落 花 6       196句

中空にとまらんとする落花かな    中村汀女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
とどきける落花を縫ひし鐘の音 佐藤喜孝 あを 201205
老桜の洞に落花の眠りかな 石川笙児 馬込百坂 201206
飛花落花今生風の立ちやすし 近藤牧男 六月 201206
太極拳落花浴びつつ気を吐ける 井口淳子 201206
落花浴び仕事ができる果報者 吉野夢宙 201206
手水へと龍は水吐く落花かな 山田六甲 六花 201206
山門の剥落かとも飛花落花 小澤菜美 201207
おしやれして落花の雨となりにけり 中村風信子 馬醉木 201207
好日や落花は膝に弁当に 村上すみ子 201207
踏みかぬる夕の落花の白きこと 村上すみ子 201207
雨の中落花踏みしめ逢ひに行く 中下澄江 201207
落花追ふ二の鳥居まで小走りに 近藤紀子 201207
岩堰に残る鑿跡落花積む 松井洋子 ぐろっけ 201207
蜘蛛の囲に昨夜の落花の五六片 上谷昌憲 201207
別天地指して落花の一轍 田中貞雄 ろんど 201207
西行の恋にも似たる落花かな 池端英子 ろんど 201207
風つのるほどに落花のち鳴きかな 西田孝 ろんど 201207
竹の御所墓前嵩なす落花かな 田中貞雄 ろんど 201207
八橋も水面も落花落花かな 金森教子 雨月 201207
飛花落花浴び来て齢重くなる 宮平静子 雨月 201207
飛花落花真つ只中に立ちつくす 大橋伊佐子 末黒野 201207
絵馬の文字薄れ落花の欲しいまま 安斎久英 末黒野 201207
敷石の縁を色どる落花かな 高橋明 末黒野 201207
飛花落花墓碑銘永久に二等兵 大橋弘子 末黒野 201207
落花舞ふ中のたこ焼き屋台かな 白石正躬 やぶれ傘 201207
玉杯に夢と落花と言の葉と 熊川暁子 201208
飛花落花水切り石に倦む時も 古川夏子 201208
飛花落花浴びつつしばし立ち話 上原重一 201208
絶え間なき落花の中の静寂かな 稲垣佳子 末黒野 201208
爆心地桐の落花の濃く匂ふ 山田春生 万象 201208
なき翁を偲ぶ落花の句碑ほとり 安原葉 ホトトギス 201209
わが過去へ過去へ落花を踏んでゆく 須藤常央 ホトトギス 201210
うべなへる飛花も落花も音のなし 松本文一郎 六花 201212
絶対動かぬゴールデンレトリバー飛花落花 池田澄子 201212
色極め落花始まるまでの黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
風吹きて落花一枚頬につく 後藤克彦 かさね 201305
くれなゐの落花を吐きぬ鯉の口 神蔵器 風土 201305
ああまりにも落花見事ぞ歩まれず 山田六甲 六花 201305
満開を支へきつたる落花かな 布川直幸 201305
落花また落花我が庭よぎり飛ぶ 大橋敦子 雨月 201305
降り止まぬ落花明るき塔の下 片岡久美子 201306
仏足石やさしく落花重ねをり 林八重子 馬醉木 201306
法螺貝のゆるく身を透く飛花落花 神田恵琳 春燈 201306
三日見ず過ぎて凌霄落花の数 野沢しの武 風土 201306
万歩計付けて落花の園をゆく 中山静枝 201306
落花一片客のごとくに戸口より 仁平則子 201306
飛花落花帝陵並ぶ上つ道 蒲田豊彦 雨月 201306
一陣の風に落花の川面かな 田中浅子 201307
土臭き砂村囃子飛花落花 小張昭一 春燈 201307
てのひらに受くる落花や夕湿り 鶴岡紀代 春燈 201307
落花舞ふ風のこころに誘はれ 稲畑汀子 ホトトギス 201404
みよし野の落花虚空へとめどなく 稲畑汀子 ホトトギス 201404
一片の落花一直線となる 稲畑汀子 ホトトギス 201404
みよし野の落花に山の動きけり 稲畑汀子 ホトトギス 201404
金堂の沓音はげし飛花落花 雨宮桂子 風土 201406
水垢離の落花のごとし神田川 神蔵器 風土 201406
落花いま壺中の天にあるごとし 定梶じょう あを 201406
飛花落花直哉の小径辿りつつ 田中佐知子 風土 201406
捨舟に落花は化粧ほどこせり 宮内とし子 201406
堰越ゆる水滔々と飛花落花 松本幹雄 馬醉木 201406
蔵王堂より一片の落花かな 熊岡俊子 雨月 201406
朝練の掛け声続く落花かな 神山市実 やぶれ傘 201407
蒼天や落花急げる三井の山 竹内悦子 201407
絶え間なき落花の空の昏れにけり 藤生不二男 六花 201407
金峯山の落花を浴びて仏徒たり 横山昭子 雨月 201407
惜しまれてゐても落花の盛んなり 久保晴子 雨月 201407
干菓子盆に落花ひとひら点晴か 岡田桃子 201407
あはあはと運河の空の落花かな 和田紀夫 201407
飛花落花いま引き算の眞つ盛り 藤岡紫水 京鹿子 201407
落花していつもの距離に戻りける 柳川晋 201407
落花さかん千一体の観世音 竹中一花 201407
落花あび直立とかぬ兵の墓 太田昌子 馬醉木 201407
落花浴ぶ五尺三寸紛れなく 松本三千夫 末黒野 201407
借景の落花しきりや石の上 齋藤晴夫 春燈 201407
次々と両手に受くる落花かな 大橋弘子 末黒野 201407
風吹いてお濠の落花割れにけり 諸戸せつ子 春燈 201407
子をあやすマリア観音飛花落花 松橋利雄 春燈 201407
飛花落花浴びてひとりや弘前城 諸戸せつ子 春燈 201407
飛花落花人みな呆と仰ぐのみ 大橋晄 雨月 201407
山女宿攩網もて落花すくひをり 生田恵美子 風土 201407
西行庵へ風のもたらす飛花落花 石垣幸子 雨月 201407
渓音を恋ふるがごとし飛花落花 中野久雄 末黒野 201407
蒼天や落花の褥独り占め 石田きよし 201407
伊勢中川広軌狭軌の飛花落花 有本南陵 ろんど 201407
ゆく水の落花を乗せてゆるやかに 大橋弘子 末黒野 201407
昼月の白より白き落花かな 森清信子 末黒野 201408
足湯して落花浴びゐる果報かな 森脇貞子 雨月 201408
落花舞ふ堂縁に食ふ握り飯 福島せいぎ 万象 201408
他所の飛花自前の落花沢山咸 柳本渓光 ろんど 201408
落花踏むよりみ吉野の旅となる 木村享史 ホトトギス 201410
本丸は落花まみれや夜の風雨 竹下陶子 ホトトギス 201410
かなはぬと知る夢落花舞ふなかへ 有松洋子 緑光 201411
濡れてゆく屋根と落花とたましひと 有松洋子 緑光 201411
引き揚げて落花の混じる四手網 田中佐知子 風土 201411
鯉の唇ひかりあふとき落花宙 堀内一郎 堀内一郎集 201412
垣に干す繋ぎへ枇杷の落花かな だいじみどり 201503
今日あたり落花の包む吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 201504
咲き満ちて落花の風情待つことも 稲畑汀子 ホトトギス 201504
今年又落花の渦を見ぬ名残 稲畑汀子 ホトトギス 201504
落花待つとは来年を待つ心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
ひとひらの落花ためらひながら舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
一片に誘はれたる落花急 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
落花舞ふ忌日の空を奏でつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
東京は落花芦屋は満開に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
これまでの花これよりの落花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
落花てふ風の輪郭ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
国道に落花舞ひ散る新松田 中島玉五郎 201505
吹き上げし落花そのまま滝となす 神蔵器 風土 201506
足湯して落花を纏ふふくらはぎ 中山静枝 201506
落花さそふ雨に片身を濡らしをり 神田恵琳 春燈 201506
落花いま霏々たり世界終わるかも 定梶じょう あを 201506
落花舞ふ戦後七十年の空 松本幹雄 馬醉木 201506
千本の落花の中を行きにけり 竹内タカミ 201506
息づまる程の落花にまだ逢はず 久保東海司 201507
風に舞ふ落花手に受く西 齋藤晴夫行忌 春燈 201507
飛鳥山落花を浴びて都電ゆく 鈴木庸子 風土 201507
一花だに見えぬ枝より落花かな 中根美保 風土 201507
弥陀堂の落花しきりに雨後の庭 生田あき子 京鹿子 201507
螺鈿なす落花や雨の石畳 杉山瑞恵 雨月 201507
解脱門越ゆる落花の行方はも 室伏みどり 雨月 201507
勅使門内外落花を敷き詰める 室伏みどり 雨月 201507
落花急お菊の井戸を埋むるほど 佐藤貞子 雨月 201507
乾きしか落花はじまる雨後の山 安原葉 ホトトギス 201508
広げ干す宿の蛇の目に落花舞ふ 武田紀久 やぶれ傘 201508
薄紅の今年最後の落花掃く 辻井ミナミ 末黒野 201508
一片の舞ひの静けき落花かな 河島坦 京鹿子 201508
ひとひらの鯉の寄りくる落花かな 藤生不二男 六花 201508
深川芭蕉通りすは落花舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
一片は落花柱の序曲とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
落花敷きつめて虚しく閉ざす茶屋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
落花一片青空を誘へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
早出組落花に見送られてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
落花敷きつめて大江戸五百年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
一仏のごとくに落花曼陀羅に 竹下陶子 ホトトギス 201604
風のみにあらぬ落花を誘ふは 稲畑汀子 ホトトギス 201604
愛新覚羅溥傑仮寓の落花かな 安立公彦 春燈 201606
北陰の落花の風趣優りけり 齋藤晴夫 春燈 201606
漂へり梅の落花の二三片 新谷フクヱ 末黒野 201606
化野の千の仏と落花あぶ 中村風信子 馬醉木 201606
落花→ 7      

 

2021年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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