野分 1       100句

見所のあれや野分の後の菊   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
野分あと乙訓に人たづねをり 田畑保英 火星 199810
野分けしてこの世に父の墓一つ 小澤克己 遠嶺 199811
青し青しと空撫づる葉よ野分後 林翔 199811
蹼がみづかきを踏む野分あと 中原道夫 銀化 199811
筋道をたて野分など來るものか 中原道夫 銀化 199811
低く飛ぶ野分の雲を浪が追ひ 宮津昭彦 199811
野分だつ逆白波や秀をとぶ鵜 千代田葛彦 馬醉木 199812
野分後の縫合の痕密男に 中原道夫 銀化 199812
人も野も影を濃くする野分あと 久崎富美子 199901
倒木のまざと赫しや野分あと 岡本眸 199902
野分後の遠漁火のひとつふたつ 高橋さえ子 199902
老人の押しよせて来る野分かな 今城知子 船団 199903
吾のいつも坐る石あり野分晴 小林鱒一 天牛 199904
野分まだどこかに残る草の音 藤崎久を ホトトギス 199906
さき立てて来るもの野分なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199909
あうあうと我も鴉も野分中 田中空音 海程 199909
野分後深きねむりに入りにけり 能村登四郎 199910

 悼 

一灯を消して三国の野分かな

山田弘子 円虹 199910
大野分蝦夷隼人のまつろはず 小林喜一郎 199911
いくたびか野分の通る馬の撓 中原道夫 銀化 199911
音立てて馬柵噛む馬や野分晴 皆川盤水 春耕 199911
眼中に野分の雲や秀樹逝く 皆川盤水 春耕 199911
病室に月あかるしや野分あと 朝倉和江 馬醉木 199912
隠沼の澄まず濁らず野分あと 栃内和江 199912
野分めく島に一ト日の旅終る 高濱朋子 円虹 199912
会津路の輪積みの桐や野分晴 遠藤アサ子 春耕 199912
縦横に舞台をうねる野分かな 本村照香 ホトトギス 200001
野分中コーデリア呼ぶ声すな 本村照香 ホトトギス 200001
暴れてもどこか寂しき野分かな 立村霜衣 ホトトギス 200001
終楽章コーダに入れる野分かな 立村霜衣 ホトトギス 200001
川中州四国三郎野分晴 浅井青陽子 ホトトギス 200001
川原に滑り下りたる野分かな 柴原保佳 ホトトギス 200001
乗り継ぎを待つ空港の野分晴 大久保白村 ホトトギス 200001
潮の香の礫となつて来る野分 眞木礼子 ホトトギス 200001
大胆な言葉野分に紛れ言 眞木礼子 ホトトギス 200001
ひと言を聞きのがしたる野分 眞木礼子 ホトトギス 200001
情熱も怖れも野分さらひゆく 河野万里子 ホトトギス 200001
鳴き声を野分と競ふビーグル 河野万里子 ホトトギス 200001
あらぬ物あらぬ方へと野分かな 稲岡達子 ホトトギス 200001
風道の草に刻まれ野分後 湖東紀子 ホトトギス 200001
野分後取りもどしたる空のあり 湖東紀子 ホトトギス 200001
筆入れに刃物のひかる野分かな 櫨木優子 200001
水平線野分のあとの脹ら脛 伊藤希眸 京鹿子 200001
音だけの闇夜の重き野分かな 野昭人 遠嶺 200001
人妻もその敵もゐて野分かな 河西志帆 京鹿子 200001
姪の婚待つに髪染む野分晴 平かつえ 200002
野分後の空に風船放たるる 藤井勢津子 200002
育毛剤たっぷり使ふ野分あと 田中藤穂 水瓶座 200002
風鈴の悲しく笑う野分かな 尾上有紀子 わがまま 200002
野分なか大夕焼の放屁音 貝森光大 六花 200002
青空を消してはひろげ野分雲 稲畑汀子 ホトトギス 200008
野分過ぎ去りたる庭のそのままに 稲畑汀子 ホトトギス 200009
野分避け来たる如くに旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 200009
船員も船酔遠州灘野分 稲畑廣太郎 ホトトギス 200009
草野球野分に味方されてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200009
掴みゐる砂に磁力や野分立つ 能村研三 200010
隠り沼に野分はしりの一雫 村上光子 馬醉木 200011
波に浮く欠航のびら野分だつ 穐好樹莵男 馬醉木 200011
野分して裏のがたろの思はるる 深澤鱶 火星 200011
野分なか頬紅の濃き婆がゆく 高松由利子 火星 200011
野分雲翔び去りわが身何失ふ 林翔 200011
野分晴烏の艶羽ひろひけり 阿部ひろし 酸漿 200011
蛸杉のいよいよそびゆ野分晴 阿部ひろし 酸漿 200011
野分中竹生の巫女に両手振る 水野邦夫 俳句通信 200011
鷄冠にてもの考へよ野分晴 中原道夫 銀化 200011
飯櫃の饐えたる匂ひ野分あと 石鍋みさ代 春耕 200011
穴があつたらもつと掘れ野分して 山田六甲 六花 200011
武者木偶に触れて野分を鬨ときく 島田万紀子 馬醉木 200012
何となく海を見に行く野分あと 中川朋子 円虹 200012
野分来る妙にはしやいでをりし子ら 中川朋子 円虹 200012
立ち直る草木の力野分あと 長山あや 円虹 200012
ゐるだけの鷺の輪になる野分中 大東由美子 火星 200012
西海の貝の夢見し野分晴 池端英子 200012
兎小屋戸板で囲ふ野分中 乾佐知子 春耕 200012
波の色変る余呉湖の野分かな 高野清風 春耕 200012
アルプスを浮かべ信濃の野分晴 清水谷法明 200101
野分波寄せて子不知親不知 清水谷法明 200101
野分あと書棚に探す第一集 小林あつ子 火星 200101
野分後の波に乗りたるかいつぶり 高村梢子 火星 200101
野分雲より快足の青年僧 林唯夫 海程 200101
野分かなヘブライ文字が飛んでいる 村山和子 海程 200101
これはこれは神の陰毛飛ぶ野分 吉田さかえ 海程 200107
長靴に腰埋め野分の老教師 能村登四郎 200108
雨傘が俄か日傘に野分晴 林翔 馬醉木 200110
村一つひつくり返し野分去る 松田都青 京鹿子 200110
マンションの灯の濃くなりし野分あと 木下節子 俳句通信 200110
野分去りぬ遠く眩ゆき熱海の灯 林翔 200110
野分後深きねむりに入りけり 能村登四郎 羽化 200110
危ふさの浮巣瀬に乗る野分晴 岩崎きゑ子 馬醉木 200111
野分過ぐ進学塾の灯の中に 宮川みね子 風土 200111
隧道に鍵のかけある野分かな 浜口高子 火星 200111
豆腐屋が豆腐のはなし野分あと 浜口高子 火星 200111
野分過ぐ夫のきれいな富士額 大山文子 火星 200111
塩昆布の塩吹いてゐる野分中 加藤真起子 火星 200111
野分立つ東寺の濠の水満てり 木村真魚奈 京鹿子 200111
野分あと犬に草笛聴かせゐる 澤本三乗 200111
継がでもの直情つぎし子や野分 渕上千津 200112
幼女一人現われ野分去りゆけり 立岩利夫 海程 200112
野分→ 2      

 

2021年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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