桜桃忌/太宰忌     220句

他郷にてのびし髭剃る桜桃忌    寺山修司

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
少年が壁を叩きぬ桜桃忌
鳥居真里子
船団
199811
暗室の濡れて浮きたる桜桃忌
柿原金米
船団
199903
水は木に遅れて暮れぬ桜桃忌
鷹羽狩行
199906
太宰忌や均さぬままの枕窪
亀丸公俊
銀化
199908
疲れでて奥歯の疼く桜桃忌
金子つとむ
俳句通信
199908
畳紙の紐のねぢれや桜桃忌
鶴田武子
俳句通信
199908
小雨降る川面音なし桜桃忌
西正子
酸漿
199909
濁り川濁りましゆき桜桃忌
田中藤穂
水瓶座
200002
坊主より姫多かりき桜桃忌
塩見恵介
虹の種
200005
わが頭けふは半ドン桜桃忌
山田六甲
六花
200007
どしゃぶりを待って飛び出す桜桃忌
児玉硝子
ヒッポ千番地
200007
東京の路面電卓や桜桃忌
熊谷みどり
いろり
200008
太宰忌の墓前にひとり男ゐて
川井政子
風土
200009
図書館に本を返して桜桃忌
林田加杜子
いろり
200009
胃に悪きものばかり好き桜桃忌
鶴目鯛遊子
六花
200009
胃の襞へ栄養ドリンク桜桃忌
児玉硝子
六花
200010
外面に似ず挫けむか桜桃忌
品川鈴子
ぐろっけ
200010
ぐい呑みの志野に紅さす桜桃忌
神蔵器
風土
200107
太宰忌やエンゼルトランペツト咲く
神蔵器
風土
200108
外に出てかける電話や桜桃忌
侭田伊都希
いろり
200108
太宰忌の雨を忘れぬ空であり
林裕子
風土
200109
桜桃忌酔ひて毛蟹を提げ帰る
小儀洋子
百鳥
200109
雲ばかり透明である桜桃忌
やのかよこ
船団
200112
太宰忌やリュックサックに雨具入れ
飯田あさ江
200206
太宰忌や老いたる象の柵のまへ
竹内弘子
あを
200207
仏滅といへど叔父の忌桜桃忌
小田元
六花
200207
桜桃忌墓前のゴールデンバット
林裕子
風土
200209
玻璃戸打つ雨滴奔るや桜桃忌
三由規童
雨月
200209
しみじみと空の明るさ桜桃忌
蓮田照子
200209
吹降りの枝の相打つ桜桃忌
佐藤佐代子
200209
桜桃忌飲むつもりなき地酒買ふ
伊藤とら
雲の峯
200307
情死ふと想ひし昔桜桃忌
田中芳夫
200308
うちつけに雹の降りくる桜桃忌
山口マサエ
雲の峯
200308
赤々と津軽の明くる桜桃忌
山本昭夫
雲の峯
200308
図書室にまどろみゐたり桜桃忌
橋本恭二
雲の峯
200308
太宰忌のいつしか窓に雨の粒
南うみを
風土
200309
桜桃忌どん底と言ふ地下酒場
笠間圭子
京鹿子
200309
太宰忌のあぢさゐ濡れてゐたりけり
冨田正吉
200309
老酒徒に場末の酒場桜桃忌
大塚裕司
200309
太宰忌やシャワーに固く目をつぶり
櫨木優子
200310
傘立の水を捨てたる桜桃忌
宮川みね子
風土
200310
包丁で削る鉛筆桜桃忌
塩田東水
帆船
200407
桜桃忌くる青写真に誤差すこし
福嶋千代子
200407
うすうすと蔵書印あり桜桃忌
大串章
百鳥
200408
考へる人に結論桜桃忌
村田薫
200408
無頼派の昭和遠のく桜桃忌
長谷川歌子
春燈
200409
桜桃忌赤松の幹やにを垂れ
門伝史会
風土
200409
桜桃忌飯の炊けしと電子音
中島瑞枝
百鳥
200409
父を愛す人を愛して桜桃忌
平居澪子
六花
200409
虚無主義にかぶれし昔桜桃忌
河本利一
200410
確かむる第一釦桜桃忌
中村恭子
200410
一書もて雨夜の更くる桜桃忌
香月公恵
200410
紅紐の衣桁に揺るる桜桃忌
さわいりまりこ
遠嶺
200411
太宰忌や老いしマダムは魔女めきぬ
内藤ゑつ
ゑつ
200411
みちのくの雲の低しや桜桃忌
清水志
200503
銀座裏に教会ありぬ桜桃忌
直井たつろ
風土
200507
桑の実を摘みゐてけふは桜桃忌
西山美枝子
酸漿
200508
太宰忌の近づくほたるぶくろかな
神蔵器
風土
200508
コンソメよりポタージュが好き桜桃忌
木村茂登子
あを
200508
コンビニのそれもおむすび桜桃忌
木村茂登子
あを
200508
桜桃忌雨にはあぢさゐが良く似合ふ
木村茂登子
あを
200508
浴衣にも身八口あり桜桃忌
神蔵器
風土
200509
底なしの沼に樹の陰桜桃忌
香月公恵
200509
桜桃忌疎水に靡く藻のひかり
淵脇護
河鹿
200510
詫び状は今度かぎりに桜桃忌
有島夛美
河鹿
200510
桜桃忌川をへだてて声交す
大西八洲雄
万象
200510
卵殻の思はぬ薄さ桜桃忌
木戸渥子
京鹿子
200510
いつまでも貴方の娘桜桃忌
平居澪子
六花
200510
太宰忌や鯉太らせて滑川
塩田博久
風土
200510
カステラのざら目噛みゐる桜桃忌
遠野萌
200511
桜桃忌喫煙室の二重ドアー
菊地光子
200608
太宰忌の半日日焼けして戻る
神蔵器
風土
200608
ひねもすを降りみ降らずみ桜桃忌
新田和子
四葩
200608
桜桃忌一人ホテルの旅枕
坂井法
200609
太宰忌や川面に増ゆる雨の粒
浅田光代
風土
200609
己が性疎み愛しみ太宰の忌
大橋麻沙子
雨月
200612
太宰忌の梵字こぼるる沙羅落花
水野恒彦
200707
鍵盤の一音凹む太宰の忌
大森春子
200707
着流しの父の写真や桜桃忌
山下佳子
200709
太宰忌の川埋めつくす草の丈
伊藤奈津
200709
常ながら雨もよひなり桜桃忌
舩越美喜
京鹿子
200710
太宰忌や津軽の風に錐揉みに
館容子
200711
人の目を避けたき一日太宰の忌
福場朋子
200711
太宰忌の夕日止むるおんこの木
野沢しの武
風土
200711
雨に遭いビルに駆け込む桜桃忌
衣斐ちづ子
200801
十三日金曜晴れて桜桃忌
千田百里
200808
桜桃忌雨に打たるる時計草
松崎鉄之介
200808
水に触れ流るる蛍桜桃忌
中村風信子
馬醉木
200809
太宰忌や芥うかべて川流れ
遠藤若狭男
200809
あしもとの土竜も睦む桜桃忌
中村恭子
200809
用心の傘は手提げに桜桃忌
斉藤小夜
風土
200809
月見草の原さまよひて太宰の忌
味村志津子
雨月
200809
実印の文字ひしめきし桜桃忌
飯塚恵美子
炎環
200809
父の顔知らず還暦桜桃忌
三角和夫
炎環
200809
生きられぬ訳はそれぞれ櫻桃忌
清水淑子
炎環
200809
沈まねばならぬ太陽桜桃忌
高村令子
風土
200811
もの書くや太宰忌の夜の底の底
伊藤白潮
200906
透明の傘に雨つぶ桜桃忌
荒井書子
馬醉木
200909
電子辞書は持たず使はず桜桃忌
谷陽右
馬醉木
200909
雨粒のくちびる掠め桜桃忌
山口紹子
炎環
200909
鍛練といふ名の句会桜桃忌
佐々木暢
炎環
200909
睡蓮の巻葉のゆるぶ太宰の忌
宇都宮敦子
200909
巻尺の音たて戻る桜桃忌
成田美代
200909
反抗はフリーハンドで桜桃忌
中原幸子
船団
200909
相知らぬ人と墓前に太宰の忌
堀田こう
雨月
200909
仮の世の夕刊を読む太宰の忌
竹内弘子
あを
200909
桜桃忌三鷹の宿のしらふ顔
小林清之介
風土
200909
太宰忌や廊下の隅に担送車
石原光徳
酸漿
200909
桜桃忌死ねるちからといふもあり
中田みなみ
200909
桜桃忌いまにつたはる命あり
北川孝子
京鹿子
200909
鉛筆の噛みあと古く桜桃忌
福永光子
京鹿子
200909
太宰忌の雨にくもれる眼鏡拭く
玉置かよ子
雨月
200910
描きなぐる自画像かける桜桃忌
淺井照子
京鹿子
201001
桜桃忌蒼き時間の中にかな
林いづみ
風土
201001
太宰忌や河は音なく流れをる 近藤公子 201007  
太宰忌の夕べは永く蟹赤し 水野恒彦 201008  
太宰忌のあをき畳につまづけり 神蔵器 風土 201008  
雀つこ地べたに消して桜桃忌 神蔵器 風土 201008  
ビニール被て朝刊とどく桜桃忌 野沢しの武 風土 201008  
桜桃忌スタンドバーの小半時 能村研三 201008  
太宰忌の水をかすめて黒揚羽 松田泰子 末黒野 201009  
キャンパスのチャペルに隠る桜桃忌 山本浪子 風土 201009  
閉店の貼り紙震へ桜桃忌 乾有杏 201010  
太宰忌や上水の水ほとばしる 北村香朗 京鹿子 201010  
桜桃忌傷も癒しも言葉より 横内かよこ ぐろっけ 201010  
夕影の伸びし畳目桜桃忌 鈴木良戈 201010  
太宰忌の朝に夕べに走り雨 川端俊雄 火星 201011  
茄子など黒く煮られて太宰の忌 竹内弘子 あを 201011  
人も世も川もうつろひ桜桃忌 コ田千鶴子 馬醉木 201108  
太宰忌の暮れゆく水を倶に見て 安立公彦 春燈 201108  
桜桃忌富栄の墓も訪ねむか 小島昭夫 春燈 201108  
太宰忌をとうに過ぎたる夜ごろかな 井上信子 201108  
若者に人気沸騰桜桃忌 増田一代 201109  
帯を解くためらひすこし桜桃忌 宮崎紗伎 春燈 201109  
桜桃忌黒の似合ひし齢過ぐ 中村恭子 201109  
暮れ方に少し日の差す桜桃忌 川村文英 ろんど 201009  
しりとりの終り無きかに桜桃忌 竹田ひろ子 ろんど 201009  
津軽弁とび交ふ太宰忌なりけり 山田春生 万象 201109  
萍に雨太宰忌の夕ごころ 清海信子 末黒野 201109  
被災地ヘメロスとなれず桜桃忌 鈴木石花 風土 201109  
妻の通夜雨の桜桃忌か今日は 大島翠木 201110  
犬病めば犬がだいじや桜桃忌 竹内弘子 あを 201110  
櫻桃子忌冬の日射の晴男 上山永晃 春燈 201203  
持ち古りし農事暦や桜桃忌 伊藤白潮 201205  
太宰忌や泥まみれなる雀つこ 神蔵器 風土 201207  
桜桃忌夫とは別に雨宿り 千田百里 201208  
桜桃忌何事もなく暮れにけり 鈴木庸子 風土 201208  
ジェスチャーは知的な遊び桜桃忌 上原重一 201208  
アメンボが流されて行く桜桃忌 篠田純子 あを 201208  
窓の外下駄の音する桜桃忌 田中藤穂 あを 201208  
亡き父母の家売払ひ桜桃忌 松本周一 かさね 201209  
あの頃も今も泣き虫桜桃忌 松本周一 かさね 201209  
声とほく死者の死に倦む桜桃忌 西村純太 201209  
桜桃忌駅に集まる傘の色 大川ゆかり 201209  
永へて酒を手向けに太宰の忌 山田春生 万象 201209  
旧姓の妻の蔵書や桜桃忌 濱上こういち 201209  
晩学の鉛筆けづる太宰の忌 北崎展江 くりから 201209  
文庫本の頁くすみぬ太宰の忌 三輪慶子 ぐろっけ 201209  
ペン胼胝の父にありしよ桜桃忌 平居澪子 六花 201209  
石狩川は鈍色の水脈桜桃忌 佐瀬晶子 ろんど 201209  
ゆく先は別の螢火桜桃忌 山田正子 201210  
野に入れば野に従へり桜桃忌 前田美恵子 201210  
水底を渦の影ゆく桜桃忌 林昭太郎 あまねく 201210  
太宰の書拒みし日あり桜桃忌 鍋島武彦 末黒野 201310  
太宰忌の水の濁りや草の丈 古川夏子 201310  
桜桃忌水底にある捨鏡 関根瑶華 201401  
木場堀の深さ目測桜桃忌 鈴木良戈 201408  
男ばかりのバーの止まり木桜桃忌 松本三千夫 末黒野 201409  
太宰忌やゴールデンバット買うてゆく 山田春生 万象 201409 三鷹禅林寺
太宰忌やひと日短冊書き散らす 永田圭子 ろんど 201409  
太宰忌の蛇口より水ほとばしり 荒井千佐代 201409  
桜桃忌シャツの裾もて拭く眼鏡 平野みち代 201409  
止り木に揺らすグラスや桜桃忌 阪本哲弘 201409  
隠沼のみどりの影や桜桃忌 中村ふく子 201409  
シャイといふ男の美学桜桃忌 高橋和女 春燈 201409  
太宰忌と気付く夕べやほととぎす 安斎久英 末黒野 201410  
仮の世は決め事多し桜桃忌 竹田ひろ子 ろんど 201410  
好きなことしてゐて不安桜桃忌 樋口英子 201501  
依頼したること忘れゐし桜桃忌 野沢しの武 風土 201503  
太宰忌やビールの泡に泡の音 吉田香津代 201505  
桜桃忌さめし紅茶をかこちけり 松橋利雄 春燈 201508  
雲切れて次の雲くる桜桃忌 宮内とし子 201508  
太宰忌や晴れのち曇り後に晴れ 神蔵器 風土 201508  
駿河台にわが青春の桜桃忌 神蔵器 風土 201508  
水蒼くゆつくり流る桜桃忌 水野恒彦 201509  
子供等の石蹴つて行く桜桃忌 鈴木良戈 201509  
大雨の家居となりぬ桜桃忌 福田雅子 万象 201509  
骨ばれる父の胡座や桜桃忌 平居澪子 六花 201509  
青春の返却期限桜桃忌 濱上こういち 201509  
つのる雨に猛る小流れ桜桃忌 大村仍子 雨月 201509  
おが屑に蠢く蟹や桜桃忌 安斎久英 末黒野 201510  
辟易の説に頷く桜桃忌 鈴鹿呂仁 京鹿子 201606  
酔歩なほ飲屋へはしご桜桃忌 大島寛治 雨月 201608  
B階の古き茶房や桜桃忌 平野みち代 201609  
月の出を雲に包まれ桜桃忌 浜福惠 風土 201609  
大宰忌に参じてひとり昼の酒 山田春生 万象 201609  
訛ある男を信じ桜桃忌 宮内とし子 201609  
深井戸に光揺れゐる桜桃忌 有松洋子 201609  
建前で生きてはいけぬ桜桃忌 江島照美 201609  
桜桃忌絶筆となる「グットバイ」 本田保 春燈 201610  
日に透かすグララの傷や桜桃忌 横川良子 万象 201610  
花は生き人は咲くべし桜桃忌 平野多聞 201709  
太宰忌や墓前にはづむ津軽弁 山田春生 万象 201709  
三通の診断書あり桜桃忌 林いづみ 風土 201709  
太宰忌の杭に絡みし水草かな 森田節子 風土 201709  
太宰忌の茨をうちて雨太し 小田司 馬醉木 201709  
病葉の落ちつぐ川面桜桃忌 清水節子 馬醉木 201709  
水切りの一跳びなるや桜桃忌 中島芳郎 201709  
桜桃忌車窓に大き津軽富士 木村みどり 春燈 201709  
語部の津軽訛や桜桃忌 新海英二 春燈 201709  
太宰忌や梅雨蝶二つ縺れゐて 正谷民夫 末黒野 201710  
太宰忌や顔を洗ひて顔忘る 神蔵器 風土 201712  
人間に失格は無し桜桃忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806  
玉川の過去は語らず桜桃忌 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806  
太宰忌や雲居はるかに朝の虹 安立公彦 春燈 201808  
ジョギングの鴨川デルタ太宰の忌 波戸辺のばら 201809  
屈託を溶かすか朝茶桜桃忌 塚本實 六花 201810  
桜桃忌鳶の翼の五指の見ゆ 篠田純子 あを 201810  
メルヘンを閉じてキスでしょ桜桃忌 寺田伸一 船団 201812  
太宰忌の差入といふ酒享くる 石川桂郎 風土 201905

『高蘆』「襖より

笠原朶来の腕

のみ出」

 

2019年6月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。