連 翹      192句

連翹  鼬草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
連翹のロミオめきたり月のもと 寒野紗也 船団 199811
連翹や路地こまごまと小石川 小谷部東吾 199902
連翹に車を擦りつ行者径 品川鈴子 ぐろっけ 199905
犬眠り連翹はまた燃えるだろう 田中空音 海程 199905
連翹の垣新しく結はれをり 田中蘇水 馬醉木 199905
連翹に歩みとどめし逮夜かな 今木偉郎 199906
連翹の庭に投げ銭出棺す 天野和風 春耕 199906
連翹の音無き昼の過ぎにけり 山尾玉藻 火星 199906
連翹に汚れし猫が近づけり 冨田正吉 199907
連翹に萼のみどりを賤しとも 丸山海道 海道全句集 199910
連翹の四瓣等間隔の黄に 丸山海道 海道全句集 199910
連翹や潮目さだかに海開け 水原春郎 馬醉木 200005
連翹の二た三株にてにぎはへり 藤田宏 200005
括られしものの強しや連翹も 福場朋子 200006
連翹の一枝張り出す鏡池 阿波谷和子 俳句通信 200006
学童はクレヨン真黄この連翹 瀧新株 京鹿子 200006
連翹や寺町は黄に暮れなづみ 當麻幸子 俳句通信 200006
連翹の黄のまぶしさに退院す 岡和絵 火星 200007
連翹や検尿コップひしめきぬ 延原ユキエ 船団 200010
連翹にくつたくの空ありにけり 山尾玉藻 火星 200105
深夜放送ライン河畔の連翹説く 松本米子 あを 200105
連翹やぞろぞろと来る登校児 島崎勇作 酸漿 200105
連翹か光を頬に湖のまへ 阿部ひろし 酸漿 200105
連翹や日当りの良き平家建 清水雅子 200106
連翹の黄の溢るるを抑へきれず 大串章 百鳥 200106
連翹や嶺よりとどく風の詩 小澤克己 遠嶺 200106
連翹や縦横無尽のファンファーレ 久保夢女 200107
連翹の撓みて水に漬かるのも 岸はじめ ぐろっけ 200107
連翹のひかりを飛ばし始めけり 天野きく江 200205
曲線を見せて連翹活けにけり 黒崎よし江 雲の峰 200205
連翹と頬擦りを呉れ逝き給ふ 村戸裕子 円虹 200205
連翹の黄にはげまされ背をのばす 鎌倉喜久恵 あを 200206
亀首をもたげ連翹明りかな 山本耀子 火星 200206
連翹の咲けば必ず来る便り 小田島成子 百鳥 200206
連翹や虚空に沖の立ち上がる 若生まりあ 遠嶺 200206
連翹へ雨後の日射のこまかなり 鈴木良戈 200206
連翹も刈込めばこの大き毬 阿部ひろし 酸漿 200207
連翹をを大きく揺らし小鳥たつ 波田美智子 をりをりに 200208
佇むや連翹の黄に染まるまで 堺紀美子 雲の峰 200304
連翹や少女の言葉きらきらす 平野静 京鹿子 200307
連翹や山の斜面に土の墓 富沢敏子 200307
連翹に風の音響ありにけり 千坂美津恵 200307
連翹や着てみたかつたチマチョゴリ 富沢敏子 200307
雨しとど零す連翹の花明り 稲辺美津 遠嶺 200307
連翹の枝のじやじや馬ばかりかな 馬場公江 200310
連翹の一枝柩に置かれけり 大屋和子 帆船 200404
連翹や山の向うの山は高く 柴田佐知子 200405
連翹の明るさに立つ朝の庭 鈴木幾子 酸漿 200406
連翹に紛れて蝶の消えゆけり 鈴木幾子 酸漿 200406
連翹やこそりと僧のたのみごと 小澤克己 遠嶺 200406
絶唱の連翹に逢ふ風岬 千坂美津恵 200407
連翹の黄に囲まれて古き家 栢森定男 風よ 200407
連翹の雨で洗はるショパンの像 宇田紀代 200407
連翹を背に深々と会釈する 栢森定男 風よ 200407
連翹や瞑れば人身ほとりに 田村園子 200506
連翹の家の式台冷えゐたり 山尾玉藻 火星 200506
干網に連翹色をこぼしけり 前田青紀 馬醉木 200506
比翼なす按針塚に連翹咲く 松崎鉄之介 200506
枯とみし連翹一枝垂れて咲く 上藤八重子 酸漿 200506
連翹や潮の満ち来る船溜り 櫻井住江 万象 200507
連翹の籬の家の貸家札 石山民谷 遠嶺 200507
連翹のしだれに添うて風斜め 黒澤千世 帆船 200507
連翹や口三味線の連子窓 鳴海清美 六花 200507
連翹の花明りある厨かな 兼子栄子 酸漿 200507
ベーコンをかりつと連翹明りかな 代田幸子 200507
ひとむらの連翹揺るる通学路 君島栄子 酸漿 200508
連翹や昼月淡くして下弦 野沢しの武 風土 200512
連翹の縛られてある夜伽かな 山尾玉藻 火星 200605
速達を受く連翹の花明り 遠山みち子 200606
連翹や大き法然黒びかり 犬塚芳子 200606
連翹の日を返しゐる強さかな 真角多賀子 対岸 200606
連翹の咲く道向ふ芭蕉庵 牧原佳代子 酸漿 200607
連翹の垣根曲ればポストかな 窪田米子 遠嶺 200607
連翹の明かりの一つ一つかな 阿部ひろし 酸漿 200704
連翹の径来てインドカレー店 鈴木照子 200705
連翹の角を曲れと案内図 和田照子 200706
連翹の垣を洩れくるピアノ音 本藤みつ 200706
連翹の風病む友の白き頬 赤池英津子 遠嶺 200707
連翹の枝に燃え咲きをりにけり 金月洋子 六花 200707
連翹の垣の根方のうすら闇 加藤みき 200707
連翹の光の中を若き僧 邑橋節夫 遠嶺 200708
刻々と連翹の黄を明かす朝 稲岡長 ホトトギス 200709
連翹の葉のさみどりも美しや 鷹羽狩行 200804
太陽の光貰ひて連翹燃ゆ 椋本一子 雨月 200805
連翹の明るき昼を帰りけり 藤井昌治 200806
連翹の影に水脈曳く残り鴨 永峰久比古 馬醉木 200806
採用通知とどく連翹どつと咲き 柴崎英子 絹の波 200806
一枝の弓の如くに連翹咲く 村山春子 200806
連翹や水面にあそぶ日のかけら 清水明子 遠嶺 200807
連翹や一年生の帰り来る 設楽唱子 酸漿 200807
連翹の黄明りに島雨となる 渡邉美保 火星 200807
連翹や淀君の井は石ばかり 田中幹也 万象 200807
山祗に連翹は黄を張りとほし 山尾玉藻 火星 200903
連翹や水音止まぬ家の奥 玉井江吏香 200905
連翹の夜ひび割れて今晩は 丹沢亜郎 炎環 200905
連翹の刈りし大玉小玉かな 阿部ひろし 酸漿 200905
連翹の黄の吹つ切れてゐたりけり 山尾玉藻 火星 200905
連翹の雨降ればまた雨の庭 阿部ひろし 酸漿 200905
連翹の黄色地を這ふ武家屋敷 西田史郎 200905
デイサービス連翹の黄に見送られ 藏本博美 ぐろっけ 200905
近道の角の目印連翹黄 森下康子 200906
連翹の奥よりメンデルスゾーン 山口繭 炎環 200906
連翹の雨の明るき坂のぼる 和田幸江 春燈 200906
連翹に誘はれ伸ばす試歩の道 舛田初惠 酸漿 200906
連翹のまぶしき色を抱へたる 岩下芳子 200907
デイケアー連翹の黄に見送られ 藏本博美 ぐろっけ 200907
連翹や籬にほのと月明り 兼子栄子 酸漿 200908
連翹に声張つてゐる雀かな 山尾玉藻 火星 201004
満開の連翹の花ひよ競ふ 安部里子 あを 201005
不調法とは連翹の咲きつぷり 中島あきら 201006
連翹の彩惜しみなき厨窓 吉田晴子 201006
連翹の黄花目を射る辻の家 八木紀子 ぐろっけ 201006
連翹の径かきわけて寺参り 植田雅代 ぐろっけ 201006
連翹の黄をめぐりゆく母娘かな 金澤明子 201006
連翹や道に出てゐる倭鶏四五羽 齋藤博 やぶれ傘 201007
夕暮れて連翹の鬱始まれり 甕秀麿 201007
安達太良の空の真青や連翹忌 山田春生 万象 201007
連翹の光はじける売家札 工藤ミネ子 風土 201008
連翹の垣を出入りの朝雀 伊藤美音子 万象 201008
連翹の花を追ひかけ葉の少し 安部里子 あを柳 201105
連翹を啄む鵯の嘴覗く 浅野恵美子 酸漿 201106
川のごと連翹坂と下りをり 青木民子 酸漿 201107
仙境へつづく連翹明りかな 岩月優美子 201107
連翹や記憶の糸は炉煙舎へ 菅野蒔子 末黒野 201107
連翹の黄を的にして朝日出づ 竹田ひろ子 ろんど 201107
連翹や停電の夜の白みそめ 大場ひろみ 馬醉木 201110
連翹に導かれたる日暮道 西山禎一 万象選集 201205
剪られつつ連翹の黄の濃かりけり 太田具隆 春燈 201206
連翹のあざやかすぎし垣根かな 塚原洋子 201206
連翹や思ひのいつも先にあり 小谷延子 万象 201206
香烟に塗れ地蔵も連翹も 川上久美 ろんど 201207
一斉に連翹金縷梅黄の陽気 鎌田慶子 ろんど 201207
連翹やかすかに人の棲む気配 山内碧 201208
連翹の明りや雨の由比ヶ浜 吉田きみえ 末黒野 201208
連翹や忘れて欲しきこと多し 古川夏子 201208
連翹の雨ふる木曽路歩きをり 北崎展江 くりから 201209
連翹とたんぼぽの黄の今日同じ 嶋田摩耶子 ホトトギス 201209
同病の友は訪ひやす連翹咲く 嶋田摩耶子 ホトトギス 201209
連翹に瀬音気負うてゐたりけり 田中文治 火星 201305
連翹忌ほんとの青い空何処 長崎桂子 あを 201306
連翹の枝を地に触れ咲きにけり 村田武 やぶれ傘 201306
隠れ家に連翹咲きて目立ちたる 森下康子 201306
連翹や猩々の舞ふ夕あかり 日下部亞こ ろんど 201402
連翹に遇ひし眼裏こむらさき 山尾玉藻 火星 201404
連翹やもの言ひすぎし口乾く 菅谷たけし 201406
連翹やめぐる甲州笛吹川 四條進 201406
連翹の古木を咲かせ流謫 渕上千津 201406
連翹に見え隠れする子らの列 岡崎禎子 201406
夕光の連翹に来てたゆたへる 犬塚李里子 201406
智恵子碑へ径の連翹海ひびく 田中臥石 末黒野 201407
連翹の気負ひ咲きたる国境 荒木甫 201407
連翹の黄あざやかに道照らす 池田光子 201407
どこまでも続く連翹明りかな 稲畑汀子 ホトトギス 201505
何にでも使ふ両の手連翹忌 大畑善昭 201505
黄炎をつくし連翹の此のうつつ 水野恒彦 201506
去年挿しし連翹咲けり丈五寸 飛高隆夫 万象 201506
連翹やひかり砕きて喪の庭に 松本三千夫 末黒野 201506
通られぬほど連翹の枝垂れけり 白水良子 201506
連翹やあやしなんぞのたまり場に 瀬川公馨 201507
連翹に軽トラックの来て止まる 根橋宏次 やぶれ傘 201507
株立ち連翹恣意の枝垂れて 松本三千夫 末黒野 201507
連翹の開放感の黄なりけり 浅井青二 雨月 201507
連翹やかくれ住むとにあらねども 久保田万太郎 春燈 201508
することのなく日が暮れて連翹花 定梶じょう あを 201508
連翹の籬に添ひて寺の道 園田惠子 末黒野 201604
対岸にばうと連翹鮒を釣る 大島英昭 やぶれ傘 201605
連翹の腰蓑まとふごと土蔵 佐藤山人 201606
連翹の籬真昼のひかり寄す 那須禮子 春燈 201606
連翹に昼の日余る野道かか 市村明代 馬醉木 201606
連翹の欝金辺りを祓ひけり 卯木堯子 春燈 201607
田楽のたれを甘めに連翹忌 安斎久英 末黒野 201607
連翹や昨夜の文殻畳み干す 杉山はつ江 京鹿子 201607
連翹の花の盛りや入院す 志方章子 六花 201608
連翹の咲きて千蔭の亡き簾 野沢しの武 風土 201704
連翹の空にはねたる一枝かな 笹村政子 六花 201706
連翹に取り残されてゐる羽音 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
連翹は小雨の庭に花咲かせ 亀岡睦子 やぶれ傘 201806
岐れ道連翹垣に沿ひこよと 田中藤穂 あを 201806
連翹の花よと一人ごと言ひぬ 志方章子 六花 201807
連翹や灯台へ寄る波と涛 山田邦彦 201902
連翹の水田に影を落としけり 藤生不二男 六花 201906
連翹の手前じゃー又ねの身振り 池田澄子 船団 201906
連翹はどの木も風に花散らす 白石正躬 やぶれ傘 201907
連翹や碁を打つ音が離れより 瀬島洒望 やぶれ傘 201907
連翹の咲く角を入り蕎麦どころ 大島英昭 やぶれ傘 201907
連翹の先にテニスの音がする 泉一九 やぶれ傘 201908
光太郎の詩碑の連翹明かりかな 田中臥石 末黒野 202006
連翹は攻撃的に明るくて 丑久保勲 やぶれ傘 202105
連翹や漁期終ひの海鼠舟 浜福恵 風土 202206
遠目にも連翹の咲くひとところ 笠井令子 202207
陽の色となる連翹の垣根かな 窪みち子空 202211

 

2023年3月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。