林 檎 4     136句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白熱灯額に熱し林檎買ふ 林昭太郎 あまねく 201210
八方の空青々と林檎剥く 浅野吉弘 201211
朝まだき駅長駅の林檎捥ぐ 藤沢秀永 201212
みちのくの土産のパイとて林檎の香 中原吟子 雨月 201212
子の赴任は民話の里よ林檎季 紀川和子 201301
林檎熟れはるかに威ある津軽富士 望月晴美 201301
紅競ひ枝振り低き林檎園 小川玉泉 末黒野 201301
多感の目清し少年林檎噛む 大橋伊佐子 末黒野 201301
まだ丸かじり出来る林檎の紅さかな 栗山恵子 雨月 201301
頭を少し休めむ林檎剥きにけり 宮平静子 雨月 201301
谷川岳遠天にあり林檎捥ぐ 千手和子 馬醉木 201302
林檎剥く母の両の手見て飽かず 佐々木ひろ 火星 201302
退屈な林檎の体擦りけり 大島翠木 201302
不揃ひの林檎ひと山道の駅 池内とほる かさね 201303
鎌で剥く熟れし林檎の匂ひかな 亀田やす子 ははのこゑ 201306
林檎畑その奥の山剪定す 根岸善行 風土 201306
お岩木に色づくを待つ林檎かな 能村研三 201311
りんご煮るふと幾人も看取りきし 井上信子 201311
みすずかる信濃に入るや林檎照り 塩見英子 雨月 201312
夕刊のやけに薄き日林檎剥く 常田希望 201312
林檎園の一樹オーナー蒼き空 松岡和子 201312
巨躯長躯千空先生林檎食む 橋本榮治 馬醉木 201312
頂点に大きな林檎盛られをり 秋千晴 201312
津軽富士林檎の香り野に溢れ 岡野安雅 かさね 201312
紅玉といふ林檎買ふ一燈下 橋本榮治 馬醉木 201312
店頭の日向に黄王りんごかな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201312
はじめて〓(手宛)ぐ林檎に青い空のあり 中田みなみ 201401
藤村の一詩をまとふ林檎かな 山下健治 春燈 201401
左手はいつでも受け身林檎むく 林昭太郎 201401
頬に当てしんとなりたる林檎かな あさなが捷 201401
林檎かじりてそろばんを御破算に 窪田佳津子 雨月 201401
林檎たわわ枝の力は母のやう 金子野生 京鹿子 201401
林檎むく幸せの香をこぼしつつ 西岡啓子 春燈 201401
青空の中より林檎捥ぎにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201401
カロリーの計算外の林檎むく 板倉眞知子 ぐろっけ 201401
窓よりの光に林檎美術室 安藤久美子 やぶれ傘 201401
クローバーの褥に林檎落ちにけり 中田みなみ 201401
幸せの一つにけふの蜜林檎 中田みなみ 201401
あをぞらへりんごの皮の螺旋階 千田敬 201401
にぎやかに移りゆく星林檎煮る 林昭太郎 201402
りんご剥くくるくる過去へ落ちてゆく 神山節子 201402
ほのぼのとしたる林檎の赤さかな 市川伊團次 六花 201402
受話器置き再びりんご剥きにけり 住田千代子 六花 201402
唇の甘さ林檎に触れしゆゑ 立村霜衣 ホトトギス 201402
あずさ号林檎撓わな駅掠め 岩崎可代子 ぐろっけ 201402
剥き上げし林檎どこかに朱の残る 今橋眞理子 ホトトギス 201403
林檎むき里のはらから思ひけり 池田節 春燈 201403
より赤くより大振りの林檎捥ぐ 大石喜美子 雨月 201403
装飾の爪でくるくる林檎むく 岡敏恵 ぐろっけ 201403
北国の空へと林檎染め上げて 今橋眞理子 ホトトギス 201403
プリクラのピースが遺影りんご剥く 火箱ひろ 船団 201403
深更のりんごはけふを悼みつつ 熊谷ふみを ろんど 201405
考への二転三転林檎むく 稲畑汀子 ホトトギス 201410
歯が二本欠けて林檎の味を知る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
林檎食む今の彼女は津軽弁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
君食めば其は禁断の林檎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
林檎剥く刃先を四度傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
君食めば其は禁断の林檎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
林檎剥く刃先を四度傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
林檎食む今の彼女は津軽弁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
歯が二本欠けて林檎の味を知る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
考への二転三転林檎むく 稲畑汀子 ホトトギス 201410
りんご剥きふと父のこと母のこと 長谷川友子 春燈 201411
手品師の虚空より捥ぐりんごかな 河崎尚子 火星 201412
不器用さなほ進みゐて林檎むく 長崎桂子 あを 201501
灯を消すと机上の林檎にほひだす 藤井美晴 やぶれ傘 201501
さらさらと林檎をむきて頷かず 高倉和子 201501
折れさうな心に母の林檎汁 吉田葎 201501
笑はする才智もなくて林檎むく 楠原幹子 201501
林檎榾足してあそばすおしら様 小野寿子 201501
りんご剥くくるくる過去へ落ちてゆく 神山節子 201501
香しき安達太良山の林檎かな 滋野暁 末黒野 201501
福島の林檎いきいき届きけり 佐藤健伍 201501
林檎剥くたび岩木山見えてくる 土井ゆう子 風土 201501
両陛下秋の日たわわりんご園 鎌田悟朗 ろんど 201501
林檎だけ残して戻る弁当箱 赤松赤彦 六花 201502
伊那谷に林檎たわわや青き空 佐野つたえ 風土 201502
手を添へて少し捻りて林檎もぐ 佐野つたえ 風土 201502
入院の夫林檎噛む音密か 今野明子 末黒野 201502
隠しごと持つかに林檎蜜を抱く 平野みち代 201502
刃を入れて林檎の蜜を確かめる 須賀敏子 あを 201502
林檎着く郷里出でざる友のゐて 市川玲子 馬醉木 201503
卓袱台も昭和も遠し林檎むく 村田美代子 馬醉木 201503
北国の沓音重し林檎売 山田佳乃 ホトトギス 201503
赤い林檎青い林檎も鈴生りに 湖東紀子 ホトトギス 201503
津軽弁聞き返しつつ林檎買ふ 湖東紀子 ホトトギス 201503
いつも同じ厨の景色林檎匂ふ 宮田豊子 春燈 201503
林檎むく幸せの香をこぼしつつ 西岡啓子 春燈 201503
北国の林檎明りと言へるほど 今橋眞理子 ホトトギス 201504
林檎剥く地軸の傾ぎ感じつつ 雨村敏子 201505
揺るぎなき林檎の布陣セザンヌ展 佐渡谷秀一 対座 201505
悲喜劇の狭間に林檎熟るるなり 岩月優美子 グピドの瞳 201506
りんご青し先師受賞の地に佇てば 千田敬 201508
一隅を林檎の蜜とおもいけり 津波古江津 船団 201508
林檎むく分母を減らすこともなく 鈴鹿呂仁 京鹿子 201511
林檎食んで歯の跡白き信濃かな 熊川暁子 201512
林檎畑昼飯運ぶ津軽の子 阿部月山子 万象 201512
郵便物なしの今日なり林檎煮る 井上信子 201512
林檎むく気づいてをらぬふりをして あさなが捷 201512
林檎剥く悼む言葉を探りつつ 高村令子 風土 201512
サクサクと呆けし母が林檎食む 宮崎靖夫 201601
薔薇科の木に林檎の実る不思議かな 大橋伊佐子 末黒野 201601
預りし宅配便に林檎の香 あさなが捷 201601
額写真仏に捧ぐ柿林檎 野中圭子 京鹿子 201602
「ミツ入り」の文字に誘はれ林檎狩 岡田桃子 201602
柿林檎咀嚼百遍生きねばや 玉置かよ子 雨月 201602
訳ありの林檎を割れば蜜溢れ 須賀敏子 あを 201602
蜜柑より林檎欲しがる幼き子 森理和 あを 201603
林檎あかい原発嫌ひ今日はさむい 佐藤恭子 あを 201603
一生涯林檎の皮は噛み切れぬ 佐藤喜孝 あを 201609
青りんごサイクリングの笑ひ声 落合小枝 春燈 201610
大雨の過ぎたる朝の林檎の香 藤井美晴 やぶれ傘 201611
起きたての林檎は甘し北海道 大坪景章 万象 201612
林檎噛む耳の近くが甘酸っぱい つじあきこ 201612
説明の方言難し林檎捥ぐ 赤座典子 あを 201612
付け足さる林檎嘴跡二つかな 赤座典子 あを 201612
林檎の香けふの看取りの終りたる 岡部名保子 馬醉木 201701
庖丁を林檎に当てて雨かなと 中田みなみ 桜鯛 201701
山の端に耀ふ入日赤林檎 向井芳子 春燈 201701
青空に一番近き林檎捥ぐ 亀田やす子 万象 201701
仕切りたるテープの中の林檎狩 亀田やす子 万象 201701
鳥除けの網をくぐりて林檎狩 鍋島広子 万象 201701
林檎齧る女優の唇を真似て 山内碧 201701
言ひ返す言葉はあれど林檎剥く 須賀敏子 あを 201701
甘やかしリンゴのならない林檎の木 直江裕子 京鹿子 201702
お屋敷の真中に実る赤林檎 落合裕子 万象 201702
味噌の荷に林檎三個や里の秋 堺昌子 末黒野 201702
林檎剥く皮輪になって輪になつて 安藤久美子 やぶれ傘 201702
りんごの香ただようてをり県境 太田チヱ子 末黒野 201703
恋文はたて書きが佳し林檎むく 田代貞香 201703
さくと切るりんごの蜜の流れ出る 岡山敦子 京鹿子 201704
青林檎ノルマンディーの碧き空 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
すでにある脚立と籠や林檎の木 北川美美 201707
青りんご高く投げ上げ変声期 林昭太郎 201708
尊厳死の意見紛紛青林檎 祐宗千代子 雨月 201709
林檎 →5      

2021年10月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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