落し文 1     100句

恋愛と全く無縁落し文    阿波野青畝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
追伸の一つならざる落し文
稲畑汀子
ホトトギス
199808
旅鞄より取出して落し文
稲畑汀子
ホトトギス
199808
大江山いく野の道の落し文
岩木茂
風土
199808
水汲場の明りの消えて落し文
松崎鉄之介
199808
一枝に五巻仕上ぐる落し文
吉永克巳
199808
草隠れして霊山の落し文
南波保子
199809
落し文嫁入りばなし出端かな
菊池和子
京鹿子
199901
三輪山のつづきの山の落し文
夏秋秋子
ヒッポ千番地
199905
白樺の風さらさらと落し文
村越化石
199908
首塚に山彦君の落し文
丸山佳子
京鹿子
199909
玄関の前で拾ひし落し文
服部幸
199909
日の当るところ選びて落し文
有吉桜雲
199910
預言者のものかも知れず落し文
菰田晶
199910
落し文人の秘めごと覗き度く
中村芳子
ホトトギス
199911
落し文風の便りといふ言葉
笹倉さえみ
雨月
200001
落し文去年のえにしの深まりし
鈴鹿百合子
京鹿子
200001
化野の誰も拾はぬ落し文
朝妻力
俳句通信
200008
落し文にて候封緘せぬもよし
中原道夫
銀化
200008
落し文そこに没日のとどまりぬ
山尾玉藻
火星
200009
海女通ふ径に拾ひし落し文
鈴木夢亭
春耕
200009
落し文ここだくありて読み切れず
北原東洋男
200009
山頂はいつもの夕日落し文
岡清秀
船団
200009
愛染坂転がりて来し落し文
加美明美
200010
落し文拳をひらくやうにあけ
中井和子
200010
また触れにけりポケットの落し文
大東由美子
火星
200010
封解けば古代文字やも落し文
鳴海清美
六花
200010
山門に巻のゆるみし落し文
倭文ヒサ子
酸漿
200011
みほとけの教への語る落し文
角直指
京鹿子
200011
哲学の径何書ける落し文
品川鈴子
船出
200104
論語知らず澁澤邸の落し文
品川鈴子
船出
200104
酔狂は詩心か落し文探す
久保田雪枝
雨月
200107
哲学の道の外れの落し文
久保田雪枝
雨月
200107
落し文巻葉をほどく意図ありや
榊原章一
雨月
200107
落し文ベンチに一つ忘れられ
熊谷みどり
いろり
200107
落し文一つ供へて曽良の墓
大橋敦子
雨月
200108
諏訪さの出雲恋しの落し文
大橋麻沙子
雨月
200108
文廃れし世嘆くかや落し文
大橋麻沙子
雨月
200108
牡丹句碑へ東照宮の落し文
脇本千鶴子
200108
桂郎の遺書もあるべし落し文
神蔵器
風土
200109
町石の百八十番落し文
池田光子
風土
200109
落し文小さき方を拾ひけり
伊藤和枝
百鳥
200109
落し文小学生に拾はれて
魚井満里子
百鳥
200109
諏訪にある出雲の神の落し文
大橋敦子
雨月
200109
葉脈の卍くづしに落し文
大橋敦子
雨月
200109
先々の誰にも合はず落し文
寺田善樹
風土
200110
板葺の灯篭屋根に落し文
谷野由紀子
俳句通信
200110
箒目の流れあたらし落し文
赤川孝子
200110
ゆるびつつ思ひはみ出す落し文
中村芳子
円虹
200110
埴輪見に夫と行く道落し文
松沢久子
いろり
200110
落し文白日のもと曝さるる
萩谷幸子
雨月
200110
知らずともよきこともあり落し文
萩谷幸子
雨月
200110
落し文誰か読みたる後ならむ
島貫アキ子
銀化
200206
「リス」のほか立入禁止に落し文
丸山佳子
京鹿子
200207
白樺の下の木椅子に落し文
村越化石
200207
樹下美人つまみて捨てし落し文
川名将義
銀化
200207
やうやくに齢重たし落し文
岡本眸
200207
おみくじも巻物仕立落し文
八染藍子
200208
セピア色のラブレターめく落し文
石田嘉江
200208
落し文ひらきて罪をひとつ負ふ
大橋敦子
雨月
200208
葉柄のここをつまめと落し文
辻直美
200208
落し文めつたやたらに落しあり
西山美枝子
酸漿
200208
宝前の落し文とて拾ひけり
小西石蕗
円虹
200209
国境粽結びの落し文
石田章子
200209
失恋の子の手に握る落し文
片岡祥子
200209
落し文葛城に夕迫りくる
渡辺周子
雲の峰
200209
義景の辞世か墓の落し文
密門令子
雨月
200209
境内や神も拾はぬ落し文
後藤志づ
あを
200209
落し文小字の地名口伝へ
小野寺節子
風土
200210
世に遠く恋にも遠く落し文
久保田雪枝
雨月
200210
落し文老ゆとも恋の歌好み
松林順子
雨月
200211
山鳴りに白鳥塚の落し文
松林順子
雨月
200211
その中に三行半も落し文
有吉桜雲
200212
落し文森の木霊のお告げとも
中谷藤房
200212
ほころびの見ゆるも親し落し文
橋本佐智
円虹
200212
落し文とどのつまりがもてあます
川上昌子
200212
農道の粗き舗装や落し文
鈴木喜三郎
ぐろっけ
200212
落し文にも朝の巻夕の巻
岡由順子
ホトトギス
200301
落し文子規なるや亦虚子なるや
藤浦昭代
ホトトギス
200302
葛城は雨に候落し文
伊藤とら
雲の峯
200307
松風に押されて拾ふ落し文
丸山佳子
京鹿子
200308
電子メール打つ世に拾ふ落し文
久保田雪枝
雨月
200308
落し文巻きの固きは密書めき
八木玲子
百鳥
200308
袋田の一日の遊子落し文
阿部昭子
遠嶺
200309
落し文巻き戻されてゐたりけり
桜井葉子
遠嶺
200309
経巻かれあるやもしれず落し文
斉藤小夜
風土
200309
落し文西行桜のもとにかな
田中佐知子
風土
200309
飛行船ふらつときたる落し文
天野きく江
200309
落し文拾ふて下る女坂
芝尚子
あを
200309
落し文拾ひてすぐに捨てにけり
芝尚子
あを
200309
高野山霊宝館前落し文
池田光子
風土
200311
落し文犬の巻毛に付いて来し
谷上佳那
百鳥
200311
神苑に風のまさぐる落し文
木村仁美
馬醉木
200311
起きてすぐ句を詠む心落し文
柴原保佳
ホトトギス
200311
落し文だらけのヒュッテなりしかな
柴原保佳
ホトトギス
200311
落し文巻ききれざりし思ひあり
今井千鶴子
ホトトギス
200312
源流の星に付け文落し文
河野美奇
ホトトギス
200312
巻き強くして鶯の落し文
足立幸信
200312
落し文すぐに掃かれてしまひけり
橋本五月
200312
まだ女恋ふ心あり落し文
稲畑廣太郎
ホトトギス
200407
弔問に行きそびれたる落し文
稲畑汀子
ホトトギス
200407
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2021年7月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。