林 檎 5     96句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
林檎食む人は原罪背負ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
窓に置く「夕映え」といふ大林檎 田中藤穂 あを 201711
たまはりし林檎みちのくよりのもの 稲畑汀子 ホトトギス 201711
赤ワイン進む特製焼林檎 赤座典子 あを 201801
黄色なら黄色に匂ふ林檎かな 高橋将夫 201801
腰籠へ夕日の色の林檎もぐ 川内谷育代 馬醉木 201802
初恋てふ藤村の詩や林檎の香 山崎稔子 末黒野 201802
落ち林檎われに残りの持ち時間 是松三雄 末黒野 201803
美しき歯型林檎に反抗期 笹村政子 六花 201803
焼き林檎シナモンふって雪催 火箱ひろ 201803
雲の上に浮かぶ浅間嶺花林檎 長尾タイ 末黒野 201804
戦後処理伴侶にもどり林檎むく 奥田筆子 京鹿子 201805
林檎かじるのに躊躇する前歯 波戸辺のばら 船団 201806
青林檎はじめての恋遠きまま 北川孝子 京鹿子 201808
林檎むく美しき手の美大生 三池しみず 船団 201809
青林檎地球まだまだ捨てがたし 鈴鹿呂仁 京鹿子 201809
学び舎の椅子の低さよ青林檎 鈴鹿呂仁 京鹿子 201809
青林檎てんでに背伸びしてゐたる 雨宮桂子 風土 201810
未来図の真ん中に置く青林檎 村田あを衣 京鹿子 201810
林檎より幟が先のリンゴ園 七郎衛門吉保 あを 201811
青林檎むいて亡き父思ひけり 宮川みね子 風土 201811
青春の混沌へ置く青林檎 井上菜摘子 京鹿子 201811
美しい日本語たくさん林檎はむ つじあきこ 201812
手のひらの林檎の重さほど秋思 火箱ひろ 201901
十枚の吾子の恋文林檎むく 中嶋陽子 風土 201901
林檎二つに割つて津軽の生まれとふ 土井三乙 風土 201901
塩むすび食ひたる指で食ふ林檎 きくちきみえ やぶれ傘 201901
軍艦の名前戴く林檎かな 高木典子 雨月 201901
会ひ語ることは活力林檎むく 落合絹代 雨月 201901
林檎剥く卓に広ごる津軽の香 高木邦雄 末黒野 201902
生よりも死に近くをり林檎食む 荒井千佐代 201902
病室のカーテン越しの林檎の香 むつみ蓮 201902
北国の香を存分に林檎割く 松本幹雄 馬醉木 201902
医者いらずと言はれて林檎貰ひけり 柴崎和夫 やぶれ傘 201904
青林檎真二つにして子への愛 小張志げ 春燈 201908
林檎捥ぐみちのくの風匂はせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
気がかりが杞憂になるやう林檎むく はしもと風里 201912
妹と母と私と林檎むく つじあきこ 船団 201912
紅玉とふ津軽の林檎妻に買ふ 土井三乙 風土 201912
ひたぶるに欲す詩の才青林檎 田中佐知子 風土 201912
林檎剥く母と同じに左利き 森なほ子 あを 202001
林檎園の堆肥をつけて帰宅せる 赤座典子 あを 202001
ゆつくりと言葉さがして林檎剥く 門伝史会 風土 202001
林檎剥く戦後の歌を唄ひつつ 能美昌二郎 202001
この林檎魔法か毒かかじつてよ 江島照美 202001
禁断の蜜入り林檎注文す 柳橋繁子 202002
卓上に硝子の林檎時雨来る 安藤久美子 やぶれ傘 202002
泥かぶる林檎声なし空青し 島田万紀子 馬醉木 202002
傾きが大きく坐する林檎かな 秋川泉 あを 202003
牧に向く宿の小窓や青林檎 岩永みはる 追伸 202003
東北の林檎二種類皮をむく 手島伸子 雨月 202003
林檎重しカインの裔の掌に 岩岡中正 ホトトギス 202004
とがめだてすまじ林檎の赤ければ 岩岡中正 ホトトギス 202004
林檎園祭のごとくりんご生り 戸栗末廣 202006
林檎剥く昔のやうに子ら集ひ 小河原清江 梛の木 202007
籾殻に肘まで入れて林檎取る あさなが捷 202007
以心伝心林檎の芯に蜜詰まり 原友子 202007
林檎剥く昔のやうに子ら集ひ 小河原清江 梛の木 202007
林檎齧る日のきらきらと波頭 半谷洋子 202011
賜りし句集に朝日林檎むく 小嶋紘一 末黒野 202011
制服の昔は林檎丸噛り 森なほ子 あを 202101
戦後あり団欒の中に林檎あり 森なほ子 あを 202101
蓋ひらきぱっと広がる林檎の香 秋川泉 あを 202101
子を発たすごと林檎発たせる夕べ 木村あさ子 202101
エプロンのフリル豊かに林檎剥く 荒井千佐代 202102
注射痕消えぬ利手でむく林檎 丸井巴水 京鹿子 202104
歯並みうつくし青林檎まるかじり 高橋将夫 202108
青林檎両手に受けて恋生まる 小倉陶女 春燈 202108
林檎にも故郷ありけり便りせむ 内山花葉 202111
艶のよき林檎の重さ供へけり 五十畑悦雄 202111
出羽林檎送ると友の電話声 田中臥石 末黒野 202111
悔いのなき人生なんて林檎剥く 本池美佐子 202112
好物の林檎煮る夜や魔女めきて 後藤眞由美 春燈 202201
傷負ひし林檎ひたすら香を放つ 村上葉子 202201
林檎煮るそろそろ母に会ひたくて 中嶋陽子 風土 202201
未だ何か出来さう林檎丸かじり 高橋まき子 風土 202201
久方の親子の時間林檎むく 山田ゆきこ 202201
御持たせのくるりくるりと林檎剥く 蘭さと子 202201
箱の外からも林檎の匂ひけり 志方章子 六花 202202
林檎煮て部屋に残りし香にほっと 吉宇田麻衣 202202
嫁ぎ来て林檎の花を守る生活 稲畑廣太郎 ホトトギス 202204
青林檎自分を「ぼく」と言ふ少女 菅原健一 202210
月光の艶を貰うて青林檎 甲州千草 202211
へのへのの真一文字や青林檎 渡辺富士子 末黒野 202211
林檎届く志賀高原の蟻つけて 本多トミ 202212
逢ひたくて丸ごとかじる青林檎 大西乃子 202212
成り枝の我慢を強ひて林檎熟る 能村研三 202301
久々に林檎を齧ることも旅 辻美奈子 202301
津軽かなどの木も林檎子沢山 辻美奈子 202301
臨月のやうな林檎の置かれある 辻美奈子 202301
岩木嶺へ挙る林檎の力瘤 甲州千草 202301
荷を解く重み十キロ林檎愛 荒木加代子 京鹿子 202301
窓白くジャムの香にある冬林檎 秋川泉 あを 202305
林檎食ぶりんごのやうな孫の頬 稲畑廣太郎 ホトトギス 202310
林檎剥くよりみちのくの香りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202310
林檎割るときも遠き子おもひけり 成瀬櫻桃子 春燈 202310
林檎→1

 

2023年10月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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