六月/六月尽/ろくぐわつ 1     100句

六月やなんの物日の韓衣    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
六月の茶山と云はれさう思ふ
山尾玉藻
火星
199807
六月のこだまのこもる大欅
神蔵器
風土
199808
六月の黄道にして翁の掌
小菅佳子
199808
六月の雨青々と大窪寺
山田弘子
円虹
199809
六月の雲渡り行く湖水かな
加藤あけみ
円虹
199809
六月や川に跼めば草の丈
岡本眸
199809
六月や何となけれど樹下に逢ひ
木内憲子
199809
山近く青く六月きのうから
中原忽胡
船団
199811
雨止みの空のあしおと六月尽
わたなべじゅんこ
船団
199811
六月の木の根の青い呼吸かな
寺田良治
船団
199812
六月やロシヤ貴族のメタセコイヤ
奥田筆子
京鹿子
199901
六月やおほかた白き果樹の花
鷹羽狩行
199906
六月の天辺てんぺん西田幾多郎忌
岡井省二
199906
六月の日輪象のはだへかな
岡井省二
199906
人形の髪六月の風燭るる
新関一社
京鹿子
199906
六月の立待岬風荒るる
水原春郎
馬醉木
199908
六月の青き夜一人タンゴ聴く
當麻幸子
俳句通信
199908
六月の水底を亀歩みをり
工藤義夫
馬醉木
199909
六月の波ひた寄する浮御堂
夏秋明子
火星
199909
六月十日の時計草ぎざぎざに
夏秋明子
火星
199909
六月の黒竹叢に足音消ゆ
吉井幸子
199909
六月の泥仏清水公照師
竹内悦子
199909
六月や五令散の香立ちこめし
平橋昌子
199909
ロダンの像パリ六月の空青し
三村武子
酸漿
199909
夫遺影六月二日誕生日
安田悦子
円虹
199909
六月や一慶事へと一直線
長山あや
円虹
199909
六月のキャンパスに聞く俳話かな
村田明子
円虹
199909
六月や長老顔の散歩犬
志方桜子
六花
199909
ぴちぴちの六月パチンと閉じておく
尾上有紀子
船団
199909
六月のつぶつぶ摘んで束ねてく
尾上有紀子
船団
199909
六月の庭に怠惰は許されず
河野美奇
ホトトギス
199911
六月の丸虫転がる地球かな
小枝恵美子
ポケット
199911
六月や一〇るーぶるをもちあるく
阿部完市
海程
199912
六月を開けるに重い鍵の束
岩崎法水
京鹿子
199912
無一物六月裸で生まれたの
秋野火耕
船団
199912
死者通る先ず六月の分水嶺
今城知子
船団
199912
六月の鶴病む傘は雫して
鳥居真里子
船団
199912
六月の夜更けは水中のやうに
田中藤穂
水瓶座
200002
曇天がふいに沸いた六月三日
尾上有紀子
わがまま
200002
涙目の六月の猫迷い来て
尾上有紀子
わがまま
200002
走り去る六月の風色もなく
尾上有紀子
わがまま
200002
六月は沈められたり沈んだり
尾上有紀子
わがまま
200002
六月のつぶつぶぺろりと舐めておく
尾上有紀子
わがまま
200002
六月の離別を癒す水琴窟
尾上有紀子
わがまま
200002
六月をぐっちゃぐっちゃに踏み潰す
尾上有紀子
わがまま
200002
六月の底にはいつも真の闇
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
六月の河馬は歯として洗はれて
深澤鱶
ヒッポ千番地
200004
六月の空の気まぐれ旅支度
稲畑汀子
ホトトギス
200006
六月の雨を諾ふ心あり
稲畑汀子
ホトトギス
200006
絵ガラスの森の教会六月尽
水野あき子
遠嶺
200008
六月のあめつちに丹の御柱
浜口高子
火星
200008
六月や身ぬち潤ふ息吸へり
安井明子
200008
六月を病みをる面のおだやかに
井上三千女
200008
六月の釘に泊めたる風来帽
下村志津子
銀化
200008
川面より蝶六月十九日
関根洋子
風土
200009
六月の堤を行けば風が吹く
山西雅子
200009
六月の近江を褒める仲間かな
吉野裕之
200009
六月の月赤かりし伐折羅神
中井和子
200009
六月や真白き花の青くさき
秋山百合子
200009
六月や炒り米混ぎる塩の壼
栗栖恵通子
200009
六月のとんぼやたばこ臭き指
黒田咲子
200009
六月の雌竹に爬虫類のいろ
杉浦典子
火星
200009
本復の人六月の花抱いて
山田弘子
円虹
200009
六月の川が曲がったままの夜
斎藤白砂
海程
200009
六月の雨道づれに去りし人
桑垣信子
いろり
200009
六月の息を深めて水辺の木
田中美智代
200009
六月の海歩けさう月円か
間島あきら
風土
200010
六月の霧より黒い鳥が啼く
北原武巳
船団
200010
六月の青空子規は丸刈りで
星野早苗
船団
200101
臥して見て六月三日の子規に会う
しおやきみこ
船団
200101
六月の畳六月の子規の空
あざ蓉子
船団
200101
六月の墨汁一滴音読す
あざ蓉子
船団
200101
六月のモグラが家督継ぐそうな
須山つとむ
船団
200102
六月の葭倉に入り葭に触れ
岡井省二
200104
家照つてゐる六月の麻畑
岡井省二
200105
六月や大川端の音であり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200106
六月や袋に入れて箱に入れ
佐藤喜孝
あを
200106
六月の只中にある余呉の駅
山尾玉藻
火星
200107
法螺貝に六月の山ありにけり
山尾玉藻
火星
200107
六月は手足がさみし躙口
金子孝子
200107
六月や柱の幹に掌をあてて
田畑幸子
火星
200108
六月の人魚のなみだますほ貝
神蔵器
風土
200108
六月やお釜に満ちし雪解水
石井邦子
酸漿
200108
六月の雉また鳴いて楊原
岡井省二
200108
六月の鴉威嚇の声張りぬ
岡本明美
俳句通信
200108
六月の行李の嵩の重さかな
森谷彰
銀化
200108
城山や六月の雲集めをり
下村志津子
銀化
200108
みんな見てをり六月のさるすべり
城孝子
火星
200109
六月や黄色の花を身ほとりに
高尾豊子
火星
200109
マッターホルン前に六月の雪を踏む
山田孝枝
酸漿
200109
エッシネン湖六月の青深めけり
山田孝枝
酸漿
200109
瀬音して青き六月鯉太る
中西道子
百鳥
200109
六月の太子道なり白い腕
安原楢子
200109
六月の緯の伸び癖余情とも
鳥羽夕摩
京鹿子
200110
六月の落し子だった栄螺の尻尾
相原左義長
海程
200110
六月やホイホイホイと鳴く鳥と
中島まゆみ
海程
200112
玄鯨として六月の湾泳ぐ
岡井省二
200112
六月のまた山藍の山に入る
岡井省二
200112
咲くものを活け六月の会となる
稲畑汀子
ホトトギス
200206
六月一日磯節を唄ひけり
堀内一郎
あを
200207
六月2→      

 

2021年6月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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