後の月 1     102句

後の月鴫たつあとの水の中    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いま下りし峰の暗さよ後の月
山田弘子
春節
199503
更けてなほ仰ぐ空あり後の月
稲畑汀子
ホトトギス
199810
晴れてゆく夜空ととのふ後の月
稲畑汀子
ホトトギス
199810
身を以て沈黙の金後の月
丸山海道
京鹿子
199901
うたかたのごとく配所の後の月
山田夏子
雨月
199902
いつまでも決まらぬ話後の月
北畠明子
ぐろっけ
199903
後の月湖荒れの舟戻り来し
中浜菌芽
京鹿子
199904
出会ひあり別れのありて後の月
稲畑汀子
ホトトギス
199911
誘はれて手の濡れしまま後の月
千田百里
巴里発
199911
後の月信濃の客を泊めにけり
山田弘子
円虹
199912
旅多くなりたる空や後の月
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
後の月榧の大樹に凭れをり
安原猶子
200001
後の月化野に入り狂ひたし
鈴木鷹夫
200001
晴れわたる空をろがめり後の月
菊地澄子
酸漿
200001
療養の須磨に雲間の後の月
田畑美穂女
ホトトギス
200002
後の月潮路遥かに浮み出で
田畑美穂女
ホトトギス
200002
ふたり立つ台所の窓へ後の月
尾上有紀子
わがまま
200002
「電話する」嘘ばっかりの後の月
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
みよしのの今宵いかにと後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200010
旅心いづこに仰ぐ後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200010
取戻す夜空今宵の後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200010
中天に雲寄せつけず後の月
阿部ひろし
酸漿
200011
後の月芭蕉の国に仰ぐべく
山田弘子
円虹
200012
ほったりと蕪村生地の後の月
大橋敦子
雨月
200012
平らかに数珠を睡らせ後の月
岡崎るり子
銀化
200012
畳屋に灯の点いてゐる後の月
佐藤麻緒
火星
200101
大皿を洗って仕舞う後の月
東莎逍
船団
200105
後の月満ち清浄の夜なるべし
稲畑汀子
ホトトギス
200110
稿債のなき日もあらん後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200110
梟の枝の濡れゐる後の月
山尾玉藻
火星
200111
公達の残せし鎌倉後の月
竹内芳子
あを
200111
灯を點けて茶店閉ぢあり後の月
安達しげを
船団
200111
ぼた山のひとつ離れむ後の月
竹川貢代
春耕
200111
茜射し後の月出で初めにけり
大橋敦子
雨月
200112
三重の塔くろぐろと後の月
越智秀子
雲の峰
200112
終の地と決めているなり後の月
浅井千鶴子
いろり
200112
もの白く見ゆるに飽きし後の月
深澤鱶
火星
200112
後の月のみの明るさ笛鼓
黒坂紫陽子
馬醉木
200201
公達の笛を脱け出る後の月
村上瑪論
銀化
200201
巾着を木にあづけけり後の月
石脇みはる
200201
瓔珞の辺の明るくて後の月
雨村敏子
200201
出雲に神話人に歴史や後の月
中島知恵子
雨月
200202
雲州の空深くして後の月
大石喜美子
雨月
200202
後の月飯盛山を離れたる
二瓶洋子
六花
200202
後の月気づかぬ母に教へけり
桜井ともや
六花
200202
金魚田に水の皺あり後の月
城孝子
火星
200202
「坊ちやん」の泳ぎし外湯後の月
高尾豊子
火星
200202
後の月三瓶の遊子如何にやと
落合由季女
雨月
200203
四畳半カーテン越しの後の月
松本文一郎
六花
200203
甲板の二胡の奏者や後の月
池田冨美
帆船
200210
法螺貝の音の籠りぬ後の月
田中英子
火星
200212
山頭火句碑をいたはる後の月
上野孝行
百鳥
200212
せめてもの鯛さし後の月は雨
大橋敦子
雨月
200212
とびとびの眠りも後の月のころ
藤井昌治
200212
ほの見えてすぐ隠れたる後の月
小林清之介
風土
200301
床下に寝かす梯子や後の月
井口ふみ緒
風土
200301
後の月並ぶ傘亭時雨亭
井口ふみ緒
風土
200301
後の月クラリネットを聴いてゐる
平田倫子
百鳥
200301
漆黒の板敷濡らす後の月
松本恭昂
火星
200302
伊勢伊賀路二日の旅や後の月
中島知恵子
雨月
200302
かき筏のたりと揺れて後の月
宮井保八郎
帆船
200310
うじうじはもう捨てたはず後の月
伊藤白潮
200311
明るしと見れば雲間に後の月
河野政恵
酸漿
200312
船波の浦にひろがる後の月
荒井千佐代
200312
姫神山へ放り上げたる後の月
根岸善行
風土
200401
目の縁の紅のひろがり後の月
雨村敏子
200401
静臥位といふてつつしむ後の月
井上信子
200401
後の月母に恙のつづきけり
金川眞里子
百鳥
200401
ただ祈るのみの二拍手後の月
泉田秋硯
200401
ふる里の山に傾き後の月
慈幸杉雨
200401
人形に涙のあとや後の月
志方章子
六花
200401
後の月少し歪に上りけり
志方章子
六花
200401
後の月母と語りし窓辺かな
松山正江
河鹿
200401
草原となりし多摩湖の後の月
高橋清
草の花
200401
振り返る八十余年後の月
西村梼子
ぐろっけ
200401
先逝きし友を指おる後の月
西村梼子
ぐろっけ
200401
後の月いくたび夜空仰ぎしか
稲畑汀子
ホトトギス
200410
なほ満つる心華やぎ後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200410
独酌につまみはいらず後の月
中村房江
六花
200410
没るを見き七日を数ふ後の月
大橋敦子
雨月
200412
後の月砧の銘の茶杓かな
芝尚子
あを
200412
またもとの道に戻りぬ後の月
林裕子
風土
200501
列島に悲嘆つぎつぎ後の月
長崎桂子
あを
200501
かそけくも富士山頂の後の月
徳田正樹
河鹿
200501
子が育ち涙法師の後の月
中島陽華
200501
坐る松立てる松あり後の月
浜口高子
火星
200501
種まきし土匂ひけり後の月
城孝子
火星
200501
体内にけものみちあり後の月
柴田朱美
京鹿子
200501
一滴の目薬に澄む後の月
沼口蓬風
河鹿
200502
どの辻にも違はずありし後の月
丸山照子
火星
200502
後の月山陰道は山また山
稲岡長
ホトトギス
200503
後の月雲に隠れし情かな
稲岡長
ホトトギス
200503
古の柱に集う後の月
佐藤利夫
200504
箕にもりて供ふるものや後の月
瀧春一
菜園
200509
布團から疊に移る後の月
佐藤喜孝
あを
200510
焼き飛魚の鰭香ばしや後の月
築城百々平
馬醉木
200512
章鬼亡し同じ湯にゐて後の月
神蔵器
風土
200512
蔵のバー出づれば後の月に逢ふ
天谷翔子
火星
200601
後の月見たかと朝を問はれけり
御橋忠一
200601
小夜更けてわが窓を訪ふ後の月
若江千萱
雨月
200601
とつおいつ雲のまにまに後の月
溝内健乃
雨月
200601
新居とて終の栖や後の月
三由規童
雨月
200601
摩天楼墓標めきたり後の月
三由規童
雨月
200601
奉納の笙篳篥や後の月
稲次登美子
雨月
200601
謙信の「望郷」の詩や後の月
沼口蓬風
河鹿
200602
川面へ石蹴る女後の月
濱崎悪美子
河鹿
200602
天心をすこし下りし後の月
竹下陶子
ホトトギス
200603
湖渡る迅さありけり後の月
吉年虹二
ホトトギス
200603
後の月かかげし佐渡の能舞台
駒井でる太
200605
旅空に仰がん後の月とこそ
稲畑汀子
ホトトギス
200610
よるべなき闇を統べたる後の月
稲畑汀子
ホトトギス
200610
後の月2→

 

2021年10月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。