六月/六月尽/ろくぐわつ 2     135句

六月の水をごくりと影法師    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
六月のアルゼンチンのタンゴかな
河合笑子
あを
200207
六月や風切つて行く看護生
後藤志づ
あを
200207
六月の虹立ちにける象の谷
栗栖恵通子
200208
六月の花で病室飾られぬ
長山野菊
雲の峰
200208
六月の水をゆたかに毛馬堤
谷野由紀子
雲の峰
200208
六月の杉みづみづし奥吉野
橋口熱子
雲の峰
200208
六月やここは浅草六区街
松本文一郎
六花
200208
六月の空の真澄や並木路
井上玉枝
酸漿
200208
六月やわたしの顏はすぐわすれ
佐藤喜孝
あを
200208
六月の水揚水車喜色あり
赤座閑山
風土
200209
六月のうねりの山を見に来たる
伊藤多恵子
火星
200209
六月の豪商の家の火消壺
野澤あき
火星
200209
六月や橋が列車を呑み下す
望月周
百鳥
200209
六月の一代家跡雀ゐて
村越化石
200209
六月の梢を鳴らす星の精
田中聡子
遠嶺
200209
松の雨となりて六月始まりし
竹中一花
200209
六月の水の一途に堰越せり
木内憲子
200209
川魚の背鰭きりりと六月へ
長井順子
200209
漢一人ゴールポストに六月尽
曷川克
遠嶺
200210
六月の小草ただよふ舟溜
鹿野佳子
200210
六月の森のあはあは水景色
中野京子
200211
六月の雨に客待つ馬車の列
中里カヨ
酸漿
200212
六月のゴヤの「巨人」の拳かな
中村洋子
風土
200301
六月のうねりの山を見に來たる
伊藤多恵子
火星
200303
祝ぎごとの六月と聞く年迎ふ
大久保白村
円虹
200304
六月や汀を馬の駆けゐたる
松下八重美
200304
人参の肉六月の刃を入れる
佐藤喜孝
青寫眞
200304
六月の主宰に聞くといふ講話
稲畑汀子
ホトトギス
200306
六月の蘆原深く車来る
朝妻力
雲の峯
200307
急に明るい六月のカレンダー
利根川妙子
200308
六月や遠嶺フェスタの快晴す
小澤克己
遠嶺
200308
六月の雲より下りて来たる蜘蛛
村越化石
200308
六月の婚や馬券の引出物
伊藤白潮
200308
六月の匂ひたちこめ雨つづく
長崎桂子
あを
200308
銀どろのろくぐわつ鳥の肝を刺し
八田木枯
晩紅
200308
ろくぐわつのは矩形に渇きけり
八田木枯
晩紅
200308
六月や米寿の花束さわに受く
瀬尾幸代
200309
顔ふつくらと六月の菊作り
黒田咲子
200309
六月や紙飛行機の風音痴
平居澪子
六花
200309
六月の雨を背景バラード聴く
高田令子
200309
六月の眉の左右がととのはず
田原陽子
200309
六月や煎じ薬に木の匂ひ
吉田島江
火星
200309
六月の花嫁白き芝生かな
永田二三子
酸漿
200309
六月や病みゐて人に遠くをり
生方ふよう
200309
六月の陰りありけり力石
鳴海清美
六花
200310
六月の賀の実朝の能を舞ふ
粟津松彩子
円虹
200310
六月や夜の穂草に交り佇ち
野路斉子
200310
六月の桔梗湖の朝の音
岡井省二
省二全句集
200312
六月の樹下に尺八吹く男
中里カヨ
酸漿
200403
六月の楡と吹かれて再会す
藤原照子
余韻
200403
賀のありて訃のありて六月に入る
稲畑廣太郎
ホトトギス
200406
六月の風橅林を傾けて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200406
六月の蝶しづみゆく柵の草
佐藤喜孝
あを
200406
六月の横たへし身の白さかな
堀内一郎
あを
200406
六月の利尻の山の一合目
石脇みはる
200407
上野へ蓮代々木へ菖蒲六月盡
堀内一郎
あを
200407
六月や雨意のしかかる岩畳
岡本眸
200407
激痛を置きて六月去りゆけり
岡本眸
200407
六月や黒髪ならば雨よろこぶ
黒田咲子
200408
六月の翳を湛へり水源湖
浜福恵
風土
200408
六月の生命一つを湯に浴す
村越化石
200408
六月の鴉の歩く水辺かな
三島富久恵
草の花
200408
雲に尾の出でて六月来たりけり
小澤登代
草の花
200408
六月のあかむらさきの海牛
石脇みはる
200409
六月の明るさにゐて墨を磨る
中山純子
万象
200409
六月の信濃濃みどり薄みどり
矢崎すみ子
200409
六月の雨の真ん中待ち合わす
玉川梨恵
200409
六月や戦士のさまに球を蹴る
片山タケ子
200409
ろくぐわつの腐りはじめの鳥のこゑ
八田木枯
夜さり
200409
亡き母とゐるろくぐわつの夕がれひ
八田木枯
夜さり
200409
忸怩たるろくぐわつ畢る貝柱
八田木枯
夜さり
200409
扇骨を干す六月の日に風に
朝倉治美
200410
六月や牛が四角に積み込まる
柴田佐知子
200410
六月や潜りて橋の重きこと
香月公恵
200410
六月や刈り伏せておく草の丈
鷹羽狩行
200503
六月の彩を大事にサラダ皿
宇都宮滴水
京鹿子
200507
女来て掃く六月の流人墓地
阿部ひろし
酸漿
200508
大真鯉水六月の背鰭かな
松本鷹根
京鹿子
200508
六月の華に満たされフェスタ終ふ
小澤克己
遠嶺
200509
六月の寺に積みある杉の皮
戸栗末廣
火星
200509
六月や晴雨兼用傘選ぶ
倉持梨恵
200509
やるかたなき目に六月の空がある
窪田佳津子
雨月
200509
六月の雨漆黒の髪に降る
辻恵美子
栴檀
200509
湖わたる風六月のベンチかな
中里信司
酸漿
200509
六月や水に映りて人美しき
木内憲子
200509
六月の摩文仁みな語り部となる
稲嶺法子
遠嶺
200510
六月や風車に重き海の霧
大山妙子
酸漿
200510
六月の退屈凌ぎに犬が吠ゆ
森津三郎
京鹿子
200510
六月の虹よ遊子のたよりとも
今井千鶴子
ホトトギス
200511
六月や嬰兒あかご負ふ母の若きうなじ
瀧春一
常念
200606
赤衣桁見ゆる六月ほの暗き
吉村たけを
海市蝶
200606
黒牛のやうな六月ぬつと来る
中田とも子
200608
六月の海霧深き信長忌
神蔵器
風土
200608
六月やまどろめるときは未知数
天野きく江
200608
六月の旅や数多の橋渡り
加瀬美代子
200608
待ちしもの届き六月終りたる
赤座典子
あを
200608
六月や青き夜風の能舞台
石川倜子
馬醉木
200609
六月や男もすなる面皰とり
刈米育子
200609
蔓の手にする六月の女竹かな
黒田咲子
200609
六月がほぞのあたりに来てをりぬ
小形さとる
200609
六月の花嫁も乗せさつぱ舟
上村葉子
風土
200609
六月の柱に眠る古時計
佐山苑子
遠嶺
200609
仕上げ砥の鋏いびつに六月来
加藤峰子
200609
俳枕六月の水匂ひけり
禰寝瓶史
京鹿子
200609
夕はれて六月の幹匂ひたつ
山田美保
200609
六月の森の匂ひを風が押す
青野れい子
200609
六月の眼鏡の螺子のゆるみをり
中尾公彦
200610
姫檜扇水仙咲けり六月尽
松崎鉄之介
200610
六月の軒より現れし飛行船
山尾玉藻
火星
200706
六月ののつぴきならぬ甕の中
遠山みち子
200708
六月の闇に気根の太りけり
高松由利子
火星
200708
六月のホテルやケーキバイキング
泉田秋硯
200709
ライターを点け六月の闇濃かり
柳生千枝子
火星
200709
六月や花嫁送る時の道
田中みのる
火星
200709
雨傘アンブレラ並ぶ表紙絵六月号
丹生をだまき
京鹿子
200709
六月の満月なれば寝ねにけり
竹下昌子
200709
花びらの中の花びら六月雨
遠山みち子
200709
六月の風の重たき日なりけり
竹下昌子
200709
六月の詩や机上の書を開く
橋本良子
遠嶺
200709
モネ展を出て六月の水辺かな
田村すゝむ
風土
200709
六月の風の明けゆく湖の色
今井弘雄
春燈
200709
娘の婚六月の天晴れわたる
恩塚典子
ぐろっけ
200709
三男が社長の椅子に六月盡
北村香朗
京鹿子
200710
六月の音錆つきて妻が留守
松田都青
京鹿子
200710
ろくぐわつの皮革のにほひする男
八田木枯
晩紅
200710
猫もいる六月の木の見る夢に
坪内稔典
稔典句集
200804
猫の木のどれも舌出し六月は
坪内稔典
稔典句集
200804
猫の木がぷあぷあと立つ六月は
坪内稔典
稔典句集
200804
六月の木よ鈴なりの猫の耳
坪内稔典
稔典句集
200804
首やはらかく六月の山にゐる
山尾玉藻
火星
200805
天地創造は六月かと思ふ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200806
六月や結婚考へてまへん
稲畑廣太郎
ホトトギス
200806
六月の婚水晶の数珠交はす
品川鈴子
ぐろっけ
200806
六月の暦のうらのつめたかり
山尾玉藻
火星
200806
六月 3→      

 

2021年6月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。