竜の玉 3     121句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
九十の友ふたりゐる竜の玉 杉浦典子 火星 201404
竜の玉神は海より来るといふ 本多俊子 光のうつは 201404
鳴竜の鳴いて落としし竜の玉 片山博介 春燈 201404
わらんべの竹鉄砲より竜の玉 堀井英子 雨月 201404
真夜中をころりころりと竜の玉 おーたえつこ 201406
減額の年金話竜の玉 井上石動 あを 201412
てのひらにうけひとはだの龍の玉 山尾玉藻 火星 201501
文字大き賢治の手帳竜の玉 間島あきら 風土 201501
忠敬の一歩を思ふ龍の玉 すずき巴里 ろんど 201501
すこしちがふ遺書遺言書龍の玉 佐藤喜孝 あを 201501
宇宙船より見えたのは竜の玉 岩木茂 風土 201502
地団駄の揺らしてをりぬ龍の玉 荒井和昭 201502
ころがれば起きればいいよ竜の玉 佐藤凉宇子 ろんど 201502
龍の玉摘んでとことこママにハイ 斉藤裕子 あを 201502
貫きし思ひの色や龍の玉 柴田佐知子 201503
この道にまだ奥のあり龍の玉 片山煕子 京鹿子 201503
少年の夢は手にあり龍の玉 加藤峰子 201503
禅寺のふところ閑と竜の玉 安斎久英 末黒野 201503
胸中に深き淵あり竜の玉 楠原幹子 201503
ひかり合ふ句碑と三山竜の玉 間島あきら 風土 201504
燃え残る命捧げん龍の玉 水野恒彦 201504
龍の玉青き地球に似て非なり 石川かおり 201504
自刃碑を濡らす小雨や龍の玉 塩路隆子 201504
三角に寄りたる日差龍の玉 高野春子 京鹿子 201504
菩提寺の渡り廊下や竜の玉 國保八江 やぶれ傘 201504
竜の玉わが秘することありやなし 中島芳郎 201505
天空の星屑となり竜の玉 寺田すず江 明日葉 201505
控へ目に生きて光りし竜の玉 岩月優美子 グピドの瞳 201506
義仲寺の門の小ぶりや竜の玉 石川倜子 馬醉木 201602
龍の玉の特大ひと一つ土近し 加藤みき 201602
こぼしては気づく幸せ竜の玉 荒井千瑳子 201603
みどり児の命の重さ竜の玉 高野春子 京鹿子 201603
よく晴れて音のなかりき竜の玉 雨村敏子 201603
竜の玉大灯寵に葵紋 鈴木庸子 風土 201603
山門に寺の由来や竜の玉 鈴木庸子 風土 201603
龍の玉手に温めて一語欲し 平田はつみ 馬醉木 201604
これよりのわが性(しよう)晴れよ龍の玉 吉田順子 201604
年寄りの詮ある言葉龍の玉 井上和子 201604
日に一度開けるポストや竜の玉 井口ふみ緒 風土 201604
明け方の夢は正夢竜の玉 山田正子 201605
鳥の目に見付けがたきよ竜の玉 荻巣純子 雨月 201605
をさなごの両手のひらの龍の玉 菊池洋子 やぶれ傘 201606
竜の玉わたしの中を水がゆく 中原幸子 船団 201612
魂の光を放ち竜の玉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
その奥の奥の奥なる竜の玉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
竜の玉無限の光蔵しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
龍の玉円相を問ふほとけ径 亀井福恵 京鹿子 201701
句ごころの豊かなる日の竜の玉 佐藤淑子 雨月 201702
竜の玉首飾なら似合ふはず 祐宗千代子 雨月 201702
たそがれは光陰にじむ龍の玉 水野恒彦 201702
葉籠りの一途を通し龍の玉 吉田順子 201702
龍の玉跳ぶや白雲湧きにける 庄司久美子 201703
竜の玉師を慕ひ来て幾年ぞ 高橋照子 雨月 201703
赤んぼの握りしめたる龍の玉 戸栗末廣 201703
龍の玉利久ねずみの色増せり 岸上道也 京鹿子 201704
この頃の子の名が読めず竜の玉 楠原幹子 201704
竜の玉箒にまろぶ瑠璃の色 土江比露 春燈 201704
この里の暮し豊かや竜の玉 丸尾和子 雨月 201704
園丁の紫煙のとどく龍の玉 森清堯 末黒野 201705
子の墓や仕ふるやうに竜の玉 白水良子 201706
馬齢てふ月日の重し龍の玉 藤井明子 馬醉木 201801
堂奥に玉眼ひかり竜の玉 片桐紀美子 風土 201801
沓脱ぎに真つ赤なブーツ竜の玉 菊川俊朗 201802
微笑も確かな同意竜の玉 七田文子 201802
文豪の旧居覗けり龍の玉 田中臥石 末黒野 201802
忍なるは母の一生よ龍の玉 白井友梨 馬醉木 201802
詠むべくは句に一動詞龍の玉 定梶じょう あを 201802
竜の玉貰ふ子の手のぬくみまで 住田千代子 六花 201803
竜の玉父の使ひし大工箱 富田要 万象 201803
初心へと帰る道あり龍の玉 諸岡和子 201803
間を置いて軋む水車や龍の玉 久保東海司 201804
つくばひの天女舞ふ影竜の玉 吉田順子 201804
俳縁の師にも恵まれ竜の玉 田村すゝむ 風土 201805
食い違ふ思ひ出話竜の玉 中野千代子 末黒野 201805
遠き日は遠き日のまま龍の玉 山本則男 201806
弟もその子も呑気竜の玉 福岡貴子 船団 201809
竜の玉ころげ出づればみ空あり 大畑善昭 201812
竜の玉飢餓海峡の青成せり くどうひろこ 201901
密約の毀れさうなる龍の玉 上野紫泉 京鹿子 201902
正直な色に定まる竜の玉 田村すゝむ 風土 201903
教室は午後の授業に龍の玉 渡邉孝彦 やぶれ傘 201903
敷石のうへを猫ゆく竜の玉 天野美登里 やぶれ傘 201903
文殊寺の知恵拾はんと竜の玉 中田みなみ 201904
一句とて生きたる證竜の玉 中田みなみ 201904
生き死にのほかは些事なり龍の玉 岸洋子 201904
善悪は誰にもありし竜の玉 安野眞澄 201904
東京を捨てて育てり龍の玉 田中臥石 末黒野 201904
神様の作られし色竜の玉 志方章子 六花 201905
茶室への飛石に散る竜の玉 菅野日出子 末黒野 201905
残り生は草書のやうに竜の玉 川内谷育代 馬醉木 201906
葉の奥に瑠璃の孤独や竜の玉 小笠原妙子 201907
竜の玉こぼるるを手に父のこと コ田千鶴子 馬醉木 202001
夫にまだ言へぬことあり竜の玉 若見洋子 馬醉木 202002
対岸に手を振る人や龍の玉 寺田すず江 202002
龍の玉にこにこと顔そこにあり 加藤みき 202002
御仏を蔵して無住龍の玉 米山のり子 馬醉木 202002
竜の玉ほろり零れて無言なり 伊藤希眸 京鹿子 202003
竜の玉五臓六腑に音のして 竹内悦子 202003
宸翰に瑠璃の艶増す竜の玉 密門令子 雨月 202003
蹲踞を囲む玉砂利竜の玉 菅野日出子 末黒野 202003
もののふの都に五山竜の玉 今村千年 末黒野 202003
禅林に尺八ひびく竜の玉 岡田史女 末黒野 202003
月光のかきわけてゐる竜の玉 中村重幸 202003
青年の自負の目差竜の玉 森清信子 末黒野 202003
竜の玉言ひたき言葉目の奥に 若見洋子 馬醉木 202003
いつまでも地球かくあれ竜の玉 近藤喜子 202004
海鳴りへ色深めをり竜の玉 阪倉孝子 202004
今生の紺の極みの竜の玉 田中佐知子 風土 202004
龍太亡し氷の中の龍の玉 岩木茂 風土 202004
目で追ひぬ青き弾みの龍の玉 近藤紀子 202004
縄一本渡す結界竜の玉 永淵惠子 202007
抑へゐる旅への焦がれ竜の玉 赤座典子 あを 202102
潔き百歳の死や竜の玉 森清信子 末黒野 202103
一木の竜馬の像や竜の玉 岡野里子 末黒野 202103
楊貴妃を祀る御寺の竜の玉 橋添やよひ 風土 202104
竜の玉浦島太郎の土産かな 奥田茶々 風土 202104
望みたる言葉かへらず竜の玉 荒井千佐代 202104
梵鐘の中は楽土か竜の玉 横田敬子 202104
三ツ池の処々や竜の玉 堺昌子 末黒野 202105
竜の玉拾ひたくなる青さかな 飯田久美子 末黒野 202105
根元まで分け入る日差竜の玉 湖東紀子 ホトトギス 202106
龍の玉一寸転んだだけなのに 須賀敏子 あを 202201
 友逝けり

「さよなら」の乱るる文字や竜の玉

那須禮子 春燈 202201
断捨離の身軽さにをり竜の玉 橋添やよひ 風土 202203
舞楽待つ白き床几や竜の玉 柿沼盟子 風土 202203
栗鼠のとぶ雑木林や龍の玉 岡野里子 末黒野 202203
龍の玉斜にはづみて見失ふ 本郷公子 京鹿子 202205
純白の倉壁の裾龍の玉 加藤静江 末黒野 202205
蔵書印に父の性格竜の玉 今井康子 202205
言霊のあふれて来たる龍の玉 山本則男 202206
表札の文字のうするる竜の玉 井上和子空   202211
子の墓や仕ふるやうに竜の玉 白水良子 202212
竜の玉 →1

 

2022年12月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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