落し文 4       37句

落し文密書となって拾はるる   阿部寒林

作品
作者
掲載誌
掲載年月
絵タイルの美しき梵字や落し文 大川暉美 末黒野 201904
落し文乾き切つたる固さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
落し文濡れたるままをたなごころ コ田千鶴子 馬醉木 201909
城山の落し文なり狐雨 荒井一代 201909
風渡る山城跡の落し文 伊藤隆 201909
良きことのあるらし落し文ひとつ 林未生 201909
落し文通天橋より風立ちぬ 池田光子 風土 201909
富籤の宮に拾ひて落し文 丸尾和子 雨月 201909
宛先も風のみが知る落し文 菊池和子 京鹿子 201909
飛鳥路の寺の日向に落し文 荒川心星 201910
落し文晴のち雨にいそぐ恋 菊池和子 京鹿子 201910
裸婦像の伸ぶる手の先落し文 佐藤喬風 末黒野 201911
風そよと令和一号落し文 植村蘇星 京鹿子 201911
落し文三下半に違ひなし 角野良生 201912
うたた寝の文机にあり落し文 阪倉孝子 202008
かくしたき恋の一つも落し文 柴田靖子 202009
木洩れ日にあやされてをる落し文 柿沼盟子 風土 202009
落し文そのむね空に言ひそびる 菊池和子 京鹿子 202011
落し文里のポストに入れてきぬ 黒滝志麻子 末黒野 202011
落し文胸の鼓動を地に返す 長尾タイ 末黒野 202011
落し文異界のごとき巌流島 三井所美智子 202104
落し文鳩がしづかに歩み去る 倉澤節子 やぶれ傘 202108
参道に拾ひし神の落し文 門伝史会 風土 202110
鎌倉の谷戸の深きに落し文 赤石梨花 風土 202110
氏素姓秘めて巻かるる落し文 三上程子 春燈 202110
ぬかるみにまだ新しき落し文 横山光榮 202110
落し文耳をよせれば音のする 有賀昌子 やぶれ傘 202111
真相は腹に納めむ落し文 小林清彦 末黒野 202204
後朝の文かも知らず落し文 神谷さうび 末黒野 202208
落し文前略もなく早々も 由良則子 202209
午後の庭ひとり語りの落し文 菊池和子 京鹿子 202209
走り根は良き置き所落し文 宮澤靖子 末黒野 202209
落し文拾へと言はんばかりかな 辻美奈子 202210
ニュース用語に不可解多し落し文 枇杷木愛 202210
一行のわかれの言葉落し文 大西逸子 京鹿子 202211
落し文きりきり舞ひの自己主張 菊池和子 京鹿子 202212
落し文→ 1

 

2023年7月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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