落 葉 18     103句


猫の子がちよいと押へる落葉かな   一茶  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
落葉踏む音の家居でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201512
青垣の落葉してゐる紅葉とよ 山田六甲 六花 201512
諏訪山の落葉ふる音空に抜け 熊岡俊子 雨月 201512
光陰を踏みゆく思ひ落葉径 門伝史会 風土 201512
一日ごと想を違へて踏む落葉 平子公一 馬醉木 201601
踏みしめて雨の落葉に何を問ふ 和田照海 京鹿子 201601
落葉踏む音は父なり山羊ひいて 佐藤みち子 京鹿子 201601
落葉道かさこそかさと口ずさむ 和田政子 201601
押しつめて押しつめ込みし落葉籠 宮崎靖夫 201601
落葉積む堪へて育つか微生物 長崎桂子 あを 201601
脱衣場に落葉転がり来たるかな きくちきみえ やぶれ傘 201601
少しづつ日向へ落葉動きゆく きくちきみえ やぶれ傘 201601
落葉掃く明日の落葉は考へず 佐渡谷秀一 春燈 201602
落葉踏む詩人の遺書を読むやうに 川崎真樹子 春燈 201602
足元に落葉舞ひくる川原径 石原節子 春燈 201602
老年といふ寧けさや落葉焚 千手和子 馬醉木 201602
音に音重ねて行けり落葉みち 伊東惠美子 馬醉木 201602
逢へば又募る寂しさ落葉道 平野暁美 馬醉木 201602
落葉おちば片言の児が寄つて来る 松本鷹根 京鹿子 201602
落葉道懸命に掃く古老かな 谷岡尚美 201602
落葉掃くこの楽しみも余生かな 吉田順子 201602
落葉してあたたかき色拡げたり 小林愛子 万象 201602
集めてはまき散らす子の落葉かな 飛高隆夫 万象 201602
幼な子の走るや落葉追ひかけて 卓田謙一 万象 201602
吹き溜まる落葉に犬のころがりぬ 卓田謙一 万象 201602
錠剤はルビーの色や落葉期 阿部澄 万象 201602
落葉掃く乾きし音を集めつつ 宮本加津代 万象 201602
一年の早しと思ふ落葉時 宮本加津代 万象 201602
冬落葉踏めば靴底沈みけり 野口朝世 やぶれ傘 201602
落葉してかつと明るき稲荷かな 原田達夫 201602
落葉掃く邪慳の箒二度三度 山本無蓋 201602
木霊宿るや大欅落葉して 佐藤淑子 雨月 201602
踝を隠す深さの落葉道 大木清美子 201602
竹箒小箒総出落葉掻き 渕田則子 末黒野 201602
ご近所のクレーム受けて落葉掃く 出口誠 六花 201602
落葉掃く葉脈きれい自然界 長崎桂子 あを 201602
あんなにも高きを舞うて落葉かな 竹内タカミ 201603
落葉降る墓碑名おほかた艦船員 田川美根子 201603
落葉焚く煙に咽び挨拶す 山本漾子 雨月 201603
古墳へと続く小径の落葉踏む 多方清子 雨月 201603
境内の落葉日和や古着市 中田みなみ 201603
走り根に落葉のたまる城址かな 秋千晴 201603
ぬれそぼつ落葉に足をとられけり 石川叔子 201603
混沌の落葉は風の交遊録 奥田筆子 京鹿子 201603
芝の上落葉かさかさ語りをり 水谷直子 京鹿子 201603
落葉積む歴史の重み垣間見へ 前田美恵子 201603
小流れの落葉溜りに日のあまた 荒井和昭 201603
長老のここにも奉行落葉焚 相良牧人 201603
落葉袋踏んで叩いて首くくる 荒木甫 201603
欅落葉五百羅漢に降りゐたる 箕輪カオル 201603
落葉道踏みしめてをり試歩のひと 中下澄江 201603
明日こそは終りにしたき落葉掃き 中下澄江 201603
渓水の落葉晒してをりにけり 相良牧人 201603
静かなる音をあつめて落葉山 箕輪カオル 201603
落葉道淋しきときは音立てて 須藤美智子 風土 201603
軽トラに落葉を積んでゐるところ 大島英昭 やぶれ傘 201603
守衛所の屋根に重なる落葉かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201603
キャンパスに軽トラ屋台椎落葉 丑久保勲 やぶれ傘 201603
親子丼食べませうねと落葉焚 辻響子 201603
からまつの落葉しぐれや坂がかり 堺昌子 末黒野 201603
落葉の香土の香運ぶ瀬音かな 布施由岐子 末黒野 201603
朝な朝な先づ一番の落葉掃き 久保田優子 末黒野 201603
這松に落葉次々降りにけり 廣畑育子 六花 201603
灰神楽たてて終りぬ落葉焚 佐津のぼる 六花 201603
動力を持つかに落葉吹かれをり 橋本くに彦 ホトトギス 201604
村人とすぐ打ち解くる落葉焚 市村明代 馬醉木 201604
参道を落葉掻きするをとこかな 有賀昌子 やぶれ傘 201604
からまつの落葉道ゆく湖畔かな 有賀昌子 やぶれ傘 201604
防空壕いまもぽつかり落葉降る 萩原渓人 やぶれ傘 201604
腰痛を少時のことと落葉掃く 萩原渓人 やぶれ傘 201604
落葉踏むふんではならぬものの音 井上菜摘子 京鹿子 201604
カサコソと内緒ばなしの落葉かな 水谷直子 京鹿子 201604
雨樋の中を満たせる落葉かな 飯田ひでを 201604
残りたる葉を見上げつつ落葉掃く 白水良子 201604
くねりたる未踏の径の落葉かな 森俊人 201604
神の樹のうづまきながら落葉せり 植田洋子 201604
晩鐘や落葉が山を温めをり 田中素直 201604
反りかへりつつ火となれる落葉かな 佐津のぼる 六花 201604
吹かれては乾く落葉のころがれる 佐津のぼる 六花 201604
落葉風乾きつぐ日の土ぼこり 佐津のぼる 六花 201604
「白鳥の湖」落葉氷りゐて 田中佐知子 風土 201604
落葉径一人に時間止まりたる 湯川雅 ホトトギス 201605
枝折戸を押せば落葉の世界かな 黒川悦子 ホトトギス 201605
昨日今日明日も落葉積もる庭 黒川悦子 ホトトギス 201605
流水の旅に出でゆく落葉かな 若土白羊 ホトトギス 201605
背後より人来る気配落葉径 森清信子 末黒野 201605
現し世の櫂とし落葉箒かな 奥田筆子 京鹿子 201606
単純な暮し常盤木落葉降り 七田文子 201608
鈴掛の落葉踏みくる乳母車 瀬島洒望 やぶれ傘 201609
胸に齟齬抱きて戻る落葉径 木山白洋 馬醉木 201610
中腹の夜明けで庭のぬれ落葉 山田六甲 六花 201610
をちこちに落葉の飾る蜘蛛の糸 山田六甲 六花 201610
清浄な寺苑落葉をとどめざる 稲畑汀子 ホトトギス 201611
落葉して掃かぬ風情を楽しめる 稲畑汀子 ホトトギス 201611
見渡して落葉目の行く先落葉 稲畑汀子 ホトトギス 201611
落葉にも所在ありけり掃かずおく 稲畑汀子 ホトトギス 201611
掃く落葉拾ふ落葉もその中に 稲畑汀子 ホトトギス 201611
華やげる落葉の色を置く大地 稲畑汀子 ホトトギス 201611
雨に濡れ落葉華やぐ一とところ 稲畑汀子 ホトトギス 201611
徒労とも思ふ落葉を掃く作務は 稲畑汀子 ホトトギス 201611
落葉掃くことの叶はぬ雨の午後 稲畑汀子 ホトトギス 201611
ひるがへる朴の落葉に靴合はせ 成宮紀代子 201611
落葉して天地一切がらんどう 沼田巴字 京鹿子 201611
落葉→19      

 

2020年12月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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