緑 蔭 4    200句

緑蔭に凶器ばかりの鋳掛の荷    岡本眸

作品
作者
掲載誌
掲載年月
緑蔭に言問団子スカイツリー 森理和 あを 201107
緑陰に思案の立膝羅漢仏 榎本ふじえ 風土 201108
晴るる日の緑陰といふ翳りあり 篠原幸子 春燈 201108
緑蔭をぬけしせせらぎ大河へと 近藤きくえ 201108
緑蔭の海へ展けて砲座跡 松本三千夫 末黒野 201108
緑蔭にハナハトマメマス三姉妹 宮崎左智子 201109
ベビーカーを緑蔭に停め子守唄 田下宮子 201109
産土の緑陰に抱かれてゐる 福永みち子 馬醉木 201109
緑陰に影も畳みて入りにけり 矢野百合子 201109
焦土いま大緑蔭の摩文仁かな 呉屋菜々 万象 201109
緑陰の木洩れ日跳ねて踊るかに 大橋伊佐子 末黒野 201109
欲深に非ず緑蔭に銭洗ひ 久染康子 201109
緑蔭やふつと目覚めし白昼夢 秋葉雅治 201109
緑陰にゐれば見えくる樹間かな 高橋将夫 201109
緑陰や眉なつかしき人と会ひ 本多俊子 201109
緑蔭に入りて恋文手渡しぬ 久保東海司 201109
緑蔭を拾ひ拾ひて園巡る 大橋晄 雨月 201109
緑蔭のベンチ定員二名らし 鎌田篤 雨月 201109
緑蔭や紙芝居とは立見席 鎌田篤 雨月 201109
上賀茂の大緑蔭に独りかな 小原登志春 雨月 201109
緑陰のひやりと陶の長ベンチ 中田寿子 ぐろっけ 201109
緑蔭の石鎚句碑の朱の落款 史あかり ぐろっけ 201109
緑蔭や人もましらも同じ目を 笹村政子 六花 201109
緑蔭をさてと出てゆく昼休み 上林富子 やぶれ傘 201109
父と子のサッカーボール緑蔭へ 須賀敏子 あを 201109
縞りすの走る緑蔭石窟庵 坂根宏子 201110
大楠の香の緑陰へいま十歩 島田尚子 馬醉木 201110
土竜穴大緑陰の下に尽く 山路紀子 風土 201110
ゆりの木の緑蔭に人待ちにけり 小川玉泉 末黒野 201110
緑蔭や足裏楽しき石畳 鶴見董子 末黒野 201110
緑蔭にスケートボードとサキソフォン 高田令子 201110
緑蔭の小さき花々安けしや 芝宮須磨子 あを 201110
緑蔭にむささびゐると札懸り 池田倶子 雨月 201110
手力男神緑蔭に千木かがやける 隅田恵子 雨月 201110
緑陰や老子荘子の書も枕 増田甚平 ろんど 201111
ハーレムの緑蔭しなと猫寄り来 古井公代 ぐろっけ 201111
緑蔭の神社の隅に三角点 広瀬済 やぶれ傘 201111
緑蔭に大きごみ屑籠ふたつ 大崎紀夫 やぶれ傘 201111
活字大き本持ち込めり緑蔭に 土井三乙 風土 201111
緑陰にフルートの箱開きけり 小林愛子 辻楽師 201206
柏槙の緑陰に時流れをり 神蔵器 風土 201206
緑蔭に命日の茶をいただきぬ 山田六甲 六花 201206
緑蔭や利休ゆかりの石灯籠 山崎里美 201207
舟繋ぐにも似て緑蔭に身を入れぬ 吉田陽代 201207
緑蔭にをみな座りをしたる犬 山田六甲 六花 201207
緑陰に見(まみ)ゆ寒山拾得図 藤井美晴 やぶれ傘 201207
散歩道緑陰求め一句詠む 松本秀子 201208
緑陰の深きに奏で弁財天 河内桜人 京鹿子 201208
緑蔭に茅葺一戸猫眠る 中川すみ子 201208
首手拭して緑蔭の車夫溜り 久染康子 201208
緑蔭を広げて古社の大銀杏 礒貝尚孝 201208
ためらはず緑蔭に来て昼餉とす 田原陽子 201208
緑蔭や椎樹の洞の異空間 数長藤代 201208
緑蔭に停まりしままの縄電車 川端俊雄 火星 201208
緑蔭を抜け来る風の句を一つ 山田六甲 六花 201208
緑蔭へ鴉の声の移りけり 山田六甲 六花 201208
幸せになりたい人は緑蔭へ 山田六甲 六花 201208
緑蔭にギターの音色一ユーロ 松田和子 201209
緑蔭に入りて緑の囚人に 宮井知英 201209
緑蔭に神馬の声のゆらぎかな 竹中一花 201209
緑蔭の和太鼓若き桴さばき 藤原照子 201209
緑蔭に辿り着きたる乳母車 細川コマヱ 雨月 201209
保全木六百二号の大緑蔭 川村文英 ろんど 201209
相対性理論受売り緑蔭に 松井洋子 ぐろっけ 201209
緑陰や楽譜のうへを指をどる 能勢俊子 馬醉木 201209
緑陰に病みし話を問はれをり 松田千枝 春燈 201209
一木の緑陰ごとの木のベンチ 林いづみ 風土 201209
緑陰に菅公の牛黒光り 三橋早苗 ぐろっけ 201209
緑陰に知らぬながらに声交す 安田とし子 ぐろっけ 201209
野宮の緑陰ふかき小柴垣 河野亘子 馬醉木 201210
大緑陰古老もとより話好き 篠原幸子 春燈 201210
緑陰や誓子多佳子の句碑並ぶ 平絵美子 春燈 201210
緑陰のライオン臍を天にむけ 福田かよ子 ぐろっけ 201210
緑陰の閉店の椅子たたみゐる 吉成美代子 あを 201210
緑蔭にひびく太棹太夫の座 塩路隆子 201210
緑蔭を出て安曇野音のなき 中井登喜子 201210
緑蔭に声はづませて女達 小寺ふく子 六花 201210
緑蔭にほろほろ鳥の羽根拾ふ 榎本文代 万象 201210
セザンヌの画風の大緑蔭に坐す 浅井青二 雨月 201210
緑蔭に児を放ちたる母の膝 出口貴美子 雨月 201210
緑蔭は大道芸の舞台裏 松岡和子 201211
キャンパスの緑蔭ごとにある円居 藤浦昭代 ホトトギス 201211
盲導犬添ふ緑蔭の憩あり 藤浦昭代 ホトトギス 201211
緑蔭を陣取つてより構図決む 平田恵美子 ぐろっけ 201211
消火器はいつも律儀に緑陰に 矢野百合子 201211
緑陰の老女活き活き長話 神田惣介 京鹿子 201212
緑陰に誌か集まつて来てをりぬ 溝渕弘志 六花 201212
緑蔭に虚子句碑と会ひ君と会ひ 湖東紀子 ホトトギス 201212
緑陰の浄さは風が知つてをり 高橋将夫 如意宝珠 201306
緑蔭や稲荷神杜の狐穴 廣瀬雅男 やぶれ傘 201309
緑蔭に伊太利亜国旗立てし店 瀬島洒望 やぶれ傘 201309
緑蔭の人力車に声がけられし 杉浦典子 火星 201309
熊野路の起点碑街の緑蔭に 中井登喜子 201310
バス停を目前に見て緑蔭へ 福本すみ子 201310
緑蔭に古今伝授のゆかりの碑 飯田美千子 201310
緑蔭に先客のをり目礼す 石脇みはる 201310
緑蔭の誰のものでもなき木椅子 風間史子 201310
緑蔭や教師の声のよべ透り 森清堯 末黒野 201310
緑蔭をぬけて坂道新開地 久世孝雄 やぶれ傘 201310
緑陰の入るを許さぬ碑文かな 古沢幸次 ろんど 201310
緑陰に坐る定位置ありにけり 佐藤喜仙 かさね 201310
緑陰に並べられたる銀の匙 今井春生 201310
幼らをつつむ緑陰武郎の碑 土屋草子 ろんど 201311
緑蔭に来て緑蔭のかほとなる 岩岡中正 ホトトギス 201311
つどひては文学の緑蔭となる 岩岡中正 ホトトギス 201311
緑蔭や拳より稚寝落ちたる 安斎久英 末黒野 201311
緑蔭に着替へ中なりチアガール 三木千代 201311
緑蔭に座して苦吟の昼下り 先山実子 ぐろっけ 201311
緑蔭の籠る佳境や大道芸 吉田克美 ろんど 201311
水琴窟鳴るや飛簷の緑蔭に 池内結 ろんど 201311
緑蔭や鵜匠の庭のかたらひ句碑 瀧春一 花石榴 201312
バスの来て緑蔭の人みな動く 五十嵐章子 201401
緑陰にためらひ押して人と会ふ 生田恵美子 風土 201401
緑蔭や明治煉瓦の倉庫なほ 坂根宏子 野山の道 201404
句碑一基目覚め緑蔭抜ける風 湯橋喜美 201408
緑陰の茂りの草の清々し 四條進 201408
緑陰の外苑通りピザ店へ 石坂勝 末黒野 201408
緑蔭に船待つ媼遠眼差 小西和子 201408
緑蔭に逢ふまぼろしの虚子の影 塩路隆子 201408
緑蔭に知らぬ子もゐる紙芝居 山田正子 201408
緑蔭や比叡借景の円通寺 松田洋子 201408
大銀杏緑蔭世事に動ぜざる 新江たか ろんど 201409
玉葱の祖の碑や緑蔭に 川崎利子 201409
寄り道の森の図書館緑蔭に 増田一代 201409
緑陰をぽつかり開けてバス発てる 前田美恵子 201409
緑陰も色深まりて大海原 柴田靖子 201409
緑陰のうしろ姿に待たれをり 生田恵美子 風土 201409
緑蔭を離れたがらぬ哲学者 柳川晋 201409
緑蔭や小鳥と共に深呼吸 水谷直子 京鹿子 201409
緑蔭の椅子入れ替り立ち替り 大石よし子 雨月 201409
緑蔭に番の矮鶏の砂遊び 中村ふく子 201409
緑蔭に身を潜めたる鹿の群 平井紀夫 201409
集りてすぐ緑蔭につつまるる 井上信子 201409
緑陰に眼愛らし木曽の馬 赤松赤彦 六花 201409
病院の前や一樹の大緑蔭 飛高隆夫 万象 201409
聖木のつくる緑陰風わたる 鈴木セツ 201409
笛太鼓響く緑蔭宮家寺 伊藤和子 201409
緑陰の笛吹川を釣りにけり 高野春子 京鹿子 201410
緑蔭の風や睡魔に襲はるる 山崎幸夫 末黒野 201410
緑蔭の風の匂ひや石に座し 山崎幸夫 末黒野 201410
緑蔭の風の匂ひや石に座し 山崎幸夫 末黒野 201410
緑蔭に医学部のある海の街 奥名房子 201410
緑蔭や日向の帷重かりし 湯川雅 ホトトギス 201411
緑蔭の吹奏楽部山の子ら 吉武千束 太古のこゑ 201411
顔よせて緑蔭に読む母子かな 大内マキ子 万象 201411
日雷大緑蔭にこもりゐし 竹下陶子 ホトトギス 201412
緑陰や写生に邪魔の家鴨が来 後藤眞由美 春燈 201412
死に支度のひとつ句碑とて緑蔭に 堀内一郎 堀内一郎集 201412
川すぢの緑陰拾ひきて寺門 豊田都峰 京鹿子 201507
禅定の印まんなかの大緑陰 豊田都峰 京鹿子 201507
緑陰の裸体の塑像午後に入る 藤井美晴 やぶれ傘 201507
緑陰にならぶ園児の黄色帽 村上倫子 201507
オートバイ止め緑陰の人となる 泉本浩子 馬醉木 201508
オートバイ止め緑陰の人となる 泉本浩子 馬醉木 201508
緑蔭にS席のあり車椅子 門間としゑ 末黒野 201508
緑蔭や象退屈な鼻下げて 和田照海 京鹿子 201508
緑蔭に日傘広げしまま憩ふ 生田恵美子 風土 201508
緑蔭の破顔の人になりゐたり 柳川晋 201509
ルノアールの濃き緑陰に迷ひ込む 熊川暁子 201509
緑陰や句碑にありたる裏表 前田美恵子 201509
緑陰に沈む三軒峡の村 大木清美子 201509
緑蔭の黙に差し出す缶コーヒー 神山節子 201509
緑蔭とふオアシスの中バスを待つ 岡真紗子 201509
水際の緑陰にチェロさらひをり 藤井美晴 やぶれ傘 201509
緑蔭や縁起に耳を万たむげて 安斎久英 末黒野 201509
緑陰や亀の眼の潤みがち 溝越教子 春燈 201509
緑蔭に憩ひてかくれ心めく 乗光雅子 雨月 201509
緑蔭に大きごみ屑籠ふたつ 大崎紀夫 虻の昼 201510
緑蔭にパントマイムの役者寝て 大崎紀夫 虻の昼 201510
緑蔭の四方にテーブル賑はへり 石川叔子 201510
緑陰に楽譜を読めるをとこかな 森田節子 風土 201510
緑蔭の三太刀七太刀古戦場 奥田茶々 風土 201510
緑蔭や言葉のいらぬ時流れ 黒滝志麻子 末黒野 201510
メトロ出てまづ緑蔭の道辿る 大橋胱 雨月 201510
大欅一木にして大緑蔭 大橋胱 雨月 201510
緑蔭に車座となり句を按ず 今井妙子 雨月 201510
緑蔭を分かつ義仲巴塚 石川多歌司 ホトトギス 201511
緑陰の静けさ耳の痛きまで 田村園子 201511
緑陰の静けさ耳の痛きまで 田村園子 201511
大欅一木にして大緑蔭 大橋晄 ホトトギス 201601
緑陰へ大きな影の人と行く 長沼佐智 船団 201512
海の社緑陰の池亀泳ぐ 田中藤穂 201602
四合目緑蔭に入り昼餉とす 長尾タイ 末黒野 201604
緑陰に炷す蕪村の母の墓 升田ヤス子 六花 201605
風抜けて緑蔭匂ひ立ちにけり 今井肖子 ホトトギス 201606
迷ひつつ来て緑蔭をひとり占め 中根美保 風土 201607
緑蔭の風に憩ふや野風呂崎 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
緑蔭や子の名も並ぶ遭難碑 白水良子 201607
緑陰や水のつまづくこゑひろふ 林いづみ 風土 201608
緑蔭に順目逆目の苔の波 奥田茶々 風土 201608
緑蔭に右手使はず水を描く 山田六甲 六花 201608
街路樹といふ緑蔭を拾ひ来る 山田天 雨月 201608
緑蔭に出走を待つ馬繋ぎ 佐藤貞子 雨月 201608
緑蔭や研ぎ屋は水を携へて 田所節子 201608
緑蔭の人ら出で来る渡船来る 竹内タカミ 201608
緑陰は小鳥のマンションささやける 中谷富子 201608
緑蔭にひとりの椅子の固さかな 田原陽子 201609
緑蔭に園児散らばる万華鏡 宇都宮敦子 201609
あんぱんや緑蔭といふ自由席 石田きよし 201609
緑陰の風穴へ借るヘルメット 数長藤代 201609
緑蔭 →5      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。