林 檎 2    100句

オリオンと店の林檎が帰路のはえ   中村草田男   長子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月光が部屋に一杯林檎噛る 新田祐久 200402
野には野のしきたり袖で拭く林檎 佐藤真次 200402
林檎描く童女ふり向きざまに笑む 大串章 百鳥 200404
健康はとり返すもの林檎剥く 嶋田摩耶子 ホトトギス 200405
林檎出す袖に籾殻ついてきし 秋千晴 200405
団欒の林檎の皮の長々と 秋千晴 200405
倦怠や萎えし林檎の皮リボン 坂井法 200411
赤門の残る城下に林檎熟れ 松崎鉄之介 200411
衰へや林檎にかぶりつきしより 中元英雄 河鹿 200412
許されぬ一事を胸に林檎割る 松本圭司 200412
電飾のやうに実を付け林檎の木 金子孝子 200412
白紙から始めてみよう林檎もぐ 土岐明子 遠嶺 200412
早熟の少年なりし林檎噛む 森竹昭夫 遠嶺 200412
林檎来る津軽の風の詩のごとく 山田六甲 六花 200412
母のゐて印度林檎は風邪の終 佐藤喜孝 あを 200412
われとゆるす若気や林檎手に包み 岡本眸 200412
問ひ詰めしあとの奈落に林檎剥く 柴田佐知子 200501
皮長く剥きし林檎を齧る鬱 瀬下るか 200501
一木に千顆育み居る林檎 史あかり ぐろっけ 200501
朝食やアメリカ人は林檎好き 今井千鶴子 ホトトギス 200501
アイガーに向かひて林檎かじりけり 小泉三枝 春燈 200501
本降りの林檎の郷に降り立ちぬ 高橋芳子 火星 200501
姨捨に雨降り込める林檎かな 辻恵美子 栴檀 200501
姨石へ誰しものぼる熟林檎 辻恵美子 栴檀 200501
林檎園に初めてはひる車椅子 菊島はな 帆船 200502
青空の林檎もぐ手に蜜匂ふ 菊島はな 帆船 200502
少年に言葉すくなし林檎かむ 松井洋子 ぐろっけ 200502
お見舞へ柿と林檎を剥いて行く 松崎鉄之介 200502
書を閉ぢてどしりと歳暮の林檎くる 土肥屯蕪里 雲の峰 200502
憧れはピエロ林檎を抛りあぐ 藤本鷹山 百鳥 200502
林檎捥ぐ霧の雫を目に受けて 江崎成則 栴檀 200502
一行の雨女誰林檎狩 江崎成則 栴檀 200502
一つ残す木守林檎と云ふべかり 江崎成則 栴檀 200502
何処より来たのと嬰に林檎剥く 田中聡子 遠嶺 200502
中心のずれて林檎の割られけり 藤井美智子 対岸 200503
母癒えて林檎の蜜の透きとほる 深澤厚子 馬醉木 200503
謝りのメモあり林檎置いてあり 藤森万里子 百鳥 200503
会話なく絵に描く筈の林檎剥く 泉田秋硯 黄色い風 200505
夜咄や林檎むく手を休めては 上林孝子 200505
霧過ぎし後の林檎の紅さかな 今瀬剛一 対岸 200510
歯並びの自慢林檎の丸噛り 林田江美 馬酔木 200511
けがされぬ乙女想うて剥く林檎 小澤克己 遠嶺 200511
矢の飛んできさうな林檎買ひにけり 望月周 百鳥 200511
バスガイド林檎農家に嫁ぐてふ 田下宮子 200512
蒼天に授かりしごと林檎もぐ 能村研三 研三句集 200512
計り器の声立て区分く林檎園 大塚初江 200512
雨が降る林檎の実る木の下も 杉浦典子 火星 200512
きくきくと拭く店頭の林檎の緋 佐藤彰 築港 200512
男の子等の目視手秤り林檎選る 泉田秋硯 200601
穂高晴れ林檎芯までかじらるる 国永靖子 ぐろっけ 200601
厚く剥かれし林檎に毒があるやうな 秋千晴 200601
林檎食むイブの末裔自称して 刈米育子 200602
信濃路の駅に林檎のバケツ売り 今中道子 200602
青春の音立て林檎丸かじり 涌羅由美 ホトトギス 200602
籾殼に手を入れ林檎つかみだす 岡和絵 火星 200602
林檎剥く皮は切れずに螺旋にて 宮原利代 ぐろっけ 200602
葉隠れの林檎輝く出羽の国 堤京子 馬醉木 200603
籾殻にくすぐられ着く林檎箱 岡敏恵 ぐろっけ 200603
掌に林檎いま死ねば吾も光るらむ 八田木枯 晩紅 200606
樹の林檎憎しみの眼を知らざらむ 瀧春一 瓦礫 200606
林檎噛む青春の音たてて噛む 柳生千枝子 火星 200608
目立つごと林檎の紅を磨き売る 安陪青人 雨月 200611
林檎園残り少なき実にも客 浜田南風 200612
気象図に海の匂ひや林檎むく 祐森彌香 遠嶺 200612
しみじみと夜を静かに林檎むく 永田二三子 酸漿 200612
宅急便早生林檎箱届きけり 山崎澄子 酸漿 200612
山国は疾風ぐもりや林檎濃く 安達実生子 馬醉木 200701
子に林檎りぼん解くごと剥きにけり 横田初美 春燈 200701
朝の地震林檎の皮の縺れたる 田原陽子 200701
坐禅解き林檎を捥ぎに出掛けたり 山内なつみ 万象 200701
幸せの国に来しごと林檎園 櫻井康敞 200701
後継ぎの林檎捥ぐ手のありにけり 鈴木栄子 酸漿 200701
見ざる聞かざる云はざる人ら傷林檎 田中藤穂 あを 200701
白銀の北ア遥かや林檎捥ぐ 今中道子 200702
谷川岳遠澄む林檎枝垂れたり 岡田貞峰 馬醉木 200702
修羅の世と思ひつ林檎剥きゐたり 勝見玲子 200702
かじる林檎アップルパイになる林檎 安居正浩 200702
林檎剥くみな八十路なる戦友会 松崎鉄之介 200702
青森より届きし林檎赤と青 松崎鉄之介 200702
林檎生りつつ枝先の返り花 石垣幸子 雨月 200702
碁敵の持参の林檎怒り肩 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200702
たかる辻饒舌の林檎売り 今井忍 ぐろっけ 200702
ひび林檎これが自然と胸を張る 平野きぬ子 八千草 200703
勉学地津軽は遠し林檎に蜜 野沢しの武 風土 200704
津軽野の冷えののこりし林檎剥く 大西八洲雄 万象 200705
団欒のまあるくまるく林檎剥く 秋千晴 200705
林檎買ふ青空市場彩満ちて 小林成子 200708
林檎日に透かせば黄泉の見えてきし 小澤克己 遠嶺 200711
鈴生りの林檎は青しクレムリン 大西まりゑ 酸漿 200711
とつぷりとひとりの世界林檎むく 内野俊子 春燈 200712
林檎赤し嫌ひなものは捨ててゆく 高倉和子 200712
腹立ちても夫の好物林檎買ふ 井上紀子 200801
同じ世に生まれて林檎剥いてをり 宮澤さくら 遠嶺 200801
林檎うまし母より享けし歯の勁く 井田幸子 雨月 200801
歯の若さ誇りて林檎丸かじり 井田幸子 雨月 200801
果樹園の奥より林檎背負ひ出す 田村すゝむ 風土 200801
林檎山を余りし水の迸る 根岸善行 風土 200801
林檎割り童話の扉の開くごと 小林雪雄 200801
林檎もぐ梯子の空や二荒山 斉藤敬子 万象 200801
ふるさとのかがやく林檎捥ぎにけり 栗原恵美 万象 200801
林檎 →3      

2021年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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