龍の玉 2      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
もう少し生きて憚る竜の玉 田村すゝむ 風土 200504
智慧のごとくにてのひらの龍の玉 ほんだゆき 馬醉木 200504
竜の玉転げば空へ落ちゆかん 豊田都峰 京鹿子 200504
竜の玉色凝りそめしは神の代か 豊田都峰 京鹿子 200504
竜の玉女城主の自刃の地 豊田都峰 京鹿子 200504
かがやいて大和心と竜の玉 今瀬剛一 対岸 200504
詩ひとつ胸に兆すや竜の玉 浅井美子 遠嶺 200504
竜の玉歪も瑕もなくて瑠璃 西村しげ子 雨月 200505
龍の玉路次奥深き勝手口 高木智 京鹿子 200505
龍の玉もらふ手のひら開きけり 谷上佳那 百鳥 200505
竜の玉の八方に散る只管打座 中野京子 200505
一幡のあそび足らざる龍の玉 神蔵器 風土 200505
ペン皿に納まりのよき竜の玉 芝尚子 あを 200505
竜の玉ことしよきことありさうな 中村芳子 ホトトギス 200507

成島彰子句集『やはらかな手』序句

てのひらにやはらかく受け竜の玉

鷹羽狩行 200507
学僧がその名を問へり竜の玉 長谷川春 200509
恋猫の始めの声や龍の玉 滝沢伊代次 万象 200601
鈍翁の「白雲洞」や竜の玉 神蔵器 風土 200601
竜の玉手にす無邪気になりたくて 小林正史 200602
こぼれ出る発心のいろ龍の玉 岡崎喜子 200603
瑠璃色のおろそかならぬ竜の玉 大橋麻沙子 雨月 200603
神域の一縷の水音龍の玉 岩井淳子 200603
転身は考へてゐぬ竜の玉 豊田都峰 京鹿子 200603
パンドラの希望のいろや龍の玉 高千夏子 200603
百歳の声に艶あり竜の玉 飛山ますみ 遠嶺 200604
句に遊ぶ一生でありぬ竜の玉 大谷茂 遠嶺 200604
竜の玉あるかと問はれなほ探る 黒田咲子 200604
波寄するたびに暮れゆく龍の玉 荒井千佐代 200604
はるばると天降りて来しか龍の玉 櫛原希伊子 百鳥 200604
龍の玉雨あし吸はれゆく寺苑 山村桂子 遠嶺 200605
今生の夢はまだある竜の玉 小阪喜美子 遠嶺 200605
偉人坂竜の玉のはづみをり 梅村五月 栴檀 200605
うら声や龍の玉とはこそばゆし 黒田咲子 200606
深海のあぶくぽつりと竜の玉 井潟ミヨ 京鹿子 200606
松陰に「士規七則」あり龍の玉 神蔵器 風土 200606
ひそやかな聲聞きづらし龍の玉 芝尚子 あを 200701
叩き減る赤き魚板や竜の玉 山内なつみ 万象 200701
吐く息の金輪際に龍の玉 神蔵器 風土 200702
走り根に躓き出合ふ龍の玉 石崎浄 風土 200702
竜の玉師恩へ言葉足らざるや 佐々木幸 200702
竜の玉あまた集めて海ながむ 森佳子 遠嶺 200702
白砂に並べてゐたる龍の玉 加藤みき 200702
堂堂と眠れる赤子龍の玉 高尾豊子 火星 200702
狛犬を支へてをりし竜の玉 森高武 風土 200702
正体のわからぬままに竜の玉 環順子 遠嶺 200703
たどりつく答のやうに竜の玉 浜田はるみ 遠嶺 200703
氷点と云ふブラックホール竜の玉 天野きく江 200703
秘めやかに市井に育ち竜の玉 隅田恵子 雨月 200704
良き土に育みにけり龍の玉 KOKIA 六花 200704
竜の玉目鼻書かないお人形 鳥羽夕摩 京鹿子 200704
さもあらばあれわが家の龍の玉 青山丈 200704
水琴窟に屈む足許竜の玉 森脇貞子 雨月 200705
さなきだに故郷恋し竜の玉 上野進 春燈 200705
竜の玉八方に散る只管打坐 中野京子 翁草 200710
主婦の手に水いとまなき龍の玉 岡本眸 200712
離りゆく人を咎めず龍の玉 栗城静子 200801
阿羅漢の福耳揃ひ竜の玉 代田青鳥 風土 200802
月越しの色をもちたる龍の玉 青山丈 200802
てすさびの手のゆくところ竜の玉 鷹羽狩行 200802
龍の玉八十歳が勝手に来 廣畑忠明 火星 200802
龍の玉大事な事を忘れ来し 鈴木阿久 200802
あしたまた良きことあらむ龍の玉 宮尾直美 200803
点呼して列整ひし龍の玉 西澤ひで子 遠嶺 200803
涯には瑠璃の空映え竜の玉 鈴木勢津子 200803
龍の玉飛んで洞窟の方解石ほうげしやく 中島陽華 200803
竜の玉終の栖家を探しをり 松村義男 遠嶺 200803
おのが主義貫き通し竜の玉 坂本ひさ子 遠嶺 200803
あをあをとただあをあをと龍の玉 岩木茂 風土 200804
掻き分けるに続々現るる竜の玉 松崎鉄之介 200804
龍の玉神籔の上にまろびけり 西面和子 200804
筆を持つ豊かなる刻竜の玉 与川やよい 遠嶺 200804
濡れ縁の日の翳りきし龍の玉 岩井ひろこ 火星 200804
負けん気を眉宇に少年竜の玉 高根照子 200805
日だまりに座禅堂あり竜の玉 田口登代 遠嶺 200805
老将の果てて紫紺の竜の玉 岡本幸枝 ぐろっけ 200806
にんげんに根つこありけり竜の玉 近藤公子 200808
術中に落つかも知れず龍の玉 井上信子 200901
ほそぼそと園の小径や龍の玉 林翔 200901
庭石をクレーンで据ゑる龍の玉 根橋宏次 やぶれ傘 200902
たまさかの拝観休寺竜の玉 吉沢陽子 200902
武蔵野の空は藍いろ竜の玉 七種年男 200902
竜の玉心足る日はひかりゐて 宮野照子 馬醉木 200902
夜遊びの閂の音竜の玉 戸田和子 200902
手にめでてワイングラスヘ龍の玉 國保八江 やぶれ傘 200902
今といふ時の過ぎゆく竜の玉 谷寿枝 酸漿 200902
光陰にお変りもなく竜の玉 戸田和子 200902
経聞こゆ妙法蓮華竜の玉 定梶じょう あを 200903
看護士の眼ざしぬくし竜の玉 田中みのる 火星 200903
たまゆらの日差をとらへ龍の玉 松本幹雄 馬醉木 200903
守り継ぐ楸邨の句碑竜の玉 武田漣 炎環 200903
不況なり色の深まる竜の玉 山荘慶子 あを 200903
飛石を数へて七つ竜の玉 水田壽子 雨月 200903
今ひとつ問ひたきことを龍の玉 堀本祐子 遠嶺 200903
城に得て瑠璃濃き大き竜の玉 磯野しをり 雨月 200904
祭神の御名は知らず龍の玉 林友次郎 遠嶺 200904
祝宴の準備整ふ龍の玉 東良子 遠嶺 200905
かの島の海を抱きゐる竜の玉 山田弘子 ホトトギス 200906
龍の玉一つ一つの未来かな 鈴木勢津子 樹間 200911
竜の玉転がりきたる掌 山田六甲 六花 200912
欠席を伝へし後や竜の玉 山荘慶子 あを 201001
手をつきし石も仏や龍の玉 神蔵器 風土 201001
忘れもの見付けしやうな竜の玉 上原恒子 雨月 201001
耐ふるとは背を正すこと龍の玉 芝尚子 あを 201001
見ざる聞かざるまして言はざる竜の玉 藤原照子 201002
竜の玉百種の和紙の見本帳 中村洋子 風土 201002
竜の玉村雲切の貫之集 中村洋子 風土 201002
竜の玉洗濯槽に浮き上がる 竹内弘子 あを 201002
竜の玉解けぬ心のわだかまり 芝尚子 あを 201002
竜の玉ひらがな飛雲料紙本 中村洋子 風土 201002
糸綴ぢの緩む句帳や竜の玉 藤本一城 201002
歴歴のラピスラズリや龍の玉 瀬川公馨 201003
龍の玉磨きて共にひかりたし 宮野照子 馬醉木 201003
龍の玉つまむ指先細くして 小林朱夏 201003
竜の玉父情のいろと思ひけり 水野恒彦 201003
捨てられし如き石廟竜の玉 関根洋子 風土 201003
ころころと笑ふまろうど竜の玉 松本三千夫 末黒野 201003
庭石を伝ふ危ふさ竜の玉 横井明子 201003
龍眼をとり出してをり龍の玉 加藤みき 201004
飛び石に弾ませてきし龍の玉 國保八江 やぶれ傘 201004
同姓の墓の立派や竜の玉 松本三千夫 末黒野 201004
「鷹匠組」の碑ひそと竜の玉 森田節子 風土 201004
赤児生る卑弥呼と名づく龍の玉 小堀寛 京鹿子 201005
恙やや和らぐ思ひ竜の玉 熊切光子 末黒野 201005
竜の玉亡き師の思ひ深うせり 吉田豊子 雨月 201005
鶺鴒の尻尾に弾け竜の玉 松井佐枝子 万象 201005
竜の玉石灯籠のあしもとに 天野美登里 やぶれ傘 201006

高橋醒龍句集『無事』序句

碧深まれば透きとほり龍の玉

鷹羽狩行 201007
竜のひげ分けて見つけし竜の玉 阿部ひろし 酸漿 201011
遣かより呼ぶ人のこゑ龍の玉 藤岡紫水 京鹿子 201101
決断のいとも早かり竜の玉 齋藤厚子 201102
閻王の歯の欠けゐたる竜の玉 大崎紀夫 やぶれ傘 201102
龍の玉文箱に深く考の文 堀田順子 馬醉木 201102
かたことに利発さ見えて竜の玉 田所節子 201102
不退転問はれてゐたる竜の玉 上山永晃 春燈 201102
くるぶしを離れぬ風や竜の玉 乙坂きみ子 末黒野 201103
齢なほ秘むる夢あり龍の玉 山本康夫 201103
龍の玉無聊なかなか佳かりける 小形さとる 201103
掻き分けて海に会ひたり龍の玉 加藤みき 201103
己が葉に沈みて碧し龍の玉 三村武子 酸漿 201104
相照らし輝きを増す龍の玉 近藤公子 201104
十代の賞金王や竜の玉 吉村摂護 201104
あづまやの水かげろふや竜の玉 菅野日出子 末黒野 201105
抱月の墓は大岩龍の玉 大島英昭 やぶれ傘 201105
腹の嬰は男の子なりけり竜の玉 宮川秀穂 201105
着るものは素なる人なり龍の玉 十川たかし 201105
紬織る筬のすべり音竜の玉 雲所誠子 風土 201201
竜の玉見付けて欲しいから光る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
出る出ない魔法のことば竜の玉 相良牧人 201202
竜の玉いつもひとりと呟けり 鈴木藤子 ろんど 201202
鉢の土入れ替へてをり竜の玉 谷村幸子 201202
口伝てふ師匠の小声竜の玉 三輪慶子 ぐろっけ 201203
光堂の世界遺産や竜の玉 神蔵器 風土 201203
太陽の塔のまなこゐ龍の玉 鶴原妙 ろんど 201203
神苑の昼なほ暗く竜の玉 稲垣佳子 末黒野 201203
睨みあふ猫へひと粒竜の玉 天野美登里 やぶれ傘 201203
龍の玉こころの襞の整はず 寺田すず江 201203
飛び石につまづく風や竜の玉 清水美子 春燈 201203
想ひ出の零るるがごと竜の玉 鈴木撫足 春燈 201203
竹垣を透きて朝日や竜の玉 黒滝志麻子 末黒野 201204
開山尼讃ふ碑竜の玉 落合絹代 風土 201204
龍の玉跳ねて下谷の歓喜天 中島陽華 201204
竜の玉墓は生者のために建つ 竪山道助 風土 201204
我が生は深く沈みし竜の玉 水野恒彦 201204
逃げ易き日差しを捉へ竜の玉 倉橋千代子 末黒野 201204
双葉山の稽古場龍の玉ころげ 品川鈴子 ぐろっけ 201212
龍の玉運命のごとく掌に転ぶ 松本文一郎 六花 201212
掌に小さき青空龍の玉 松田洋子 201301
発掘の土戻されて龍の玉 三浦喜久子 ぐろっけ 201301
ちちははがどこにもをらず竜の玉 荒井千佐代 201302
探り得て空より青き龍の玉 鈴木一三 末黒野 201303
大奥の跡地ころころ竜の玉 細川洋子 201303
瑠璃色の小鳥来てゐる龍の玉 吉川隆史 201303
龍の玉沈みゆく水浅からず 坂口夫佐子 火星 201303
火の色は泪のいろぞ龍の玉 神蔵器 風土 201303
けものらの寝息にしづむ龍の玉 浜口高子 火星 201304
句座浄土七宝瑠璃の竜の玉 嶋崎豊子 雨月 201304
龍の玉指輪に欲しとつぶやきぬ 山田六甲 六花 201304
甦る会津の意気地竜の玉 片岡久美子 201304
門口に瑠璃の輝き竜の玉 中川すみ子 201304
碧天のしづくなりけり龍の玉 前田忍 火星 201304
土芳また俳諧一途竜の玉 尾崎みつ子 雨月 201304
龍の玉しづかに緩む琴の弦 大川ゆかり 201305
竜の玉いくつ投げてもたよりなき 竹内弘子 あを 201307
孫娘宝石箱に竜の玉 尼嵜太一郎 ぐろっけ 201310
マリアより釈迦に近づく龍の玉 神蔵器 風土 201401
胸の火を消してはならじ竜の玉 コ田千鶴子 馬醉木 201402
龍の玉今年の評価は乙くらい 笠井清佑 201402
竜の玉女人ぼとけのてのひらに 山田六甲 六花 201402
竜の玉煌く一句出来上る 中谷富子 201402
晩節や瑠璃深く秘す竜の玉 北川英子 201402
追憶といふさみしさや龍の玉 富田佐恵子 馬醉木 201403
五歳児の秘密のはなし竜の玉 楠原幹子 201403
訃報聞くや色深まりし龍の玉 阪倉孝子 201403
学僧の帚自在や竜の玉 林八重子 馬醉木 201403
竜の玉瑠璃光如来は秘仏にて 吉永すみれ 風土 201403
竜の玉人みな序列なく老ゆる 犬塚李里子 201403
竜の玉かかへ地蔵の抱き艶 和田照海 京鹿子 201403
坂上り詰めたる社龍の玉 安藤久美子 やぶれ傘 201403
ままごとのけふの馳走や竜の玉 藤見佳楠子 201403
ここの地を終の住処に竜の玉 金井裕子 風土 201404
竜の玉 →3      

 

2020年12月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。