緑蔭 3    96句

緑陰に置かれし桶の小鮒かな    由水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
緑蔭や白のブラウス車座に 山口天木 雨月 200810
緑蔭の手話の酒宴の笑ひ声 山口天木 雨月 200810
緑蔭に天下国家を語る友 山口天木 雨月 200810
辞書を引く女子大学の緑蔭に 上田明子 雨月 200810
緑陰や塑像のごとく人坐せる 川崎良平 雨月 200810
緑陰に出仕の巫女と出合ひけり 飯田角子 酸漿 200810
緑陰にもう一吹きの風を待つ 名取すみ子 酸漿 200810
緑陰を僅かに濡らし雨上がる 小峯雅子 酸漿 200810
緑蔭に夫を待つ間の指遊び 高倉恵美子 200810
緑陰に秘密めかしてものを言ふ 石本百合子 馬醉木 200812
緑蔭に句碑あればすなはち聖地 岩岡中正 ホトトギス 200812
緑蔭に天意のやうに降れるもの 岩岡中正 ホトトギス 200812
緑陰に読書する青年ひとナンシー派 井上あき子 ぐろっけ 200901
緑蔭に脱ぎたる靴の人臭き 瀧春一 深林 200901
愛語聞く緑蔭城下町滅ぶ 瀧春一 深林 200901
緑陰に人静かなり慰霊堂 田中藤穂 あを 200907
緑蔭を抜け来し風を貰ひけり 大島みよし 200908
緑蔭に響く梵鐘二尊院 山口キミコ 200908
新しき緑蔭ありき人逝けり 小澤克己 遠嶺 200908
緑蔭を出て十翼を揃へけむ 小澤克己 遠嶺 200908
緑蔭に気炎をあげるアスリート 松本圭司 200908
緑陰やとんとん地蔵の小履物 阿部ひろし 酸漿 200908
緑陰に憩へば四方に小風あり 梅田秀子 酸漿 200908
緑陰に白衣菩薩の衣紋かな 井上幸子 酸漿 200908
緑陰の石仏微笑手を合はす 須賀敏子 あを 200908
緑陰の風が繙く若菜集 水原春郎 馬醉木 200909
緑陰の深さは風が知つてをり 高橋将夫 200909
むくろじの大緑蔭に立つ女 大坪景章 万象 200909
緑陰や阿修羅に会ひし幸抱き 荻野嘉代子 春燈 200909
触るなと書かれてポンプ緑蔭に 藤井美晴 やぶれ傘 200909
緑蔭に無口の人と並びけり 中下澄江 200909
緑蔭をはみ出で写生の膝頭 松井倫子 火星 200909
緑陰の句碑も長身雄雄しかり 小林玲子 ぐろっけ 200909
鋸目立日がな緑蔭軋ませて 柴田近江 200909
緑蔭に席空けておく母の日に 福永光子 京鹿子 200909
緑蔭や嬰へむかしの子守唄 塩見育代 200910
緑蔭といふポケットに人溜る 岩垣子鹿 ホトトギス 200910
緑陰や太極拳は風を抱き 佐藤信子 春燈 200910
緑蔭に五蘊皆空(ごうんかいくう)とふ石碑 藤井美晴 やぶれ傘 200910
せせらぎのこゑ緑蔭に聞きながら 國保八江 やぶれ傘 200910
緑蔭やひとりぼつちといふ不自由 熊谷かをる 200910
緑蔭に牛の寝そべる昼下がり 坂根宏子 200911
ログハウス緑陰の中見えがくれ 高木みさ女 炎環 200911
緑陰に発声練習せる少女 木間春星 遠嶺 200911
緑蔭に御座候の樹齢あり 松本鷹根 京鹿子 200911
緑蔭に片方落ちてゐるピアス 定梶じょう あを 200911
緑蔭を行けば深海魚の気持 小嶋洋子 泡の音色 200912
緑蔭の吐息を溜めて銀竜草 陽山道子 船団 200912
緑蔭に兄甦るのつぽ句碑 品川鈴子 ぐろっけ 201005
緑蔭に句碑一字づつ明かしゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
緑蔭に風集め人集めをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
緑蔭の静寂稲城野梨畑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
緑蔭をなす矜持あり楠大樹 竹貫示虹 京鹿子 201007
緑蔭に屯したるは愛煙派 品川鈴子 ぐろっけ 201007
緑陰の読書一刻龍馬伝 水原春郎 馬醉木 201008
置きざりにされしごとくに緑蔭に 片山由美子 201008
緑蔭に住み百までも長らへし 大西八洲雄 万象 201008
緑蔭に嬰児囲む輪の出来て 中原敏雄 雨月 201008
緑陰に聞き上手なる母の椅子 宮崎左智子 201009
緑蔭に釘付けの瞳や紙芝居 森下康子 201009
高千穂の緑蔭に観る神楽かな 西田史郎 201009
緑蔭やメタセコイヤの秀の並木 伊東和子 201009
緑蔭や泣く子笑ふ子眠る子よ 加藤みき 201009
緑陰に陣取る老いの研師かな 米山喜久子 201009
言葉にも緑陰のある介護かな 鈴木セツ 201009
樅の木の緑陰人を拒まざる 小川玉泉 末黒野 201009
呼び込みの声緑蔭の茶店より 島内美佳 ぐろっけ 201009
緑蔭に憩ふ庭師の国訛 武司琴子 ぐろっけ 201009
緑蔭に駒音軽き将棋見て 和田一 雨月 201009
緑蔭の輪になって聴く城の秘史 本多正子 雨月 201009
自ら緑陰に人集まれり 石井邦子 酸奬 201009
緑陰や大樹の下の一家族 大山妙子 酸奬 201009
娯しまむ余生もがなと緑蔭に 浅井青陽子 ホトトギス 201010
人を容れ緑蔭深き大けやき 小川玉泉 末黒野 201010
緑蔭や軽きこの身を預けをり 小川玉泉 末黒野 201010
異国児も入り緑蔭に縄電車 清海信子 末黒野 201010
緑蔭に入るや双子の乳母車 吉田きみえ 末黒野 201010
緑蔭の暗さ夕闇とも違ふ 有吉桜雲 201010
緑蔭を這ふ児駈くる児基地の跡 小野千枝子 万象 201010
緑蔭に外野の多き将棋盤 堤節子 ぐろっけ 201010
緑蔭に一灯うけし伎芸天 田中文治 火星 201010
緑陰や雀出入りの鸚鵡小屋 菊池由惠 酸奬 201010
緑陰のバス停名物團子汁 田中藤穂 あを 201010
緑蔭や流れの縁に石仏 秋山信行 やぶれ傘 201011
緑蔭に白衣ひるがせ医学生 山本絢子 万象 201011
緑陰にシーソーばったんばったんこ 竹下昭子 ぐろっけ 201011
緑蔭にやうやく納めひとクラス 田村祐巳子 201012
緑蔭の石のひとつに憩ひけり 安武晨子 201012
緑陰に一息入るる烏骨鶏 家塚洋子 酸奬 201012
緑陰や公家の名残りの破風門 西村雪園 風土 201101
緑蔭を翻したる鐘一打 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105
緑蔭の腰掛けたくも石尖り 山田六甲 六花 201105
父の愛うすく緑陰にきて跼む 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
緑陰にきて跼む人をおもへばや 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
緑蔭に将棋指す人煽る人 中村ふく子 201107
緑陰の流れ鏡に乗るごとく 中島玉五郎 201107
壕→ 4      

 

2021年8月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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