パリ祭 1      200句

ためらはず薔薇を購ひたり巴里祭    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
レコードのラベル右書き巴里祭
塩田博久
風土
199901
瓶詰めの花の香りやパリ祭
川井政子
風土
199901
巴里祭とろ火に鍋を預けをり
能村研三
199909
ポスターに若き日戻る巴里祭
高村邦子
遠嶺
199910
パリー祭午後の水辺のテラスかな
遊橋惠美子
風土
199910
巴里祭や燃やす写真の渇く音
塩見恵介
虹の種
200005
パリ祭や鏡にうつる逆さ文字
塩見恵介
虹の種
200005
巴里祭や元党員の夫婦老い
杉良介
200007
巴里祭髪の根元の暗さかな
神蔵器
風土
200009
ポスターの重ねて貼られパリー祭
赤木真理
ぐろっけ
200009
父の世の懐中時計パリー祭
石田克子
馬醉木
200010
巴里祭の空ヘアルペンホルン吹く
間島あきら
風土
200010
初恋は音楽教師巴里祭
保田英太郎
風土
200010
這う虫と思えば飛びぬパリー祭
中原幸子
遠くの山
200010
重層の雨の鉄階パリー祭
岡本眸
200010
乗換駅にハシブトカラス巴里祭
中北綾子
海程
200012
映写機のひかりに埃巴里祭
松永典子
船団
200102
パリー祭ガラスの靴が飾られて
花島陽子
遠嶺
200105
パリ祭や間口の狭き帽子店
押切安代
200109
巴里祭秘密の鍵をポケットに
後藤志づ
あを
200109
口笛を久しく吹かずパリ祭
久保東海司
200110
黒髪のめつきり減りてパリー祭
細野みさを
200111
パリー祭響きよき名を授くべし
村上沙央
200112
海峡を軍艦のゆく巴里祭
稲森柏郎
200203
星空を怒濤の洗ふ巴里祭
小澤克己
遠嶺
200207
ポトフの具ことこと刻む巴里祭
斉藤由美子
ぐろっけ
200207
巴里祭ピエロの黒き涙痕
斉藤由美子
ぐろっけ
200207
パリ祭の踵を高く待ち合はす
槻木珠美
銀化
200208
農夫今日蝶ネクタイよ巴里祭
刈米育子
200210
ポケットに古き唄あり巴里祭
渡辺智佳
遠嶺
200210
電球の汚れを拭ふ巴里祭
平田紀美子
風土
200210
巴里祭空いつぱいの水しぶき
豊田都峰
京鹿子
200210
ひらひらのフリルの傘買ふ巴里祭
大村美知子
京鹿子
200210
巴里祭知らぬ間に過ぎ鳥を観に
土肥屯蕪里
雲の峰
200210
照り降りのはげしき日なりパリー祭
津田吾燈人
200210
銀巴里のありしは昔パリー祭
佐藤佐代子
200210
喉ごしの甘きマンゴー巴里祭
沖祐里
200211
巴里祭天使のをどるオルゴール
田中聡子
遠嶺
200211
抽斗の奥に羽根ペン巴里祭
中村洋子
風土
200301
ピザ生地を大きく抛りパリー祭
斉藤和江
帆船
200301
巴里祭クロワッサンと詩書を買ひ
刈米育子
200302
搬出の絵の横歩きパリー祭
長井順子
200302
七色の洗濯ばさみ巴里祭
坂ようこ
200309
回遊の魚のひかりやパリー祭
松岡映子
帆船
200309
駅前に傘の花咲く巴里祭
大曽根育代
遠嶺
200310
銀幕といふ語も古りぬ巴里祭
鈴掛穂
200310
ウオータードアに魚の泳ぐ巴里祭
遊橋恵美子
風土
200310
偏頭痛巴里祭の夜を棒にふる
小林かいう
200311
欧州は今なほ遠し巴里祭
石川英利
百鳥
200311
濡れて来し少女がにほふ巴里祭
能村登四郎
河鹿
200406
生涯の路地裏ぐらしパリー祭
須佐薫子
帆船
200406
黴が味なるチーズ出てパリー祭
鷹羽狩行
200407
名詩には名訳ありて巴里祭
杉良介
200407
巴里祭机上の医書は閉ぢしまま
水原春郎
馬醉木
200409
ローランサンの俯く少女巴里祭
田嶋洋子
春燈
200409
勾玉のやうな月出てパリー祭
福井隆子
対岸
200409
巴里祭二つ重ねの紙袋
斎藤和江
帆船
200409
口笛に振り向く女巴里祭
藤見佳楠子
200410
巴里祭の風通しよき財布かな
吉田明子
200410
水かけて文字浮く絵地図巴里祭
中嶋陽子
風土
200410
半眼に眠る黒猫パリー祭
平田紀美子
風土
200410
巴里祭グラスに指紋残しけり
山本浪子
風土
200410
巴里祭男の立てる厨かな
平野恵美子
風土
200410
ポスターの目に見詰めらる巴里祭
栗原公子
200410
ネクタイの要らぬ日々なり巴里祭
深出稚敏
200410
巴里祭や男にもある富士額
新井裕
六花
200410
巴里祭虚子記念館すいてをり
河村泰子
ぐろっけ
200411
巴里祭や地球儀埃拭いけり
大山夏子
200501
巴里祭星の光の眸に出会ふ
三崎由紀子
遠嶺
200506
天井を駆ける鼠やパリー祭
須佐薫子
帆船
200507
図書館で借る古今集パリー祭
品川鈴子
ぐろっけ
200508
JALで行く搭乗かばん巴里祭
富沢敏子
200508
パリ祭のクリーム色の招待状
高田令子
200509
鴨の子の行方知れずよパリー祭
延広禎一
200510
パシャパシャとスペイン語急巴里祭
富沢敏子
200510
ルーブルもセーヌも知らず巴里祭
石川英利
百鳥
200510
美しき脚組み替へてパリー祭
湯浅夏以
遠嶺
200511
靴音の夜の石畳巴里祭
大堀由子
200511
オルゴールの捻子のゆるみや巴里祭
佐々木恭子
遠嶺
200511
ジーンズの似合ふ七十巴里祭
丹生をだまき
京鹿子
200511
福耳に真珠ひとつぶパリー祭
藤井寿江子
馬醉木
200601
ちよつと無理して行つてしまおかパリ祭
鈴木榮子
春燈
200607
ねじ巻きの時計で目覚めパリー祭
赤木真理
ぐろっけ
200607
セ・シ・ボンと越路は逝きし巴里祭
荻野嘉代子
春燈
200609
はるかより提灯魚のパリー祭
南一雄
200609
魔女図鑑の表紙まつ赤やパリー祭
延広禎一
200609
封切らぬままの香水巴里祭
戸田春月
火星
200609
チョコレートフォンデュ小雨の巴里祭
小嶋洋子
200609
背ファスナー閉ぢてもらひてパリー祭
赤木真理
ぐろっけ
200609
虹色に飾るデザート巴里祭
北川キヨ子
200610
空井戸にこゑ降らせけふパリー祭
千田百里
200610
一湾のきらめく灯巴里祭
峯桜子
遠嶺
200610
放射切りのカマンベールや巴里祭
鈴木庸子
風土
200610
海牛の恋はカラフル巴里祭
延広禎一
200611
パリ祭鳩にも分かつパンの耳
中村星児
八千草
200701
凱旋門に吊る三色旗巴里祭
木暮剛平
万象合同句集
200703
ごはん炊ける匂ひしてきし巴里祭
坂本俊子
200708
シャガールの愛の絵褪せず巴里祭
千田百里
200709
香りよきワインを亡夫に巴里祭
名取袿子
200710
海老蔵のルイ・ジューベ似の巴里祭
佐々木新
春燈
200710
巴里祭裏窓に置くテラコッタ
飛鳥由紀
200710
季語といふタイムマシンや巴里祭
塩田博久
風土
200710
おしんこにお茶漬今日はパリ祭で
定梶じょう
あを
200710
レコードの目に見えぬ疵パリー祭
澤藤蓑助
200711
日本でも長きパン売るパリー祭
新関一杜
京鹿子
200806
パリー祭はがねをけづる音ありき
中島陽華
200808
とりあへず並ぶ行列パリー祭
小林奈穂
200808
見失ふカードのクイーン巴里祭
塩路隆子
200809
トランクに結ぶスカーフ巴里祭
古屋元
200809
巴里祭古伊万里あをき海のいろ
藤原冬人
火星
200809
黄昏にビストロ灯る巴里祭
木村美猫
ぐろっけ
200809
巴里祭の裏側にある血の匂ひ
岩月優美子
200810
銀幕に雨降つてゐし巴里祭
深澤鱶
火星
200810
マジシャンの指より銀貨巴里祭
岩田都女
風土
200810
巴里祭路上喫茶の椅子に坐し
奈辺慶子
雨月
200810
巴里祭ときに旅行記繙きて
奈辺慶子
雨月
200810
オムレツの空中回転パリー祭
飛鳥由紀
200810
トマトスープに刻みパセリを巴里祭
有賀昌子
やぶれ傘
200811
パリ祭や手乗り文鳥肩に乗せ
鷹羽狩行
200907
パリー祭ばら売り投げ売り見切り売り
柳川晋
200908
パリ祭や水玉模様のドレス買ひ
池田廣子
200909
青春のかけらを拾ふパリー祭
三沢蘭
遠嶺
200909
巴里祭も手風琴ほど古びたる
辻直美
200909
シャンソンの歌声ながれパリ祭
田中浅子
200910
パリー祭女身の中の禁漁区
小澤克己
遠嶺
200910
長きパン抱へて帰る巴里祭
遠藤逍遙子
風土
200910
街騒を裏路にさけ巴里祭
水野恒彦
200910
大章魚の愁ひを吊す巴里祭
大島翠木
200910
パリ祭の獄に格子なかりけり
瀬川公馨
200910
ワニガメはペットにならずパリー祭
鈴木勢津子
200910
焼きたてのパンは厚めに巴里祭
樋口みのぶ
200910
捨て惜しむ絵本幾冊パリー祭
村上沙央
200911
公園に猫のファッションパリー祭
筏愛子
200912
巴里祭やミニスカートに挑戦す
岸本幸
ろんど
201001
右綴を読むパリジェンヌ巴里祭
網野月を
201007
塔の灯のほかは平らに巴里祭
鷹羽狩行
201007
パリー祭街角ばかり描きし画家
中田みなみ
201007
肩に手に鳥呼ぶ男巴里祭
鈴木浩子
201009
子と選ぶ紅きケータイ巴里祭
田中芳夫
201010
とろとろとジャム煮つまれりパリー祭
廣谷總子
201010
まだ割れぬワイングラスや巴里祭
田嶋洋子
春燈
201010
きらきらの少女の爪や巴里祭
すずき巴里
ろんど
201010
巴里祭アバンギャルドに誘はるる
すずき巴里
ろんど
201010
黒猫が尾を立て過ぐるパリー祭
荒井千佐代
201010
手に馴れしバッグ艶めくパリー祭
菊地葉子
やぶれ傘
201011
外灯に浮かぶ砂場やパリー祭
大島英昭
やぶれ傘
201011
新しき名の洋菓子や巴里祭
木場田秀俊
201012
巴里祭や鵜飼の余韻持ち寄りて
稲畑廣太郎
ホトトギス
201107
巴里祭切子の壺に小銭ため 宮崎紗伎 春燈 201109
少女らのときめきの私語巴里祭 鴨下昭 201109
巴里祭二つ巡りし美術館 大橋晄 雨月 201109
憧れの欧州遠しパリー祭 田中浅子 201110
巴里祭や客間に飾る画の卵 鈴木石花 風土 201110
風琴に合はす手拍子巴里祭 平野みち代 201110
耳にするのみの我等が巴里祭 林美智 ぐろっけ 201110
シニヨンのつんと上向く巴里祭 藤田素子 火星 201110
巴里祭や髪きりきりと孫娘 すずき巴里 ろんど 201110
丹念にグラス拭くシェフ巴里祭 大島寛治 雨月 201110
加賀鳶てふ地酒が届く巴里祭 大坪景章 万象 201110
雨をんなばかり集うて巴里祭 コ田千鶴子 花の翼 201111
遊学の子よりメールや巴里祭 東野鈴子 雨月 201111
エスカルゴ巴里祭近きムッシュー店 塩路隆子 201209
土砂降りの窓の煙りて巴里祭 高倉和子 201209
ブロンドの風はこびくるパリ祭 柴田靖子 201209
巴里祭シェークの肘は音刻み 安藤しおん 201209
マネキンの広き衿ぐり巴里祭 師岡洋子 ぐろっけ 201210
碧眼のランといふ猫パリー祭 阿部綾子 ろんど 201211
鵜の首が突込んでゆく巴里祭 ふけとしこ 船団 201301
正装の鎖骨美し巴里祭 青柳雅子 春燈 201310
パリー祭相性悪しき人もいて 覚本秀子 ろんど 201310
残党のやうな紫煙派巴里祭 千田百里 201310
巴里祭なれば兎に角ワイン酌む 大島寛治 雨月 201310
同窓の傘寿を集ひ巴里祭 溝内健乃 雨月 201310
三色の刺身こんにやく巴里祭 加藤静江 末黒野 201311
缶入りの紅茶開封巴里祭 石川かおり 福袋 201404
国捨てしフジタの「白」や巴里祭 千田百里 201409
カフェ・オ・レ嫌ひがひとり巴里祭 千田百里 201409
桐の下駄求む浅草巴里祭 藤沢秀永 201410
もの忘れしてもの思ふ巴里祭 寺田すず江 201410
巴里祭グラスふたつのビンテージ 安井和恵 201410
八十路きて女は女巴里祭 本多俊子 201410
巴里祭ピアフの賛歌もの悲し 岩月優美子 201410
巴里祭いまも地球に戦の血 塩貝朱千 京鹿子 201410
バースデー・カード海色巴里祭 すずき巴里 ろんど 201410
飲み会のこたび口実巴里祭 北尾章郎 201410
パリー祭写真の父の中折帽 永田圭子 ろんど 201410
パリー祭大和言葉の美しき 中田禎子 201410
パリ祭や鬼千匹を一絡げ 瀬川公馨 201410
花の香のあふるるホールパリー祭 菅野日出子 末黒野 201411
巴里祭より河童忌のあひ梅雨しとど 秋葉雅治 201501
ネックレスざらりど置いて巴里祭 千田百里 201509
講堂に楽喨喨と巴里祭 岡真紗子 201509
巴里祭の夜なりダミアの歌をきく 大崎紀夫 虻の昼 201510
封切の紅茶の香パリー祭 齊藤いさを 馬醉木 201510
パリ祭 →2      

 

2021年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。