくら貝さいはひといふうすきもの 岡部玄治 201707  
山の子の小さき宝さくら貝 木村美翠 201707  
櫻貝に混じる色貝千種貝 岩下芳子 201707  
隣合わせに尻もちと桜貝 谷さやん 船団 201802  
沖の声能登金剛の桜貝 山田六甲 六花 201803  
蓋を開ければ思ひ出のさくら貝 大石よし子 雨月 201806  
桜貝真白き皿に行儀よく 溝渕弘志 六花 201806  
桜貝海の言葉として拾ふ 湖東紀子 ホトトギス 201809  
桜貝拾はせたるも旅心 湖東紀子 ホトトギス 201809  
かの人の爪のようなる桜貝 津田このみ 船団 201809  
潮騒はあの日の調べ桜貝 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904  

 

 

2019年4月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。