流 燈 2     59句

流燈に下りくる霧の見ゆるかな    高野素十

作 品
作者
掲載誌
掲載年月
流灯のあとの夜風となりにけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
暮るるにはすこし間のある流燈会 粕谷澄 馬醉木 201511
流灯や徴兵令に紛れ込む 鴨下昭 201511
流燈の消えては浮ぶ浮世なる 松田都青 京鹿子 201511
流灯のこの世出て行く波の上 中村洋子 風土 201511
流灯や夫引き止める術知らず 橋添やよひ 風土 201511
流灯の三つ四ついつか寄り添ひて 柿沼盟子 風土 201511
水よりも草にさざなみ流燈会 中田みなみ 201511
はかれずについておいきよ流灯会 上川いつ子 201511
煌々と流燈百が堰を落つ 久保東海司 風鈴 201512
流燈や「イマジン」の声透きとほり 藤代康明 201511
潮の目より動き初めたる流燈会 和田照海 京鹿子 201512
流燈や声のとどかぬところまで 山本則男 201512
人の世をはなれ流灯果てにけり 竹下陶子 ホトトギス 201602
人土に流灯水に還りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
流灯の祖国を想ひ手の放つ 伊吹之博 京鹿子 201610
流灯の闇を小分けにさきつおや 熊川暁子 201611
流燈のまたたきに言つつしめり 佐藤保子 馬酔木 201611
流灯会大きく妻の名三ん文ん字 田村すゝむ 風土 201611
流灯のこの手離さばいつ逢へる 田村すゝむ 風土 201611
流灯の妻を手波で送り出す 田村すゝむ 風土 201611
流灯のぐらりと目指す日本海 山口ひろよ 201611
万の灯のたましひ揺らぐ流灯会 福島せいぎ 万象 201611
遠ざかるとき流燈となりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201701
流灯や大きな闇に吸はれ行く 恒川清爾 万象 201701
流灯の微笑むやうに去りゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
流灯の微笑むやうに去りゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
幸不幸乗せて声なし流灯会 田村すゝむ 風土 201710
ふりかへりふりかへりゆく流灯も 有松洋子 201711
滞る灯へ五指を添ふ流灯会 宮田千優 京鹿子 201712
煌々と流燈百が堰を落つ 久保東海司 201802
沖を恋ふごとく流燈いそぐなり 大橋櫻坡子 雨月 201809
流灯や葭のしげみに入り給ふ 那須禮子 春燈 201811
流燈の浦の明るき流れかな 和田照海 京鹿子 201811
原爆ドーム仰ぎ流灯帯なせる 岡田ちた子 雨月 201811
流燈の一つ中州に寄り道す 高橋将夫 201812
歳月の雫となれり流灯会 安田優歌 京鹿子 201902
対岸のチャペル流灯照らしゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
流灯や過去を語らず未来へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
光年を統べ流灯の星となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
櫓をさばき昨夜の流灯掬ひゆく 武田未有 201910
小舟より流灯ひとつまたひとつ 武田未有 201910
流灯会京都アニメのキャラ幾つ 懸林喜代次 春燈 201911
流灯の破れて生の火の覗く 佐津のぼる 六花 201911
流灯会果てたる闇の潮の香に 塩見英子 雨月 201911
流灯や浦上川は灯の帯に 坂口晴子 201912
流燈を流したる手の残りけり 藤生不二男 六花 201912
流灯に遠ざかりゆく父も母も 岩岡中正 ホトトギス 202001
流灯に昔の波の寄せて来る 岩岡中正 ホトトギス 202001
流灯や浦上川は灯の帯に 坂口晴子 202002
流灯や波は黄泉より畳みくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
胸こみあげる流燈の闇なりし 柴田靖子 202011
しばらくは流灯に添ひ歩みけり 小倉陶女 春燈 202011
流灯や渡月橋より覗き込む 江見巌 六花 202011
流灯やただひたすらに沖めざし 喜田君江 末黒野 202012
流灯を押せば応へて水脈に乗り 和田照海 京鹿子 202110
流灯会闇濃き此岸歩みけり 大沢美智子 202111
二人して一つ流灯水に置く 木村傘休 春燈 202111
穏やかに流灯視野を去つてゆく 山下美典 ホトトギス 202201
流燈→ 1

 

2022年8月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。