後の月 3     95句

後の月賢き人をとふ夜かな    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
快晴を夜につなぎたし後の月 稲畑汀子 ホトトギス 201410
後の月転居の友も仰ぎゐむ 白澤よし子 馬醉木 201412
雨上がり清清しくも後の月 滋野暁 末黒野 201501
墓を守るだけの古里後の月 東野鈴子 雨月 201501
喪の旅の帰りは遠し後の月 木村享史 ホトトギス 201504
寝まりたる盆地や後の月孤独 布川直幸 201510
後の月仰ぎ父はた母のこと コ田千鶴子 馬醉木 201511
羽衣をぬぎはじめたる後の月 山田六甲 六花 201511
橋渡る背に重たき後の月 小張志げ 春燈 201512
ハロウィンといふ馴染めぬ行事後の月 赤座典子 あを 201512
大欅の一枝おろし後の月 本多遊方 春燈 201601
再会を果たせぬ名残り後の月 粛藤晴夫 春燈 201601
母の忌を明日に大きな後の月 岸洋子 201601
白樺の幹さえざえと後の月 森岡恵子 万象 201602
後の月幾度もみつけ森を行く 渡邊孝彦 やぶれ傘 201602
後の月盆地の底に湯をつかひ 青谷小枝 やぶれ傘 201602
静まれる池面にゆらぐ後の月 久世孝雄 やぶれ傘 201602
徒雲の時をり隠す後の月 遠藤清子 末黒野 201602
山住みも六十年や後の月 安原葉 ホトトギス 201603
目を凝らし見て後の月ほの暗く 今井千鶴子 ホトトギス 201603
晴子忌の年尾忌の来る後の月 嶋田一歩 ホトトギス 201603
後の月仰ぎ忌心整へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
後の月句友の星を侍らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
一言に和む心や後の月 コ田千鶴子 馬醉木 201612
薄野に心さわだち後の月 伊丹さち子 馬醉木 201612
後の月ちんまりとある燕の巣 佐藤喜孝 あを 201612
老境のしづけさに坐し後の月 阪上多恵子 雨月 201701
後の月ひとしほ母の忌を厚く 丸尾和子 雨月 201701
猿股の柄は写楽よ後の月 雨村敏子 201701
深更の襟掻き寄する後の月 利國春美 馬醉木 201701
本陣のたたみ廊差す後の月 山本静 京鹿子 201701
格子戸や通し土間抜け後の月 山本静 京鹿子 201701
影踏んで影にふまるる後の月 笹村政子 六花 201701
扁平の明るすぎるよ後の月 高田令子 201701
鐘の無き火の見やぐらや後の月 宮崎高根 201701
客送り一人見上ぐる後の月 宮原悦子 雨月 201702
子は影を追うてばかりよ後の月 住田千代子 六花 201702
天動説ちよつと信じる後の月 金子正道 京鹿子 201702
十二妃に琴弾坂の後の月 山田六甲 六花 201710
後の月雌岡山(めっこうさん)を離りけり 山田六甲 六花 201711
父の手の厚きを憶ふ後の月 コ田千鶴子 馬醉木 201712
蔵町の蔵くろぐろと後の月 森岡正作 201712
父の忌のひと時を酌む後の月 吉田万喜子 雨月 201801
猫が来てきちんと座る後の月 藤井美晴 やぶれ傘 201711
尾根出づる時の逡巡後の月 定梶じょう あを 201801
思はざる米寿たまはり後の月 芝田幸惠 末黒野 201802
しじまなる谷戸の天心後の月 加藤榮一 末黒野 201802
父母の思ひは名前後の月 山中志津子 京鹿子 201802
後の月堀に映れる城低き 宮元陽子 末黒野 201804
胸奥に秘むる本音や後の月 尾野奈津子 春燈 201812
巌松に挑む白濤後の月 藤井寿江子 馬醉木 201901
残業の窓一枚の後の月 稗田寿明 201901
棒立ちのまま仰ぎけり後の月 齋藤朋子 やぶれ傘 201902
部活の子少なくなりて後の月 時田義勝 やぶれ傘 201902
港への人出果てたる後の月 和田慈子 末黒野 201902
賀状来たそれが最後の月明かり 江口九星 201907
後の月八坂に消ゆるうしろ影 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
星へ発つたましひひとつ後の月 安田優歌 京鹿子 201912
温泉が好きだつたよね後の月 山田六甲 六花 201912
緋縮緬解いてゐたり後の月 雨村敏子 201912
舫ひ船の波間にまろぶ後の月 稲岡みち子 雨月 202001
暮れ残る嶺に星連れ後の月 谷村祐治 雨月 202001
神杉の秀を際立たせ後の月 森清堯 末黒野 202001
後の月木曽にあがなふ黄楊の櫛 森田節子 風土 202001
飛鳥仏まとふ天衣や後の月 山本雅子 馬醉木 202001
後の月大いなる忌を待つ横川 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
嵐未だ続く気配や後の月 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
はれやかな鏡の顔や雨後の月 中田禎子 202011
たまゆらの灯火消えて後の月 里村梨邨 202011
癒されて厨あれこれ後の月 長崎桂子 あを 202101
裂帛の大鼓打てり後の月 今瀬一博 202101
鼻歌の近づいてくる後の月 藤井美晴 やぶれ傘 202101
長椅子に並んで仰ぐ後の月 浅嶋肇 やぶれ傘 202101
雲間より光ひと筋後の月 石原健二 やぶれ傘 202101
名刹の名鐘照らす後の月 大川暉美 末黒野 202102
浅はかを許されてをり後の月 滋野暁 末黒野 202102
源義の絶句や窓の後の月 小原紀子 末黒野 202102
貝殻を踏み来る音や後の月 荒井千佐代 202102
夫の夢聞かず仕舞や後の月 久米憲子 春燈 202112
文束を手枕に寄す後の月 鈴鹿呂仁 京鹿子 202112
雲抜ける度締りゆく後の月 小林輝子 風土 202201
仲見世の早じまひして後の月 青谷小枝 やぶれ傘 202201
後の月孤影濃くなる松の闇 鷺山珀眉 京鹿子 202201
後の月へとほどけゆく雲ありて 今橋眞理子 ホトトギス 202203
ふたたびは窓の内より後の月 今橋眞理子 ホトトギス 202203
逆打ちに見えぬもの見え後の月 山田六甲 六花 202210
夫の夢聞かず仕舞や後の月 久米憲子 春燈 202212
黒塀を曲がつた先に後の月 高橋宜治 やぶれ傘 202212
後の月会津盆地を眠らせて 藤野武彦 202212
ありし日の声思ひ出す後の月 久間早苗 202212
木星の影寄り添うて後の月 池乗恵美子 末黒野 202301
叢雲を広げ現はる後の月 古宇田伸子 末黒野 202301
病床日誌書き終へ仰ぐ後の月 和気登 春燈 202301
後の月志功菩薩の円き顔 坂井博 202301
独白の声の掠れや後の月 藤井杏愛 京鹿子 202301
だれも居ぬ部屋の窓にも後の月 出口誠 六花 202301
後の月→ 1

 

2023年10月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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