朧 月 3     103句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ボヘミアングラスをひとつ朧月 山田暢子 風土 201305
露天風呂おぼろ月夜をひとり占め 田中清秀 かさね 201305
夕潮に中州も消えて朧月 川井素山 かさね 201305
金箔の面テの朧月夜かな 水野恒彦 夢寐 201306
朧月明石大橋暗く染め 岡野安雅 かさね 201306
朧月夜病衣の袖に風少し 鶴岡紀代 春燈 201306
湯の花に心身浸れる朧月 中貞子 201306
おぼろ月産科に突如嬰の声 竹内悦子 201307
朧月家路華やぐところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
鳴呼八十路快調不調の朧月 長谷仁子 春燈 201405
遺墨なる「常楽我浄」朧月 田中藤穂 あを 201405
朧月師の面かげを追ひ求め 中島知恵子 雨月 201406
おぼろ月あれが最後の息だった たかはしすなお 201406
唐橋のおぼろ月夜や船溜 西本育子 ろんど 201406
戸締りの手を止め仰ぐ朧月 服部珠子 雨月 201407
客引きを軽くかはして朧月 和田紀夫 201407
寝ねにゆく鹿の足並朧月 山田美恵子 火星 201407
お品書きに名物もやし朧月 鎌田悟朗 ろんど 201407
漱石の「こころ」読み終へ朧月 伊藤純子 201407
山城の浮かび上りし朧月 杉浦一子 万象 201407
燈を低く書き足す日記おぼろ月 土屋草子 ろんど 201407
朧月橋の一つの歩道橋 熊谷ふみを ろんど 201408
朧月吉野の招く一過客 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
庭に降りては人朧月朧 稲畑汀子 ホトトギス 201504
藁屋根の空家を照らす朧月 大谷治男 ろんど 201504
朧月新宿駅へ坂上る 丑久保勲 やぶれ傘 201505
飯櫃に飯たつぷりと朧月 加藤みき 201506
酔臥とは甦る死や朧月 松崎雨休 風土 201506
古新聞出すや朝の朧月 飛田典子 末黒野 201506
地図になき黄泉平坂おぼろ月 宮崎高根 201507
花舗しまふ水の音して朧月 松田泰子 末黒野 201507
客待ちのタクシーの列朧月 高橋均 やぶれ傘 201508
音たかき音無川やおぼろ月 井上石動 あを 201603
句心と女心と朧月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
朧月にも月蝕のありぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 201604
朧月皆既月蝕見えぬ空 稲畑汀子 ホトトギス 201604
励まむと思ふばかりや朧月 稲畑汀子 ホトトギス 201604
朧月や薬袋を抱き帰る 吉村摂護 201604
おぼろ月うす桃色に夜染める 出口誠 六花 201606
読終へて自問自答や朧月 深川敏子 春燈 201607
さなきだにうるむ老いの眼朧月 森清堯 末黒野 201607
送り出て残る静寂や朧月 加藤静江 末黒野 201608
異郷にて仲麻呂となる朧月 伊吹之博 京鹿子 201608
ボヤという子猫のなまえ朧月 寺田良治 船団 201612
夫在れば金婚式や朧月 渡辺やや 風土 201701
消えさうに消えさうにあり朧月 稲畑汀子 ホトトギス 201704
野の宮は風音ばかり朧月 橋添やよひ 風土 201705
朧月度忘れといふ良き言葉 宮崎高根 201705
山の端を出でしよりはや朧月 江木紀子 雨月 201707
牛乳を噛み噛み飲むや朧月 加藤みき 201707
洟かんで那の津流れの朧月 中島陽華 201707
まあいいかまあいいよ朧月ふんはり 有松洋子 201707
未来図にぼんやりと浮く朧月 犬塚李里子 201707
おぼろ月和毛つまりし猫の耳 岸洋子 201706
船笛の翳りて近し朧月 森清信子 末黒野 201708
約束はあつてなきもの朧月 岩田洋子 201708
伝説はおほかた怖し朧月 柴田志津子 201707
会ふことは別れのはじめ朧月 沼田巴字 京鹿子 201804
おぼろ月自分のゐない鏡見し 熊川暁子 201805
交番に届きし財布朧月 黒木東吾 やぶれ傘 201806
憂鬱は幾何学模様朧月 たかはしすなお 201806
葛藤をしばしあづけし朧月 藤田美耶子 201807
反魂香炷きたき朧月夜かな 宮井知英 201807
かぐや姫と朧月夜の糸電話 平野多聞 201808
人生の只今朧月夜かな 後藤比奈夫 ホトトギス 201809
念願の揺り椅子デッキに朧月 酒井たかお 201902
朧月母乳のやうな香りして 菊池和子 京鹿子 201905
没イチの時の長さや朧月 江島照美 201905
三毛猫の夜会があるや朧月 秋川泉 あを 201905
月の沙漠歌ひたくなる朧月 竹村淳 201906
曖昧な君の背よ朧月 厚芝唯菜 京鹿子 201906
シャム猫の死んだふりして朧月 川島由紀子 船団 201906
朧月万葉恋歌読み返す 石川東児 201907
ブランデー二杯と少しおぼろ月 秋山信行 やぶれ傘 201907
朧月朗読の子の声うるみ 黒滝志麻子 末黒野 201907
三更へ歓談つづき朧月 黒滝志麻子 末黒野 201907
酔ひ痴れてみたき日のあり朧月 岡田史女 末黒野 201908
ハミングの音包み込む朧月 佐藤日和太 船団 201910
朧月プリンはなめてから食べる 静誠司 船団 201910
朧月都市の休日見下して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
朧月海の重さおもひをり 佐藤喜孝 あを 202005
約束の改札出れば朧月 永田万年青 六花 202006
酔漢と擦れ違ふ路地朧月 石黒興平 末黒野 202006
足場用の黒きネットや朧月 滝口洋子 末黒野 202006
隠りゐる日々の長さや朧月 岡田史女 末黒野 202007
接吻キスをするその瞬間の朧月 出利葉孝 202007
この道に出合ひのあるや朧月 河ア國代 春燈 202007
漫ろ行くガス灯の街月朧 高木邦雄 末黒野 202008
大江戸に広ごる闇や朧月 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
朧月いつもの帰路を仰ぎつつ 稲畑汀子 ホトトギス 202104
句点打ち生るる余白月朧 岡野里子 末黒野 202105
風紋の砂丘の空や月朧 高木邦雄 末黒野 202105
屋敷神の朱の濃き鳥居月朧 長尾タイ 末黒野 202105
地に伏してのぞき見したる朧月 秋川泉 あを 202105
月朧波の上なる溶鉱炉 楠本和弘 202105
いくつもの別れの果ての朧月 石田静 202106
月朧志ん朝逝きてふた昔 金光浩彰 202106
表札に父の名いまも朧月 岡田史女 末黒野 202107
光源はかの世にありぬ朧月 河嵜祐二 202107
青き闇抱く竹林朧月 石原孝人 京鹿子 202107
吉野へと思ひはせたる朧月 山田閏子 ホトトギス 202108
案内図の町家のカフェや朧月 尾崎千代一 末黒野 202108
潮騒のタープのランプ朧月 伊藤鴉 末黒野 202108
省略に韻文きらり朧月 植村蘇星 京鹿子 202206
朧月ぶつきらぼうな文届く 綾戸五十枝 202206
上弦の朧月夜や庭に立ち 大庭美智代 やぶれ傘 202207
朧月筆が進んで夜が明けて 小巻若菜 やぶれ傘 202208
朧月二階に上がるもんじや焼 田邑利宏 202210
珈琲を淹れる手際よ朧月 鈴木崇 202210
遠き日の李香蘭ゐて朧月 塙誠一郎 家系図 202211
朧月→ 1

 

2023年3月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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