朧 月 2     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
砂浜をあるく鳥ゐるおぼろ月 鈴木多枝子 あを 200706
朧月川湯の宿に横座り 川畑はるか 遠嶺 200706
言葉さへ要らぬ夜となる朧月 坂本知子 酸漿 200707
垣間見る雲の彼方の朧月 牧原佳代子 酸漿 200707
朧月揚げてレトロの湯宿かな 中山勢都子 200707
里山に娘の色香おぼろ月 松嶋一洋 200707
朧月目覚めし刻の養命酒 木野本加寿江 火星 200707
おぼろ月猫に門限なかりけり 中村碧泉 ぐろっけ 200707
朧月震うて魚は卵生む 河崎尚子 火星 200707
朧月酌めば李白の心かな 網野月を 200801
幕降りて朧月夜を仰ぎをり ことり 六花 200803
朧月空の広さを曖昧に 稲畑汀子 ホトトギス 200804
合掌造りの屋根の勾配おぼろ月 石橋公代 春燈 200805
朧月憑かれしままの歩幅にて 丸井巴水 京鹿子 200805
妻子と出づる夜逃のごとし朧月 定梶じょう あを 200806
朧月教へ子打ちし蕎麦の味 岡田弘子 遠嶺 200806
幼児の指より眠る朧月 佐竹千代 やぶれ傘 200806
いつからか口癖ひょいとおぼろ月 西田敏之 ぐろっけ 200806
おぼろ月久しく父を訪れず 岡村尚子 ぐろっけ 200806
むささびのささやき合へり朧月 長田秋男 酸漿 200806
浅き夢見果てゐるごと朧月 山口天木 雨月 200807
朧月浮かれ五郎助谷渡る 鈴木勢津子 200807
朧月人に生まれて人に死す 川口襄 遠嶺 200807
残さるる栂の一樹や朧月 三谷道子 万象 200808
朧月しばらく峡の空渡る 今井千鶴子 ホトトギス 200809
東京の夜景に小さき朧月 安原葉 ホトトギス 200809
快晴の今宵は満ちて朧月 稲畑汀子 ホトトギス 200904
おぼろ月コンクリートの中に住む 篠田純子 あを 200904
縞馬の縞のほどけしおぼろ月 松本美智子 炎環 200904
本堂の真上にありし朧月 武田漣 炎環 200905
ドライ・アイもて朧月仰ぎけり 西川保子 春燈 200905
どの猫も黒猫となる朧月 赤座典子 あを 200906
新宿に潮滿ちてきし朧月 佐藤喜孝 あを 200906
朧月神を信ずる友明し 伊吹之博 京鹿子 200906
眠らねば逢へぬひとこふ朧月 丸井巴水 京鹿子 200906
さまよへる眼がふたつ朧月 水野恒彦 200906
縄文の土偶のをみな朧月 鈴木朗月 万象 200906
朧月法界定印結跏趺坐 高橋将夫 200906
川べりにきびすを返す朧月 熊谷かをる 200907
前山に灯るものなき朧月 廣瀬雅男 やぶれ傘 200907
手を揮つて此処に別るる朧月 岡村一郎 200908
おぼろ月捉へ華やぐ高き梢 稲岡長 ホトトギス 200910
朧月や古備前に挿す松と梅 石脇みはる 201003
朧月出てをりしかと問ふばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201004
鯉の水濁りて朧月夜かな 高倉和子 201005
口角は笑つてゐたよ朧月 永松輝美 ろんど 201006
切れ目なく二度の勤めへ朧月 能村研三 201006
おぼろ月蒸気のやうな音立てり 望月木綿子 201006
伽羅の香の縮緬おぼろ月夜かな 中島陽華 201006
隣家の明日は越しゆく朧月 峰幸子 201006
おぼろ月負け組同士道連れに 松川悠乃 ろんど 201006
鎌倉の闇の土牢おぼろ月 田中幹也 万象 201007
滲みつつ田水に写る朧月 宮田香 201007
校庭に青葉木菟鳴くおぼろ月 海上俊臣 酸漿 201009
乗合の舟繋がれて朧月 ことり 六花 201104
朧月空が好きなるあかんぼう 佐藤喜孝 あを 201104
むささびの俄に過ぎる朧月 山田六甲 六花 201104
朧月伐折羅大将相緩ぶ 松本峰春 春燈 201105
朧月影踏みもまたおぼろかな 中山純子 万象 201105
峡出づる水の匂へりおぼろ月 岡佳代子 201106
心音も海馬も朧月の中 吉村摂護 201106
鳴き真似に猫の振り向く朧月 西村節子 火星 201106
自問して朧月夜へ眉を上ぐ 風間史子 201106
家のみがもどる処かおぼろ月 服部郁史 京鹿子 201106
あきなひのあかりともせずおほろ月 坂本依誌子 春燈 201106
子等に無事伝へるメールおぼろ月 松嶋一洋 201106
天界に亡妻の道あり朧月 小島芦男 ろんど 201106
ふるさとに余震のつづく朧月 門伝史会 風土 201106
神苑の池に下り来る朧月 奥田茶々 風土 201107
城あらば滅びのドラマ朧月 松岡和子 201107
朧月賢治の詩を詰んじる 安井和恵 201107
指をもてなぞるはり戸の朧月 遠山みち子 201107
被災地の友の安否や朧月 菅野日出子 末黒野 201107
おぼろ月映す流れや桂川 高谷栄一 嵯峨野 201107
大地震ありたる夜半の朧月 今井千鶴子 ホトトギス 201108
朧月どぶろくならべ翁かな 小堀寛 京鹿子 201108
朧月外人墓地に低吟す 北村香朗 京鹿子 201110
九鬼山のふはと押しだしおぼろ月 井上石動 あを 201204
真夜覚めて西へ傾く朧月 稻畑汀子 ホトトギス 201204
朧月若草山にあがりけり 山路紀子 風土 201204
朧月峰に沈めて吉野山 稻畑汀子 ホトトギス 201204
災害の出口の見えぬ朧月 稻畑汀子 ホトトギス 201204
み吉野の朧月夜を更かしけり 稻畑汀子 ホトトギス 201204
一茶来よ今宵すみだの朧月 町山公孝 201205
近江路を傘寿の夫とおぼろ月 増田一代 201205
朧月夫婦で歩く小買物 高橋泰子 201205
背の児の寝息静かやおぼろ月 守屋扶美子 万象選集 201205
一村は生絹の中や朧月 天野みゆき 風土 201205
鍵廻す独り身の家朧月 櫻木道代 ぐろっけ 201206
軍服も軍靴も朧月夜かな 神谷耕輔 201206
伯林に一まい懸ける朧月 小堀寛 京鹿子 201206
おぼろ月山毛欅の林に移りけり 林いづみ 風土 201206
酔ひどれに通らぬ世俗朧月 森谷達三 春燈 201207
おぼろ月タワーの上を渡りけり 阿部泰子 春燈 201207
持ち帰る弁当の冷え朧月 山田美恵子 火星 201207
川端の屋台の地酒おぼろ月 神田惣介 京鹿子 201208
朧月青年麟麟のごとく寄る 吉田葎 201208
飲めばみな涙となりて朧月 頓所友枝 冬の金魚 201209
一村は生絹の中や朧月 天野みゆき 風土 201301
木星を潤ませ朧月夜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
朧月 →3      

 

2021年3月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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